レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2016/12訪問 2016/12/26
【2016/12/10】 Café Frère
「弁当忘れても傘忘れるな」という確言があるぐらいの雨の降る金沢。
金沢の冬は天候が変わり易く晴れていても突然雨や雪が降ってきたり、突然晴れ渡ったりと移り気なので、傘を携帯する事が必須です。でも最近は街中に「置き傘サービス」とか言うのがあって金沢も随分観光客に気を使ってくれるようになって来たようだ。
この日も駅からタクシーに乗る頃に突然みぞれが降って来た。
それにめっぽう寒い。
用事を済ませた後はいつもならバスに乗るか徒歩で金沢市内を観光するのだが、この日は金沢に観光に来たのじゃないし、みぞれも強くなり寒さも増して来たので、タクシーを呼び出して昨年訪れる事が出来なかったカフェに直行してみる。
場所は尾張町1丁目。
近江町市場から歩いてひがし茶屋に行く途中、もう少しで金沢文芸館が角に建つ橋場町交差点の少し手前の所にある。カフェの名は「Café Frère」という。近くには金沢蓄音器館、泉鏡花記念館、金沢文芸館、主計町茶屋街など金沢の一級の施設があり、江戸時代の伝統文化と明治時代のモダンが入り混じった金沢のメインストリート(武蔵が辻交差点から橋場町交差点)だと思われる道沿いにあって、金沢を歩き廻る時の休憩場所にするのには打ってつけだ。かつては前田家の出身地だった尾張から来た商人、職人が住んでいた所らしい。
昭和5年(1930)に建てられ国登録有形文化財、金沢市指定保存建造物に指定されている洋館にある。
表側は「ギャラリー三田(三田画廊)」というギャラリーになっていて、横の小路を少し入った所にカフェの入口がある。この「ギャラリー三田」は金沢を訪れる機会があれば必ず行かれる事をお勧めしたくなるようなギャラリーで、絵画は日本の洋画家の作品やルノアール、ピカソなどの絵画、九谷焼や伊万里の焼物、甲冑なんかも展示されている。非売品も多く手が届きそうにもない物ばかりだが、見ていて楽しい。
入口の上にはステンドグラスが嵌められ、左側には履物の雪を落とす為の石が置かれていた。
「香り高い珈琲をどうぞ」と書かれたカフェの入口にもステンドグラスが嵌め込まれている。
ドアを開いて入って行くと壁に金属製の馬の首が付いた外套掛けがあったが、店内で何と言っても目を引いたのは何枚ものシャガールのリトグラフの額装。入ってすぐ右には個室があるらしい。座るのは長い木製のカウンター席。奥にもステンドグラスが壁に嵌められた個室があった。入口の右にあった個室は実は小さな会議室位の広さがあり道路から見えた丸い窓の壁になっていた。そしてその部屋に飾られたシャガールは何れも非売品で素晴らしく出来の物だった。一体このカフェにはシャガールが何点飾ってあるのだろう。カフェと言うよりシャガールのリトグラフの画廊と言う趣。
頂いたのはブレンドコーヒーとケーキ。
ケーキセット 700円
どこのケーキかは判らなかったが、御主人のスマートなサービスぶりをみて恐らくホテルでのご経験があると思われたので、きっとこのケーキも名のあるケーキ屋さんの物だろうと思った。
珈琲も一杯づつ淹れられた美味しい珈琲だった。
「Café Frère」は2005年のオープンだが、その前の20年位は違う喫茶店が入っていたらしい。
学生の頃、まだ金沢城に金沢大学があった頃に毎年11月3日の学園祭に来ていて、当時の教授から転学して来ないかと誘いを受けた。11月の内灘から見の海と低い雲を半日ほど見ていてやっぱりこの街には住めないなぁと思って移って来る事を止めた。あの時、転学して金沢に移り住んでいたら、週に2,3度はこの店を訪れたのに違いないと思った。
これから近江町市場に行って蟹を発送しなくてはいけないのだが、
本当は寒い金沢の市中などを歩き廻らずここでずっと居たい気がしていた。
3位
1回
2016/03訪問 2016/03/10
【2016/03/03】 薮蕎麦 宮本
今回の静岡散策の目的はここ「薮蕎麦 宮本」でお蕎麦を頂く事。
東名吉田ICで高速を降りて一般道を約5分程度でお店に着いてしまう場所にある。
時間は12時少し前だったのが良かったのか、店の前には5台分ほどのスペースがあったが先に一台しか入っていなかったので直ぐに駐車する事が出来た。
お店は古い民家を使っているようだ。藍色の地に白く染め抜かれた注連縄(しめなわ)の暖簾を潜って中に入ると玄関口がある。
暖簾の注連縄はどういう意味があるのだろうかと考えながら玄関を入るとお雛様が飾ってあった。
但しあちこちに「店内撮影禁止」となっているのでお店に入ってからの写真は撮る事が出来ない。
こんにちは。
女性が出て来て古民家の座敷に通される。
店内には左右に座敷は幾つかあるようで机ごとに一組の客が座るようになっているようだが、混みあう時には相席もあるそうだ。
白熱灯の淡い光の中、品書きを見る。
いろいろ検討したが、
かもざる 2,400円
手掻きそば 850円
天だね 1,650円
を注文してみる事にした。
そばはすべて自家製粉で手打。
玄そばは契約農家で作って貰っているそうだが産地によって味に変化があるそうだ。
但しこの日のそばがどこのものかは判らなかった。どこかに書いてあったのかな。
そばがき(そばずし も)は予約制になっていた。席とそばの予約は出来ないと聞いていたので電話をしなかったのになんて事でしょう。
子供が頼んだのはかもざる。鴨せいろでない所がなにか意味がありそう。
私が頼んだのは手掻きそばと天だね。それには訳があって天ざるはつけ汁が温かいものらしく、手掻きそばを頼んで冷たいそば汁で蕎麦を頂き、手掻きそばだけだとチョット寂しいので天だねも頼んだという事だ。天ざるの汁は蕎麦用と天ぷら用が同じものなんだろうか。しかも温かいと言うのはちょっとなぁ。
注文をすると時にお料理の写真を撮りたいと聞いてみたが、残念な事にお料理も撮影禁止であると言う事だった。で、食べた物を詳細を覚えてはいないのだ。悪しからず。
天だね
小さなプリプリの海老のかき揚げに暖かい汁に薬味に大根おろしが付いて来る。
それに一本、行者大蒜の天ぷらが添えられて来た。
かき揚げを二人で分けて食べた。
かもざる
鴨汁が出て来ると思っていたら違った。
鴨5枚とねぎ焼きが別皿に盛られて来て、厚く切られた鴨は味が付いていないので
つけ汁に付けて頂くように言われる。
蕎麦は白く量が少ない。
薬味は大根おろし、晒しねぎ、山葵、原了郭の黒山椒。
ちょっと貰って食べたがつけ汁は甘く、柚子が入っていた。
鴨は期待に違わず素晴らしく美味しいが葱がそれを増して美味しい。
手掻きそば
少し黒いそばで、そば汁は辛め。
汁は普通の汁と‘江戸つゆ‘という江戸藪そば系のから汁も選べる。
という事はこの店は藪系なの?
蕎麦は毎日手で石臼を挽いて作っているので数に限りがあるそうだが
この日は運が良かったようだ。
薬味はねぎ、生わさびを擦った山葵だけ。
蕎麦は二口三口しかなかった。
隣りの座敷にサラリーマン二人がいらした。
最初からそばの量についてはご存知だったようでお二人共既に3枚目を食べていらっしゃった。
という事で、我々もそばのお替りを注文する事にした。
おかわり 650円 × 2枚
先に手掻きそばを頂いた私にはお代わりは普通のそばにしては如何と謂われ
お替りは普通のそばにしてみた。
食すと普通のそばの方が硬くしっかりした食感だった。
どちらが好きか言えば私は手掻きそばの方で、子供は普通のそばの方だった。
天ぶらのつけ汁にも蕎麦湯を入れて飲んで下さいと勧められたので、
天ぷらのつけ汁とそば汁と両方にそば湯を入れて飲んでみた。
そば湯は蕎麦粉が沈殿していて少し白濁したそば湯だった。
写真を撮れなかったので記憶だけでレビューを書くのは辛い。
文章作成能力が劣るため、写真ほど料理の味に説得力が出ない為だ。
メモも取らず写真も撮らないでレビューを書いているレビューアは凄いですね。
信州、茨城、山形、北海道、九州と行ってみたい蕎麦屋は多く残っているが、信州は県中央道がもう少し完成しないと行き難いし、茨城は混む東京を通過する必要があり、山形、北海道、九州は遠すぎるので、静岡に美味しい蕎麦屋が見つかると嬉しい。
4位
1回
2016/06訪問 2016/06/27
【2016/06/24】 さぼうる
昔、古本屋巡りの帰りや、スキー用品を買いに来た帰りによく珈琲やジュースを飲みに来た山小屋風の造りの喫茶店。創業昭和30年(1955)の神保町で今でも続いている老舗喫茶店の一軒。4月15日で61年目になったそうだ。夜にはアルコールも飲める。
最近はこの何ともレトロ感が人気なのか平日でも店頭に人の列が出来るようになって来ている。
特に週末にはかなりの人の列が出来るので入りたくとも入れない状況だ。
この日は神保町に10時半に着く。朝は9:00に開店するので10時半では混んでいるかなとお店の前まで来ると全く人の列は出来てなくてすんなり入れた。入口近くに赤電話がまだ置かれていた。
階段を昇った席を指定されたので、二人掛けのちっちゃなテーブル席に坐ろうとすると、四人掛けのテーブルに座っても良いとの事。金曜日だとお昼近くになっても混まないのかなと、多少恐縮しながら席に着く。
コーヒー 400円
珈琲を飲みながら文庫本を読んでいると、氷屋さんからビニール袋に入れられ何斤もの氷を届けに来ている事に気付いた。氷屋さんは持って来た氷をキッチンに入って冷蔵庫にセットしてから、現金で支払いをして貰い、スタッフが淹れたアイスコーヒーを飲んで帰って行った。この店は今も昔の通り氷を買っているのだと思う。アイスピックで割った氷で作ったアイスコーヒーやウイスキーのロックはお店の製氷機で作った氷より美味しく出来る。
店内にキリンラガーのポスターにここの店長の鈴木文雄さん(もう御年82歳になられているはず)が写っていた。今も入り口で鈴木さんが全てを取り仕切っているが変わらぬ風景だ。紺の毛糸のベストと水色のカッターもいつもこのスタイルなのかな。表通りを通る知り合いと挨拶をされて。
もう61年(創業1955年)続いている光景なんだろう。
せっかく朝に来て並ばずに入れたのだからやっぱりモーニングセットを頼むべきだったと思った。
列を並ぶのが嫌いな私はもうナポリタンは食べられないだろう。
支払を済ませて表に出てみると、打ち水をされた入り口で鈴虫が鳴いていた。
この店も名前の通り「SABOR=味」ある店になった物だ。
5位
1回
2016/05訪問 2016/06/13
【2016/05/24】 臨済宗 大本山 妙心寺 退蔵院
4月12日から5月22日までの間、京都では禅寺の一斉拝観が開催された。
京都にある禅寺65寺が対象になっており、国宝級の絵画を鑑賞したり普段非公開の場所などを訪れる事が出来た。
残念ならが日付がずれてしまったので今回は廻る事が出来なかったが一部の寺院を訪れてみた。
京都で禅寺と言えば、大徳寺、妙心寺、南禅寺、相国寺、建仁寺、龍安寺、天龍寺辺りが有名だが、
今回は非常に暑い日であったために南禅寺と妙心寺を訪れた。
妙心寺は妙心寺搭頭の大心院で庭を見ていた所、心地良い風に吹かれて昼寝をしてしまった。起きた後に妙心寺搭頭 退蔵寺を訪れる。退蔵寺には「余香苑」と言う庭があり、春は椿、満作、木瓜、紅しだれ桜や藤、夏は花菖蒲、紫陽花、睡蓮、秋は萩、金木犀、紅葉、冬は山茶花、梅が美しい庭を見る事が出来る。
「茶席 大休庵」で
季節限定 グリーンティー 桜の干菓子‘余香桜’ 付
を頂く。
冷房が効いた茶席から余香苑を眺めながら氷で冷えたグリーンティーと和三盆で作られた桜の干菓子‘余香桜’を頂く。あいにく退蔵院オリジナルの‘もちどら’は品切れになっていたが暑い中を歩いたので冷たいグリーンティーが美味しく感じられた。
「余香苑」は素晴らしく手入れの行き届いたお庭で紅しだれ桜、藤、紅葉の季節にまた訪れてみたと思った。
6位
1回
2016/03訪問 2016/04/28
【2016/03/17】 Jazz & Cafe BIRD
今から2年半から3年程前に鎌倉・由比ケ浜大通りを歩いていた時、イタリアンの「オリヂナルジョーズ 」の少し手前にある駐車場の奥の方に見える青い家の壁に「BIRD」と書かれているのを見つけた。その時はその建物には近づかず帰宅してそこがJazz喫茶店である事を知った。その時からずっといつか行って見ようと考えていたのだった。
「パティスリーMIWA 」と「笹屋米店」の間にある狭い路地を入って行き、右に折れる路地を入ってすぐの所に店の正面入り口があった。鎌倉の住宅街の中の一軒家だった。
案内の立て看板を見てからエントランスを進むと自宅用のドアとお店用のドアがある。お店用のドアの中央に何故か長刀鉾の粽が掛けてある。鉾の粽は玄関の上に飾って置く物なのだが鎌倉の方はご存知でないようだ。
御主人は私より一回り近くお歳を召されているように思った。会社をリタイアしてからこのお店を開き、今年で11年目になるそうだ。最初の頃は「BIRD」という名の店だとお客が全然来なかったらしい。BIRD(=Yardbird)と聞くとJazzファンだったらそれがアルトサックス奏者のCharles Parker Jr(チャーリー・パーカー)の事を意味し、その店がJazzに関する何かの店である事は連想できるはずなのだが、鎌倉にはそのような人はいなかったというか、少なくとも近くにはいなかったらしいのだ。それで表に「JAZZ & CAFE」という立て看板を立てたり、看板に‘cafe'と入れたりしたのだそうだ。鎌倉にはジャズクラブが「八十小路」のそばに一軒 だけあるけれどJazzの愛好家は少ないのだろう。
一般住宅の一角をお店にした感じだ。
客席はカウンター席か5席とスピーカシステムの間に2人用テーブル席が待機用のように置かれている。喫煙可能。
このお店のシステムはデンマークの Bang&Olufsen のBeoSound 9000 CDプレイヤー & BeoLab 6000 Loudspeakersシステムを使っていると思って来た。Jazzのお店では非常に珍しい構成。しかし今日確かめてみると2組のSpeaker Systemが置かれていて、BeoLab 6000の横でBeolab 18 speakersが鳴っていた。しかも素晴らしい音で。BeoSound 9000はもうとっくに製造中止になっていて売っていないが、Beolab 18は今でも手に入る現役のSpeakerだ。CD PlayerとSpekerはBeolink(Bluetoothと同じ感じ)と呼ばれるシステムで結ばれており無線で音を飛ばし、アンプが内臓されているBeolab 18(Speake System)側で増幅して音を出している。
店内の壁にはHerbie HancockとMiles Davisの生写真。しかもマイルスは珍しくも上を向いてトランペットを吹いている写真や、シャガールの[エルサレムウインドウ/燭台]のリトグラフ、フジコ・ヘミングの版画[ピアノの練習・夜に]、お孫さんが書いた絵も掛かっていた。
スペシャルコーヒー
ガトーショコラは売り切れていたが「作ろうか」と奥に入ってスウィーツを作って下さった。一皿に紅茶のバームクーヘンのCutに粉糖が振られ、鹿児島産のたんかんを甘く煮たものとアイスクリームが添えられている。
コーヒーはサイフォンで一杯づつ淹れて貰える。
Beolab 18の音は素晴らしい。1.5m位の距離で聞いているのでお腹にも響くほどの音が出る。
それからがJazz談義が始まる。
ここはビバップがお好きみたいだなぁと思っていたら、何枚かのCDを聞いて最後は50年代のスタンダードでメロディアスなモダンジャズが中心になった。ご主人は流石にJazzの知識は豊富な方だ。年代が少し違うので中心となる年代が違うのだが、幾つも知らなかった事を教えて頂いた。
スペシャルコーヒーを追加して貰って約3時間位お邪魔してただろうか。
そして今日は本当に贅沢な一日を過ごした。そしてまた鎌倉に来る理由が出来たように思う。
7位
1回
2016/03訪問 2016/03/12
【2016/03/03】 山本屋本店 大門本店
名古屋で本家と元祖争いが幾つかある。
名古屋名物の味噌煮込みうどんの「山本屋総本家」と「山本屋本店」、櫃まぶしの「あつた蓬莱軒」と「いば昇」、などなど。
‘ういろう’なんかはもっと複雑で名古屋の「大須ういろ」と‘「青柳ういろう」の他にも小田原、京都、山口にもあるから手に負えない。
その中でも名古屋ではやっぱり‘味噌煮込みうどん’が一番目立つのだと思う。
‘味噌煮込みうどん’の事を一番最初に知ったのは今から35年程昔。鈴鹿で開催されるF1日本GPに車で観戦に行く途中に名古屋に立ち寄り、たまたまお昼を食べに入ったお店が「山本屋総本家 本家」だったのだ。
その時はまだ名古屋の味噌煮込みうどんを食べた事がなく、粉をふくような硬いうどんが土鍋に入っていてしかもまだ慣れていない八丁味噌の出汁だったので驚くやら呆れるやらだったのだが、食べ進むうちにこれは美味しい食べ物だと言う事が判ったのだった。
それから仕事でJR名古屋駅を経由する時や関西に行き帰りのどちらかに途中下車したりて必ず名駅(名古屋では名古屋駅の事を名駅と呼ぶ)の新幹線地下街エスカで「山本屋本店 エスカ店」で‘味噌煮込みうどん’を食べるようになった。つまり本家と元祖争いの両方の店に行っていたと言う事だった。
今回は「山本屋本店」の本店の大門本店を訪れてみた。
場所は太閤通の大門交差点の横。
廻りは名古屋の古い街並みの中にある。
広いお店に入ってみるとまだ夕飯時には早い16時過ぎだったので先客はいなかった。
品書きから名古屋コーチンの味噌煮込みうどんを選んだ。
味噌煮込みうどんには、スタンダードな物、かしわ入り、名古屋コーチン入り、天ぷら入り、黒豚ロース入り、豆腐とささみ入り、スタミナもつ入り などいろいろなバリエーションがある。冬の今は牡蠣入りもあった。
以前エスカ店では「名古屋コーチン入りは高いから名古屋の人はあまり頼まなくて頼むのは観光客だけですよ」と言われた事があった。
名古屋コーチン味噌煮込みうどん
ご飯付き ¥1,850
生玉子なし ¥1,750
ポテトサラダ ¥300
因みに味噌煮込みうどんには生玉子が必ず入っているので、それを食べられるかどうか聞いてくれる。子供は生卵の白身が苦手なので生玉子なしを頼んだ。私はご飯も食べたかったのでご飯付きを頼む。
最初に箸休めの為の大量な漬物が出て来た。
漬物の内容は、白菜、蕪、胡瓜のそれぞれの浅漬けとなぜか生姜の擦ったものが大皿に入ってきた。味噌煮込みうどんを頼むと無条件に付いて来るようだ。しかも漬物を途中まで食べてしまうと「お代わりしましょう」と言われて同じ量の漬物を追加してくれるから嬉しい。
ポテトサラダはハム、胡瓜、人参、ポテトがマヨネーズで和えてある普通のポテトサラダ。ポテトは‘男爵いも’と‘北あかり’の二種類を使っていて美味しい。あっという間に二人で完食。
次がやっと‘味噌煮込みうどん’のお出まし。粉がふいているようなうどんで別に茹でているようではないのに作るのに以外と時間が掛かるのだ。食べ方はエスカ店で習って知っている。蒸気抜きの穴が開いていない土鍋の蓋を皿代わりにうどんを入れて食べる。うどんは長い。うどんの具はコーチンの切り身が幾つか、蒲鉾が2枚、ねぎと生玉子、お揚げ。お出汁は八丁味噌色だが八丁味噌一種類だけではない事は想像が出来る。
暫くすると生玉子の黄身が半熟の煮卵のように鼈甲色になって尚一層美味しい。
うどんを食べ終わると今度はご飯を茶碗から鍋焼きの鍋の蓋に移して味噌煮込みうどんの出汁を入れて一緒に食べる。この食べ方もエスカ店で教わった物だが、間違いなく美味しい。
子供はもう一杯食べられると言っていた。実は「山本屋総本家」の贈答用‘生煮込みうどん’を小さい時から良く食べているので名古屋の味噌煮込みうどんには慣れているのだ。
次回の名古屋訪問では「山本屋総本家 本家」にも行こうと思う。
「山本屋本店 大門本店」は名駅を挟んで西側に、「山本屋総本家 本家」には東側に分かれているのも面白い。
8位
1回
2016/07訪問 2016/07/25
【2016/07/20】 BOLANGERIE Lecrin
「カフェ・ド・ランブル」から次の珈琲店に向かう途中、「ミレニアム 三井ガーデンホテル 東京」の一階(入口は別)にある「BOLANGERIE Lecken」に寄ってパンを買った。
ここのパンは美しい。
内装も凝っているがパンの見せ方が上手。
残念ながらピスタッチオ・エスカルゴが売り切れだった。
せめて15時までに訪れないと売り切れのパンが多くなってしまう。
買ったパンは、
シトロンのチャパタ \260
クロワッサン \240
パン・オ・ショコラ \270
(すべて外税)
一個づつ丁寧に白い紙袋に入れてくれる。
この紙袋は耐油・耐水紙で出来ているので、クロワッサンなんかを買っても脂分が染み出なくて良い。
クロワッサンとパン・オ・ショコラは家に帰るまでバラバラにならないかなと何時も思う。
以前から一度国産小麦で作ったのバケットとキッチリ硬く焼かれたフランス産小麦で作ったバケットの食べ較べをしてみたいと思っているけど今日も買う勇気がなかった。
クロワッサンはちょっと焼き過ぎかなと思うが、小麦の香りとバターの風味は相変わらず。
パン・オ・ショコラのチョコレートは好みのチョコレートが入っていた。
シトロンのチャパタはオレンジピールの入ったチャパタ。
いつも思うのだがフランス料理店のパンはこんなに種類は必要ないだろうと思う。それにドーナツとマフィンまで。
フレンチのレカンは2017年の春までお預けのままのようだ。
9位
1回
2016/07訪問 2016/08/02
【2016/07/29】 Boulangerie Yamashita
9か月ぶりに二宮の「Boulangerie Yamashita」を訪れる。
今回は子供と二人連れ。
国道一号線から神奈川県道71号線に折れて山側、途中から古い街道に入る。低速で道を進むとBoulangerie Yamashitaとその向こうに駐車場があった。
パンの建物の奥に初めて見る建物と入口があった。
食堂(ブーランジェリー ヤマシタの食卓 La table de Boulangerie Yamashita)が出来ていた。
コンセプトは「パンと、珈琲と、スープを」。今年の6月1日に開店したそうだ。入店するしかない。
パン屋さんで家に持って帰るパンを購入し、同時にカフェで食べるパンと飲み物を注文して清算する。
シナモンロール \250 Roule a la cannelle
抹茶生地のあんぱん \190 Matcha Anne-pain
ノワ・オランジェ \280 Noix Orange(Half)
パン・オ・ルージュ \280 Pan au Rouge(Half)
カンパーニュ \390 Campagne\380(Half)
コーヒー \400 大磯の「OIKOS」さんの豆
アイスティー \400 有機アールグレイ
カフェではシナモンロール一個を二人で半分づつとコーヒー、アイスティーを頂く事にした。
支払を済ませてテーブルの番号札3(全部で1~7)を貰ってカフェへ。
と思ったら、パン屋さんでカフェから帰るお客さんからフレンチトースト云々という声を聴いてしまう。
フレンチトーストも食べてみたい!カフェの席に付いた直後フレンチトーストも注文してしまった。
フレンチトーストは値段が400円と600円の2種類。
二人で食べるので沢山の方の600円のもの追加して貰う。
フレンチトースト \600
食堂(食卓)の建物は倉庫を改造したような建て物で採光が考えられた明るい店内。
それに木製のシンプルだけど拘った家具(恐らく北欧製)が置かれていたり、古い家で使われていたガラス戸を色を塗り替えて使っていたりしている。
シナモンロールと飲み物が運ばれて来た。
正確に半分づつに切って黄色いお皿に乗せてあった。
カンパーニュ(Pain de campagne)のフレンチトースト。歯応えがあって良い。
「OIKOS」の豆で淹れた珈琲も美味しかった。
何時も大磯の店の前は通り過ぎるけど今度寄って行こうと思う。
国道1号線から県道71号線に入って少し脇道にあるブーランジェリーとその食卓。
横浜から高速道路を使わずに御殿場までツーリングに行くための一つのルート沿いになる。
お気に入りになったお店は時々来なくちゃだめだね。
どんどん良くなって行くから一回来っきりだとその変化を楽しめない。
お気に入りになったのはそのお店の人、そこの食べ物、建物などが自分の感性に合ったからなので、責任を持って贔屓にしないといけないよ。
と、自分自身を戒めた。
(評価 4.0→4.2 )
【2015/10/13】 素敵な小さなパン屋さん
国道1号線の二宮交差点より北に向かい東海道線の高架下を潜って進むとやがて生涯学習センターの前に出る。そこから斜め左にある細道に入ってしばらく行くと原徳米店の蔵のような建物が見える。目指すパン屋さんはそのお向いにあった。お隣の駐車場に4台分の駐車スペースがあって安心だ。
素敵な小さなパン屋さん。
昨年オープンされたそうだ。
小さい白い建物の前には木製の普通の椅子・丸椅子やらベンチが並べてあった。
建物の横の青いドアからお店に入る。
狭い店内にパン棚が並べられているがパンは既に半分以上売り切れていた。
やっぱりもっと早い時間に来るべきだった。
きっとお店の前に置かれた椅子にご近所の人達が開店の時に来て座って待っているのだろうなぁと勝手に想像する。
パンはみんな美しい。
りんごから起こした自家製酵母とドイツ産有機穀物から作られた天然酵母の両方を使っているらしい。
バケット 250円 Baquette
シナモンロール 250円
パン ド オリーブ 200円 Pain de Olive
抹茶生地のあんぱん 180円
ご自慢のバケット
良く売れるというシナモンロール
お薦めの丸のままのオリーブが入ったくねったパン
ちょっと異質のあんぱん
を買ってみた。
あれこれパンを観ていると店の奥から山下さんご夫婦が出て来られたので写真を撮らせて貰った。
髭面のご主人と優しそうな奥様。そうかこんなご夫婦で美しいパンは作られているのだと納得。
帰宅してすぐにパン ド オリーブをかじって見る。オリーブの塩味と堅いパンが凄く美味しい。
シナモンロールは砂糖が薄く掛けられた大人向けのシナモンロール。
朝に珈琲と一緒に食べたら良さそう。
そして小麦と水と塩だけで作ったバケット。
特徴的な形なのでその場所によって食感が異なるが、
今年一番美味しいバケットだった。あまり硬くなく中がしっとりしている。
きっとフランスのバケットみたく硬く作ると地元の人達には硬すぎるのだろうかと思った。
気に入ってしまった。
全種類のパンを食べてみたくなった。その為には朝早く家を出ないと。
10位
1回
2016/05訪問 2016/06/08
【2016/05/23】 紫野和久傳 堺町店
食後のお茶の後の甘味は「紫野和久傳 堺町店」へ。
昨年の改装後初めての訪問だ。
店の外装も店内も綺麗に塗り替えられ綺麗になったが、随分モダンになったなぁと言うのが感想。
京都の中京区はマンションが乱立しているような状態だが、「紫野和久傳 堺町店」も含め一部の高級なお店が昔の町屋をリノベーションしてお店を開いている。町の何処からでも東山、大文字、比叡山、愛宕山が見える事が理想だが、最近は場所を選ばないと山の緑を見る事が出来ないでいるのが寂しい。
堺町の町屋をそのまま使った店内に入り、二階の‘茶菓席’にわらび餅を食べに行く。
平日の午後なので先客は一組しかなかった。天井をなくし梁を見せて空間を広げて古い材木の色と漆喰の白を大きな和紙で出来たように見える電燈の間接照明で落ち着い空間を演出している。凝った木製家具も置かれている。
頼んだのは、
わらび餅 抹茶付
西湖 煎茶付
わらび餅は外に置かれた品書きには「本蕨粉で練り上げた」と書かれ、店内の品書きには「特選の本わらび粉を使用」と書かれている。世の中にはわらび餅には蕨粉を使ってない物も多いので一応チェック。ここのは出来上がりの黒い色のわらび餅からも高級な蕨粉を使っている事は判るし、品書きには「特選」と書かれているので信用しても良いかも。但しわらび餅は冷たくすると弾力がなくなるのが一般で、純粋な蕨粉を使っているかは疑問。注文してから気が付いたが、‘できたてわらび餅’と品が別にあったのでそちらの方が良かったのかも知れない。抹茶は出来上がりの表面が瓢箪の形が浮き出てくるような茶器を使っていた。
一方のれんこん菓子の‘西湖’は和久傳の看板商品。
現在の中国杭州市にある‘西湖’は淡水湖で世界遺産に指定されている。
れんこん澱粉で作られた‘西湖’は和久傳の料亭で出す甘味として開発されたもの。淡い甘さの西湖の甘味には和三盆、和三宝糖蜜、トレハロースを使っている。冷されてプルンとした喉越しを楽しむ物。粽のように熊笹の葉で包まれて清涼感を出している。煎茶はガラスの器に氷が入れられて十分に冷されていた。添えられた和久傳のお印入りの落雁の色もピンクで美しい。
明治の初めに丹後縮緬(ちりめん)で栄えた峰山町(現在は京丹後市、京都の府下は地名が変わってしまった所が多くて直ぐには何処の事か判らない)で高級料理旅館として創業した「和久傳」が数寄屋建築の名工 中村外二棟梁によって昭和27年(1952)に建てられた日本家屋を買い取り、1982年に料亭「高台寺和久傳」を開業。いらい京都の料亭の一つとして有名。堺町通りにあるのになぜ室町和久傳を名乗っていたのかは不明。昔、室町三条の角に「室町和久傳」があった記憶があるのだが、堺町に移った後にも料亭は「室町和久傳」と名乗っている。
【2016/02/26】 Tournez La Page
13:00開店。
店の前に12:50位に着いてしまったので、外に置かれたベンチで少し待つ。
目指す店は5階建のビルの1階と2階を独占しているようだ。
ビルの向かいにある駐車場にはその店専用の駐車位置が4台分ほど用意されているようだ。
やがて13:00になったので店に入る事が出来た。
正面より少し下にこの目で見たかったスピーカーのセットが置かれていて、Jazzならぬクライバー(カルロス)とウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が演奏するベートーヴェンの交響曲第5番《運命》&7番が鳴っていた。
ずっと訪れてみたかった店。
この店の名前の「Tournez La Page」はフランス語で「ページをめくる」を意味するらしい。
過去のJazzの歴史のページをめくるように、収集されてLPを次々と聞かせてくれる事のだろう。
入って正面少し下の中地下に位置する所の雛壇にスピーカーが並んでいる。
店自体は1,2階の吹き抜けとなっている。スピーカーの裏は煉瓦の壁になっているようで、それも含め建物全体の全てがこのオーディオ装置を設置してJazzを演奏するために設計して作られたように思える。
スピーカーはドイツのAvantgarde Acoustic社のTRIO +6 BASSHORNだ。
広い開口部ホーン面積を持つローミッドレンジと、ミッドレンジ、ツイーターの3ホーンで構成したスピーカーTRIOにホーン型アクティブサブウーハーBASSHORN 3ペア(6本)で構成され、TRIOはそれぞれ違った色に塗り別れられ、BASSHORNは左が金色、右が銀色で一つのペアになっているように見える。
これだけで1800万位の価格がすると聞いた事がある。吉祥寺の「MEG」ではAVNTGARDEDUOが置かれていたが、ここの装置はそれを遥かに凌駕する構成になっている。いままで日本で観て聴いた中で一番凄いと思うし、想像だが世界でもこんな装置の組み合わせと設置場所は存在しないのじゃないかと思うほどだ。
吹き抜けの壁に掛けれた150インチのスクリーンではBuster Keatonの無声映画が上映されていた。
スピーカーの真ん前に置かれた贅沢な造りの椅子に座りメニューを見る。
ここはJazz喫茶なので何か頼まなくてならない。ストレートコーヒーと洋菓子を頼んでみた。
ガテマラ ボット
クリ・ダ・モンデ
菓子舗 巖邑堂 の洋風焼き菓子
ベートーベンが終ると次がカーチスフラー。やっぱりこの装置では交響曲よりホーンを主体にした演奏の方が良さそう。音源はLP。低音の音圧を胸で感じる。
ポットサービスの珈琲を1杯分飲んでクリ・ダ・モンデを食べたしまった所で、店の装置を見せて貰う。
パワー・アンプ
Accuphase A-60
CLASS-A 60W/ch STEREO POWER AMPLIFIER A-60
プリ・アンプ
Accuphase C-2800
PRECISION STEREO PREAMPLIFIER
ターンテーブル
英国Avid社の"Acutus" ベルトドライブ式
アーム
SME社のSERIES M2(9Inchと思われる)
それにTEAC ESOTERICのユニバーサルプレーヤーのUX-1(SACD,CD,DVD-Audio,VIDEO)が
組み合されている。
素晴らしいと言う言葉しかない。
リクエストして良いと言う事なので、
Kenny DorhamのThe Complete Round About Midnight at The Cafeをリスエストした。
もう最高の一言。家で聞くのと同じLP音源だとは決して思えない素晴らしい音だった。
壁に今は休刊した「スイングジャーナル」のバックナンバーが置かれている。もう一方の壁にはリクエスト対象のJazzのジャケットが掛けられている。リクエストに付いては店にあるLPなら全てリクエストする事が可能だと言う事だった。リーダーの名前毎にインデックス分類されたLP棚を点検してみると、バップ時代からモダンジャズの時代が主で、所々にエレクトリックを使ったJazzのLPも置かれていた。
Milesの「Bitches Brew」も棚に収めれれていたのでリスエストしてみたい気もしたが、リスエスト用に壁に掛けられたジャケットには1970年代のLPはなかったので今回は自重する事にした。
1958年に撮影された“ビッグ・ピクチャー”と呼ばれる1枚の写真も壁に掛かっていた。
他のお客がいないので立ってそれを見に行くと「ア・グレイト・デイ・イン・ハーレム ~57人のジャズミュージシャンの肖像~」と題される写真だった。横に写真に写った人の説明が書かれた紙が貼ってあった。それはそれはとんでもない人達の名前が列挙されていた。
ここに通うのには新横浜からひかりだと1時間15分、こだまだと1時間40分程度掛かる。往復1万5千円ちょっと。回数券を買っても良いかなと思ってしまった。
早く一関市の「Basie」にも行ってみたい。
もう函館のjazz喫茶「MILESの枯葉」は2012年のクリスマスイブに閉店してしまった。