assyassyさんのマイ★ベストレストラン 2015

食咗飯未呀?香港では挨拶代わりに「ご飯食べた?」と声を掛けます。

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assyassy (男性・埼玉県) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

マイ★ベストレストラン

1位

日本料理 「風花」 コンラッド東京 (汐留、新橋、築地市場 / 日本料理、寿司、鉄板焼き)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥8,000~¥9,999

2015/07訪問 2015/07/23

娘がステーキで誕生日を祝ってくれました

汐留にあるホテル・コンラッド東京の28階にあるメインダイニング「風花」で
誕生日を祝ってもらいました。

「風花」は寿司、しゃぶしゃぶ、懐石、など和食ならオールマイティなレストランですが、
この日は浜離宮を見下ろす窓辺の席で鉄板ランチ「陽」をいただきました。
先附、旬菜のスープ、旬の焼き野菜、生野菜、黒毛和牛ステーキ、食事、甘味という構成です。

ピカピカにメンテナンスされた鉄板の上でシェフコートに正装したシェフがサービスをしてくれます。
先附は雲丹と湯葉のコンビネーション。ひんやりとした食感が夏らしさを際立たせます。
頂いたプレミアムモルツとの最初から良い相性です。
スープは蚕豆の冷製ポタージュ。涼やかなガラスの容器で供されました。
蚕豆の香りとスムージーな優しい口当たりが堪りません。

サラダは柑橘系のドレッシングでいただきます。
正体は分かりませんが夏の柑橘系って、どんなものを使っているのでしょうね。
酸味は控えめですが、香りがすごくいい。お肉をいただく前のプロローグには最高です。

そうこうしているうちにお肉と野菜のセットが登場です。
野菜はアスパラガス、カボチャ、茄子、ジャガイモ、エリンギ、獅子唐、玉ねぎなど。
まさに旬彩。脇役なんかに徹してはいません。

お肉も黒毛和牛のフィレとロースを同時に。贅沢ですね。
最初に薄くスライスしたニンニクをチップ状になるまで焼き上げ、
その油で丁寧に丁寧にミディアムレアに仕上げていただきました。
香が良くて、お肉の味も本当にブラボーでした。久しぶりに良い牛肉をいただきました。

目の前で焼いていただいたシェフは海外のホテル勤務もある方で、手さばきも巧みで、
ただただ関心をするばかり。海外の話題も豊富で、和やかな会話が弾みました。

そしてご飯は先ほど焼いて取っておいてくれたカリカリガーリックを混ぜたガーリックライス。
赤出汁と香の物が付きます。このご飯の香ばしいことと言ったら、、。
何杯でもお代わりしたいくらいでした。

デザートはソファー席に移って、お茶が振舞われ、何が出てくるのか楽しみに待ちました。
そこにホテルからの嬉しいサプライズが、、。
シェフが気を効かせてくれたのでしょう。
デザートを少々豪華なものにグレードアップしてくれた上に、
短冊に「お誕生日、おめでとうございます」のメッセージが添えられていました。
さすが粋な計らいをしてくれたものです。
こういうエクスペリエンスがファンを育てるということも知っての上で
サービスなのですが、うれしい思い出になりました。


  • 雲丹湯葉
  • 蚕豆のポタージュ
  • 柑橘ソースのサラダ

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2位

MASA’S KITCHEN 恵比寿 (恵比寿、広尾 / 中華料理、担々麺、四川料理)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥4,000~¥4,999

2015/11訪問 2015/11/11

休日のランチコースを恵比寿のミシュラン店で

恵比寿のミシュラン店で娘がランチコースをごちそうしてくれました。
エビスの駅から歩いて5分くらいのロケーション。
ビルの地下一階にあって、エントランスはビストロかイタリアンのような雰囲気です。

オープンキッチンを囲む大きなカウンター席と、通路を隔ててテーブル席が配置されています。
シェフは中華料理の装束、ホール担当はビシッと背広で決めていてかっこいい。
時々若手のシェフが給仕にも参加して、笑顔を振りまいて料理の説明をしてくれます。

最初に青島啤酒(チンタオビール)のプレミアムで乾杯。
チンタオのプレミアムをいただくのは初めてです。
普通のチンタオはちょっとハイネケンをサラッとしたような味わいですが、
プレミアムはコクが加わって、シャンパンのような甘みも増して美味しくなっていました。
瓶のデザインも洗練され、ビールの色もシャンペンゴールドです。

前菜はホワイトアスパラガスと豆乳の凝り、自家製叉焼、紅芯大根の和え物、モヤシとワカメの酢の物です。
特に美味しかったのが、ホワイトアスパラガスと豆乳の凝り。
「こんなの家で作れないですよね」と説明してくれた若いシェフに言うと、
簡単ですよとの返事。ホワイトアスパラガスをフードプロセッサーで液状になるまで潰し、
豆乳と混ぜてゼラチンで固めれば出来上がりますとのこと。
ただし、ソースは家庭ではなかなか大変ですけれどね。との但し書きも忘れずに、、。

やっぱりプロの仕事はソースなんですね。

ふた皿目は海鮮春巻き。
海老、蟹、帆立などが贅沢に巻かれた1本揚げです。
添えられた塩と黒酢で頂きます。素朴な美味しさは塩かな、黒酢の香りも良いし。
結局、交互にいただきました。

三皿目はレタスの湯引き オイスターソース。
レタスはサッと湯通し、余熱だけでクタッとさせているので、シャキシャキした食感が残っています。
このしゃきしゃきに作るのが真骨頂なのです。家庭ではついつい熱を加えすぎて失敗することも、、。
それと使っているオイスターソースの塩気が抑えられているのでとても上品な味に仕上がっています。
市販のオイスターソースを写真のように掛けたら塩辛くてとても食べられません。

四皿目は小籠包。この店の食べるべき一品なのだそうです。
娘に言わせると台湾の鼎泰豐本店の小籠包よく美味しいとのこと。
極限まで薄くした皮のひだひだに湛えられた透明のスープ。
破れないように小籠包のへそわ箸でつまみ、蓮華で迎えにいきます。
熱々を頬ばって口の中で皮を破ると、美味しいスープが口いっぱいに広がります。
まさに至福の瞬間と言うヤツですね。娘の言うように確かに美味しい。

五皿目は黒酢の酢豚 蒸しパン付。
シンプルに豚肉を揚げて黒酢漬けにしただけ。
香りの良い黒酢のソースに生のみじん切り玉ねぎがアクセントに添えられています。
中華蒸しパンが添えてあるので、肉をはさんで食べてもよし、
黒酢を絡め取っていただいてもよし。
蒸しパンが付くのは東坂肉では見たことがありますが、酢豚では初めてでした。

六皿目は汁無し坦々麺。
ゴマはあえて摩らずに粒のまま。和え汁は辛味を押さえた上品なもの。
痺れる花椒の刺激も抑えてあって、麻辣好きには物足りないかも。
それでも細いストレート麺に絡むと、グッと美味しさが前面に出て来ます。

そしてデザートには杏仁豆腐が。
ミントの葉っぱがあしらわれていておしゃれですね。
少しだけ頂きましたが、甘いもの苦手な小生はパスさせていただきました。
そうそう、お茶がすこぶる美味しかったのもこの店の印象として付け加えさせていただきます。


  • 前菜(ホワイトアスパラガスと豆乳の凝り、自家製叉焼、紅芯大根の和え物、モヤシとワカメの酢の物)
  • 海鮮春巻き
  • レタスの湯引き オイスターソース

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3位

Bar Tiare (赤坂見附、永田町、赤坂 / バー)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 -
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥2,000~¥2,999 -

2015/07訪問 2015/08/05

素晴らしいドライマーティニー

赤坂というのはやっぱり夜が似合う街ですねえ。
チョイ悪で遊び慣れた大人の社交場と言うイメージも醸しだしていますしね。

編集スタジオもたくさんあって現役の時は、赤坂で仕事を終えて飲むことも
たくさんあったのですが、今はほとんど行く機会がありません。
この日は珍しく晩御飯を赤坂で食べたので、
もう一軒気になっていたバーに行くことにしました。

幾多のカクテルコンペでその名を馳せた水澤泰彦氏が率いるカクテルバーです。
この季節なら桃を使ったオリジナルのサマー・カクテル「ベリーニ」がおすすめなのですが、
小生は甘い酒が苦手なので、あえてドライマーティニーをお願いしました。
初めて行くバーではジンクスのように必ず最初に頼む一杯です。

作り方を見ていて、気づいたこと、、。それはそれは所作が丁寧なこと。
手つきを見ているとほれるほどです。これが美味さの秘訣なのかもしれません。

同伴した人にはお勧めの桃のカクテルを、、。

二杯目はもう少し強い酒が飲みたくて、ブッカーズのストレート
なんと63度もあるバーボンですが、その強い度数を感じさせないまろやかさが特徴です。

フルーツカクテルを売りにするバーはフルーツを時価扱いにして
価格を吊り上げるところも多いですが、この店は明朗会計なところも感心させられた点でした。

  • ドライマーティニー
  • ラムマーティニー
  • ブラディ・シーザー
  • ブッカーズ ストレート

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4位

三好 (人形町、水天宮前、茅場町 / うなぎ)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 -

2015/04訪問 2015/04/20

人形町で伊豆松崎の名店の鰻と伊豆の海の幸を堪能

鰻レビュー全国ナンバーワンであるマイレビューアーのゆぽんたさまが4月上旬に
レビューを載せておられた店。コメントをさせていただいたら、
「こちらは、夜カウンターで一杯やりながらが良いかもしれませんよ」との
レコメンドをいただきました。この店の伊豆松崎にある本店をご贔屓にしている人と訪問です。

予約の際、コース料理をお願いしたのですが、
「コースの場合、鰻が小さいですよ」と告げられて、「お酒頂きながらの〆だからいいです」
と答えたのですが、結果的に写真にあるように全然引けを取らない立派な鰻重が出てきて感動しました。
正直、ここのところ、あきれるほどの鰻の高騰ぶりに「いいですよ」と答えたもののちょっと心配でした。

予約していた時間より少し早く着く旨を電話で連絡をして、向かいました。
店に着くと半円形の階段アプローチがあって登っていくと
ゆぽんたさまがレビューで書いておられたご飯を炊く釜戸が設えてありました。
「この釜戸を使ってご飯を炊いています。店主」と立て札が立っていて、
のっけからこの店のこだわりを感じてしまいました。

席に通され、まずはビールで乾杯をして、コースが始まりました。
最初はお通し3品。別々のお皿で供されます。
ひと皿目は生シラスです。相模湾の季節の惠ですね。
ほんのりとした苦味と絶妙な舌触り、鎌倉で頂いて以来です。

ふた皿目は飯蛸の甘辛煮です。まったりとした旨みと、米粒状の蛸の子の
食感がたまらなく素敵です。

さん皿目はアワビと独活のおひたしです。蒸アワビのムニュムニュした食感と
しゅんとした独活の食感のコントラストがいいですね。出汁も旨いです。

ここでビールは切り上げ熱燗にしようか、ワインにしようか暫し逡巡した挙句
「ワインはどういうものがありますか」と訊ねたところ、
フルボトルとハーフボトルのものを持ってきてくれました。
メニューには3000円しない値段が付けられていたので、どうせスクリューキャップの
ものかと思っていたら、なんとシャトーがラベルについていました。
しかもワインの当たり年といわれた2009年物のボルドーではないですか。
HOUT SOCIONDO即決でいただきました。

ボディは力強く、タンニンも強く感じます。酸味がまろやかでスパイシーさも際立っています。
飲み始めは若々しさが目立ちましたが飲み終える頃には和やかな美味しさに変わっていました。

さて良いワインにもめぐり合ったことですし、コースを進めていただきましょうか。
お刺身がやってきましたよ。なんと金目鯛烏賊。贅沢ですね。

次なるは金目鯛と牛蒡の煮付けです。伊豆南端に本店を構えるだけあって、
伊豆の海の惠がこれでもかと堪能できます。
最近では下田でも金目鯛が揚がらない事も多いらしい。なのにここでは金目鯛ずくしです。

そして次の料理は牛肉のローストに塩昆布がまぶさっています。初めての味わい。
柔らかい牛肉と塩昆布のマリアージュ、ワインにもひったりです。

そしてひとつだけコース以外に追加していたのが鰻の白焼き、大きい皿にドーンと。
さすがに鰻の名店といわれるだけのことはありますね。もう言葉が出ないほどです。

そしていよいよ〆の鰻重、予想に反して結構大き目の蒲焼で、まったく遜色なし。
この蒲焼を更に美味しくしているのが、冒頭に紹介した釜戸炊きのご飯
カチッと硬めに炊かれた粒立ちのご飯の素晴らしいことといったら。
冥土の土産にしてもいいくらい旨いものでした。

松崎の三好本店、遠くても是非遠征をして見たいものです。

  • 鰻白焼き
  • 〆の鰻重
  • 肝吸い

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5位

串たなか (烏丸、四条(京都市営)、烏丸御池 / 串揚げ、居酒屋、日本料理)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥5,000~¥5,999 -

2015/10訪問 2015/10/30

美味しさの一方通行、出口は口福

錦通を烏丸から少し西に入ったところで左に折れる狭い辻子(ずし)の奥にあるので、
少し見つけづらいかも知れません。なかなか予約の取れない人気店です。
小生も予約を取ろうとしたら、20時からなら大丈夫ですと言われてしまいました。
どうやら17時30分の会と20時からの会の2部制になっているようです。

予約をした旨を告げると1階の奥の腰掛式のカウンターテーブルに通されました。
目の前でご主人が串揚げを揚げる光景がつぶさに観察できる特等席です。
無口で職人気質のご主人かと思いきや、後から分かったのですが、
とても人懐っこくて、最後は店の表まで出てきて、見送りまでしていただきました。

こちらの串揚げは串の坊に代表される関西スタイルで、
ストップをかけるまで出てくるコースです。

まずはハートランドの生ビールで喉を潤していると、薬味がやって来ました。
こだわり塩・ぽん酢・マヨネーズ・自家製ソースの4種類です。
口直しの生野菜と、箸休めのこんにゃくの煎り煮もセットになっています。

季節によって代る串揚げのこの日の内容は次の通りでした。
◆餅、◆牛肉、◆三つ葉、◆ネギ豚、◆マッシュルーム、◆銀杏、◆海老、
◆舞茸、◆チーズ(ブルーベリージャム)、◆かぼちゃ、◆パン、◆豚バラ
◆松茸おこわ、◆豆腐(鰻とアーモンド)、◆ウズラの半熟玉子(ベーコン添え)、
◆生麩、◆つぶ貝、◆貝柱、◆りんご

食べるペースにあわせて1本ずつ揚げてくれます。
素材の味や香りを楽しめるようそれぞれの串には工夫と仕事が凝らしてあります。
例えば三つ葉は香りが飛ばないよう、魚のすり身で包んであります。
チーズはブルーベリージャムが添えてあったり、かぼちゃはペースト状になっています。
淡白な豆腐には鰻とアーモンドのペーストが添えてあったり、
ウズラの卵はなんと半熟でベーコンが添えてありました。
デザートはシャーベット。

それぞれが驚きと美味しさの連続で、途中でいただいた白ワインや泡盛の久米仙も
存分に楽しむことが出来ました。しかもお値段も良心的です。
美味しい一方通行の出口には口福が待っていましたとも。


  • カボチャ
  • チーズ+ブルーベリージャム
  • ツブ貝

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6位

ウン・パッソ (蒲田、京急蒲田、蓮沼 / イタリアン)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 -

2015/11訪問 2015/11/30

蒲田の雑踏に吹いたピエモンテの風

久しぶりに蒲田の町をうろついて見ましたが、雑踏が面白い街ですね。
ラーメン屋あり、とんかつ屋あり、中華の小吃あり、雑多な街と言うのが印象的でした。
同じ大田区なのに洗足池や田園調布と違い庶民の息吹を強く感じます。

そんな蒲田の雑踏で見つけたとても素敵なトラットリアへ行ってきました。
ビルの二階に上がると、下の雑踏が嘘みたいな落ち着いたシックな空間が現れます。
決して高級感が漂っているわけでは無いですが、温かいもてなしの心を感じる空間です。

階段室のガラスを隔てた向こうはワインラックになっていて、
これから選ぶワインに期待感が膨らみます。

まずは食前酒と言うことで小生は珍しくカンパリソーダをお願いしました。
イタリアではプロセッコと合わせてカンパリ・スプマンテなんてお洒落な飲み方も見かけますね。
パートナーはスプマンテを、、。グリッシーニのおつまみが良く合います。

まずは乾杯をしてから、メニューと相談です。
真鯛のカルパッチョを勧められたのですが、結局アンティパストは牡蠣のフリットにしました。
珍しいクミンのエキゾチックな香りがして面白いですが、
意表をつくマリアージュにただならぬセンスを感じます。
フライにした牡蠣も美味しいですが、フリットにすると軽やかでいいですね。
ソースは確か春菊をペースト状にしたものとか、、。香りも良くてこれは当たりでした。

プリモ・ピアットはイカ墨とボッタルガのオレキエッテ。
耳たぶみたいな形をしたパスタで濃厚なイカ墨、
それとさらに濃厚なアクセントをつけるボッタルガの味わいが重層的に重なります。
槍烏賊がトッピングされていて、見た目のコントラストもいいですね。
深い味わいにうっとりです。

セコンド・ピアットは贅沢をして魚と肉をひとつずつ。
魚は黒ムツのグリル。今頃からが旬の油が乗ったものをポワレにして
あわせたのは万願寺のソースだったかな。旨みが凝縮しています。
グリーンピース、ニンジン、絹さや、ヤングコーンの付け合せも美味しい。

お肉は鹿児島産の豚肉のグリル。焼きすぎず、時間を掛けて余熱で調理したもの。
なので肉は赤みを帯びていますが、火は通っていて、柔らかくてジューシーです。
肉がとても甘くて、特に脂身の甘さは絶品でした。
情熱的なパプリカのソースも素敵でした。

お料理に合わせたワインはピエモンテ州産のCascina Cieck 2013。
エルバルーチェという珍しい品種のブドウから醸される白ワインです。

超辛口のフレッシュな飲み口ながら、しっかりとしたミネラルを強く感じます。
うっすらとした塩味の余韻の後にミントや青リンゴの香りがし、
酸味が心地良く後を追ってきて、キレのある味わいが楽しめます。
特に今回の牡蠣のフリットや黒ムツの料理はもちろんのこと、イカ墨のパスタにも良く合いました。

パンはフォカッチャと黒パン。フォカッチャはオイリーなタイプではなく、
それぞれの料理のソースを絡めていただくにはちょうど良いものでした。

小生はドルチェはパスしてエスプレッソのドッピオを、、。
パートナーはラフランスのコンポートと紅茶で美味しいひと時を〆ました。
塩味のチョコレートと焼き菓子がお茶請けに供されました。

アルプスの麓、ポー川の源流に近いピエモンテの川風にも似た
爽やかなワインと驚きのある工夫を凝らした料理の数々。
ひと時、トリノの回廊の中にあるトラットリアで寛いでいるような気分に
浸ることが出来ました。

  • 牡蠣のフリット
  • 黒ムツグリル
  • 鹿児島産豚のグリル

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7位

丸太町十二段家 (丸太町(京都市営)、烏丸御池、二条城前 / 日本料理)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥3,000~¥3,999

2015/03訪問 2015/03/19

炊き立ての美味しいご飯が食べたくて

十二段屋、経営は別だけれど祇園にも同じ名前の店があります。
民芸運動に深くかかわりのあった店だけに両者には同じ美意識が通低しているように感じます。
丸いテーブルや調度品や装飾品、食器などつらつらと眺めているだけで思わず顔がほころぶから不思議です。
特に小生が好きなのは五条坂の河井寬次郎記念館へ寄ってから、こちらに伺うと言うコースです。

以前は武者小路室町に住んでいたので、美味しいご飯が食べたいと思ったときはよく伺いました。
でもいつも混んでいて予約も取れないから、すごすごとあきらめることもしばしばでした。
そういうときの回避策としてはやまびこでした。ぶぶ漬けからうどんへの大転換。
節操も何もあったものではありません。

そういえば食べログにも載せていませんでした。
いつもは二日酔い気分を晴らすため、すずしろをいただいていたのですが、この日は奮発してランクアップ。
すずしろに季節のお料理が付くものをいただきました。

季節のお料理は聖護院大根と牡蠣の炊き合わせでした。
牡蠣は旨味が出てしまわないように、葛をまとってふっくらと丸まっています。
聖護院大根は柔らかく出汁を吸ってしっとりと熱々で供されます。

一杯目はお櫃から軽くお茶碗によそって季節のお料理でいただきました。
二杯目も軽くご飯をよそって、出汁巻き卵でいただきます。
ここの出汁巻きは熱々ですが、本当に美味しい。赤出汁との相性もよくていつも感心します。

そして三杯目は「そっと出し」じゃなくてぶぶ漬けでいただきます。
ここで発揮するのがお自家製の漬物です。それと上品な京番茶。
番茶は普段あまり好まないのですが、ここの番茶は本当に美味しい。
久しぶりに美味しい炊き立てのご飯をいただき、満悦させていただきました。

サテとテクテクと堺町を下がってイノダコーヒーにでも行ってみるか。


  • 牡蠣と聖護院大根の炊き合わせ
  • 出汁巻卵
  • 自家製香の物

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8位

大根 (茅場町、八丁堀、宝町 / 日本料理、居酒屋)

1回

  • 夜の点数: 3.8

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.8
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 -

2015/07訪問 2015/07/24

魚料理の醍醐味を味わいたいならここです

この店に誘ってくれた人が急遽行けなくなったと連絡があり、
ピンチヒッターを立てて行ってまいりました。

正直この店のこと、大いに気に入ってしまいました。
何が良いって、素材が良い、調理の腕が良い、センスが良い、接客も良い。
居酒屋レベルをはるかに越えています。難を言えば閉店が21時と早いことだけ。
どうりで予約がとり難いわけです。

この日はお任せでお願いしました。
まずはビールで乾杯。お通しは蟹と刻みスナップエンドウの冷製卵豆腐。
これがひんやりとしていて、実にいい。酒肴のプロローグとしてはまさに直球ど真ん中でした。

お通しの次にやって来たのがカマスの自家製燻製、とこぶしのふくめ煮、干しイチヂクとクレソンの白和え
フルーツトマトの盛り合わせ。カマスを燻製にしたり、干しイチジクとクレソンを白和えにするセンスの良さ、
奇抜に走らず、かつ客の好奇心をさりげなく満たす憎い演出です。

酒は西日本のものが多かった印象があります。
その中でも特に気になっていた酒屋 八兵衛 特別純米無濾過生原酒をお願いしました。
飲み口甘めですが、すっきりとした後味が良くて、料理には良く合いますね。

お刺身は平貝、金目鯛、平目、しめ鯖、槍烏賊。
産地を選び抜いていて、どれもこれも素晴らしい。金目などは鮮度が命の難しい魚ですが、実に美味しい。
しめさばの酢加減と〆具合の見事なこと。久しぶりにこんなに美味いしめさばをいただきました。

お酒が進みすぎるのをセーブしつつ次なる肴を待ちます。
やってきたのは鮪頬肉のカツレツ。もう一回ビールからやり直したくなるほど、、。
焼きズッキーニや焼きパプリカも香りが良くて、こちらは白ワインをキュッとやりながら頂きたいと思いました。

もう一品は穴子とゴボウと豆腐の煮物。
今回初めてだったのですが、穴子とゴボウの相性って良いのですね。驚きました。
ゴボウの香り、穴子のふっくらとした甘み、それを受け止める豆腐、絶妙な組みあわせです。

〆に雑炊が出てきましたが、これも素晴らしい出来栄えで、お代わりをしたくなったほどでした。
魚料理の醍醐味を味わいたいなら、しばらくはこの店に尽きますね。


  • カマスの自家製燻製、とこぶしのふくめ煮、干しイチヂクとクレソンの白和え
  • 穴子とゴボウの煮物
  • 鮪頬肉のまぐろホホ肉のカツレツ

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9位

日々魚数寄 東木 (北鉄金沢、金沢、七ツ屋 / 日本料理、寿司、かに)

1回

  • 夜の点数: 3.8

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.7
    • | 雰囲気 3.7
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.6 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 -

2015/08訪問 2015/08/16

刺し、焼き、蒸し、煮、そして握るのまさに魚づくし

寿司屋の湯のみじゃないけれど、「魚」偏に「技」というつくりを付けたいほど、
素敵な店でした。

金沢に行ったら北陸の美味しい魚が食べたいと物色していて決めたのがこの店。
評価は高いのですが、繁華街からは少し離れているし、
名前もおよそセンスがいいとは言い難い一風変わったものだし、
どんな店だろうとドキドキしながらの訪問です。

予約をしていた旨を告げるとカウンターの席に通されました。
ご主人もまた若くて、女将さん?も初々しい感じで微笑ましい。

電話がひっきりなしに鳴って、その都度「本日は予約ですべてふさがっています」
と丁寧にお断りされていました。噂にたがわず人気店のようです。

まずはビールをいただき、お料理を待ちます。
最初に供されたのは2種類の烏賊を炙って冷製の柑橘ジュレと合わせたひと品。
ビールと供に火照った体を鎮めてくれました。
もうこの料理をいただいた時から、この店はなかなかのものだなという確信が持てました。
素材もいいし、センスもいいし、器もきれいです。

次の品は笹で巻いた蒸し御飯です。竹皮の紐を解く楽しみ、演出もなかなかのものです。
ゆっくりと笹の包みを開くとご飯とのどぐろが合わさって出てきました。
懐石料理ならさしづめ御凌ぎといったところでしょうか。
計算されつくしていますね。

そして次なるはお椀です。蓋の代わりに大きな蓼の葉っぱが被せてありました。
瑞々しい水滴も付いています。こういう演出、女性の方にも受けるんでしょうね。
茄子と白身がとてもいい塩梅で香もとても上品で素敵でした。

お酒をお願いしましょうね。最初の一杯は竹葉の能登純米。
能登の米と能登の湧水を仕込んで能登の杜氏が醸した純米酒です。
米の旨味を感じるやわらかな飲み口で、甘み、酸味のバランスがとてもよく、
食中酒としても料理を引き立たせる酒ですね。

お刺身も出てきましたよ。毎朝、ご主人が漁港を回って目利きしたものが少しずつ。
能登近海の魚を集めたさながら宝石箱のようです。酒が進むなあ。

焼き魚はのどぐろ、季節はベストシーズンではないかもしれませんが、
北陸、山陰と言えばなんといっても魚の王様はのどぐろですよね。
魚のロースターの距離をこまめに動かして火加減を調節しながら丁寧に焼かれてします。
美味しいはずです。

葛仕立てのお椀は白身魚の皮目をパリッと焼きこがして葛仕立ての美味しい出汁に浸したもの。
とろみと魚の香ばしさ、モロッコいんげんのしゃきしゃきとした食感も楽しいです。

さてさて、新しいお酒に行って見ましょうか。
もうちょっとこの料理の華やかさに寄り添う手取川 吉田蔵大吟醸をお願いしました。
普段はあまり吟醸酒は飲まないのですが、お料理があまりに素敵だったので、、。

カツオの叩きはなんと酢味噌でいただきました。夏らしい爽やかなひと品。
唸ってしまうほどでした。

そして2つほど小鉢が続いた後、いよいよお寿司です。
地元の魚を6貫、どうです、やっぱりお寿司で〆るというところが何とも憎いと思いませんか。
本音をズバリと付かれたような気にさせられました。

最後にデザート代わりに唐墨と少し甘めの貴醸酒、満寿泉が供されました。
まるで貴腐ワインをデザートとしていただいているような贅沢さを味わえました。

次はなにか次はなにか、ずっとワクワクさせられっぱなしのひと時、
反省点は一つ、こういう食事は独りじゃもったいない。誰かと共有しなくちゃいけないですね。

それにしてもこの贅沢なコースが5500円とは、驚きでした。

  • 烏賊の冷製ジュレ仕立て
  • 蒸飯
  • 笹をめくると喉黒しご飯

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10位

燗の美穂 (長堀橋、堺筋本町、心斎橋 / 居酒屋、日本酒バー、日本料理)

1回

  • 夜の点数: 3.8

    • [ 料理・味 3.8
    • | サービス 3.8
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.8
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥4,000~¥4,999 -

2015/10訪問 2015/10/21

日本酒の日(10月1日)に燗の美穂ちゃんで

堺筋本町と長堀のちょうど中間地点、賑わう心斎橋を少し外れた
博労町と言う場所にこの店はあります。
名前から察するに昔は牛馬の取引場所だったところでしょうか。
大阪の町にしてはちょっとさびしい場所なのですが、
この店には大阪はおろか、京阪神、
いやいや日本中の日本酒好きが集まる酒場として注目を集めています。

燗の美穂と言う名前がこれまた秀逸ですね。
こういうパロディやもじり名前は、ともすると下品だったり、
間抜けだったりするものですが、こいつはドンピシャですね。
店主のお名前が中村美穂さんで、燗酒をこよなく愛することから燗の美穂と名づけたとか、、。

1ヶ月前に予約を入れるとこの日は石川県中能登町の酒蔵御祖酒造の銘柄「遊穂」ナイトで、
それ以外の酒は飲めないんですが、と釘を刺されたのですが、そんなことには頓着しませんでした。
「遊穂」を小生は「UFO」と聞き違えて珍しい酒があるもんだと感心したほどでした。(アホ)

予約した時間にきっかり到着。カウンターの席を確保してくれていました。
まずは振る舞い酒(遊穂/純米)をいただき、お通し3品が届いた頃、
店主中村美穂さんの発声で乾杯をすることになりました。
なんとその日10月1日は日本酒の日なんだそうで、それにちなんで、、。
日本名門酒会の公式サイトのリンクを張っておきますので興味のある方はどうぞ。
http://www.meimonshu.jp/modules/topics/index.php?page=article&storyid=30

なんとサプライズもありました。
遊穂を醸す御祖酒造の異色のオーナー藤田美穂さんと杜氏の横道俊昭さんも参加され、
酒の説明をしていただきました。なんとこの日はW美穂だったのですね。
藤田美穂さんは東京出身で全く畑違いのOLから酒造業界に飛び込んだ異色の蔵元。
若くして才能あふれる杜氏の横道俊昭さんとの出会いで遊穂と言う銘酒を生み出したコンビです。
遊穂は平成18年に「能登杜氏自醸清酒品評会」に初出品してにいきなり最高賞の
金沢国税局長賞を獲得し、能登杜氏名工賞に輝きます。
平成20年にも首席となり、能登杜氏の最高栄誉を二度も受賞するという快挙を成し遂げています。
そういうすごい酒のことを全然知らずに日本酒通を自認していたなんて恥ずかしい限りです。

この日は振る舞い酒の純米(冷や)のほかに純米26BYを燗で、
山おろし純米冷やおろし26BY、山おろし純米22BY、山おろし純米18BYを
それぞれ燗でいただきました。すっきりとした飲み口飲み飽きしない素晴らしい酒です。
まさに「酒は純米、燗ならなお良し」という境地ですね。

お料理もお通しの3品の他無花果のチーズ焼きやヒラメの昆布ジメをいただきましたが、
料理も手抜きなしで美味しいものばかりでした。
何よりも驚いたのが値段がお手頃なこと。こんな店が我が家のそばにあったら、
毎晩通ってしまうことでしょう。まったくもって素晴らしい左党のための店でした。


  • 無花果のチーズ和え
  • 平目の昆布締め
  • 仕込み水

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