1.はじめに ここ2~3ヶ月ぐらい、ツレの協力もあって、京阪神エルマガジン社出版の「
めんの本」を片手に、麺をもう一度探求する小旅行に出ていました。
しかし、いまだ旅の途中でして、中年男にはもはや修行の域です(苦笑)
ただ、
麺の向こう側にある真実について、なにかわかりかけたことがあります。
麺の集中特訓をした甲斐はありそうです。
後半戦はアジアエスニック麺やうどん、パスタが中心となります。
まずは報告。
2.めんの本 前半戦ハイライト 初めて訪問したお店は、掲載店のうち8割ありました。
しかし、たとえ過去に伺った店でも味が変わったり、古い記憶だったりしますので、再訪した店もあります。
前半戦で感動した開拓麺は、二子玉川の「
鮎ラーメン」と赤坂「
たけくま」の担々麺になります。
また相変わらず素晴らしいと感じた店は、江戸川橋「
新雅」銀座「
麺屋ひょっとこ」と「
支那麺はしご」、丸の内「
きじ」、神楽坂「
りゅうほう」、それに赤坂「
榮林」と門前仲町「
こうかいぼう」です。
それと、今回高く評価したいお店もあります。
門前仲町「
一龍」、赤坂「
アイヒェンプラッツ」、呉服橋の「
よもだそば」、北千住「
りんりん」には興奮するものがあります。
逆に期待外れもありました。
中目黒「
東京土山人」のすだちそばは、見た目がきれいなだけにとても残念でした。
また、汁なし担々麺の麻布十番「
どらいち」は
7/29より改装休業でして、運悪くその日にお邪魔して玉砕しました。
担々麺は、大きく分けて芝麻醤・豆板醤が強い日本流か、花椒・辣油が強い中国流に分類できるかと思います。 どっちもどっちで、むしろ私はその中間に当たる日中合作坦々麺が好きなのだと判明しました。
例として、東日本橋「
虎穴」(めんの本未掲載)の担々麺がその傑作だと思います。
雑誌で紹介された中華の焼きそば(和えそば)は、全般的に酷い味で、それ目当ての再訪は二度とないでしょう。
なお、話は変わりますが、神田「
雲林」では「
クレジット支払い10000円未満は×」という理由で大変不快な思いをしました。
事前に口頭で伝えるかメニュー本の端にでも書いておけばまだしも、食べ終わってから「カードは使えません」では正直引きます。
カードが使えると思って注文しましたが、ちぃーと冷や汗をかきましたね(苦笑)
他のお客のことも考え、クレジット会社へクレームとして通報しましたが、反省しているか否かを再訪して確かめたいと思います。
日記を上巻・下巻の二回に分けて載せます。
3.寸評 ※食べた麺の評価とお店全体の評価に分けました。麺がダメでもお店としては◎もありましたので。【柑橘麺】●
池尻大橋「
東京土山人」 ランチ 生粉打ちせいろの冷やしすだちそば1150円
(麺)★★2.0 (店)★★★★4.0
すだちそばの見た目はすんばらしいが、はじめから皮の苦みと渋みがあり、
かけつゆだしとすだちがぶつかりあって相性は最低最悪。
他のそばと料理はわりかし満足。内装や雰囲気は◎。今回の雑誌の中で一番がっかりした麺。
●
恵比寿「
AFURI」 夜 ゆず塩麺850円
(麺)★★★3.0 (店) 〃
この手のラーメンを評価することがもはや
ナンセンスかもしれない。この味から脱した鶏塩ラーメンを所望。
●
有楽町「
麺屋ひょっとこ」 夜 柚子柳麺700円
(麺)★★★★☆4.5 (店)★★★3.0
これぞ
理想的な柚子ラーメン。麺の味わいや歯切れもよく、二枚載っているチャーシューも美味でメンマもド迫力。
キッチンを見ながら食べるのがチトつらいが、このシンプルな味わいは奇跡的。
【汁なし坦々麺】●
麻布十番「
どらいち」 ランチ 汁なし坦々麺900円
7/29より改装休業
●
新宿歌舞伎町「
川香苑」 夜 四川本場タンタン麺850円
(麺)★★2.0 (店)★★★☆3.5
酢と唐辛子を感じさせる味わいであり、花椒は後からやって来る感じ。
中国テイスト。一品料理はいいかも?
麺は安物麺でかなり低レベル。挽き肉は少ない。値段と内容を考えるとCPは悪い。
●
本郷三丁目「
栄児家庭料理 本郷店」 ランチ 汁なし担々麺1000円
(麺)★★★★4.0 (店)★★★☆3.5
花椒が効いた本場中国の味はさすが。麺は逆に安物麺で残念。
ランチは高いがサラダor小皿がつくし、水餃子はおかわり自由。
本場四川省の中国人が調理しているらしいが、味は確かである。
細目の縮れ麺で、茹で加減はやわらかめ。水餃子の餡は青菜ニラ。
●
新宿御苑「
から味処 粧」 ランチ 麻油麺800円
(麺)★★★3.0 (店)★★★★4.0
麺はコシのある特注平麺(卵麺)の油そばになっており、香味油や炒り胡麻、練りゴマ、辣油などが絡めてある。
花椒は強くなく、唐辛子を活かした味わいで、ピリ辛肉味噌の辛味調整は温泉卵を利用する。
麻油麺は夜メニュー。
変わったメニューがある居酒屋であり、夜に再訪したい。
【坦々麺】●
赤坂「
たけくま」 ランチ・夜 担々麺900円 酸辣湯麺900円
(麺)★★★★☆4.5 (店)★★★★4.0
これぞ
日本人好みの味。花椒は特に効いておらず練りゴマと四川豆板醤、ラー油のバランスがよく風味のある辛み。
量があって食べ応え抜群。雑誌写真は真っ赤だが、実際は白と赤のコントラストが美しい。
ちなみに、酸辣湯麺は胡麻油、強い酢、それと豆腐が特に際だつ。
麺は意外にも固めでしっかりしており、日本風。
杏仁は噂通り美味。牛乳・生クリーム杏仁豆腐。
●
浅草橋「
馥香」 ランチ 坦々麺1000円
(麺)★★★★3.5 (店)★★★★☆4.5
本には細麺があると書いてあるが、ご自慢の一本麺か刀削麺の二者択一で後者を選択。
曲がりくねったクセのある麺は、
口に入ると麺が暴れて面白いのだが、当然ながらスープを飛び散らすこととなる。
白シャツや一張羅には厳しい麺である。スープはわりかし日本式でたけくまに似ているがこちらの方が凡庸。出てくるのに時間がかかる。
●
千駄木「
毛家麺店」 夜 担々麺880円
(麺)★☆1.5 (店)★★2.0
「
天外天」の隣にある
ダメダメ中国人中華。坦々麺の値段は200円ぐらいが妥当。
芝麻醤を溶かした業務用鶏スープにラー油を加えたシンプルさで、肉っ気は一切なく麺の量も超少ない(80~100g?)
掲載写真ではふんだんにあった香菜も、実際はほんの少量で、中央の黒ゴマにゴマかされた印象。
まさにゴマカシ。サービスも最低レベル。
●
六本木「
御膳房」 夜 胡麻風味担々麺1050円
(麺)★★★★☆4.5 (店)★★★★4.0
昔のディスコ・マハラジャ近くの雲南料理を得意とするレストランで、店内は鏡や衝立で仕切られており、上品・高級感がある。 店内のテーブルが小さい。席も狭い。
なにせ雲南省は薬草の宝庫であり、新薬材料の桃源郷でもある。
はじめ甘みが舌にくるがそのあと胡麻(芝麻醤)と豆やピーナッツのようなフレーバーがやってくる。
見た目は辛そうだが、調和のとれた素直な味わいと辛さで、
雑誌では「夕凪のような辛味の広がり方」と紹介されているが的確すぎる。
挽き肉は特に味付けしておらず、麺は和式麺であり、東日本橋「
虎穴」を彷彿するウェーブとコシがある。
●
淡路町「
神田雲林」 夜 タンタン麺1050円
(麺)★★★☆3.5 (店)★☆1.5
花椒は
フリスク一箱分を口に入れたぐらいのスーハー。
麺は全粒粉で、胡麻や辣油のうま味はあるが、花椒が強いせいで正直すべてが台無し。
しかもあまりにも高すぎるお通し代。
杏仁豆腐は美味しいかもしれないが、舌がイカレテ正直よくわからなかった。
クレジットカード事件でお店の評価は最低レベル。
●
銀座「
支那麺はしご銀座本店」 夜 排骨担々麺1000円
(麺)★★★★☆4.5 (店)★★★★4.0
日本風であり、四川豆板醤と胡麻たっぷりのボリュームあるカレー味トンカツ載せ麺。
さすが
老舗、味が王道。
胡麻の濃厚感もくどくなく日本人好み。ストレート麺は、本郷三丁目や湯島の「
竹子」と同じ麺。
餃子は高すぎるが、焼売は絶品。深夜営業がすごく嬉しい。
●
原宿「
龍の子」 夜 正宗四川辣味そば(担々麺)1200円
(麺)★★2.0 (店)★★★3.0
量が少ない。麺は80~100g?ひたすら柔々麺で、中華麺と思われるがちょっと……。
スープはしゃびしゃびで、白ごまペースト、四川豆板醤と八角が強いが、花椒は他店に比べて弱い。
特筆するものがなく、古いお店の味と言えばそれまでで、他の料理も高い割にはたいしたことないかも。
名物ワンタンは一見、
四季のおでんの「雪菜」風。どろっとした芝麻醤の下は醤油(紹興酒入り?)で味が強く塩辛い。
一方、ワンタン自体は上品な水餃子みたい。挽き肉、椎茸、筍などが細かく入っている。
サービスは大ざっぱで、目の前で客と主人がタバコを吸いながら歓談(←ちょっと横柄じゃない?)
生ビールは金物臭い。
●
本郷三丁目「
麺覇王」 夜 滋養黒担々麺1200円
(麺)★★★☆3.5 (店)★★★☆3.5
これまで食べてきた担々麺とは次元が異なり
最後まで担々麺には見えず、辛さも感じない。
スープは黒であっさり。濃厚さはなく、野菜などのトッピングを含めてボリューム満点だが値段は高い。
一方で麺はその縮れ具合や舌触りが限りなく日本のラーメンの麺。
豆板醤や花椒、それに芝麻醤はちっとも感じられないが、別モノのラーメンとして考えればこれはこれで美味いのだろう。
豚バラ肉、キクラゲ、ニラ、赤ピーマン、ピーマン、もやしが具。
雑誌写真の色は赤いが、滋養赤担々麺(未食)もある。
【やきそば・和えそば】●
新宿「
東順永」 五目あんかけ焼きそば700円
(麺)★★★★4.0 (店)★★★☆3.5
場所はなかなか行きづらい。最寄り駅は新宿御苑か?
味は濃すぎずあんかけと言うより五目野菜炒めのせそばが正しい。
学生向けのボリュームと値段でとにかく野菜もりもり。海老・烏賊はあまりはいっていない(海老1匹、烏賊少々)。
木茸、マッシュルーム、フクロ茸、白菜、人参、筍、ヤングコーン、青菜、白葱、豚バラ肉が入っている。
これに、ぬるいかき玉汁、簡易チャーハン、水コップのアイスコーヒー付きで700円は素晴らしい。
中国女性店員がペチャクチャと大声でウルサイのは事実。ストレス発散か?横だと結構ツライ。
●
池尻大橋「
西湖飯店」 牛ハチノスとネギ炒めの焼きそば900円
(麺)★★2.0 (店)★★★3.0
とにかく塩が欲しくなるほど、味が薄い。いや、味がしないというのが正しい表現かも。
ハチノスはサクサクという感触ではなく、しっとり柔らか。
芸能人御用達のせいか、
値段設定は超強気でめちゃくちゃ高い。
餃子600円、ピータン1300円には驚いた。
●
四谷「
嘉賓」 カキソース和えそば800円
(麺)★1.0 (店)★★★3.0
週替わりのおかゆとミニ杏仁付きで一見とてもお得だが、
味はとても酷く、最後まで食べるのが厳しい。
麺もおかゆも酷すぎる。
細麺の味はともかく、茹で置きのせいで、箸を入れると全部持ち上がるほど固まっている。
昨夜の出来損ないビーフンを温めて食べている感じで、さすがにこれは閉口。
おかゆに入っているエビから危険な臭さ。
そのおかゆも糊化がひどく、京都のおかゆを食べた人なら恐らく怒鳴りだすレベル。
●
日比谷「
慶楽」 夜 チャーシューバーミン1000円
(麺)★☆1.5 (店)★★★3.0
日比谷にいくつかあるガード前中華の中で一番の老舗。帝国ホテル寄り。
油そばらしいが、日本の油そばを期待するとがっくりするほど、ビーフンに限りなく近い。
麺は固まっており、ほぐすことからはじまるが、酢を入れるとなんとか食べられるようになった。
ペヤング焼きそばの乾燥かやくのようなものが油そばにふりかかっているが、ペヤングの方が断然美味い。
切干し大根に似た干し大根はしょっぱく、しかもそれが唯一の塩気。
麺は熱々ではなかった。この内容でこの値段は高すぎる!300円が妥当。
チャーシューも見た目ほど美味しくなく、一般的横浜中華街レベル。
下巻へ続く・・・・・・