『映画「マネーボール」』須藤塔士さんの日記

塔士の食い道楽日記

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須藤塔士 (男性・東京都) 認証済

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 我々は幸か不幸か、資本主義の世界に生きている。このメカニズムでは、何かを得るために競争して勝ち上がることが求められる。もちろん勝てば何をやってもいいわけではなく、どんな分野での競争においても一定のルールがあるのが普通だ。例えば徒競走では、選手が一つ一つのレーンに分かれて審判の合図の後に一斉に走りだす仕組みになっている。一人だけ10メートル前からスタートするなんてことはないわけだ。賄賂を渡せば可能なケースもあるのかもしれないが。
 さてマネーボールだが、舞台はメジャーリーグで、GMと呼ばれる選手の雇用に責任を持つ立場の人間が主人公の作品である。野球というスポーツの中で、どんな選手を雇い、どのように戦うか、それはすべて球団の戦略に依存される。では雇う選手はどのようにして選べばよいのか。資金を多額に持つ球団は、金に物を言わせて人気選手を好きなだけ雇用できるし、本作品の主人公が所属する球団のように、資金に余裕のない球団は、どうすればいいだろう。その疑問に答えた戦略手法に焦点があてられた作品だ。少ない金額を投資して、最大限の結果、すなわち優勝を目指す。主人公の選択した戦略は、サイバーメトリクスと呼ばれる数学的データに基づいた方法であった。独創的で活気的なアイデアによってチームを勝利に導いていく。
 周囲の反対を押し切って、推し進める勇気と行動力。主演はブラッドピットが務め、実在する球団の話でリアリティがある。実に興味深い作品でお勧めである。
 食べログの日記に何を書くか迷ったが、今回は映画の紹介で終わりたい。





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