『大将はリグーリアで修行/『べんてん屋 花田店』の名物大将に似ている!?/チンクエ・テッレのワインの評価は今でも…………続き』ペスト・ジェノベーゼ星人さんの日記

PIYO PIYO

メッセージを送る

ペスト・ジェノベーゼ星人 (東京都) 認証済

日記詳細

もともと食事を終えたら逃げるようにこの地から去ろうと思っていた。しかし私は夜道を歩きながら、ぽつりぽつりこの街で働いていた時のことを思い出していた。

まあブラックもブラック、思い出したくもないのだが、それでも『食』に関してだけでも忘れられない嫌なエピソードが多数ある。


超忙しい職種で、終電帰りか泊まりかという日々の中、疲労困憊ヘロヘロ。若いとはいえ私も同僚のSくんも「これは精をつけねば」と、事務所の近所の焼肉ランチに繰り出したのだった。

肉を焼いていると、そのSくんの白いTシャツに、タレが染みているのを見つけてしまった。私は少し笑いながら「Sくん、胸のところに焼肉のタレが飛んでいるよ」と指摘した。
「いえ、これはタレではないんですよ。体を壊してしまい、皮膚が破れてそこから変な汁が出てくるんですよ」と。Sくんの返答に、私の笑顔は凍りついた。漠然としか考えていなかった辞めるという事が、その時から具体化してきたように思う。
まあ、まったくの素人から編集仕事を覚えさせてもらった感謝はあるが、それ以外は、あのこき使い方にはいまでも恨みに思うぐらいだ。


もうひとつの『食』に関してだ。
オーナーの趣味が「ハ虫類を飼うこと」で、1m近い大トカゲを事務所内で飼育していた。問題はエサなのだが、ヌードマウスという毛が一本も生えていない、よたよたと震えながらしわだらけの体で歩行する、生餌(いきえ)を与えていた。ドアの閉められた部屋ながら、ヌードマウスの「ぎー、ぎー」という断末魔の悲鳴が漏れ聞こえてくる。
これはトラウマである。自分の身に置き換え、絶望したものである。


食事する暇も惜しんで仕事をしていたので、テイクアウトが多かった。タベルナ飯田橋店の薄切りステーキは良く食べたっけ。それからスリランカ・カレーも画面を見ながら食事できたから便利だった。そのどちらも、もう閉店してしまったし、前述の焼肉屋も無くなってしまった。あ、あの児童公園はどうなっているんだ!
彼女と15分だけのブランコデートをしたんだっけな。まったく、あれだけ忙しかったのに(笑)。
ページの先頭へ