2回
2021/09 訪問
信じられないほど重厚な鴨感に脱帽!!
2021年9月22日(水)
昨夜は前々からニボ美が行きたがっていたこちらの店を初訪問。
18時33分に到着すると、店の前では11名の先客が入店待ちの状況です。
外待ちの間に食券の購入を求められたものの、目当てであったつけ麺は既に売り切れとの事でした(汗)
結局私は「鴨出汁中華蕎麦(醤油)」、ニボ美は「鴨出汁中華蕎麦(塩)」と「燻製半熟煮玉子」の食券を購入しました。
そして、外で待つ事50分ほどで店内に案内され、席に着いて更に待つ事5分ほどでラーメンが到着です。
若干曇った醤油スープには薄い油膜が張っていて、細麺の上にはペーストを添えたチャーシュー、ホウレン草、焼きネギが乗っています。
先ずはスープを飲んでみると、穏やかな醤油の風味や塩味と共に、極めて緻密でいて円やかな出汁の味わいが口の中に広がります。
尚、卓上の説明書を見てみると、丸鴨や鴨ガラと共に椎茸や昆布で取った出汁と蟹から取った出汁を合わせたWスープとの事です。
ただ、私が味わう限りでは鴨のコクが極めて濃密に効いていて、他の素材は自らを主張する事なく旨味の層を担っている印象です。
尚、蟹の場合は若干でも加わると明確に分かりそうなものですが、鴨の風味と渾然一体と化す事で自らの気配を巧妙に潜めています。
次に麺を食べてみると、多加水寄りの細麺が適度な硬さに茹でられていて、風味には欠けるものの靱やかなコシと滑らかな喉越しを感じます。
また、麺にはスープと共に鴨油が存分に絡み込み、啜り上げるとスープの味わいを感じると共に鴨油の芳醇な香りが鼻腔を瞬時に満たします。
次にチャーシューを食べてみると、鴨胸肉のスモークチャーシューとパストラミが何れも若干厚めにスライスされています。
スモークチャーシューは燻煙の香ばしい風味を帯びていて、噛み締めると凝縮された赤身の旨味や脂身の甘味が舌に極めて緻密に伝わります。
一方、パストラミは周囲に粗挽き黒胡椒が施されていて、微かな塩味や仄かな胡椒の風味が肉質の旨味や脂身の甘味を鮮明に際立てています。
尚、終盤でペーストをスープに溶いてから食べてみたものの、フォアグラの風味を幾許かは感じつつも味の変化は至って希薄である印象です。
食べ終えた感想ですが、今まで食べた鴨出汁系の中では群を抜いて鴨の旨味を明確に感じる味わいでした。
尚且つ、私が今年食べたラーメンの中でも間違いなくダントツのインパクトを与える極めて素晴らしい味わいでした。
因みに、ニボ美の「塩」スープも一口飲んでみたものの、私には「醤油」の方が一段と鴨の風味が伝わる様に感じました。
後で分かった事ですが、つけ麺は昼と夜で各々10食との事ですので、次回は開店前から並んでつけ麺を是非試してみたいと思います。
ご馳走さまでした。
2021/09/23 更新
2021年10月10日(日)
昨夜はニボ美と一緒にこちらの店を約半月振りの訪問です。
前回は目当てのつけ麺が売り切れだった為、今回は必ず食べる為に開店前から待つ事にしました。
開店の1時間27分前に到着すると、当然の事ながら店の前に待ち客は誰も見当たりません。
開店と同時に店内に案内され、私は目当ての「特製醤油つけ蕎麦」、ニボ美は「醤油つけ蕎麦」の食券を購入しました。
そして、食券を渡して席に着くと、待つ事25分ほどで待ち焦がれていたつけ麺が遂に到着しました!
緩やかに縮れた平打ち太麺は淡い桜色の出汁に浸されていて、その上には揚げた桜海老と共に少量のキャビアが添えられています。
一方、醤油スープには分厚い油膜が浮いていて、別皿にはチャーシュー、穂先メンマ、ツミレ、味玉、櫛切りレモン、ホウレン草、刻みネギが乗っています。
尚、別の小皿には粗めに摺り下ろしたトロロが注がれていて、卓上に置かれた説明書では途中で麺に混ぜる食べ方を勧めています。
先ずは麺を食べてみると、多加水寄りの太麺が適度な硬さに茹でられていて、グルテン化した小麦粉の風味と弾力を見事に兼ね備えています。
一方、麺を浸している出汁は鴨に桜海老や昆布との事ですが、粘度や塩味を帯びつつも桜海老の香ばしい風味を鮮明に押し出した味わいです。
次にスープを飲んでみると、生醤油の香ばしい風味や強めな塩味と共に、緻密なコクを帯びた鴨の味わいが舌に存分に伝わります。
出汁は鴨や昆布に椎茸や蟹との事ですが、様々な風味が巧みに介在する事で主体を占める鴨の輪郭が一際鮮明に浮かび上がります。
そして、麺をスープに漬けて食べてみると、鴨と桜海老の香ばしさが重なる事で、嘗て経験した事の無い鮮烈な味わいを生み出します。
一方、鴨脂の油膜で熱々に保たれたスープが麺に熱を与える事で、小麦粉の持つ風味や甘味が自らの輪郭を極めて鮮明に映し出します。
次に刻みネギを加えて食べてみると、ネギ特有の香味や甘味が重なる事で鴨が主体の重厚な味わいに見事な奥行きや広がりを与えます。
そして、チャーシューを食べてみると、前回の「鴨出汁中華蕎麦」でも使われていた鴨胸肉のスモークチャーシューとパストラミです。
今回のレビューでは詳細な説明を省きますが、こちらの鴨チャーシューは類稀なると言っても過言でない極めて素晴らしい味わいです。
一方、後半で麺にトロロを混ぜてみると、鴨や桜海老の香ばしさが包み込まれる事で、一気に円やかな味わいに変貌を遂げる印象です。
そして、最後に味玉を食べてみると、燻煙の香味と共に仄かな甘味を帯びていて、ゼリー状に仕上げた黄身のコクや旨味が舌に存分に伝わります。
食べ終えた感想ですが、数々のギミックが味に見事な変化を与えていて、期待を一切裏切る事のない極めて素晴らしい味わいでした。
ただ、最初に戴いた「鴨出汁中華蕎麦(醤油)」があまりに素晴らし過ぎて、残念ながら前回を上回るほどの衝撃や感動を得るまでには至りませんでした。
尚、ニボ美は「特製鴨出汁中華蕎麦(醤油)」と「カレーつけ蕎麦」を絶対に食べたいとの事でした。
と言う訳で、年内に最低でもあと2回は訪れる事になりそうです(笑)
ご馳走さまでした。