6回
2022/01 訪問
静謐で、美しく、そしてドラマチック
私の大好きな三心さんにまたお邪魔する事が出来ました。前回は新大阪にギリギリに着きすぎてお店に着く頃は汗だくだったので今回は余裕の10分前到着です。横のアトリエでゆっくり休めるのが良い。
まずは生ビール。以前までは飲み物メニューは無く、生ビールも無かったのですが取り入れた様です。少し小さめですが500円という居酒屋価格なのが嬉しい。酒で儲けようとしてない所も私がこちらを好きな理由の一つです。
トップバッターは白子。出汁と合わせて濾したものです。白子の身は無いのにそのまま食べるより濃厚でのっけから日本酒を飲みたくなりました。
早くもスペシャリテの登場。酢漬けの鰯の海苔巻き。ああ美味しい。酢、海苔、芽ネギの多層的な香りの後に鰯の香りがしっかり来ます。この手のつまみを出す所は最近増えましたがやっぱりこちらがNo. 1。
赤星を追加で。600円とこれも安い。昼からいっちゃいましょう。
子持ちヤリイカ。まず出てきた時の出汁の香りよ。少し甘めで柔らかくて、鬼下ろしが良くあっています。イカ飯などの嫌なイカ臭さなど微塵もありません。
伝助穴子を焼いたものを海苔と一緒に。身がぶりぶりで強い食感と醤油と海苔の香りが日本人の魂を揺さぶります。
握りに。まずはヒラスズキ。初めて聞く魚ですがブラインドで食べるとタイみたいな上品な旨味でしこたま美味しい。さすが三心さん、白身は外しません。
赤貝。口いっぱいに頬張ると甘みがぐわーっと広がります。舌の全体に赤貝が載る感じ。
あ、蟹さんだ。そんなに好きという訳でも無いのにテンションが上がる私はミーハーです。
漬け。この日は塩釜の延縄のもの。鉄分が良く、余韻も長い。お手本の様な漬けです。
志摩の牡蠣。山椒がかけてあります。味わいそのものも去ることながらここでこの変化は良いですね。飽きさせないし抑揚があります。
中トロ。この個体は中トロが美味しいですねえ。脂がたっぷりなのにしつこくなく舌の上ですっーと溶けていくのにいつまでも香りが残ります。
さっきの蟹さんが綺麗に茹で上がっていたので思わずパチリ。美味しく食べるからね。
小肌。以前よりも酢でしっかり締めてる感じ。でも小肌の香りも強い。面白いなあ、こんな小肌の握りあるんだ。私は緩めの締め方が好きなのですがこれはこれでアリ。
蛤。ちょっと煮汁の味が濃すぎるかなあ。まあこれは好みです。
車海老。あ、奴寿司スタイルになってますね。正に天草リスペクト。しかしやはりこのスタイルは甘味をしっかり感じれてとてもとても良い。
ここでクエ。白菜と一緒に煮込んだそうです。なんやこれむちゃ美味しいやんけ。クエの出汁が白菜に沁みて極上。何よりここで温かいものというのが良いですね。まだまだ食べるぞ。
煮蛸を握りで頂きます。へーおもろいなあ。柔らかいから握りにできるんですね。
皮剥。優勝ですおめでとうございます。この時点でおかわり確定。昆布締めした身も肝もシャリとの相性も完璧。皮剥こそ真の王者です。
ぶり大根。以前も頂いた事がありますが、脂が乗った鰤を千枚漬けの大根と食べるのは無茶苦茶良いアイディアですね。鰤は脂がすごいので単品だとクドいのですがその油を大根がしっかり受け止めてくれます。思わず幸せの溜息が出てくる。
味噌汁。ほっと一息。こっからまだまだ食べるで。
あの蟹さんがようやく登場。お弟子さんが頑張って身を出して外子を丁寧に出していました。外子の濃厚な旨味。ああやって丁寧に下拵えしてるのを見れるのもありがたみが出ます。
穴子。こちらの穴子は最後に少し炙るのですがそれが良い。口に入れたらすぐ解けてしまうのに香ばしいという矛盾。
玉子。インスタで一時期玉子の作り方に試行錯誤されてるのを見てましたが、その成果が出てますね。甘みが少し出て玉子の味をよりダイレクトに感じれるようになっています。玉子一つ取っても奥深い。
さてここからお待ちかねの追加タイムです。本当は全て食べたい気持ちを押し殺してオールスターを厳選します。
まずは締め鯖。結構がっつり締めてますね。最近はこういう芸風なんかな。
皮剥アゲイン。確信しました。これが世界一美味しい握りだ。上品ででも濃厚さもあって。ダメだ語るほどチープになる。
鰆。皮目が香ばしく、脂がちょうど良く、これぞ寒鰆という控えめながらも強い主張がありました。
最後はいつも通り鉄火を一本で。シャリの酸味と鮪の鉄分と海苔の香り。これぞ三位一体。あー美味しかった。
甘味は隣のアトリエに移動して。この日はぜんざいと煎茶を。このぜんざいがまたむちゃんこ美味しい。何が美味しいって豆が美味しいんですよね。最後までパーフェクトピッチング。昨年のCSの奥川くんのマダックスを彷彿とさせます。分からん人はググってくれな。
お手紙。すごいよなあ。手を抜かないもんなあ。ちなみに写真はありませんが前回同様お土産でお稲荷さんも頂きました。翌日まで続く幸せ。
以上がっつり食べて3万円。最高か。私が仮に会社をクビになっても、死ぬほどウーバーイーツの配達員やってでもここのお寿司を食べに来るでしょう。それぐらい価値がある。
どうしてだろう。ここのお寿司は食べれば食べるほど美味しくなる。初めて行った時は美味しいけど抜きん出て美味しいという印象までは正直言えば持たなかったのですが、繰り返し伺ううちにどんどん美味しくなっていっています。普通は行けば行くほど慣れてきて感動は薄れていくのに、どうしてここは逆にどんどん感動が強くなるのか。
同じネタでも毎回少しずつ変わっていて、でも柔らかな酢や、香りの余韻を重視した感じは変わらない。静謐として背筋が伸びる様でありながら、気取った所がない。大将の美しい所作やお弟子さん達の元気な声。酒で稼がず、あくまで握り、料理でお代を頂こうという姿勢。何から何までが私の理想とするお店に近い。そしてそれが伺うことに進化、洗練されていく。きっとそうなんだろうなと。
どんどん大将の御出身、熊本の握りに方向性が似てきている事も気になります。私が熊本のお寿司をこよなく愛している事をもはや知ってるのではないか、勿論そんな事は無いのだけれど、あまりに好みや理想とするものの考え方が似ていて運命性すら感じてしまいます。そう、ここは静謐で、美しく、そしてドラマチックなんです。
次は春かな。次の感動を心待ちにして。御馳走様でした。
2022/02/23 更新
2021/10 訪問
エレガント
三心です。前回はお店の窓から目の前の公園の桜が咲いている光景を見ていたのに、気付けば半年も空いてしまいました。久々の三心でワクワクしています。
まずはビール。いつも通り三心の日は朝から15km走って臨んだ成果です。染み渡る。
トップバッターは天草の鰆。軽く皮目を炙ってあります。口に入れた瞬間の香ばしさ、そして身が柔らかくトロける。淡白ですが口溶けが良い。このお店らしい始まりです。
後で出てくる松茸を。先日の勢麟でも大将が仰っていましたが今年は収穫量が少なく終わるのも早いそうです。ワクワク。
明石の蛸。硬いけど硬くないというか、不思議な食感。そして蛸自体の濃密な味わい。ビールを思わず傾けます。
スペシャリテの一つ、大阪湾の鰯の海苔巻き。お皿を目の前にした瞬間から酢と海苔の香りが漂い空腹が刺激され、それが口に入れた瞬間更に広がります。この香りが好き。
北海道の白子。白子の柔らかさよ。なんでここの料理はどれも口当たりが抜群にいいんだろう。そして出汁も酢が効いており円やか。北海道で食べた白子より美味しかった。
さて握りに。まずはキングオブ白身魚の天草の白甘鯛です。元から強い旨味が昆布締めで更に引き出され、甘鯛特有の香りが強い。
以前よりシャリが少し硬めになった印象です。毎回来る度に少しずつ変わっていく、このシャリを頂くのも楽しみの一つです。
天草の皮剥。うげーむちゃんこ美味しいなこれ。塩抜きした身の旨さ、肝の仄かな味わい、酢飯の香り。完璧なマリアージュです。
思わずビールお代わり。昼だけど知らん。美味しい食事をしていたら美味しい酒飲んじゃうのは仕方ない。
明石の締め鯖。熊本方式のネタを重ねる仕事ですね。私が知る限り今回が初めてです。とにかく鯖の香りが素晴らしい。このお店は酢を使わせたら日本一。
大間の鮪の漬け。最初は出汁の香り、その後に怒涛の様に鉄分が襲ってきます。この醤油に負けない鉄分よ。ビールを飲んでもまだ余韻残るすげえ。
大トロ。脂の香りに気品を感じます。酸を感じて、でも余韻はやっぱり長い。大間の鮪ってやっぱり美味しい。
先程の松茸を使った土瓶蒸しが来ました。しかもクエと一緒です。最初はそのままで、後から数滴だけかぼすを絞ります。気品のある香りが身体中を巡る。もはや静脈注射したい。
有明の小肌。穏やかな締め方と小肌の香りがしっかり残っています。やっぱりここの寿司は残り香がすごく良い。
九十九里の煮蛤。少し煮汁が濃すぎるかなあ。ただ余韻は蛤の香りがしっかり残っていました。
有明の車海老。バーンと前面に海老というよりは控えめな海老です。これぐらいのが好きかも。
北海道のいくら。色が違うのは仕込みを変えているそう。ネトっとした食感が特徴的。粒毎に食感も違うのでイクラなのに複雑味を感じました。
秋刀魚。ぬおー脂がすごい。けれどクドくない。秋刀魚って本当美味しいなあ。
淡路の赤雲丹。北海道のものより濃厚さはありまへんが、一粒一粒を感じるほど濃密な粒で、かつ香りが良い。エレガント。
赤出汁には山椒が。まだまだいけるで。
穴子。もはや半分液状化してるのではというほど。出汁も濃すぎなくてまだまだ食べたくなります。
玉子。またスタイルを変えてきましたね。ほんのり甘く、赤酢の酢飯との相性がちゃんと考えられてるなと言う感じ。これはこれであり。
さてお待ちかねの追加タイムです。この瞬間ワクワクするよなあ。
まずは皮剥アゲイン。いやほんと美味過ぎるやろこれ。私は白身魚が好きなのですが、そんな白身の握りとしてオールタイムベストだったかも知れません。
黒ムツの炙り。皮目の炙った香りから、余韻には脂がしっかりと。ギトギトしてないのも良い。
鉄火巻き。一本分です。問答無用。やっぱり鉄分が素晴らしい。二本でも三本でも食べれそう。
隣の建物に移動。今回はプリンにしてみました。玉子焼きとプリンの間という感じ。前の玉子と似ています。
という事で計29500円。よう食べた。私は完全に満たされた。
今回も素晴らしい寿司でした。そして進化している、そんな印象を受けました。これまで以上に酢飯とネタの相性が素晴らしく、一体感があります。どれも香りが良く、咀嚼しているうちにネタの香りが変化していって永遠に咀嚼したくなります。そして余韻が長いのも特徴的。ビールを飲んでもまだ残る余韻に浸る幸せ。
エレガント、そんな言葉がぴったりです。大将の所作からつまみや握りの見た目、口に入れた瞬間から食後の余韻まで、美しくどこか儚さすら感じます。だからいつまでもこの場に居たいし、いつまでもここの握りを食べていたい。
いつも天草や有明近海のネタが多いなと思っていたので何故かと大将に聞いたのですが大将は熊本出身なんですね。だからかと合点がいきました。私の好きな鮨なかむらや鮨たいとと印象が似てるのも偶然では無かった。酢の香りが立ち、ネタや薬味の香りが良く、食べているうちに変化していく。熊本の人は何かそういう傾向があるのかな。不思議な縁を感じました。
ちなみに今はお稲荷さんをお持たせにしてくれます。凄いよなあ。こんなに人気店なのにまだ喜ばせてくれる。お稲荷さんも控えめで黒米がはいっていたりして美味しかった。店を出ても余韻は続く。
少しずつ、でも確実に進歩していくこちらの鮨を私はいつまでもその進歩を感じながら味わっていきたい。これからも予約が取れる限り、何度でも伺いたいと思います。御馳走様でした。また来ます。
2021/11/28 更新
2021/04 訪問
桜吹雪
三心さんに三回目の訪問です。前回は冬、前々回は晩秋で、今回は春と季節毎に訪れています。今回は春だから貝が食べれるかなと行く前からウキウキです。
まずはビール。今回は万全を期して有給を取って来ました。これでメールや電話に怯える事無く心置きなくいけます。今回もちゃんと朝16km程走ってお腹も万全の状態です。
まずは天草の鯵のたたき。もう見た目から美しい。梅が混ぜられていて、薬味もしっかり入っていますが、主張が強すぎないのが良い。何と爽やかな春の味なのか。素敵な滑り出しです。
青森のイカを煮てみました。柔らかく、ほのかに甘い。優しい味わいです。イカの煮物ってイカ飯みたいに臭くて苦手なのですが、全くそんな臭みが無く、鬼おろしも相まってスイスイと食べてしまいました。
スペシャリテの一つ、大阪湾で取れた鰯の海苔巻きです。最初は甘酢の芽ネギから入り、海苔、鰯の香りと見事なグラデーション。酢もちょうどいい。
穴子の焼き物。少し干したそうで水分が抜け弾力が素晴らしい。炭の香ばしい香りと海苔の香りという反則技にぷりぷりの身と、100人中120人が美味しいと言う一皿でした。
フグの白子。下には湯引きした皮も入っています。白子は冬に比べるとあっさりとした味わいですが出汁が美味しいですねえ。冬から春になったんだなあ。日本人に生まれて良かった。
さて握りに。
まずは和歌山の白甘鯛。お、シャリがまた変わりましたね。酢が柔らかく、シャリが温かい。前回はそうでも無かったのですが前々回のシャリに少し戻りました。後から白甘鯛の香りと咀嚼すると旨味も出てきます。白甘鯛ってほんと上品で鯛の女王って感じ。
来たきた、貝ですよ。大阪湾の赤貝です。シャキシャキとした食感、貝の甘味と香り、酢との相性も抜群。高いハードルを軽々と超えて来ます。
ひもきゅう。海苔の香りが良いなあ。しかし手に持つとブレるのどうにかならんのか。
かすご。これは包丁の入れ方が見事でとろける様です。鯛の味もしっかり。美味い寿司屋かどうかは鯛で見分けるという格言があるのですが(今考えた)、間違いなく美味しかった。
宮崎の鮪は鮪節で取った出汁醤油につけたそうです。出汁醤油のアイディアが素晴らしいですね。そして後からくる鉄分もいつまでも残る。一本取られました。いつもだけど。
中トロ。どうして私はこんな美味しそうな寿司を夕食前に書いてる(後日書いています)のだろうか。これ10貫下さい。
大阪湾の小肌。今回は結構酢で絞めてますね。うーんいつものが好きだなあ。まあこれは好みです。
太刀魚の燻製にしたものを焼いてハーブと一緒に頂きます。燻製の香りとハーブが良くあっていて、樽の効いたシャルドネが飲みたくなります。フレンチっぽい。
煮蛤。しっかりと味が染み込んでいます。美味しいけどこの前の桑名の蛤みたいなレアが好きかなあ。貝好きなんで。
白魚は桜の葉で蒸したもの。白魚の苦味と桜の香り。春ですね。
金目鯛の焼き物。うわー美味しいなこれ。香ばしさ、身の香り、出汁の香り、とにかく香りが良い。鯛の旨味もしっかり。香りをこれまでかと重ねています。うう、日本酒飲みたい。
車海老。ここの海老ってほんと甘いんだよなあ。なんでなんだろ。なのにくどくない。
鯖の棒鮨。鯖の香りが良く青魚評論家の私も恵比寿顔。
トリ貝。見た目がちょっとあれであれですが、とにかく柔らく臭みなど皆無。個体も大きく食べ応えはマックスむらいです。
味噌汁。ああ、もう終わりなのか。ほんと予約取るの大変なんだよなここ。そんな争奪戦を制して来たのに嬉しさよりここに来て寂しさが込み上げる。
トリ貝の紐だったかな。この期に及んで酒を飲ませに来るとは。帰らせないつもりなら望むところです。こちとら良いならいつまでも居座って食べ続けるで。
雲丹巻き。濃厚ですが少しだけ苦味が残るのが残念。まあ季節考えても仕方ないのかなあ。今年の夏は北海道で痛風になるほど食べたい。
さてここからはお待ちかねの追加タイムです。今回は夜もあるので少し抑え目に。
オススメの黒ムツを。思ったより油がすごく無くて良い意味でよかった。ピンクの身が麗しい。
前回からの宿題でした、イカの印籠。ようやく食べる事が出来ました。やはり美味い。冒頭の煮物同様しつこく無い甘さ。これはマストバイ。
卵でフィニッシュ。2つが全然違うのがいい。次いつ来れるかなあ。
母家から隣の家屋に移って苺大福。皮がめちゃんこ柔らかくて美味しい。そういえば安久の苺大福美味しかったな。
しめて25000円。相変わらず素晴らしいコスパ。寿司屋というレッドオーシャンにおいてトップクラスのコスパです。
今回も変わらず美味しいお寿司でした。こちらの特徴はとにかく美しい。大将の所作も去ることながらつまみから寿司全てが美しい。そして美しいものとは美味しい。
インスタで拝見するにシャリに試行錯誤しておられる様でしたが、確かにシャリが毎回少し違う気がします。今回は前々回と似た様な印象で、酢が柔らかく、シャリの温度は高く硬めであり、私個人としては大変好きなシャリでした。
追加の注文の際に大将が、「コースに組み込んでしまえば楽ですし無駄も出ないんですけど、考えなくなっちゃうんですよね。やっぱりアラカルトで色んな注文が来てそれをどう組み立てるか、そういうのは基本だと思うんです」という様な事を仰っていて、やっぱりこの大将は素晴らしいと改めて感じました。
イケメンだし、つまみも握りも映えるし、完全たる予約困難店なので良くも悪くもチヤホヤされると思うのですが、浮ついた所が無い。私はこの手の予約困難店には嫌気が差しているのですが、ここは違います。
そういうのってお弟子さん達の動き見てると分かるんですよね。厳しいけど愛はある。返事の一つをとっても素晴らしい。現世は泡沫の夢の如く、溺れるも目を覚ますも自由ですが、そこに分水嶺がある。
外に出ると桜吹雪。次は雨に塗られた木々を見ながらまたここで寿司を頂きたい。そんな日を夢見て。御馳走様でした。
2021/04/29 更新
2021/01 訪問
官能的
また来ちゃいました。前回から2ヶ月ぶりです。前回も雨でしたが今回も雨。このランチの為に朝から走っていたのですが、ドン引きするぐらいびしょ濡れになりながら走りました。それぐらい気合が入っています。
まずはビール。朝冷たい雨に濡られながら走った甲斐があります。そんじょそこらと説得力が違う。
トップバッターは白子の刷り流し。北海道の白子を塩で水抜きして昆布出汁で伸ばしたものだそうです。わお、香りから極上。そして味も濃厚。はっきりした味わいながら嫌らしさが全くありません。
長崎の喉黒は皮目を炙ったものにベルガモットが散らしてあり、ネギの入ったタレで頂きます。最初はベルガモットとネギが香りますが、後から喉黒の脂がぐわーと出てきます。刺身にベルガモットとはかなり意外ですが、口に入れると成る程と唸りたくなる。発想も素晴らしいですし、フレッシュな香りと喉黒というバランスも良いですねえ。
出ました、鰯の海苔巻き。この日は岩手のものだそう。まず海苔が少し離れていても分かるぐらい良い香りです。薬味の香りも良く、穏やかに締められた鰯と共に口の中が爽やかさ満点。芽ネギの食感もアクセントになっています。
宍道湖の白魚を蒸したものに唐墨を。下にはシャリも入っています。これはもう白魚の柔らかな甘い香りと唐墨がばっちり。ああ、日本酒が飲みたくなる。
牡蠣のコンフィ。山椒オイルと一緒に煮たらしく山椒の香りが良い。凝縮された牡蠣の味ですが生臭さがないので苦手な人でも食べれそうです。
さて握りに入ります。
まずは石鯛から。こんな石鯛あるのかという見た目ですが、その通り脂がものすごく乗っています。これほんまに石鯛なんかな。私の知ってる石鯛とはまるで違います。
泉佐野の赤貝。うんま。コリコリとした食感と赤貝特有の香り。赤貝って口いっぱいに頬張れて楽しい。
戸井の鮪。まずは赤身の漬けから。前回もそうだったのですが、いつまでも口の中に残る香りが素晴らしい。今回の個体は鉄分より酸をはっきりと感じるものでした。
続いては中トロ。脂がノリノリですねえ。ただもう少し鉄分を感じるものの方が個人的には好みです。
ここで鮟肝。ずるい。美味すぎる。まだ仕事があるので日本酒飲めないのが辛い。幸せな拷問である。
小肌。私好みのさっぱりした締め方。小肌の香りをしっかり感じられ美味。小肌はこうでなくちゃ。
煮蛤。柚子の香りとつめの甘さとシャリの酸味のバランスが良いですねえ。甘いだけの煮蛤とはダンチ。うんま。
鯖寿司。うわーすごい脂。なのに嫌らしさの欠片もありません。やっぱり酢が良いのかなあ。もっと食べたい。一本丸ごと食べれる。
宇部の海老。甘い。けど前回の方がもっと甘かったかな。美味しいんですけどね。私も偉くなったものである。
徳島の皮剥。ぐわーこれはやばい。脂の乗り、肝の控えめさ、身自体の旨味。味覚のグラデーションも見事であり過去最高の皮剥でした。
天草の太刀魚は燻製で。燻製香のあとには脂がしっかり乗って来ます。美味しいのですがさっきの皮剥が良すぎて印象がどうしても薄くなってしまいました。
紫雲丹。美味しいけどちょっと臭みが残っている気がします。なかむらの雲丹また食べたいなあ。
メジマグロ。マグロの幼魚です。なるほど。脂がまろやかでさっきのトロより好きかも知れません。しっかし見た目が美味しそうだよな。
穴子。今回は煮穴子です。甘すぎず、軽すぎず、食べてる感があります。煮穴子としては完璧に近い出来上がり。
コースの最後はハーブ巻き。前回も思ったんですが、これいるかな。私の様な馬鹿舌の輩はこのまま突き抜けて欲しいんですよね。まあこの辺は哲学の違いでしょう。
お椀。山椒の香り。ほっとします。
ここから追加タイムです。前回は職場からの鬼電に泣く泣く追加出来ませんでしたが、今日は腹一杯になるまで食べる所存です。この為に朝走ったんだから。
まずは大好きな白甘鯛。最初は白身らしく強い身の弾力ですが、後からぐわーっと旨みが襲ってきます。熊本の次に美味しい。これ相当褒めてますからね。
鰯。青魚好きとしては頼まずにはいられません。鰯の味が濃いですが脂はそれほどまでですが、やっぱり残り香がすごい。ここの鰯はなぜこんなにも余韻の長い香りがするんだろう。
隣の方が烏賊の印籠詰なるものを食べてます。なにあれ超美味しそう。今度来たら絶対あれ頼むと心に決めた瞬間でした。これはメモです。
前回も頂いた鰤大根。やはり脂が甘い。冬の王様である鰤に大根の食感と爽やかさがちょうどいいですね。
ラストはネギトロ巻き。私は最後はこれで締めないと終われないのです。有無を言わさない美味しさ。
玉は2種類の違うものを。私はデザートかというぐらいのものが好きなので左の方が好きなやつでした。
隣の工房?に移動してぜんざいとお茶を。前回は迫り来る鬼電に10秒ぐらいで食べて帰りましたが今日はゆっくり。今日は昼からよう食べた。私は大満足です。
以上、かなり食べてビール一本で28000円。四貫追加したので前回よりも多いですが、やはりリーズナブル。大都市中心部近くでこのレベルのお寿司が3万以下で食べれるのは素晴らしい。
前回も思ったのですが、こちらのお店は酢の印象が強い。決して酢が強い訳では無く、むしろその存在は殆ど感じられない程ですが、ネタの輪郭を補完しているのは間違いなくこの円やかな酢の存在であると強く感じさせます。不思議なんですよね、酢の味も香りもそれほどしないのに存在感は強い。
ネタはやはり美味しい。カットが全体的に非常に細かく、トロける様な食感が多いのが特徴的。私は割とタフな食感の男性的な寿司が好きなタイプなのですが、こちらの様な女性的な寿司も良いと思わせる説得力があります。ごちゃごちゃ言ってますが要は美味い。
今回シャリが前回とかなり違っている様に感じました。前回はかなり温度にも気を遣っていた様に思いますが、今回はそうではなく、また前回ほどの余韻の長さを感じませんでした。大将も頭の中はシャリのことが90%占めてると仰ってましたが、これだけの人気店でも未だ試行錯誤中なのかも知れません。ぶっちゃけ前回の方が私は好みでした。
これだけの人気の寿司店だと客層が不安になるのですが、運が良いのか前回今回と客層が安定してるのも良い。まあガチで頑張らないと予約取れないからかも知れません。変な常連も居なさそうだし。
トップグラスに好きなお店。予約を取るのが大変ですがまた競争に勝って来たいと思います。御馳走様でした。
2021/03/16 更新
2020/11 訪問
泡沫の夢に溺れず
大阪、いや日本の中でもトップクラスに予約が取りづらいこちらにお邪魔する事が出来ました。大阪は谷町四丁目と六丁目の間ぐらいにあります。コロナの影響で現在昼は11:30〜と14:00〜の二回転のみです。
お店に早めに着くと、お店の隣にある待合室?の様な所に案内頂きました。後から聞くとどうやらギャラリーを兼ねている様であり、茶器なども置いてあります。寿司屋でこの形式は珍しい。要はお洒落です。
時間になり入店。店内も木の温もりと灰色の土壁がかっちょいい。私は1番窓側の席だったのですが、コロナ対策なのか窓を開けており、目の前が公園で紅葉も見えます(まだ紅葉の時期に訪問)。情緒というか何となく借景とも言えなくもない。
昼からビール。朝から雨の中を走った甲斐あって美味い。公園で子供達の声を聞きながら寿司屋で昼からビールを飲むというのも中々良いものである。
まずは自家製の唐墨から。一年寝かせてあるそうです。また下のお米はお店のスタッフ自ら作っているそう。味わいははっきりしていますが、酸味が穏やかで円やかな輪郭。トップバッターとして最適です。
続いては鰹。手前が藁焼きで奥が漬けです。藁焼きは右手前にある玉ねぎのジャムと辛子を漬けて頂きます。これはめちゃんこ香りが良いですねえ。鰹特有の鉄分の強さは勿論ですが、脂のノリが最高。漬けは更に脂を感じ、それでいていつまでも口の中に残る鉄分が素晴らしい。この鰹の時点で今日の勝利を確信。この店は美味いぞ。
鱈の白子。柚子の果汁がかけられており、柚子の香りと甘さが白子の濃厚さとマッチ。この時はまだ秋でしたが、ああ、もうすぐ冬なんだなと思わせる季節感がありました。
こちらは大阪湾で取れた鰯を海苔巻きに。中には甘酢昆布と芽ネギ。こちらも酸味が穏やかで脂をしっかり感じる。芽ネギの触感も良い。青魚評論家の私も満足の味わい。
メヒカリ。ぐわーすごい脂だこれは。昼だというのに猛烈に日本酒が飲みたくなります。メヒカリ自体、確かに脂の強いものですが、その中でもトップクラスの脂のノリ、美味しさでした。
しかし大将はイケメンですね。そう思って検索すると「鮨三心 イケメン」でGoogleにも出てきます。顔だけでなく、所作も美しく、2020年で伺った寿司屋で1番身のこなしも含めて美しい大将でした。モテるんだろうな。羨ましい。
さて握りに。まずは和歌山の白甘鯛から。やっぱり白甘鯛は美味しいなあ。鯛にも関わらず抜群の旨味が特徴的。しっかり脂も乗っています。シャリは米が硬め、酢は弱めで、癖の無いものであり万人受けしそうです。
これ、鰯なんですよ。北海道の真鰯との事。ぐわー鰯の香りと脂がすんごい。中々ここまでの鰯には出会えません。鰯としてトップクラスに美味しかった。
大間のマグロ。鮪特有の酸が素晴らしいですねえ。鉄分はそこまでですが、鮪として十分美味しいものでした。日が差してる寿司というのも中々斬新な画です。
トロ。これはもう脂が溢れる。正にトロける触感であり、また後味がいつまでも引かず、極上の残り香。やばい、この店めっちゃ美味い。
有明の小肌。浅めに漬けられており私好み。こちらも穏やかで余韻の長い握りです。薄々感じてましたが、これは酢が良いんだろうな。
九十九里の蛤。大きいですねえ。甘目のツメと蛤の香り。王道の味わいです。
箸休めに焼き銀杏。カリカリに焼かれていて苦味と香りが楽しい。結構強いネタが続いていたので良いアクセントになりました。
有明の天然車海老。なんだこれは。甘い。海老の甘さがすごい。ここまで海老の甘さをしっかり感じたのは初めてです。
鯨とセリのしゃぶしゃぶが出て来ました。鯨の脂はともかく、セリがめちゃくちゃに美味しい。大将がいいセリが手に入ったのでと言っていましたが、正にその通り。セリって青臭いイメージがありましたが、そんな青臭さは微塵も無く、それでいてしっかりとした香りのものでした。
鰆。上には山山葵。山山葵の香りがいいですね。鰆って割とどこでも出る魚ですが、淡白故に色々な調理、合わせ方がありますが、この食べ方はかなり好きでした。鰆がちゃんと感じられます。
蟹です。せいこと松葉の蒸し寿司。下にはいくらまで。蓋を開けたその瞬間の香りから悶絶。なんでこんな香りが良いんだ。いくらの塩気もちょうど良い。豪華なだけでは無い必然を感じました。
皮剥。皮剥が食べれる季節になってきて嬉しい限り。やはりそこらの寿司屋の皮剥とはダンチ。肝の濃厚さにまたしても日本酒が飲みたくなる。
鰤に大根を乗せて握りで。なるほど鰤大根ですね。鰤は脂が空前絶後のサンシャインですが、大根がフレッシュで見事に中和してくれます。鰤大根って理にかなってるんだなあ。
赤出汁の味噌汁。山椒の葉の香りがすっきり。
穴子は焼いたもの。これもジューシーそのもの。しっかりと甘いツメも良い。まだ終わりたく無いよお。
ハーブ巻き。うーん、急にずっこけ。ハーブは美味しいのですが、最後にいるかな、これ。他がかなり良いのでそのまま突き抜けて欲しかった。
卵焼きは2種類。左はカステラの様で、右は甘目の卵焼きとコントラスト。ちゃんと戻して来ました。最後まで飽きさせません。
甘味は隣の家屋に移動して煎茶とぜんざいを頂きます。良いなあこういうの。ゆっくり頂きたかったのですが、仕事場から鬼の様なメールと電話が来ていた為、速攻で食べて退店しました。悔しい。
以上コース一通りとビール一本で23000円弱。おー素晴らしい。大阪の中心地に近く、立地的にも良いのに、日本酒あと2合飲んでも26000-27000円ぐらいと考えればかなり良い。これだけ人気のお店でこの費用はそりゃ人気が出るわけです。
純粋にネタが美味しい。季節もあるのかも知れませんが、どのネタも脂が乗っていて香りも良く、良いお寿司食べたなあという満足感があります。
こちらの酢がかなり好みでした。酸は丸く穏やかですが、いつまでもその香りが口の中に残ります。脂の乗ったネタとの相性も良く、脂の香りを引き立たせる様な役割をしていました。もはや残り香が良すぎてかえって酒が進まないかも知れません。それほど余韻の長い握りでした。
シャリが温かいのも特徴的。握る度に釜からお櫃に入れて、握ってる間も蓋を閉めているぐらい気を遣っていました。この方がこの酢には良いのかも知れません。
サービス面も素晴らしい。大将の所作や応対も穏やかであり、弟子や店員さんはみなハキハキと動きが良い。良いお店というのが手に取る様に分かります。伝統的な寿司屋ですが、現代的に洗練されており、私が寿司職人を目指していたらこういうお店で修行したいと思うようなお店でした。
少し大将とお話していましたが、この予約の取れなさに少し戸惑いというか大将も困っている様子でした。色々な策を練るも一長一短で難しいと。しかしこの様な一種のバブルの様な状況でも浮つかず、実直な仕事で、暴利を貪る事も無い姿勢に感動を覚えました。泡沫の夢に溺れる事なく、地に足の着いた仕事。こういうお店が未来永劫続いて行くのでしょう。
また運良く予約が取れる様頑張ります。この店のために大阪に行く価値がある。御馳走様でした。
2021/01/10 更新
春の三心。去年は向かいの公園の桜が散り始めぐらいでしたが、今年はほぼ散りかけの季節にお邪魔しました。今回は初めての14時回です。
まずは赤星。今年もこの時期にここに来れて良かった。
トップバッターは百合根の茶碗蒸し。あまり聞きませんが百合根の優しい甘味と香りが広がります。春らしい優しいスタートです。
続いて鰆は漬けと焼き霜で。これは美味しいですねえ。漬けはあっさりとした鰆にアクセントを加え、焼き霜は鰆らしい香りが抜群です。
子持ちイカ。辛い鬼おろしと甘く仄かに温かいイカが抜群。臭みなどつゆほどもなく何匹でも食べたいと思わせてくれます。
金目鯛は焼いたものを菜の花のあんかけで。皮目の香ばしに菜の花の苦味がグッド。うんうん、こういう香りの重ね方が好きなんです。
さて握りに入ります。まずはアラ。先に言っておきますがこの日は照明の具合なのかちょっと写真が微妙です。味はまあ普通の白身でした。
春の三心と言えばこの鳥貝。柔らかく鳥貝らしい甘味が口いっぱいに広がります。春は貝。子供に呼んで覚えさせたい。
鳥貝の肝が出てきました。昼なのに日本酒が飲みたくなってしまいます。
天草の鯵。この鯵はマッチョですねえ。タフな食感に咀嚼すると溢れる旨味。これぞ天草の恵み。
鮪は那智勝浦のもの。冬の鮪に比べると脂が落ちて酸味が心地良いですね。脂ノリノリの冬の鮪も良いですが春の鮪も良いなあ。
ええ、ひどい写真です。そろそろiPhone買い替えないとな。実はスマホのレンズが一つ割れているのです。何はともあれこの中トロも美味しい。
筍。筍の香りってなんでこんなに良い香りなんでしょう。ちょこんと添えられた蕗味噌も存在感があります。
小肌。また少し〆方が変わった気がするなあ。割と酢が効いてるのに小肌本来の香りも強いのが特徴的。
色味がアレだったりボヤけてたりと本当に申し訳無いですが九十九里の蛤。これだけはあんまり好みじゃないんですよね。もっと蛤本来の味のままで良い。
白魚は桜の葉に蒸してあります。桜の香りと白魚の仄かな苦味。味どうこうというより侘び寂びです。
海老。甘い、甘いよお。今年はもう一度奴寿司に行きたいなあ。
クエを炊いたもの。うわ、これスープが抜群に美味しい。何と上品なのにしっかりとした骨格なのか。
春子鯛。さっぱりして食感がタフで正に鯛という味わい。
ホタルイカを包丁で叩いてるなーと思っていたらなんと握りに。これは美味しいですねえ。ホタルイカの濃密な味わいにわさび菜のアクセントが光ります。世の中の寿司屋みんな真似してほしい。
柿の葉寿司も出てきました。鱒です。私は結構柿の葉寿司が好きなのですが、この鱒は脂が乗っていて酢飯との相性抜群。一本食べたい。
味噌汁で一息。
さてここからお楽しみの追加オーダーです。この瞬間のワクワクがたまらない。やっぱりアラカルトって楽しいよね。
まずは石鯛。カットが細かく鯛なのにトロける様な食感。旨味も強く見た目通り赤身に負けない力強さ。
泉佐野の赤貝。口いっぱいに甘味のある赤貝を頬張る幸せ。幸せの溜息が思わず漏れる。やっぱり春は貝だなあ。
穴子。ここの穴子好きなんですよね。控えめな炊き具合に最後炙るので香ばしさもある。世の中の寿司屋はみんなこうやって穴子を握ってほしい。
赤貝のひもきゅうをサービスで。こういうツボを押してくる所が好き。
最後はいつも通り鉄火巻きを一本で。はあ、美味しい。人生色々ありますが私は間違いなく幸せだ。
フィナーレの卵焼き。少し硬めになった気がする。ほんとここの寿司は進化が止まらない。
隣のアトリエに移動して苺大福。白餡が美味しい。これも作ってるんだよなあ。いつもながら頭が下がります。
これにおみやの稲荷寿司も付いて以上で31000円。今回も大変美味しゅう御座いました。
私は季節感のある料理が好きで、だからこそ寿司が好きなのですが、こちらの寿司は季節感が他のどこよりも感じられます。それでいて工夫や変化があり、トータルとして一切飽きが来ない。和食の様な抑揚があります。
店内の皆が大将の握る寿司や動作に夢中になっている。この瞬間もすごく好き。本当に美味しいお店ってそうなんですよね。楽しそうに話してるお客さんも次は自分の番だ、となると大将の所作をじっと見ている。そしてその期待感を上回る握り。種類は違えど成生と似た様な雰囲気を感じます。3ヶ月に一度なのが本当に惜しい。毎月でも毎週でも行きたい。でも人生とはそれぐらいが良いのでしょう。
次は夏に行けるかな。暑い大阪の街を思いながら心地良い夕方の街を歩く。ご馳走様でした。また来ます。