アマランス44955さんが投稿したベッカライ ビオブロート(兵庫/芦屋(JR))の口コミ詳細

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ベッカライ ビオブロート芦屋(JR)、打出、芦屋(阪神)/パン

1

  • 昼の点数:4.3

    • ¥1,000~¥1,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 3.0
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 3.5
      • |酒・ドリンク -
1回目

2018/09 訪問

  • 昼の点数:4.3

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス3.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥1,000~¥1,999
    / 1人

トーストブロートに一目惚れ

【兵庫パン屋巡り・其の10】
兵庫のパン屋巡りをするにあたってどのお店に行こうか選別する際においてもここだけは選別枠から外れた殿堂枠扱いとして一度は行くべき、行かないといけない、そう思っていた憧れのパン屋さんです。午前中に、早ければ開店早々に売り切れると聞いて予約の電話で10リダイアルくらいして繋がったので予約してGOです。

芦屋の澄み切った町並みに怪しい男が徒歩でうろついてるなどよく通報されなかったなと思いましたが意外にもアッサリ辿り着いたビオブロートさん。隣の大阪だけでなく全国にその名を轟かせるくらいの名店中の名店でありながら店構えは思ってたよりも質素でした。

パンの販売形式は対面販売。種類も絞ってるのでそう迷う事はないですが来るお客さんの殆どがそうであるように予約を入れてから来店してるので受け渡しもスムーズ。店員さんの接客態度も丁寧で物腰穏やか、電話も落ち着きある応対で予約もスムーズ(繋がれば)。是非とも予約してお店に行って欲しいですね(繋がれば)


(税込み表記です)
【トーストブロート】(670円 / 1本)
予約しないと入手困難なくらい人気の食パンです。

手触りはハードトーストのような硬質感があり包丁を入れても耳の抵抗感もかなり強いです。しかし驚くべきは内相のしっとりふわふわ感。気泡が多くキメ細かくはないのに保水性は高く指に張り付くような吸着性。食べると油脂の強さは全く感じないのに濃厚な味わいと甘みを放ち、あらゆる角度から眺めればキラキラと輝きを見せるセクシーな艶。

硬質そうな耳は実はザックリ系ではなくむっちり系。噛めば噛むほど粉の風味を解き放ちながらほぐれていきます。正直、参ったとしか言いようがない完成度。確かにこれは予約するだけの価値がありますね。

【クロワッサン】(206円)
過去に全粒粉のクロワッサンはそれなりに食べてきましたが、ここのクロワッサンは格が違いました。

一般的なパリサク系のクロワッサンではなくざっくりしっとり。確かに伝わるバターの風味は極限まで控え、下品な油っぽさはなくただただ豊かな香りが支配するその層の持つ甘み、これがクロワッサンかと思うほど気品ある口当たり。食感、香り、甘みと食べ終えていくに従い段階的に消失していく中、逆に徐々に存在感を高めて最後に主張するバター感はまるで「余の顔を見忘れたか!」と貧乏旗本の三男坊ばりに真打登場、最後まで盛り上げてくれます。

【クノーテン】(176円)
ドイツ語で「結び目」を意味するパン。

フィリング、スプレッド、フレーバーなど一切使わず生地の旨みだけで勝負するプレーンタイプのクノーテンでその味わいは素朴でありながら輪郭の伴わない拡がりを持つ。まず感じる甘さ、そう深い甘みがあるのだがそれだけではない粉の強い主張、だけどすぐに抜けていく、どう例えていいのか分からない感情のインフレーションを抱えたままあれほど強く主張していた全体が儚く消えていく。

贅を極めるとシンプルに行き着く、何度も耳にしていた言葉、ここで解を得た気がしました。

【フォルコンブロート】(335円 / ハーフ)
全粒粉の申し子としてビオブロートさんの門番を勤めるパンと言っても過言ではない存在。取り出しただけでむせ返りそうな程の雑穀感を空間に発散。粗野で荒々しい香りにクラクラしそうになるもどこか胸をすく清涼感を伴ったイノセントさに食べる前から期待は高まる一方。

柔らかそうなのに包丁が通らないほど弾力のあるクラストを擁し、切り分けて断面を見ても分かるようにこれだけしっかり焼かれているのに加水量が高く、噛めば噛むほど全粒粉の滋味深い味わいが口内一杯に広がる。これほど土台がしっかりしてるパンならサンドにするのが一番です。何を挟んでも受け入れる、その頑健さと包容力を存分に楽しみたいパンです。

【ヴァルヌスブロート】(386円 / ハーフ)
【ロヅィーネンブロート】(334円/ハーフ)
エッジの効きすぎた全粒粉100%のパンでありながら滑らかで絹のような喉越しを持った謎の技術力が炸裂するパン。

前述のフォルコンブロートもそうですが全粒粉ベースの生地だけに雑穀感はハンパなく時にパサついたような感覚すら受け、ソフト系はもとより一般的なハード系より癖が強いです。その為くるみやレーズンを練り込んだこれらのパンはそのアシストを受けて比較的食べやすくなってます。特にロヅィーネンのレーズンは潤いを周囲に与えるので入門用としてうってつけでしょう。

尚、上記以外に「ヴァルヌスウントロヅィーネンブロート」と言うのも取り扱ってます。くるみとレーズン、両方同時に楽しみたい人にオススメです。

【シナモンロール】(197円)
【ヌスシュネッケン】(238円)
ビオ系のシナモンロールはみんなこうなるのか分かりませんが京都のナカガワ小麦店でもよく目にしたタイプの形状です。

シナモンロールと言ってもフワフワの生地にシナモンのアイシングがかかってるようなパンではなくエスカルゴ巻きの生地にシナモンの風味をほんのり乗せただけのシンプルなパンです。甘さはあるが全粒粉の雑穀感にアシストされ下品さはなくあくまでもうっすら漂う程度です。

ヌスシュネッケンはドイツの一般的な菓子パンで「ヌス(ナッツ)」とあるようにエスカルゴにナッツを練り込んだタイプでこちらはやや甘さが強い。シナモンロールよりももう少し甘さを感じたい人向けです。


総評です。ビオブロートさんが押しも押されぬ超名店とは分かっていても心のどこかに「どうせ知名度と物珍しさだけが先行したお店では?」という疑念があったのかもしれません。ほんともう助走をつけて台上前転ジャンピング土下座です。

扱うパンは「ビオ」を店名に冠するように玄麦を毎日自家製粉して作り上げたコンプレとも言うべき全粒粉100%でかなり癖の強いパンです。オーガニックを扱うお店はその素材の良さを殺さないように意識しすぎるあまり食感を軽視したお店が見受けられます。もさもさだったりパサパサだったり。それを克服したのがこのお店。

研究に研究を重ねた末に編み出した高い加水量を伴ったビオ系のパンはどれも全粒粉特有の刺々しさはなく粉の風味に抑揚をつけて時に激しく、時に密やかに変幻自在な輪郭を披露します。更に素材や製法など徹底した拘りを貫きながらもお値段もそれほど高騰しないのもありがたい。

全粒粉100%というコンプレ特有の風味は好き嫌いが分かれる所ですが、雑穀感に包まれながら食べる滋味深さはビオブロートの存在意義を明確にしてくれます。例え好みでなくても「トーストブロート」だけでも一度は味わって頂きたい逸品です。ごちそうさまでした。

2018/12/22 更新

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