6回
2019/04 訪問
(再訪)独創的、個性的に感じられる唯一無二のイタリア料理
約5ヶ月ぶりの訪問となりましたが、この間、2階にある姉妹店の「ズッペリア オステリア ピティリアーノ」には予約なしで数回ふらっと訪問しており、たまに堀川シェフをおみかけすることもあったこともあり、そんなに久しぶりという感じはしません。
先日よりコースの形態が変わり、夜は飲み物のペアリングが基本となりました。今回はペアリングのドリンクとしてノンアルコールをお願いしました。税サ込みで25,000円でした。コースの内容は以下のとおりです。
・石山さんのトマト モッツァレラ、リコッタ、アンチョビ
・ホワイトアスパラガス アオサ海苔
・ホワイトアスパラガス スクランブルエッグ
・山菜とエスカルゴのタヤリン
・野花のフリッタータ
・天龍鮎 サルサ・バネッ タンポポ
・生ハム パン
・生ハム リゾットプリマベーラ
・仔羊の藁包みロースト
・スゥッパ・バルベッタ
・パンナコッタ ヨーグルト マンゴー 柑橘
・チョコレート ヘーゼルナッツ ザバイオーネ
・Cafeと小菓子
ノンアルコールのペアリングの内容は以下のとおりです。
・OPIA(フランスの有機栽培のシャルドネ100%のスパークリング)
・ROYAL BLUE TEAのQueen of Blue deluxe(東方美人、台湾を代表する最高級青茶)
・森の雫(白樺の樹液100%)
・ROYAL BLUE TEAのJewel of Flowers HANA(明前(みんちぇん)茶にジャスミンの生花の香りを吸い込ませたもの)
・ROYAL BLUE TEAの京都宇治碾茶
・葡萄果皮 KAHI
・自家製カンパリ
今回も圧倒されました。これでもかと畳み掛けてくるような濃厚で美味しいお皿の連続、堀川シェフのエネルギーに感服です。量もそれなりに多いこのコース料理にきちんと向き合うには、いただく側も体調と気持ちを整えてお伺いするべき、と感じました。
ノンアルコールの内容も素晴らしかったです。これまで何軒かでノンアルコール(あるいはアルコールとのミックス)のペアリングをいただいていますが、それらのお店では自らノンアルコールドリンクを作製していました。こちらではボトルで売られているノンアルコールドリンクをペアリングに用いていまして、ということは品質は安定しているわけでして、かなりのクオリティに感心させられました。
アルコールのペアリングはハイレンジでも提供されることになりましたので、次回はこちらをお願いしてみようかと思っています。
以下はいくつかのお皿とドリンクの印象です。
☆OPIA(フランスの有機栽培のシャルドネ100%のスパークリング)
これは単なるノンアルコールドリンクではないですね。ジュースとかとはまるで別物の飲み物です。果実感が半端なく、シャンパンに並ぶ素晴らしさと言っていいかもしれません。なんと言いますか、新しいカテゴリーの飲料ではないかと感じました。
☆石山さんのトマト モッツァレラ、リコッタ、アンチョビ
掛川の農家さんのビタミンC30倍のトマトとのことです。程よい酸味のソースが素晴らしく、前菜から全力疾走のコースと感じました。
☆ROYAL BLUE TEAのQueen of Blue deluxe(東方美人、台湾を代表する最高級青茶)
ロイヤルブルーティー、知りませんでしたが、他のドリンクも含めかなりのクオリティと感じました。水出しなのにかなり濃厚な香り、強いだけでなく優しさも感じ、やや発酵感があるのにシンプルな印象、素晴らしいです。調べてみるとかなり高価なのですがこれでも4ランクの一番下なのです。これより上のランクはいったいどんな素晴らしさなのでしょうか。
☆ホワイトアスパラガス アオサ海苔
ホワイトアスパラの癖をアオサと戦わせて結果丸くおさまっている感じでして、いやはや素晴らしいです。
☆ホワイトアスパラガス スクランブルエッグ
イノシシの肉が少し入っているとのことでして、イノシシの脂そして焦がし臭がいい感じです。
☆森の雫(白樺の樹液100%)
第一印象は、透明感があって水のようなものかな、というものです。仄かな甘みとほんの少し苦味か何かひねった感がありまして、これが渋い以下の2皿と合うのです。次第に甘さを強調して感じられてきました。
☆山菜とエスカルゴのタヤリン
今回、いくつものお皿に驚かされましたが、特に素晴らしいと感じたのがこのお皿と次のお皿です。山菜なので苦味もあって渋い味わいのお皿なのですがクローブで立体感が増し、なんと豊穣なお皿なのだろうと感じられました。この表現は堀川シェフならではと思います。
☆野花のフリッタータ
見た目は何てことないオムレツです。ふわふわな食感もさることながら、エディブルフラワーの苦味と卵の焦がし臭が素晴らしいのです。一つ前のお皿との流れも含め圧倒されました。
☆天龍鮎 サルサ・バネッ タンポポ
手でいただきます。これはバランスよいですが驚きはそれほどでもなく、小休止的なお皿と感じました。まあ、他のお皿がすごすぎます。
☆生ハム パン
24ヶ月熟成したものを薄々で切りたて、もうこれで美味しさはわかるというものです。
☆生ハム リゾットプリマベーラ
もう一つ生ハム、これは反則的な一皿と言いますか、美味しいに決まっています。先日姉妹店でいただいたリゾットの絶妙なバランスにも驚かされましたが、これは生ハムやチーズの素材が圧倒的な説得力を誇って有無を言わさず美味しいと感じさせる、ある意味荒々しい一皿です。
☆ROYAL BLUE TEAの京都宇治碾茶
なんとも豊穣な香り、ロイヤルブルーティー、今回知りましたが素晴らしいなあと思います。
☆仔羊の藁包みロースト
これはスペシャリテですがいただくのは2回目です。正直言って前回はそれほどの印象はなかったのですが、今回のようなレアな仕上げで藁の渋い香りがくっきり感じられるとやはりスペシャリテだなと感じます。今回良かった前述の2皿に共通する印象で、この個性は貴重だな、と感じます。
☆スゥッパ・バルベッタ
豚とかを使ったスープにグリッシーニを浸し、煮詰めたもの、だったかと思います。これをいただいたのは2度目ですが、前回よりずっと美味しく感じました。濃厚な中に発酵感や乾物を使う中華料理のような奥深さ、素晴らしいです。
☆パンナコッタ ヨーグルト マンゴー 柑橘
ただ爽やかなだけではなく、複数の柑橘とヨーグルトの酸味が複雑に絡み合う一皿です。デザートも「フィオッキだなあ」と感じさせてくれます。
☆チョコレート ヘーゼルナッツ ザバイオーネ
ジェラートはマルサラ酒のジェラートとのこと、これも複雑で濃厚な一皿です。
2019/05/02 更新
2018/08 訪問
(再訪)独創的、個性的に感じられる唯一無二のイタリア料理
季節ごとには通いたいと思いつつも、半年ぶりの訪問になってしまいました。
この日はわたくしを含め客は全員おひとりさまの男性でした。こういうこともあるのですね。
さて、コースは1本に統一されています(お皿を減らした少量コースもあり)ので、この税サ抜き12,000円のコースをお願いします。ワインはおまかせにしてスプマンテ含め8,700円でした。
前回はメニューの内容は口頭のみの説明でしたが、今回はテーブルに置かれた小さな冊子にメニューが説明とともに記載されています。だからと言って配膳される際に説明がないわけではなく、より詳しい説明がありました。メニューの内容は以下のとおりです。
・桃の冷製スープ
・ホタテのサラダ
・生雲丹と夏野菜の冷製フェデリーニ
・大イワナのパン粉焼き ラベンダー風味
・鮑とツルムラサキのリーズィ
・タヤリン 鮎とサマーポルチーニ茸
・仔牛ロース肉のソテー
・チーズ盛り合わせ
・フロマージュブランのムースとルバーブのグラニータとブルーベリー
・メロンのズッパ 薔薇の香り
・カフェ(ハーブティーを選択)
食材と味の重ね方はこれまでどおり複雑で濃厚ですが、最初から最後まで圧巻の美味しさでした。日本の食材をイタリア料理にこんなにしっくりと落とし込んでいるのには見事と言うしかありません。桃の冷製スープは乳清が加えられておりその酸味にまず驚かされ、生雲丹と夏野菜の冷製フェデリーニは、パスタ料理がなんでここで出てくるかと思ったものの、パスタが食材の一つとして使われているという印象でこの流れに納得、イワナの料理は発酵感のある酸味が素晴らしく、鮑は肝の味付けが絶妙、仔牛のソテーは濃厚なグリーンピースソースがロース肉と相性ぴったり、という感じで、この料理の流れに身を任せていると幸せがどんどん訪れてくる、そんな印象で大満足でした。アルコールのペアリングも、イタリア製で揃えてあるからか統一感がありつつ、クオリティも高くて料理ともぴったり、やはりここではアルコールはおまかせがいいと思います。
当日の電話でも対応できる場合もあるとのことですので、もう少し足繁く通いたいと思います。
2018/09/09 更新
2018/02 訪問
新たな道へと踏み出したフィオッキの味を堪能
2018年1月までは夜のコースは「ヴァルド派郷土料理コース」「旬菜コース」の2つが提供されていましたが、2月からは1本化されました。その他にもいくつか変更があり、その内容は1月27日のブログに掲載されています。そのブログに書かれた、自身の料理を突き詰めたいというシェフの思いに感銘を受け、2月中に早速訪問しました。
以前はシェフの手書きのメッセージ入りのメニュー表をいただいていましたが、これもなくなったようです。でも上記ブログのシェフの考えからは納得できることです。
コースは税抜き12,000円(リゾットにトリュフをかけてプラス2,000円)です。メニューは詳しく説明していただけましたが覚えきれず、ブログとHPを参考にすると以下の料理名だと思われます。
・リコッタと山羊のフラマージュブランと野花のトルティーノ・サラータチーズのソース
・筍と鶏でとったミストリーナ
・信州鮭とホワイトアスパラガスのテリーヌ、じろえむ卵とヘーゼルナッツオイルのマイオネーゼ
・エスカルゴのインティンゴロ
ホウレン草 ラディッキオ・タルティーヴォ セロリ ポレンタ バーニャカウダソース
・ヴェネト州産ウサギのロースト そのスープとヴィンサントで炊いた筍とウド
・スッポンのスパゲッティ
・苺とフキノトウのリゾット
・「牡蠣 森の香り」
・長良川の天然鴨 チーズとかんずりのパテと筍
・グラスフェッドミルクとハチミツのジェラティーナ オリーブオイル 塩
・山本さんのユーポンのグラティナート 生胡椒とチョコレートのジェラート
・小菓子とカフェ
前回の訪問から2ヶ月経っていないので印象が大きく変わるわけではなく、濃厚かつ複雑な味ですが圧倒的な美味しさです。ただ、今回はこれまでのこれでもかと押し捲るような感じよりはちょっと引いたというか落ち着いたというかそういった印象です。
味としては塩味が特徴的と感じました。初回にはちょっときつく感じた塩味ですが、今回は絶妙に感じました。単に塩味と言ってもいろんな表情を見せたり立体感を感じる、そんな印象です。
まだ新たな道は踏み出したばかりです。きっとこれからもどんどん美味しくなっていくと思うので、通い続けたいと思います。
以下はいくつかの料理の印象です。
☆リコッタと山羊のフラマージュブランと野花のトルティーノ・サラータチーズのソース
小さなアミューズですが、濃厚なソースがこのあとのコースの豊かさを暗示するとともに、ドリンクと楽しむべき、と感じさせてくれます。
☆信州鮭とホワイトアスパラガスのテリーヌ、じろえむ卵とヘーゼルナッツオイルのマイオネーゼ
ここのテリーヌは爽やかでいいですね。塩味が強いソースといただくといい感じです。
☆ヴェネト州産ウサギのロースト そのスープとヴィンサントで炊いた筍とウド
あ、ウサギって美味しいんだ、と感じているうちに平らげてしまい、味を覚えていません....。
☆苺とフキノトウのリゾット
この季節の苺とフキノトウ、甘さと苦さが対照的なわけですが、絶妙な配合で豊かに感じられるリゾットです。もちろんトリュフもその豊かさに貢献しています。
☆「牡蠣 森の香り」
新たなスペシャリテとのことですが、牡蠣とソースのマッチングはまだまだ発展しそうです。
☆長良川の天然鴨 チーズとかんずりのパテと筍
天然鴨だからなのか、柔らかいのです。かといって甘めの火入れというわけでもないのです。美味しいです。
☆グラスフェッドミルクとハチミツのジェラティーナ オリーブオイル 塩
なんてことないように思えますが、ミルクの味の素直さとオリーブオイル(ノヴェッロ)のワイルドさを塩がうまくつないでいる感じ、さりげないけど美味しいです。
2018/03/07 更新
2018/01 訪問
(再訪)独創的、個性的に感じられる唯一無二のイタリア料理
約1ヶ月ぶりの再訪です。
正月明けのまだ世の中が静かな時期だからか、当日の開店前に電話したところ、ディナーの席が空いていました。一人での訪問を受け付けてくださり、ありがたいことです。なお、訪問してみると、地元の常連さんと思われる比較的年配の方々でほぼ満席でした。
ディナーコースは2種類、前回は「ヴァルド派郷土料理コース」をいただいたので、今回は「旬菜コース」税サ抜き10,000円をいただきました。ドリンクは、スプマンテ、続いて料理に合わせてのペアリング(6,500円)をお願いしました。なお、2月以降はコースのしくみを変えるそうです。
コースの内容は以下のとおりです。
Stuzzichino
・蟹と里芋
カプチーノと、モッツァレッラを忍ばせたフリテッレで
Antipasti
・鰆の厚切りスカロッパとミカンと大根のサラダ 春菊のソース
・活どじょうの白ワイン蒸し
胡桃、ポルチーニ茸、カカオ、リクイリーツィア
・白子のコトレッタ
ほうれん草のクリーム煮と生ハム トリュフで
Primi piatti
・信州雪鱒とリコッタのトルテッリ
そのサルシッチャとクレソン、ヴァニラ風味のバターソース
・ライ麦を練り込んだタリアテッレ 洋梨と鹿のラグー
Secondo piatto
・山鳩のロースト
無花果のソース、柿のピュレ、ビーツのピュレ、茸
Dolce
・柚子のソルベット、パンナコッタ、カンディーティ
・マスカルポーネのセミフレッド
苺のマリネ、生姜、チョコレート、メリンガ
Cafe
・小菓子とカフェ
全体的には、前回同様、濃厚かつ複雑な味、やはり他にはない唯一無二の料理と感じました。とは言え、濃厚なのにくどいわけではなく、概念としては濃厚なのは味そのものというより美味しさなのではないか、と思えます。今回も大満足です。
ペアリングでお願いしたワインについても、イタリア産で揃えると制約がありそうなものに、そんなことは微塵も感じさせないぴったりさです。
以下はいくつかの料理の印象です。
☆鰆の厚切りスカロッパとミカンと大根のサラダ 春菊のソース
塩気が強いのですが、柑橘系のソースなどと相性がぴったりです。
☆活どじょうの白ワイン蒸し 胡桃、ポルチーニ茸、カカオ、リクイリーツィア
どじょうは苦味もありますが、甘草の甘さと複雑に絡み合って美味しいです。やや硬めの食感もグッドです。
☆白子のコトレッタ ほうれん草のクリーム煮と生ハム トリュフで
これは参りましたって感じの美味しさです。呆れるほど美味しくて食べていて一人なのに笑みがこぼれました。クリームの甘さと酸味がたまりません。極めて濃厚かつ複雑なのですがなぜこんなに美味しいのでしょう。壺で熟成というまるで赤のような素晴らしいワインとの相乗効果も感じさせてくれます。
☆信州雪鱒とリコッタのトルテッリ そのサルシッチャとクレソン、ヴァニラ風味のバターソース
バニラがとても効果的です。
☆ライ麦を練り込んだタリアテッレ 洋梨と鹿のラグー
なぜ洋梨って思いましたが、いただいてみると荒ぶるラグーを洋梨が抑えこんで、全体として上品に仕上がっています。
☆山鳩のロースト 無花果のソース、柿のピュレ、ビーツのピュレ、茸
スコットランドの鳩とのことです。脚はジビエ臭たっぷりに感じられましたが、そういう味付けなのかも知れません。肉は鹿のようにも見えまして、味はやはり荒々しさを感じるのですがビーツがうまく抑えています。
☆マスカルポーネのセミフレッド 苺のマリネ、生姜、チョコレート、メリンガ
生姜はあまり好きではないのですが、ここでは絶妙な調整をしてくれて、味に立体感を持たせています。
2018/01/09 更新
2017/12 訪問
独創的、個性的に感じられる唯一無二のイタリア料理
こちらの存在は何年か前から知ってはいましたが、点数がとても高いため予約困難と思い込んでいました。今回電話をしたところ、空席もあり一人での訪問も可とのことでお伺いすることとしました。
このレストランがある祖師ヶ谷大蔵には「ラトリエ・ドゥ・プレジール」訪問のため何百回となく来ているのですが、食事をするのはたぶん今回が初めてです。
ディナーは2つのコースから選択とのことで、今回は税サ抜きで9,000円の「ヴァルド派郷土料理コース」をいただきました。内容は以下のとおりです。
・バーニャカウダ
・鰻とパプリカ、赤ワインのテリーヌ ハーブのサラダ
・パンチェッタを巻いた信州鱒のコンフィ 胡桃オイルとフランボワーズヴィネガーのマイオネーゼ
・鴨と大麦、ポルチーニ茸のミネストリーナ
・岡山から届く山羊のチーズのニョケッティ 野菜のインティンゴロ タイムバターで
・スッパ・バルベッタ
・仔羊の藁包みロースト ヴァルド派の農家料理
・お口直し
・~ペッリチェ渓谷の情景~山羊のミルクのビアンコマンジャーレ 木苺、ブルーベリー、ヘーゼルナッツのジェラートとプラリネ、甘草のシロップ煮
・小菓子とカフェ
全体の印象を一言で言いますと、濃厚かつ複雑な味、これまでいただいたことない唯一無二の料理と感じ、ばっちり好みの美味しさでした。香りや食感が丁寧に組み合わされていて、とても独創的、個性的に感じましたが、郷土料理とのことなので実際にはそういうわけではないかもしれません。
今回ワインを4杯いただきまして、これらがそこそこ安価(4杯で4,900円)にもかかわらずかなり美味しく料理にも合っていたので、こちらも満足です。
今回は空席も目立っていたのでサービス陣の目が行き届いて居心地がよかったですが、混雑しても同様だと素晴らしいと思います。
次回はもう一つのディナーコース「旬菜コース」をいただこうかと思います。
以下はいくつかの料理の印象です。
☆鰻とパプリカ、赤ワインのテリーヌ ハーブのサラダ
ソースは蜂蜜とホワイトバルサミコ、パウダーは甘草、テリーヌ自体も甘く、全体的にかなり甘い味です。しかしそれらの甘さは上品で、美味しくいただけました。
☆鴨と大麦、ポルチーニ茸のミネストリーナ
これは素晴らしいです。まずはポルチーニでしょうか、香りを強く感じました。口に運んでみると、鴨から出る出汁が効いているのでしょうか、ワイルドながらも奥深い味で、大麦の食感との相乗効果でとても美味しく感じられるスープでした。
☆岡山から届く山羊のチーズのニョケッティ 野菜のインティンゴロ タイムバターで
これまた素晴らしいです。まずはチーズから感じられる香りに食欲をそそられます。山羊のチーズからなのでしょうか、何かしら旨みのようなものが感じられるとともに、ハーブやスパイスのアクセント、ニョケッティのかなり柔らかい歯応えのハーモニーがとても心地よく感じられました。パスタ料理としてはわたくしの経験では最高レベルの美味しさでした。
☆スッパ・バルベッタ
豚のスープにグリッシーニを浸している、そんな説明だったかと思います。これもかなり濃厚ながら口に運んでみるとくどくはなく、スパイスが効果的に使われているのかどんどんいただけます。
☆仔羊の藁包みロースト ヴァルド派の農家料理
スペシャリテとのことですが、これに関してはそれほどの個性は感じませんでした。塩気はかなり強めでした。
・~ペッリチェ渓谷の情景~山羊のミルクのビアンコマンジャーレ 木苺、ブルーベリー、ヘーゼルナッツのジェラートとプラリネ、甘草のシロップ煮
アメリカのレストランで出てくるデザートのような濃厚さで、好みは分かれるかもしれません。山羊のミルクのビアンコマンジャーレは牛乳プリンのようなものとの説明でしたが、これは酸味かなにかで奥深い味になっており、牛乳プリンから想像される味よりずっと美味しいです。
2017/12/15 更新
(メモ)
2019年は2階の姉妹店「ズッペリア・オステリア・ピティリアーノ」ばかり訪問して、「フィオッキ」さんには1回しか訪問しませんでした。これはいかんと思い2020年の最初の外食場所として選びました。やはり圧倒される美味しさでして、落ち着いた雰囲気もいいですし、2020年はもっと足繁く訪問したいと感じました。
いただいたコース料理の内容は以下のとおりです。
・オマールエビ 里芋 レンズ豆
・パネットーネ 生ハム チーズ 椎茸
・冬の旬野菜 ~冬の菜園仕立て~
・鹿 法蓮草 ポレンタ 黒にんにく
・息吹サーモン 松茸
・牡蠣 天然鴨 ~森の香り~
・仔羊 ~藁包みロースト~
・タヤリン 山ウズラ
・洋梨 みかん
・りんご アマレッティヘーゼルナッツ
・Caffeと小菓子
以下はいくつかの料理の簡単な印象です。
☆パネットーネ 生ハム チーズ 椎茸
生ハムがとろけてほっぺたが落ちそうです。
☆冬の旬野菜 ~冬の菜園仕立て~
素材の美味しさに加えてソースの美味しさがさらにお皿全体を高めてくれます。
☆鹿 法蓮草 ポレンタ 黒にんにく
鳥取のニホンジカとのことです。甘さの中にほんのかすかな苦さがあるようなないような実に複雑な味付けに感心させられます。その複雑だからこその美味しさなのです。
☆息吹サーモン 松茸
ハーブティー、スクランブルエッグとか、不思議な組み合わせなのにハーブティーの枯れた味わい含めびっくりするほどの美味しさです。
☆牡蠣 天然鴨 ~森の香り~
長良鴨、牡蠣、ポルチーニやトリュフのソースと聞くとさぞかし濃厚かと想像するもこれらはお互い主張し過ぎず調和がとれているのです。
☆仔羊 ~藁包みロースト~
写真の色があまり良くはありませんけれども、見ただけで美味しいとわかるのです。骨のソースというのがまた素晴らしく、なんと表現したらいいのかわからないけれども雑味のない美味しさでして、いつまでも食べ続けたいと思わされます。
☆タヤリン 山ウズラ
ヤマウズラはジビエなのにそうは感じさせず、これもいつまでも食べ続けたいと思える美味しさでした。黒トリュフの鼻に抜けていく香りが新鮮に感じられました。
☆洋梨 みかん
デザートまで複雑ながら圧倒的な美味しさです。
☆りんご アマレッティヘーゼルナッツ
グラッパを効かせたチョコレートソース、これも複雑なのに美味しいのです。