4回
2022/05 訪問
クロワゼ鴨の会。
インスタで特別な鴨を仕入れるとの
告知があったので行ってきました。
■ペリエ
ドリンクはペリエをオーダー。
レモンと共に。
■明太子のブランマンジェ
ブランマンジェの優しい乳味感の後に
ふんわり広がる明太子の風味が良き塩梅。
このふんわり感がポイントです。
■仔羊のプレート
・仔羊のコンソメ
こりゃ凄い。
仔羊の良い香りが鼻に抜けます。
羊って臭くて苦手な方もいますが
これは臭味じゃなくてアロマです。
・仔羊のサラダ
のっけから飛ばしてますねぇ。
サラダと言いつつメインのような存在感。
フランス産の熟成仔羊を
マスタードと和えたマッシュポテトで。
・仔羊の生ハムとスイカのタルト
これもめっちゃ美味しい。
スイカと塩が合うように程よい塩味の
生ハムとの相性は言わずもがなです。
パルミジャーノのアクセントを加えて。
・仔羊のラグー
仔羊のミンチがゴロゴロと入っていて
この素朴な感じがたまりませんね。
この最初のプレートだけでもランチとして
成立するくらい素晴らしい出来栄えです。
■フォアグラと筍 鰻のムース
やっぱりベルエキップのフォアグラ
めちゃくちゃ美味しいですね。
この日は春仕様で筍、鰻のムースで。
フォアグラと鰻って合うの?って
思うかも知れませんが、これが合うんです。
そもそも鰻は淡泊な白身魚なのでクセは無く
脂が美味しい魚なのでフォアグラの黄金の脂に
蒲焼のタレをイメージしたバルサミコが
合わない訳が無いんです。
ココアのパンと共に。
■仔牛のクリーム煮(ブランケット・ド・ヴォー)
究極のビーフシチューとはまた違った
角度からの煮込み料理の魅力を楽しめます。
こういう地味で滋味な料理こそ
フランス料理の醍醐味ですね。
椎茸、新玉葱、胡桃の食感に
マスタードでキレのアクセント。
烏龍茶のパンを合わせて。
■瑞浪野菜のエミュルション
瑞浪の野菜に根菜、茸。
どれも力強い味わいを感じます。
温かいチーズのソースをかけて。
合わせるのは胚芽のパン。
■究極のオマール
オマールブルーは海のジビエ。
咀嚼するとブチブチと切れる筋繊維がその証。
オマールの旨味、甘味が猛烈で旨すぎます。
部位によって違う味わいをアメリケーヌソース
オマールバター、オレンジと人参のピュレ
苺の果実味と様々なアクセントで楽しめます。
アミエビのパンを合わせて。
■淡い玉蜀黍のクリームスープ
コーンスープ世界選手権があったら
間違いなく優勝です。
淡くて優しくて温もりがあって
究極のコーンスープです。
■クロワゼ鴨
七谷真鴨と家禽を掛け合わせた特別な鴨。
オスでこの日は10日熟成。
しっとり柔らか、皮は香ばしくと流石の火入れ。
味わいはあっさりクリアでありながらも
ペリグーソースのコクがマッチしていて
口いっぱいマウスフルで頬張ると最高です。
お皿に残ったソースにはカレーのパンが良く合います。
ここから処理や熟成、ソースを改良して
更に美味しくしていくみたい。
お皿の上は正に一期一会。
完成形も楽しみだけど変化の過程を
楽しむのもまた一興ですね。
■ショコラのヴァシュラン
メレンゲの雪のような儚い口溶けと
口腔内に広がる幸せの味わい。
シェフのメレンゲへの愛が
ビンビン伝わってきます。
メレンゲ、ショコラ、バニラが
三位一体となった渾身のデセール。
■小菓子
さつまいもとバスクチーズケーキ。
テーマは田舎のおばあちゃんが
作る素朴なお菓子。
このほっこり安心できる味わいが
良い余韻になるんです。
今回もグッと来る料理の数々最高でした。
シェフの料理は色んな仕掛けがありながらも
頭で理解する必要なく本能で美味しいと
感じるところが好きなんですよね。
あぁ~美味しかった。
御馳走様でした。
2022/05/07 更新
2021/06 訪問
禁断のエクストラコース!
この日は僕の敬愛する某和食屋のご夫妻と
こちらのお店へ。
御二方とも凄く楽しんでくれて嬉しみ!(^^)!
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オーダーしたのは禁断のエクストラコース(17000円)。
■ノンアルコールスパークリングワイン(1800円)
クォーターボトルで2~3杯楽しめます。
シャルドネ100%の辛口スパークリングです。
■明太子のブランマンジェ
禁断の世界への扉。
滑らかでミルキーな口当たりに明太子の風味を移して。
ほとんどの料理を塩で味付けしない林シェフの
名刺代わりとも云える一品。
特注の器との調和も見事です。
■海老のコンソメ
海老と水、塩の結晶を1粒2粒のみの1番出汁。
ピュアな海老の旨味を抽出した2番出汁。
生の尾に温かい出汁を注いで完成する3番出汁。
透明から美しい琥珀色に変わりゆく
グラデーションを目でも舌でも楽しんで。
林シェフは言います。
上から何かを足せば簡単に美味しく出来る。
でもあえてしないからこその美学がここにはあります。
■究極のビーフシチュー
ソースが主役のビーフシチュー。
香味野菜もハーブも使わない
牛本来の旨味、香りのみを抽出した
ピュアなソースを一口。
味が濃い…いや力強いと言った方が正解。
鰻のタレのように幾重にも重ねられた究極のソース。
これこそがこのお店の凄いところ。
フレンチは基本足し算の料理だと思いますが
あれもこれも色んな要素を足すのではなく
足すのはあくまでも牛の滋養のみ。
だからこそグッと来るパワーがあるんです。
とは言ってもまだコースの序盤、前菜なので
重くならないよう牛肉はあえてソースで煮込まずに。
そしてどこまでも軽くなるよう空気をたっぷり含ませて。
箸で持ち上げると筋繊維がホロホロとほどけ
究極のソースと共に口に含むと…恍惚の味。
烏龍茶のパンと共に。
■鮑のポアレ
日本料理で鮑というと肝のソースが浮かびますが
肝は使わず大葉のソースで。
クニュッとした食感の奥からじわり広がる鮑の旨味。
対照的に輪郭のあるムール貝の旨味。
しかしそれらは脇役で、あくまでこの皿の
主役はジャガイモのピューレ。
滑らかに広がる甘味をグレープフルーツの爽やかな
柑橘香が更に引き立てます。
そして色んな出汁が染み込み深味を増した
ジャガイモにはカレーのパンを合わせて。
■究極のロッシーニ
ロッシーニと言えば牛にフォアグラを
合わせるのが一般的。
だけど牛だと脂っ濃くなるので子羊に。
子羊に足りない脂をフォアグラで補うイメージ。
そして香り高いトリュフのソースをかけて完成。
フォアグラの黄金の脂のなんと美しい事か。
マデラ酒のフルーティーな酸味が極上のソースと共に
これらを同時に頬張ると…ほっぺが落ちる~。
もう四の五の感想は不要。
兎に角、強烈な旨味に支配されます。
ソースはきな粉のパンでしっかり拭って。
■瑞浪野菜のエミュルション
テーマは付け合わせ野菜の集合体。
一つひとつの味わいや食感に感覚を澄ますと
瑞浪野菜の力強さ、瑞々しさに気付きます。
バターとチーズのドレッシングに胚芽のパンを合わせて。
■究極のオマール
かねてからオマールブルトンは
肉と表現しているシェフ。
この筋肉ともいえるオマールの身を芯まで火入れ
する事で旨味を凝縮させています。
ブチブチッとしっかり噛みしめる事で広がる鮮烈な旨味。
爪は美味しさの質が変わるので異なる火入れで。
そうする事でテクスチャにグラデーションが出来ます。
また清涼感のあるミントとサラリとした甘味のスイカが
良きアクセントになっておりドレスを纏うと表現された
アメリケーヌソースは見惚れる程に美しい味わい。
■淡い玉蜀黍のクリームスープ
メインの前のグラニテ的な立ち位置で
「美味しくしすぎない」一皿。
なので特別な品種ではなく普通の玉蜀黍を使用。
とは言ってもめっちゃ美味しいです。
ブイヨンや塩を使わないピュアな味のみで
表現されたこのスープは間違いなく
この世で一番美味しいコーンスープ。
■至高の子羊
フランスリムーザン産仔羊"ルバロネ"。
至高と名付けられたこの白い肉は
しっかり芯まで火入れし真ん中の
一番美味しい部分だけが提供されます。
咀嚼する度、溢れるその雑味の無いクリアな甘味と
ミルキーささえ感じる子羊のアロマ。
1つ前のスープで口がリセットされているので
ここまで使わなかった一振の塩の効果が凄まじい。
前回も同じメニューをいただいたのですが
あまりに美味しかったので再度リクエストしました。
そしてやっぱり「あまりにも美味しかった」。
■桃のネクター
こちらもピュアな桃の美味しさのみで勝負。
お腹いっぱいでもスルリと入っていきます。
■焦がさないマンゴーブリュレ
完熟したマンゴーに挑んだというデセール。
甘さよりもパッションフルーツに近い酸味を
エッジをあえて効かせる事でマンゴーの
美味しさのみを残して消え去ります。
■小菓子
メレンゲ、さつまいも、ショコラ。
コーヒーと共に。
小菓子もこだわって丁寧に作られており
最後の最後まで美味しい。
という事で禁断のエクストラコース
凄かったです。
他のお店ならメインであろう料理が
前菜から出てきて怒涛のスペシャリテに
次ぐスペシャリテ。
あれもこれもと余分な足し算は一切無し。
足すのは素材そのもののエッセンスだけ。
どこまでもピュアでグッとくる味わい。
更にはコースの順番、構成にも裏付けがあり
正に禁断と呼ぶに相応しいエスクペリエンス。
長々と書きました食べてる時は
美味しい~、何これ~、くぅ~っ
たまんねぇ~、うんめぇぇぇぇ~っ
の連続で冷静ではいられなかったです。
なので料理の構成や思い等は公式インスタから
所々引用させていただきました。
次は冬の時期に伺いたいです。
ご馳走様でした。
2021/07/02 更新
2020/08 訪問
MAJESTIC(威風堂々)!
インスタで続々発表される夏の新作料理が
とっても美味しそうだったので2月以来の再訪。
今回は15000円のコースをオーダーしました。
昨今溢れるイノベーティブで足し算のフレンチとは対極で
クラシカルで不要な要素は躊躇なく削ぎ落す。
そう、美味しさの本質を追究する最も尊いフレンチレストランなのです。
=明太子のブランマンジェ=
もの凄く優しい味わい。
ですが薄味の中にも深さがある。
滑らかな食感に和食の出汁を思わせるような淡い余韻。
その奥から臭味も塩辛さも無い、明太子そのものが持つ
アロマだけが心地良く鼻に抜けます。
=2種のシュー=
・フォアグラのシュー
シューの中から溢れる甘いソースはフォアグラの黄金の脂。
コク深いフォアグラの旨味が、この料理の主役であるシュー生地の
ほんの少しの塩気とサクサクの食感を引き立てます。
・瑞浪ボーノポーク ラグーのシュー
茄子とチーズチップも一緒に一口で。
マウスフル(口の中一杯)にする事でマリアージュが完成します。
=桃のコンポート 仔羊の生ハムのタルト仕立て=
つい最近、あるお店でいただいた桃と生ハムの料理が
全くチグハグでとてもがっかりしましたが、この料理には鳥肌が立ちました。
そもそもこの桃自体が特別で林檎や梨のような食感があるんです。
でも決して早熟ではなく鮮烈な桃の香りと甘酸っぱさがある。
だから力強くて生ハムに負けないんです。
生ハムの塩分濃度も申し分なく玉ねぎ、クリームチーズが
複合的に絡み合ってバッチバチにマリアージュします。
=究極のフォアグラ 鰻のムース=
まずキャスタン社のフォアグラはそれ自体が究極。
もちろんシェフの火入れがあればこそ、ですが。
そして合わせるのは鰻の蒲焼のムース。
バルサミコソースはタレの役割。
これ合うの?って思うかもしれませんが
笑っちゃうくらい鰻の風味がフォアグラと相乗するんです。
シェフ曰く誰も分かってくれないらしいですが
食べたら分かります。
幸せの味に満たされます。
=きな粉のパン=
フォアグラの料理にマリアージュさせるのは
きな粉のパン。
お皿に残ったムース、ソース、脂を綺麗に拭っていただきます。
=ジャポネーゼ=
バジルで作ったパスタがジェノベーゼなら
大葉で作ったこのパスタはジャポネーゼ。
ムール貝はコクが段違いだしジャガイモの素朴さと
小麦の味わいが良い意味で落ち着きをもたらします。
そして秀逸なのが、隠し味のグレープフルーツの存在感。
実は爽やかな柑橘の香りは、この料理の重要なピースというより
コース料理の中での重要なピース。
次の料理に向けて一旦、軽やかにする狙いがあるんです。
=牛ホホ肉の赤ワイン煮=
これ、すっっっごいです。
箸をスッと入れただけで繊維がホロッと解けて
口の中に入れる直前に嗅覚が牛の香りを捉え
口の中に入れた瞬間にトロけます。
究極の恍惚の味わい。
牛肉はニュージーランド産。
和牛だとサシが多すぎて合わないんだそうです。
そして赤ワイン煮は牛の出汁を際立たせるようにチューニング。
=無味のパン=
そして牛ホホ煮に合わせるのは、なんと無味のパン。
あえての無味です。
ただひたすらに料理に寄り添って。
=瑞浪野菜のエマルション=
野菜だけで一皿って昨今、非常に珍しい気がします。
それぞれの野菜の持つ甘味、苦味、瑞々しさから
土の香りまでも味わいます。
バターとチーズのドレッシングで。
=胚芽のパン=
この野菜料理に合わせるのは胚芽のパン。
噛むほどに小麦の甘味が感じられるので
野菜も一緒に食べるとサンドイッチのように
見事にマリアージュします。
そしてドレッシングに浸すと
濃縮されたバターとチーズの旨味が染みて最高なんです。
=究極のオマール スイカのソース=
今回、最も期待していた一品。
反面、本当にスイカが合うのかと若干の不安もあったり。
しかし食べた瞬間、意識が遠のくくらいの衝撃でした。
う、うまい。
こんな美味しいオマール料理は食べた事ありません。
まずスイカって、とっても難しい食材だと思うんです。
料理にしてもジュースにしてもデザートにしても
スイカをそのまま食べる美味しさには敵わない。
もっとも加工する事に適していない食材の一つだなと。
しかしこのスイカのソースにはビックリしました。
スイカの青さや瓜臭さは皆無でスイカの甘いところだけを抽出しているんです。
だからキレのある甘味というか、すっきりしてて
重さが無いんです。
そしてもちろんオマールの塩気とはバッチリ相乗します。
凄いのはソースだけではありません。
オマールの王様、ブルトンオマールは爪と身で部位ごとに
最適な火入れをしています。
ブツ切りに大きくカットされたオマールをマウスフルで頬張ると
言葉に出来ないくらいに美味しい。
豪快な味わいの身とシルクのように繊細な
爪とのコントラストも実に鮮やか。
そしてオマールの下にはエビの出汁とトマトソースを吸った
アミエビのパンの粥。
トマトの程好い酸味がキレ味を加えスイカの甘さを引き締めます。
=アミエビのパン=
エビにはエビをマリアージュ。
合わない訳がありません。
=淡い玉蜀黍のクリームスープ=
前回、余りにも衝撃的だったコーンスープ。
同じ感想になりますが、これ以上のコーンスープは
この世に存在しません。
=至高の仔羊=
これも本当に衝撃的でした。
まずは火入れの終わったカットする前の
塊肉をテーブルに持ってきてくれます。
その時は羊特有の獣臭さが漂ったんです。
で、一番良い部分のみをカットして盛り付けてサーブ。
その乳白色の断面のなんと美しい事か!
早速、仔羊を口に含むと。
もう本っ当に衝撃。
何、この透き通る甘味は???
透き通るとは味が無いという意味ではありません。
雑身が無い。
さっき感じた獣臭さも皆無で羊の旨味だけが
ス~ッと身体に浸透するんです。
美女と野獣じゃないけど見た目は獣だけど
中身は美しい…みたいな。
そしてカシスソーダを飲むと喉の奥から羊の香りが復活。
僕はワイン飲めないけど、そうかぁこれがマリアージュなんですね。
正にメインたるマジェスティックな一皿でした。
=カレーのパン=
このスパイスの香りがまた仔羊によく合います。
=桃のデセール=
生ハム料理の時に出てきた林檎のような桃。
これはコンポートしていないフレッシュバージョン。
少し白ワインの効いた煮汁は大人のネクター。
=焦がさないマンゴーブリュレ=
世に溢れるマンゴープリン否マンゴーゼリーに対する
シェフのアンチテーゼ。
すっごいマンゴー感です。
マンゴーよりマンゴー。
ペリカンマンゴーという品種を使っているそうです。
絡み付くようなネットリとした甘みと
トロピカルな酸味がたまりません。
そして食べ進めるとプリンならではの卵のコクトロ感が
鮮烈な味わいを良い意味で和らげてくれます。
=小菓子=
トマトのタルトと生チョコ。
今日の日の鮮烈な体験を幸せな余韻の中に閉じ込めるように
コーヒーと共に。
今回も本当に素晴らしかったです。
料理の本質を捉える探究心と究極の火入れ。
そしてストーリー性のあるコース構成。
これ以上ないくらい満足しました。
ご馳走様でした。
2020/08/09 更新
2020/02 訪問
変態シェフの作る究極フレンチ。
今日のお昼は岐阜県瑞浪市にあるベルエキップさんへ。
行く前からここは間違いないと思っていたけど
素晴らしすぎました。
さて、この日はせっかくなので
スペシャルコースをオーダー。(12600円 税別)
どんな料理が出てくるかワクワクします。
=海老のコンソメ=
いきなり出ました、スペシャリテ!
先ずは水と海老のエキスのみで作ったクリアな1番出汁を頂きます。
生臭さとかは一切無くクリアな海老の旨味が抽出されていて美味しい。
次にカツオ等を加えた美しい琥珀色の2番出汁のコンソメ。
先程のコンソメとの味わいの変化を楽しみます。
そして生の尾が入った器に温かいコンソメを注ぎます。
串刺しにされた焼いただけの頭とコンソメで少し温かかくなった
尾を一緒に食べて食感、風味の違いも含めて味わいます。
最後に身の旨味が移った3番出汁を。
もうこれ最初から旨すぎてノックアウト!
=瑞浪ボーノポークのラグーのプチシュー=
こういう料理ってちまちま小さくまとまったのが
多い気がするけどこのお店のは違う。
お肉の旨味が爆ぜます。
=羊の生ハムと苺のタルト=
生ハムの塩気とクリームチーズのムースのコクに
苺のフルーティーな甘味と酸味が時間差で複雑に絡み合って
渾然一体となりマリアージュする様は正にフレンチの真骨頂。
羊の生ハム初めて食べたけど後引くほのかな塩気の余韻も素晴らしい。
=牡蠣のグラタン=
大葉をアクセントにした現代的なグラタンと
昔ながらのホワイトソース主体のグラタンの食べ比べ。
合わせるのはココアのパン。
そうです、こちらのお店なんとパンをペアリングしてくれるんです。
凄く良く合うので綺麗にソースをぬぐっていただきました。
=究極のフォアグラ=
キャスタン社で放し飼いにして育てられた鴨のフォアグラは
溶けないしっかりとした存在感が特徴的。
しかし味わいの方は脳がとろけるような美味しさ。
マデラ酒のソースもとびきり美味しい。
こちらに合わせるのは烏龍茶のパン。
=究極の牛ホホ煮込み=
空気を含んだエアリーなお肉は口に運ぶと牛の良い香りが広がり
それだけで御馳走。
未だかつてこんなに美味しい牛煮込み料理は食べた事無いかも。
更に、さつまいもの赤ワイン煮込みはネットリと絡みつく
甘味、旨味が凄まじく、この一皿に何度昇天させられた事か。
=瑞浪野菜のサラダ=
焼いたり蒸したり色んな仕事をしているらしく
情報量が多過ぎてメモが間に合わないほど。
とにかく一つ一つの野菜の甘味、苦味、辛味も含めた
旨味が驚くほど力強い。
ドレッシングも凄く美味しかった。
パプリカのパンを合わせて。
=オマール海老の集大成=
ここで大好きなオマール!
身はしっとりレアに頭はしっかりと火入れし
一週間温めては冷ましてを繰り返したという
オマールとトマトのみのソースを絡めていただきます。
これはもう説明不要。
味噌、殻に纏わるソースを吸いながら、ひたすらオマールの旨味に溺れます。
アミ海老のパンでマリアージュ。
=淡い玉蜀黍のクリームスープ=
バターやブイヨンを使わない
味付けはほんの少しの塩のみと言うコーンスープ。
えっ何これ?
一口、口に含むとその余りの美味しさに暫く固まってしまった。
自分史上最高のコーンスープ。
世界中どこを探してもこれ以上のコーンスープは無いと断言出来ます。
=ビュルゴー産鴨肉の3時間ロティ=
火入れの素晴らしさはインスタで見て知識としてはあったけど
実際に体験してみないと分からないもの。
この温もりは体温だ。
命を失った鴨肉に再び魂が宿る。
まるで生きているかのような躍動感ある旨味、血のアロマが
全身を駆け巡ります。
焼いて塩をふっただけと言いますが、その焼きのセンスが異次元なんです。
合わせるのは胚芽のパン。
=ショコラモンブラン=
ビターなチョコと栗の風味。
メレンゲの儚い甘さと口溶け。
これが食べたくてこの時期に予約したんです。
=苺のタルト テリーヌ 綿菓子=
苺タルトは紅茶、テリーヌはコーヒーとマリアージュします。
そして綿菓子、甘いのかと思ったら爽やかな香りが広がる
柑橘フレーバーでめちゃくちゃ美味しかった。
最後の最後まで抜かりなく美味しい。
いやぁ、このお店本当に素晴らしかったです。
一見シンプルに見える料理も極限まで本質を追究していて
正に変態の極みです。
食後のシェフとの会話も楽しかったぁ。
また絶対に行きます!
御馳走様でした。
2020/02/11 更新
極限まで本質を追究した料理は正に究極。
全ての料理がスペシャリテというくらい
研ぎ澄まされておりコース構成には
ストーリーがある。
ここがフランス料理の最高峰だと言いきれます。
2020/08/09 更新