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感動の美味しさ。 てくてくのバタークッキー230円税込。 最高の材料で真心込めて作った逸品。 一口いただいた瞬間から、しあわせな宇宙が口いっぱいに広がります。 この幸せを知人友人に少しでも分け与えたくて、最近のお持たせはこれに決めています。
2020/11訪問
1回
開店当初からのお付き合い。 ざっと30年位のお付き合いですね。 大変お世話になっております。 ここは、本格的な焼き鳥を良心的な価格でいただける名店。 しかも、アルコール類も充実していて、かつ、こちらも良心的な価格。 総合的に価値が高いのですが、今は職場が移り残念ながら足が遠のいています。 新鮮だから刺身系も充実。 刺し盛りを注文すると、ササミ、タタキ、レバ、砂肝が刺身で供されます。これを、たっぷりのニンニクと生姜でいただくのがたまりません。ああ、美味い。ササミは一本丸ごと供されますので食べ応えも十分です。 串焼きはひとつひとつのポーションがでかい。 写真のレモンの櫛切りと比較すると分かりやすいのですが、ピーマンの肉詰めや、ねぎまのでかいこと。嬉しい限りです。 高い技術で串打ちされ、焼かれた焼き鳥はどれも絶妙な火の入り具合でベストな食感を楽しめます。 写真はありませんが、この他皮和えや鳥スープもいただいてお腹いっぱい。 皮和えは、茹でた鶏皮を洋からしで和えた一品。カロリー高そうですが、ここに来たら必ず発注です。ピリリとした辛味がアルコールのピッチを早めます。 それにしても、私の注文したウーロンハイは焼酎が濃いめです。写真を撮ったら、茶色というより、ほとんど透明じゃないですか。嬉しいけど。 何度か店内を改装していますが、今の形に落ち着いてからの営業がいちばん長いと思います。かつては人を使ったり、ランチをやっていた時期もありました。 が、やっぱり今の形に落ち着くのは自然な流れ。 職人気質の優しくて実直な旦那さんは、きっとお客さんに美味しくて安心できる焼き鳥を食べてもらうことしか考えていないはず。 女将さんも、たいへんキッパリとしたところがありますが、そこは30年前から変わらない点で、良い様に作用したことの方がむしろ多く、最近では長所のひとつだと思えるようになってきました。 事実、こんなに美味しい焼き鳥をこの価格でいただけること自体が、旦那さんと女将さんの我々に対する思いやり以外のなにものでもないと感じられます。 ありがとうございます。
2020/07訪問
1回
昔は今と違って、もつ焼きやというと個人商店ばかりだったので、ずっと前から基本的に週休1日でした。 しかし、そんな昔から中延忠弥さんは、いち早く働き方改革を推し進め週休2日制を敷いていました。 革新的ですね、なんちゃって。 半年ぶりの訪問。 並串8本、たたき1本、にこみ、ジャンボ、カクテル4杯いただきました。4,020円。 後半は、若い女性の1人客が右隣の席に。 話しかけたいところをグーーーっと堪え、クールにお勘定を払いとぼとぼとひとり寂しく店を出て行きました。 たまーに、恐る恐る額縁に入れられた価格表をチェックします。 これを書いている今現在は、並串190円、にこみ600円、カクテル440円となっています。 割高に感じるかもしれませんが、並串はむしろ安いくらいの価格設定、にこみは美味しさとバランスした適切な価格、カクテルも前者に同じだと私は感じます。 ただ、ハラミだけは美味しいからといってバンバン注文すると後で痛い目に合うかもしれません。ま、美味しいから良いのですが。 今日も満足の忠弥さんでした。 はらみ串は牛ハラミを串に刺したもの。 一本で600円以上する高級品。 だけど、それなりの価値がある特別な美味さ。 いいな、忠弥は。 私のルーツだな。 品川でパーティーに参加するがほとんど食べ物をいただかなかったので、終了後タクシーで中延忠弥さんに駆けつける。 19時ちょい過ぎ到着。ギリギリ間に合った。良かった。 今夜は控えめに7本と煮込み。カクテルも控えめに3杯だけ。この時間なのにわっぱが残っていたのは超ラッキー。案の定、19:30には暖簾が店内に取り込まれた。良かった、良かった。 今夜はいつもより美味しく感じる。何故だ? 特に、てっぽうのしょうゆとガツのしょうゆが美味い。 てっぽうは柔らかく、しかも、きちんと噛み切れる仕上がり。 ガツはしっとり感があり、たまに感じていたボソボソ感が今日は無い。しょうゆの漬け込まれ加減もピッタリ。 チレは相変わらずでかい切りつけ。 その形状から懐かしいハンドバッグを思わせるので、私はそう呼んでいる。 チレだけは秋元屋さんの切り方が一番だが、忠弥さんのこの切り方もこれはこれであり。シャグシャグした食感でしみじみ美味い。 かれこれ通って50年。 飽きない味だなあ。 50年以上通っているもつ焼き屋さんです。 私が小学生の頃から父によく連れられて行ったもんです。 学生の時はよく食べました。健啖家の父と二人で50本食べた記憶がありますが、今は昔のようには食べられません。 忠弥さんは目黒区の祐天寺にもあり、中延とは親戚筋とのことです。また、忠弥さんをリスペクトする方が白金高輪に鈴木屋を開きましたがすこぶる高い評価を得ています。この3店の煮込みは共通して塩味で滋味溢れる美味しさです。この味の煮込みで私は育ってしまったので、幸か不幸か他店の煮込みを美味しいと感じることが稀になってしまいました。 私の煮込みの原型がここにあります。 昔はズイという部位がありました。脊髄ですね。 刺身と焼きがありましたが、どちらも特徴的で美味かった。 刺身はうっすらとピンク色でつるんとした感触でした。 味という味はしないものの、薄味のフグの白子の感じで食感が楽しいものでした。 一方、焼きの方は焦げ目がつくくらいしっかり焼くと、ふわふわのマシュマロのような食感になり、塩味が良く合いました。 死ぬ前にもう一度食べてみたいもんです。 思い出話しはこれくらいにして、今日は煮込みと10本を注文です。 注文は紙に書くスタイルで、追加はせいぜい1回程度しかできません。つまり、一度にドンと届くスタイルで、チョビチョビとは注文できません。初めての人は面食らいますが、これはこれでありかもしれません。 飲み物はカクテルを注文です。 カクテルは少し甘みのある酒で、ベースが何の酒なのかは知りません。何でしょうね。あんまり、知りたくもないのでこれからもわからないままでしょう。ウィルキンソンのジンジャエールを使っていることは確かですが、旨ければ知る必要も無いと思います。 煮込みには色々な部位の切れ端が入っています。 串に刺さる肉はそれぞれきちんと成形されており、切り落とされた部位が煮込みに入ります。一般的なシロ一辺倒の煮込みとは異なり、味の変化が楽しい煮込みになっています。 串は、はじめにタレ系が供され、塩、醤油と続きます。 今日は、タタキのタレとヒモスタミナがはじめに供されます。 タタキは、いわゆる団子。表面がカリッと焼かれています。塩も美味いがやっぱりタレが良く合います。 ヒモは小腸。よく脂が落としてあり、ちゃんと嚙み切れる薄さと柔らかさがあります。スペシャルなスタミナダレには、にら、白ごまが混ざります。 次に塩系。 写真では一番上にどかっと大ぶりなチレが乗っているので下が見えませんが、写真の上から、子袋、チレ、ナンコツ、オッパイです。下に敷かれ写っていないのが、わっぱ、ガツですね。 子袋は子宮、わっぱは膣。これらは希少部位でほぼ開店直後に売り切れます。最近は、豚を若いうちに潰すので、生殖器が十分に育たないうちに出荷されます。忠弥さんのように50年以上続く老舗ゆえに、こんな立派な子袋やわっぱがいただけるというご時世です。 おっぱいもあまり他店では見ませんね。中目黒、五反田のばんさんくらいでしょうか。 最後に醤油系。てっぽうとハツ下です。 醤油味は忠弥さん以外だと、鈴木屋さんやみつぼさんが対応してくださいますが、忠弥さんは醤油壺に串をしばらく突っ込んで染み込ませますので味がしっかりしています。宇ち多さんの素焼きに醤油、とは反対のしっかり味です。 ハツ下のコリっというかサクっという食感は唯一無二の独特さ。てっぽうは、醤油味との相性が抜群です。 宇ち多、みつぼ、鳥茂、秋元屋、などなど、大抵のもつ焼き家に行きましたが、50年以上味が染み付いている忠弥さんのもつ焼きが私のスタンダードです。
2020/07訪問
4回
3店舗あるみつぼさんの中でも最も居心地の良いお店。 そして、もつやき屋の中でもいちばん鮮度の高いもつを扱っている店だと確信します。 焼き方のお兄さんは、焼き台に串を乗せる前に、串に刺さっている肉を調整してから焼きに入ります。 何をしているのかはよくわからないのですが、他のもつやき屋ではなかなか見られない光景です。 強いていうならば、注文を受けてから串刺しをする大塚の伊勢元さんくらいでしょうか。他のみつぼの店舗でも見たことがありません。 火入れはちょうど良い加減で、軟骨などもとても柔らかく仕上がります。 刺身系も充実。 新鮮なもつが皿にたっぷりです。 なにより、薬味の生姜とニンニクが惜しみなくたっぷり盛られているのが気持ち良いですね。 今のところ私の個人的なもつやき店ランクでは、みつぼさん江戸川橋店はAAでトップクラスの評価です。
2020/07訪問
1回
盛岡できちんと冷麺をいただいた記憶がありませんでしたので、食べログの評価を参考に盛楼閣さんを日曜日の12時に予約しました。 時節柄か待ち客は居られなかったものの、店内はほぼ満席で事前に予約しておいて正解だったという状況でした。 案内された席は、店の奥を進んで右手のさらに奥に進んだ個室の座敷とテーブル席が並行して並ぶ比較的静かな席。席間の余裕もかなりあるスペースなので感染の心配を感じることはありません。 冷麺はもちろん注文するとして、ビールもちょっとだけ飲んでみましょう、ということでアルコールのメニューを開くとプレミアムモルツの生があり、しかも黒生があるじゃないですか。嬉しい。 ということで、ハーフアンドハーフを中ジョッキで注文します。 焼き肉も少しだけ注文しますが、タン塩は外せない。 上ハラミも注文しますが入荷無しとの返答。ほんとかなと入荷無しの言葉を半分疑いながらロースを注文しました。 しばらくして、ハーフアンドハーフとタン塩、ロースが供されました。 昼酒なのでゴクゴクゴクとは飲まないで、ゴクゴク程度に抑えます。ひー、美味い。助けて。 基本的に昼酒はしない方ですが焼き肉をご飯でいただくほど、老いぼれちゃいないつもりです。 そして驚いたのがタンの厚さ。 こんなに厚くていいのと言ってしまいそうな厚さ。嬉しい厚さです。 そして、案の定、味が良くとても美味しい。 厚切りのタンを置く店も多々ありますが、厚けりゃ食感は良くなりますが、味が良くなるわけではありません。 もともと美味しい味が濃厚なタンを厚切りにすることによってさらに美味しくいただけることがあらためてわかった逸品でした。 肉厚でしかも味が良いとくれば、これで1,750円はお得に感じます。 ロースも秀逸。 1,450円のレギュラーなロースでしたが、こちらも大変美味しくいただきました。 肉の旨味とタレの甘さがちょうど良くバランスしています。脂もほどよく、初老の体には優しい脂です。 結局、足りずに上ミノを追加してしまいますが、こちらも美味しかった。 他店のミノのように長方体に近い高さがあるミノではなく、薄切りのミノ。タン塩と同じくらいの厚さか、もしかしたらそれよりも薄いくらいの厚さ。 あまり薄いミノにはお目にかかりませんが、これはこれでとても食感が良く、味も良く美味しくいただきました。 口直しに注文したオイキムチがまた秀逸。 いわゆる水キムチに分類されると思いますが、酸味と旨味が渾然一体となってほんとうに美味しいと感じました。 胡瓜がよーくキムチ液に浸かっていて、そしてそれがよく冷やしてあって、噛むたびに酸味と辛味と旨味が口一杯に広がってほんとに幸せです。 このオイキムチの味のバランスは、1ミリとて、辛くもできないし甘くもできないし、酸っぱくもしょっぱくもできない、精緻なバランスだと思います。 そして、メインの冷麺(大盛)が供されました。 辛み別で注文しましたので、キムチが別皿に盛られて提供されました。 辛みを加える前の冷麺は透明なスープで、この日のフルーツは梨であった故に、料理に赤みが無くちょっとパッとしない印象です。 スープを一口啜ってみると、動物性の出汁の甘みが全体を支配しています。酸味はありません。正直、ちょっとぼやけています。辛くないのではなく、甘いのです。砂糖は使っていないとは思いますが、出汁の旨味が甘味を引き出していて甘くなっていると思います。 麺は中太どストレートで、表面はツルツルです。 噛み締めると歯を押し返す適度な弾力があり食感はこの上ありません。美味しい。 喉越しも抜群でゴムみたいな冷麺とは似て非なる料理です。いやー、美味い。 梨も美味しい。なんで、今の季節に美味しい梨があるんだと疑問が頭をかすめますがそんなの関係ありません。 途中から辛味のキムチを加えますがスープは辛くはなりません。 辛さを求めてキムチを足しているのではなく、酸味を求めてキムチを加えているのですが、スープは狙ったとおりの味に変化しませんでした。 やっぱり、酸味を感じるにはお酢を加えるのが手っ取り早いんでしょうが、最後までうまく調整できませんでした。 個人的には、オイキムチのツユに冷麺が浸かっていたら良かったのになと感じてしまいました。次回からもう少し工夫を凝らしてみましょう。 きっと、盛岡に来るたびに通ってしまうと思われる盛楼閣さんの料理の美味しさでした。
2021/03訪問
1回
食べログから、お任せディナーコース9,000円税別を予約。 コロナの影響か否かはわかりませんが、テーブル席指定のコースでしたが、無理にカウンター席をリクエストして鉄板の目の前の席に座らせていただきました。 鉄板焼の専門店というとホテルのレストランか、どちらかというと洋風な外観のお店を想像していましたが、小助川さんは生成りの暖簾の奥に縦格子の硝子戸を構える瀟洒な和風の外観を持つお店でした。 店内は照明が少し落としてあり、落ち着いた雰囲気が漂います。 はじめに白ワインをグラスでいただきます。 今夜はお取引先様との年末の締めとしての利用ですが、待ち合わせの時間までに余裕があったためひとりで0次会をしてしまい、ビールやハイボールを既にいただいていたため白ワインからスタートします。 こちらのお店はグラスワインの価格が700円からとリーズナブルのため、白ワイン×2、赤ワイン×3をいただいたのは覚えています。いや、もしかしたら白ワインは×3だったかもしれません。0次会の影響もあり、酔いもそれなりだったようですので、レポートに誤りがあったらごめんなさい。決めつけた表現は控えたほうが良さそうです。 縦、横ともに余裕の大きさの立派な鉄板の正面に陣取り、これからはじまるコース料理に期待が昂まります。 はじめに、アミューズのうずらの卵の赤ワイン煮と生ハムが供されます。 こちらの料理は鉄板を使わずに、冷やされた状態で提供されます。 最近ちょくちょく目にするうずらの卵の料理ですが、こちらのうずらの卵は、卵自体がとても甘く調理されています。 何故甘くなるのかがわかりませんが、卵自体が持つ甘さを超越したスイーツに近い甘味を感じました。 もしかしたら、私だけが感じた甘味かもしれませんが、未だに不思議な感覚が残っています。 次に、前菜の魚料理が供されます。 魚の名前は忘れましたが、臭みの全く無い白身魚のタルタルでした。なめろうにインスパイアされている料理かなと感じましたので、魚は鯵か鯛だと思いますが正確にはわかりません。アクセントにキャビアが載っており、彩りも見事です。 上質なオリーブオイルと魚と白ワインの3者の相性も抜群で、ホイホイと進んでしまいます。 このようなフレンチ料理を箸で気軽にいただけるのもありがたいですね。 そして、ここからが鉄板を使った料理になります。 次は、ちぢみほうれん草のソテー。 手際よく調理される様子を目の前で見られるのは楽しいものです。 ご主人が使われているヘラ(って言うんでしょうか?両手にひとつずつ持たれている食材を返したりする調理用具です)がずいぶんとすり減って短くなっています。 聞けば、ご主人は鉄板焼の銘店「ハマ」さんで永く修行をされていたとのこと。すり減ったヘラは、その修行時代から使われているとのことで、鉄板焼のコックさんにとってそれほどまでにヘラの感覚が大切なんだと知ることができました。 次にいただいたのはタラの白子。 白子は火を通した調理法が好みですが、鉄板焼でいただくのは初めてです。期待が高まります。 直火で表面をこんがりと炙った調理法には一歩劣りますが、たっぷりのオイルを纏ったアツアツの白子もこれはこれでとても美味しくいただきました。 サーモンと合わせることが多いケーパーを白子と合わせるのはグッドアイデア。ケーパーの強い酸味がこの料理を締まりのある料理にしています。 次はフォアグラ。 フォアグラの素性をご主人に聞きませんでしたが、フワフワの食感を持つフレッシュなフォアグラでした。 全く脂っこくなく、臭みもない上質なフォアグラ。胃に収まってからも、全くもたれることもない不思議なくらい軽いフォアグラでした。それでいて、きっちりとムースのような奥行きのある味わいを感じることができて大満足な逸品。 そして、いよいよメインのステーキ。 ご主人は人間の頭くらいの大きさの肉塊を冷蔵庫から取り出して掃除を始めました。 切れ味鋭い刃物で余分な肉や脂をススっとスピーディーに削ぎ落としていきますが、あれよあれよという間に肉塊は2/3以下の大きさまで小さくなってしまいました。 素人にはもったいないなあというのが正直な感想でしたが、やっぱり削ぎ落とされた部位はいただいても美味しくないのでしょうか? 肉塊は佐賀牛のA5サーロインだったと記憶していますが、間違っていたらごめんなさい。この頃には結構酔いが回っていたので記憶に自信がありません。 ただし、リブアイの方が鉄板焼には相性が良いとの発言がご主人よりあったことがメモに記されていますので、もしかしたらサーロインではなくリブアイだったのかもしれません。 いずれにせよ丁寧に鉄板で調理されたステーキは、柔らかく滋味深い味わいの例え様のない美味しいステーキでした。 ボリュームも十分。 わさびでいただくのが良かったのは言うまでもありません。 ガーリックライスを飯椀に盛って、味噌汁と一緒に供されるのもセンス抜群。 かと思えば、デザートはガナッシュとソルベ。 そもそも鉄板焼ってとこの国の料理って聞かれたら日本の料理ですと答えますが、決して和風という意味ではありません。 こちらの小助川さんは、フレンチや和食の良い部分を活かしながらオリジナルのアクセントを巧みに加えてお客さんを飽きさせないエンターテイメントな料理をリーズナブルに提供される銘店でありました。 この鉄板の前では誰もが笑顔になれることを保証します。
2020/12訪問
1回
からしサラダ173円(税込)。 ずっしりと重く、両手で持つか、上手くバランスを取ってではないと片手では折れてしまうくらいサラダがたっぷりと入っています。 大量のポテトに、きゅうり、玉ねぎ、人参がアクセントに少しだけ混ざっています。 第一の特徴がそのボリュームだとするならば、それを凌駕するほどの第二の特徴は辛さ。 成人でも、辛さが苦手な人は食べられないくらいの辛さ。日本人の小学生はおそらく食べられないでしょう。 2枚目の写真がマスタードの比率をよく表していると思いますが、相当量のマスタードが混ぜ込んであります。 もちろん、パンは美味い。 しかし、からしサラダの場合、パンは脇役に転じます。 研究熱心なお店でもあるため定期的に新作が出されますが、ちょくちょく(つまり、結構高い確率で)失敗作に出会します。でも、そんなことにメゲずに研究を進めてほしいと切に思います。 そしていつの日か、このからしサラダに相当する大ヒットレギュラー商品を当ててもらいたいもんです。 ちなみに、このからしサラダは人気があるため朝の早い時間でないと売り切れにより入手出来ませんのでご注意ください。
2020/07訪問
1回
駅前の繁華街から徒歩で3分ほど。街はぐっと静かになり、魅力的なお店がぽつり、ぽつりと現れます。 当日の電話でしたが、なんとかカウンター席を確保していただきました。マスター夫婦のお二人で切り盛りされている小さな和食店です。 クルクルと笑顔でサーブする女将さんが、お通しとはじめのビールを運んでくださいました。 あー、美味い。ビールも、お通しの姫さざえも。 この姫さざえで、店の実力を垣間見た気がしました。 ひたすら柔らかく煮てあり、甘みを抑えただしの効いた味付けが、この後の料理の美味しさを予感させます。 時間がかかりそうでしたので、いっきに全品を注文しました。 黒毛和牛ももたたき、九条葱とハタの鍋仕立て、佐島の蛸のから揚げ、毛蟹塩蒸し共和え茶碗蒸し、ふぐ皮とジュレ(正確な料理名を忘れてしまいました)、うるいのお浸し、牡蠣の塩焼き… 残念ながら毛蟹塩蒸し共和え茶碗蒸しは既に予定数に達してしまったようです。しかし、毛蟹の代わりにシラウオならばできますと女将さんからの提案。もちろんYESと答えます。 熱燗に切り替えます。 いっきに注文したので、いっきに供されたらどうしようと心配していましたが杞憂に終わりました。 ちゃんと私の食べ進み具合を見ながら、タイミングよく料理が供されます。さすがです。 お通しに続いては佐島の蛸のから揚げです。 ひとつひとつが大きくてしっかりしていますが、隠し包丁を巧みに入れてあり身の硬さを感じません。素揚げに近い薄ごろもをまとい、ぷりっぷりの食感です。レモンがバッチリ名脇役で、これまで食した蛸のから揚げとは次元が違う美味さです。 次は、ふぐ皮とジュレ(正確な料理名を忘れてしまいました)が供されます。 ふぐ皮は大好物ですが、酸味の効いたジュレと相性バツグンです。爽やかの一言です。 箸休めと思い注文したうるいのお浸しも狙いどおりの美味さです。ヌルヌルがいいですね。ネバネバ食品も大好きですが、ヌルヌルはもっと好きです。 先のふぐ皮もうるいのお浸しも、冷たくて美味しいものはきちんと冷たく供される。大事なポイントですね。 続いてシラウオの茶碗蒸し。 シラウオにしっかり味があり、茶碗蒸し自体は優しい薄味です。この対比がシラウオを主役に引き立てています。量もたっぷりあります。 続いて黒毛和牛ももたたきです。 噛めば噛むほどうまみがあふれます。少し肉が薄めですが意図があってのことでしょう。本日、唯一の四つ脚料理でした。 ラス前に牡蠣の塩焼きです。 貝や白子の類は焼いた方が美味いと考えている私です。 牡蠣もナマより焼いた方が美味いと思います。 ふっくらと大きめの牡蠣が四つもありました。香ばしい部分とねっとりの部分の味の対比が楽しい一品です。 最後はハタの鍋仕立て。 ハタといえば高級魚です。 ラストの食材ゆえ大変期待していましたが、実はやや期待ハズレでした。 汁は美味いが身は味無し。極端に表現するとそんな感じです。 旨味は汁に全て奪われたように思います。本身のうま味をもう少し引き立てる工夫が欲しかった。だから、うま味を余すとこなく引き継いだ汁で炊いた雑炊はとても美味かった。皮肉なもんです。 燗酒も進みましたが料理が美味いから仕方がない。 これで、このお値段ならば納得どころか、リーズナブルです。 大将、女将とも、お客の気持ちをよくよく理解したホスピタリティの良い一軒でした。 ご馳走さまでした。 また、寄せていただきます。
2019/02訪問
1回
素泊まりの宿。 12時チェックアウト。 システム面からもゆっくりできる。 朝ごはんも必要な人だけが注文するシステム。 つまり、片泊まりにも対応していて、朝ごはんが1,100円税込でリーズナブルにいただける。 湯河原の温泉街は寂れていない方の温泉街だが、さすがに朝飯を宿以外でいただくには湯河原駅の方まで出かけないと難しい。 自ずと、宿の朝ごはんに頼ることになる。 8時と9時から選べることも良い。 選択肢が7時と8時だと、ちと悲しいが、8時と9時だと嬉しい。当然、9時を選択。 1階の朝食処には、お膳が11脚。 畳に座布団を敷いて座っていただくスタイル。 焼き魚の大きさに、そこここのお膳から歓声が湧く。 金目鯛はそれなりに大きい方だが、鯵、鮭は巨大。当然、魚体は海外物だろうが味は良い。 金目鯛も、これで1,100円ならば、かなりお得と言える。 小田原の某蒲鉾店では、このサイズの金目鯛の干物を2,000円で売っていましたから。 ご飯も、味噌汁も、お漬物もきっちり美味しい。 大満足の朝ごはんとなりました。
2020/12訪問
1回
愛媛県宇和島の新鮮素材を活かした料理店。 飯田橋駅からは徒歩で10分位離れた神楽坂の奥の方に店はあります。 入り口の扉を開けて中に入るとL字型のカウンター席があり、カウンターの内側に厨房があります。さらに、カウンター席の脇を通り抜けて奥に進むと、別な部屋が出現し広い空間が開けてテーブル席が現れる奥行きのある作りになっています。 この日は、季彩や宇和島コース5,000円税別をいただきました。 5,000円であるにもかかわらず、前菜、お造り、煮物、焼き物、肉料理、揚げ物、椀物、鯛飯、とひと通りの料理が供されるc/pの高いコースとなっています。 照明をやや落とした店内は、何故がしっとりとした空気が流れています。 3名の男性スタッフは、調理に2名、サービスに1名という体勢です。 8名位座れそうなカウンター席には、反対側の隅にカップル、真ん中辺のL字型の角付近に1名の先客がおられます。 はじめに瓶ビールをいただきましたが、そのグラスの綺麗なことに驚きます。 小ぶりのタンブラーは一切の曇り無く、磨き上げられています。 カウンター席のテーブル板の奥の上の方に間接照明がありますので、磨き込まれたグラスも料理もとても綺麗に目に映ります。 最初に供された前菜は6点盛り。 どれもが宇和島の郷土料理とのことですが、はじめていただいて驚いたのがおから寿司。 おからをしゃりに見立て、サヨリが寿司だねとして使われた料理ですが、おからに酢を使った甘酸っぱいおからは初めていただくもの。 おそらくたくさんはいただけないのでしょうが、小さな一口大のおから寿司は味といい、食感といい、大変楽しい料理でした。 ここで燗酒に移ります。 燗酒は石鎚。 愛媛県西条市氷見でこだわりをもって造られている酒です。 石鎚は初めていただくお酒ですが、やや温度を低く温められたぬる燗は、和の料理に寄り添うように自らはあまり主張することがないが、確実に料理の味を引き立てる、そんな銘酒と感じました。 薄い甘味と薄い酸味がバランスしながら一瞬見せるふくよかさがすーっと消えていく様が口中に現れる、そんなお酒です。 さて、期待のお造りです。 名物の鯛、鯖、アオリイカ、鰹の4点です。 どれもが大変厚く切りつけられています。 熟練の料理人が刺身を厚く切りつけるということは、魚自体の美味しさが大変に高い場合のみに出来る所作と考える私です。あに図らんや、実際にいただいてみて、やはりその考えは間違っていなかったことが証明されました。 まずは鯛。 普段口にしている鯛とは違いねっとりとした旨味が溢れます。宇和島の名前を汚すことはありません。 アオリイカや鯖は私の大好物で、毎日いただいても良いほど好きですが、この日の白眉は鰹。 この旨み成分が凝縮したねっちりとした鰹の身は、たたいた皮目の香ばしさと血の酸味と身の旨味とが詰まっていて、ひとつの宇宙みたいな感覚を受けました。 いや、美味しい造りに出会いました。 その後は、焼き物、天ぷら、鹿肉、おろしびたしなどが供されもはやお腹はパンパン。 締めの鯛めしは漬けになった鯛が上品に白飯に載った一品。 またまた驚いたのが、その鯛めしのお供に供された麦味噌という名前の汁料理。 これも初めていただく料理。 大振りのお腕にたっぷりと盛られた汁は酒粕の色。 いただいてみると、割と尖った味がする汁。 なんだろう、これが麦味噌そのものの味なんだろうか? 間違いなく発酵系の味がするが、尖った酸味が強烈。 カウンター席の愛媛県人らしきお客さんも皆美味しそうに懐かしそうに麦味噌なる料理を召し上がっておられる。 これまた、唯一無二のお味。 初めての料理や、驚きの連続の大変楽しいお店でした。 5,000円のコースは食べきれないほどの料理が供されて、しかもどれも美味しく大満足。 季節が変わったら、また訪れてみたいお店でした。
2021/02訪問
1回
あんまり熟考しないというか、ろくに考えもせず注文を決めてしまうタイプなので、この日も日替わりランチ850円税込を店に入るや否や発注しました。 その後から、じっくりとメニューを眺める粗忽&短気者です。 春とも思えるぽかぽか陽気の日で、窓を大きく取った明るい店内は日差しに溢れていました。 厨房の老夫婦とお身内と思えるホール担当の女性の3名がランチタイムには働いておられました。 時節柄、店は空いていましたが、私のランチは15分経っても供されません。 私の後に見えた常連さんが注文された牡蠣フライが、私のランチを追い抜いて供されています。 おかしいな、と感じた注文から20分が過ぎたころにやっと私のランチ「チキンカツ」が供されました。 供されて納得。 鳥の胸肉を一枚そのままカツに揚げてあると思える巨大なチキンカツがお皿に横たわっています。 しかも、その厚みたるや衣を含めると4㎝以上はある威風堂々したチキンカツでした。 さらに、付け合わせの生野菜やポテトサラダなどのボリュームも多く、箸をつける前から完食を諦めるほどの迫力です。 これでは、揚げるのに時間がかかるわけです。 サラッとしたドミグラスソースがカツ全体にかけられています。 このドミグラスソースが、このチキンカツが洋食であることを決定づけていると言っても良いと思います。 さっそく、カツの中心部を口に運ぶと、肉と衣がきちんと密着しており食べやすく、しかも、とても良い食感です。肉は柔らかく、胸肉なのに決してポクポクとはしていません。 衣はカリッと、肉はしっとりと、ベストなタイミングで揚がっています。 鳥の胸肉をこんなに美味しくいただいた記憶がなく、おそらくは私にとってベストな胸肉料理だと思います。 巨大な胸肉のチキンカツも、その美味しさゆえ最後まで完食しましたが、ライス、サラダは一部が食べきれず残すことになってしまいました。残念です。 食後には、ナルミのカップで上品にコーヒーも供されて大満足。 次回は是非とも夜に訪問して、ワインと共に牡蠣フライをいただいてみたいものです。
2021/02訪問
1回
うわさに違わぬC/Pの高いお店。 自家用というか普段使いには最高のお店ではないでしょうか。 玉に瑕は予約困難であること。この日も、15時からの予約で入店が叶いました。 限られた2時間の中でひと通りの料理をいただかなければならないので、時間の使い方に自由は無く、お店のペースで食事が進んでいきます。 かといって、必要以上に急かされるようなこともないのでホスピタリティが悪いとは言いませんが、お店の方の焦燥感がお客にも伝わって来て落ち着いた雰囲気はありません。 とらふぐのしゃぶしゃぶと、とらふぐのちり、雑炊セット、煮凝りのセットで3,500円。 季節によってとらふぐの需要が変わるので値段も変動するシステムのようですが、この価格が高騰期の価格。 今日は、この3,500円のセットにとらふぐの唐揚げ、とらふぐ刺しが加わった6,000円のコースをいただきました。 さらに、単品で鍋用白子1,000円、白子焼き2,500円を追加で注文しました。 テーブルには、突き出しと煮凝り、そしてふぐ刺があらかじめセットされています。 突き出しはふぐの塩辛。 赤みがかっているのは粕漬けにしてあるようで、コリコリとした食感とキリッとした滋味深い味で酒が幾らでも進んでしまうお味。 煮凝りは巨大。 煮凝り好きな私には嬉しい大きさ。 写真からはその大きさがわかりませんが、ショートポープを二箱積み重ねた位の大きさ(古っ)。 この煮凝りは、厚さと高さと奥行きがあり、満足いくボリュームとなっています。 味はどちらかというと上品な薄味なので、あっという間に平らげることが可能です。 前半メインのふぐ刺しも、結構なボリューム。 包丁さばきも秀逸で見栄えも素晴らしい。 薄切りではなくて、それなりに厚みがある食べ応え優先の切りつけ。 橙の効いたポン酢との相性は鴨ネギ以上。 むっちりしたとらふぐの旨味が口の中一杯に広がります。日本人で良かったと思える瞬間。 鰭酒は、自家製と思える小ぶりの鰭が無数に入っております。数えはしなかったですが、軽く10枚以上は入っています。もう少しだけ、湯呑みが大きいとありがたいんだけどなあ。 そして、私にとってメインの白子焼き登場。 アルミホイルの上に大振りの白子が3つ乗っています。 この焦げ目が付いた少し硬くなった表面と、その内側のとろっとろでクリーミーな白子本体の対比が大好きです。白子は焼に限りますねー。 表面のわずかな塩味と、なんとも言えない旨みを持つ熱々の白子をハフハフ言いながらいただくのは極上の冬の楽しみです。 ちりは、ちり用の骨つき部位としゃぶしゃぶ用の部位の二皿に分かれて供されます。 これは初めて。 先に骨つき部位を鍋に投入して、次に野菜やしゃぶしゃぶのふぐをいただきます。 しゃぶしゃぶのふぐは食べやすくて美味しいのですが、やっぱり骨にしゃぶりついて骨周りの肉をこそげ落としていただく方が好きだし美味しいかな。 とってもコクのある美味しい骨周りの身でした。 鍋用の白子も臭みは皆無でヒュルっと胃の腑に収まりあっという間。もっと味わっていただかないといけませんね。 ここまででかなり満腹。 刺しもちりも、他店より量が多いことは間違いありません。 肝心な雑炊が入る余地はわずかです。 とは言いながらご飯の量を減らしてしっかりと雑炊を味わいました。 ずっとお店の方が料理の面倒を見てくださるので素人でも安心していただけます。 思いっきりふぐをいただいてもとてもリーズナブルで味の良い、大満足のきくちさんでした。 年に一度は通いたい店ですね。
2021/01訪問
1回
店の扉を開けると正面にコの字型のカウンター席。 カウンターの奥に2人がけのテーブル席が2つ。 そして、壁を隔てたさらに奥に4人がけの席があるという変わったレイアウトの店内。 入店した19時過ぎは5割の入り。 全てのお客さんがひとり客で、かつ、男性。面白いことに、全てのお客さんが633を飲んでいます(笑 お通しに漬け物。 無料だと思いますがそれなりに食べ応えがあります。 つまみ3点盛り、やきそば、わんたんをいただきましたが、どれも安定の美味しさ。 やきそばを中華屋で注文することはほぼありませんが、自慢亭さんでは何故か注文してしまいます。 麺は無惨にもちぎれちぎれになっていますが、そこがまたいい味を出していて自慢亭さんの焼きそばらしさがあります。 多めの野菜と一緒に強火で炒められており、しっかり火が通っていますが、シャキシャキ野菜の食感が抜群。 自慢の自家製カラシをちょっとつけていただきます。 わんたんもこれでもかと投入されており大満足。 さすが、老舗の信頼感です。 厨房からは常に鍋と五徳がガコッガコッと派手な音を立てていて、全身全霊を込めて調理している様子が聞こえます。 何十年も変わらないスタイルと味に頭が下がる思いがしました。
2020/12訪問
1回
朝のひと仕事が終わり参宮橋方面から代々木駅に徒歩で戻る道すがら、道路の向こう側にやけに横長な洋食店を発見。 10時30分 今度入ってみようかななんてぼんやり思いながら、店の入り口脇のボードを目を細めてじっと見ると、なんとOPENの文字が表示されているではないですか。 まだ、10時30分なのに洋食店がOPEN? 交通量の多い道路を店側に渡る前に、急いで食べログを検索し開店時間が10時30分であることを確認。 よし、昼飯はあの店で食べようと決めて、道路を渡れる場所を探します。 私が口開けのようで店の奥のカウンター席に座ります。 メニューを眺めると、いろいろと組み合わが楽しめるタイプの構成。 海老フライは外せない気分だったので、海老フライとヒレカツとハンバーグがひとつずつのNo.13、3品サービスセット850円を発注。 揚げ物を中心とするお店なのに、店内には油の匂いが全く無く、ピカピカで清潔です。 あとで写真を見て気づいたのですが、カウンターに備えられた調味料にマヨネーズがあります。 んんっ、マヨネーズがあらかじめ置かれているお店は珍しいのではないでしょうか。 あるいは、代々木では当たり前? そうこうしているうちに、私の料理が供されました。 料理が乗せられているトレイのデカさに驚き、おかずのハンバーグや揚げ物が載っている金属の楕円の皿の大きさに驚きます。 金属の楕円の皿はラグビーボールくらいの大きさです。 はじめに海老フライから。 一口齧ると塩分が控えめで海老の味が良くわかります。 850円のセットの海老にしては十分満足できる味わいと大きさ。食べ応えがあります。 次にハンバーグ。 肉肉しさはそれなりで、つなぎの存在を感じます。 全体的にジューシーでしっとりとした食感です。柔らかいのでお箸でちぎっていただきます。 上にかけられたソースは、まさにハンバーグソースの代表的なお味です。ケチャップの味は無く、コクのある旨味の強いドミグラスソースです。 ハンバーグ自体に長さはあまりありませんが、高さがあるのでこちらも食べ応えがあります。 最後にヒレカツ。 お皿の中では一番存在感があります。 こちらも大変柔らかく揚がっており、サクサクとした歯応えが楽しい揚がり具合です。 肉の繊維を感じる歯応えで、貝柱のフライと同じような繊維の方向を感じることができます。 ソースがよく似合います。 つけわせの野菜は、冷えたキャベツを粗く刻んだもので、ザクザクといただきます。ちょっとだけマヨネーズをかけて学生気分でいただきます。 2つの揚げ物とハンバーグの合間にざっくりと刻まれた冷たいキャベツで口をリセットするのは理にかなっており食が進みます。 850円でこのクオリティは素晴らしい。 しかも、メニューをよく見ると1,000円台の料理は無くて、全て1,000円以下の価格に抑えられています。 庶民的な価格設定ながら、ひとつひとつの料理をきちんと美味しくこだわりを持って供されるこの店の矜持に頭が下がる思いです。ご馳走様でした。
2020/12訪問
1回
理想の街中華に出会ってしまいました。 これは嬉しい出会いです。 大好物である蒸し鶏をはじめとする点心類がとても美味しくて安い店。 味は本格的の一歩手前ですが、c/pは優に100を超える超満足なお店です。 もともと餡掛け好きな私は、デカデカと路面に表示されたターロー麺の文字を見て、きっと大滷麺(ダールー麺)のことに違いないと思っていましたが、想像どおりスープ全体が餡掛け状のまさに大滷麺でした。 そんなことでピンときましたので、お腹は一杯でしたが入店してみました。 紹興酒と蒸し鶏を注文。 狭い厨房には2人の図体のデカイ中国人コックさんがいて、私語を中国語でしていますが、ホールからの注文が入ると何故か日本語で対応します。その姿がなんだか微笑ましく笑えます。 蒸し鶏は本格的。 骨付きで供されます。 全体的に小さめの鳥ですが、半身をぶつ切りにして皿に盛ってあるようで、ムネや手羽の部分など、いろいろな部位が楽しめます。 どこの部分も瑞々しくて柔らかく、プリプリというか、プルプルというか、新鮮そのものといった印象で骨までしゃぶり大変美味しくいただきました。 何も付けずにそのままでも十分な美味しさですが、タレを付けるとまた違った味で楽しめます。 焼売は肉肉しい食感で、旨味をぎゅっと凝縮させた味。 つなぎ無しって感じがしますが、実際は僅かなつなぎで調理されていると思います。洋辛子が良く似合います。 仕上げにターロー麺を小の方でもいただきたかったのですが、まだこれからも飲まなきゃいけないのでターロー麺で仕上げるわけには参りません。 ターロー麺は次の楽しみに取っておいてここら辺でこのお店は引き上げます。 近いうちにまた来ます。
2020/12訪問
1回
これは、カツという名前で呼んで良い料理なのでしょうか。疑問が残ります。新しいジャンルの料理に出会ってしまっような感覚が今でも残っています。 お店は地下にあり、階段や店内は決して新しくはなく部分的に古びています。店内の壁はクリーム色がかった白なので地下の息苦しさは感じません。 外は雨模様。濡れた靴底に木製の床はよく滑ります。 スタッフは店主らしき方を含め4名。2名が女性で、内1名はホール担当です。 はじめての訪問なので、この店のスタンダードをいただきたいと思い、霧降高原豚ロースかつ定食(170g)1,780円税込を注文。さらに、かきフライ単品をひとつ550円税込を追加します。 カウンターの私の席から1メートル以内で調理しているのでピチピチピチピチと揚げ油の良い音が聞こえますが、揚げている食材は見えません。席と調理場を隔てるカウンターが高く、フライヤーへの視線を遮られるのです。 そして、7〜8分で霧降高原豚ロースかつ定食、間髪を入れずにかきフライが供されました。 同時に、店主らしき男性が丁寧な口調でお待ちどうさまでしたと言います。心がこもった口調です。 まずは何も付けずにいただきます。 白みがかった黄土色の衣はサクサクと軽快です。 かつ一切れの半分を口に含もうと噛み切りますが、肉はプリプリで弾力がありやや抵抗する姿勢を見せます。さらに、顎に少しだけ力を入れると、今度は何の抵抗も無くスッと噛み切ることができます。プリプリの肉は弾力がありますが、繊維は柔らかです。 今までとんかつをいただいて肉汁が溢れ出る様な体験はしたことがありませんが、この霧降高原豚ロースかつは肉汁が溢れ出るほどジューシーです。こんなことがあるんですね。驚きました。 そして、肉の味が濃厚です。 なんとも滋味深い豚の味。 脂の味も格別です。 ほんの少しだけくどさを感じますが、このサイズならばスッといただけます。 素材の良さ、調理法、そして何よりお店の方の美味しく調理してお客さんに召し上がっていただきたいという真摯な姿勢がこの料理を単なるとんかつではなく別な料理へ昇華させている様に感じました。 かきフライは粒の大きい一粒もの。 こちらの料理も異次元。 衣はもはや、牡蠣の旨みを閉じ込めて、牡蠣の重みを支える外殻の様な役目を担うカバーと化しています。 遠慮なくかじりつくと、スルスルっと牡蠣がカバーから出てきて、口に収まります。 口の中には、ちょうど良い塩梅に温められて旨味の分子がいちばん活性化している状態の牡蠣が居て、後は咀嚼するたびにミネラルの旨味が舌と喉を満たします。 とんかつも、かきフライも、天ぷらと同じ原理の蒸し料理であることをあらためて認識できるこちらの料理です。 そして、サイドを飾る漬物も、味噌汁にも、小鉢にも妥協はない様です。ひとつひとつに愛情とこだわりを感じる素晴らしい出来栄えです。素直に美味しい。 ただ、白飯はそれなり。米は資本主義ですからね。 ひとつだけ改善をお願いしたいのが、カウンターのスツール。 足が床に届かない高さのため、ぶらぶらする足をきちんとどこかに収めたいのですが、納めるところを足で探りますが分からない。カウンター側にも付いていない。かなり中途半端な体勢で座ることになりますので、人より体格の良い私にとっては10分以上の着座は辛いものがあります。 お会計を済ませた時も、店主と思える方は離れた厨房から一直線に会計する私を見つめ、ありがとうございました。また、おいでください。と、告げられました。 この真摯な店主の想いが、料理にもホスピタリティにも表れた素晴らしいお店でした。
2020/11訪問
1回
初めてこの店に来たのは20年くらい前だったと思います。それから、何度も何度も訪れていますが、この店の名前が「たこはち」さんという店名だということを今回初めて自覚しました。店の人の人柄と、変わらない料理の味に惹かれて20年通っていますが、食べログをするまで店名には全く興味がなかったので申し訳ありません。 1970年の夏に小学生だった私は、初めてお会いする大阪の遠い親戚の家に、いずれも関東在住の伯父、従兄弟の計3人という不思議な組み合わせで宿泊し、万博に通ったことがありました。その際、親戚の家の近くで飲んだドリンク状の生姜飴が不味くて不味くてなんとも閉口したことをハッキリと憶えています。当時、生姜飴なる飲み物は東京の下町にはありませんでした。初めて飲む生姜飴は、生姜の香りがする変に甘辛い刺激的な飲み物で、小学生の舌にはこの世のものとは思えませんでした。 その遠い親戚の家がJR大阪環状線玉造駅の近くにあったことを記憶しており、大人になった真夏のある日、わざわざ時間を作って新幹線に乗り、玉造の親戚があったであろう周辺を一人で散策したことがあります。 その散策の末に何の前知識もなく鶴橋商店街に偶然たどり着き、意図せずたこはちさんに1人入り、チヂミをいただいたのでした。 当時も今と変わらずにフワや甘鯛を使った珍しいチヂミがあり、その美味しさと手頃さと気楽さに魅了され、それ以降大阪に来るたび通うことになりました。 今日はニラと青唐辛、サカナ(甘鯛)のチヂミを注文します。さらに、キムチを追加。 あらかじめ焼かれているチヂミを店の方が私の焼き台に乗せ一口大に手際良くカットします。 ニラも、甘鯛も最高の安定感。いや、美味しいです。 これまたキムチが複雑で深い味を出しています。 酸味より甘味が勝っており、辛味は日本人向けの辛さに抑えられているキムチ。東京に持ち帰りたいのですが、テイクアウト分は既に売り切れている様です。残念。 素朴なんだけど美味しい。 そんなチヂミで何十年も商売が続けられるのは素晴らしいことで本物の証拠だと思います。 この店に来ると、ベテランのおばさん達がどちらかというとマイペースで働いていますが、いつも人数が多い。 今日は4人。客は私だけ。テイクアウトが盛況だからバランスしているのかもしれませんが、なんとも余裕のある風景。 皆さんの顔を見ると、大阪に来たなと、ホッとなごみます。
2020/11訪問
1回
平日にもかかわらず12時から昼食の店を探し始めたので、あちこち満席やら駐車場が満車やらでふられ続け、7、8軒目でやっとこさたどり着いたのがこちらのお店。 たどり着いた時はすでに12時40分を過ぎておりました。 両隣がラーメン店という奇異な立地。 向かって右側が風々ラーメンさんで、左側が餃子の満洲さん。 ラーメン店が3軒続いているなんて、ラーメン博物館くらいでしか見たことがありません。 両隣のお店は時間的に大勢のお客さんが入っていますが、こちらは先客1組だけ。 いまどきですから、ソーシャルディスタンスの面ではもっとも優れた店を選んだことになりますね。 単品メニューからもやしラーメン600円税込を発注。 ほどなくして供されたもやしラーメンはほぼメニューの写真どおりのビジュアル。 残念ながら餡かけタイプではないもやしラーメンでしたが、確認もせずに発注した訳は、店員さんに確認しても日本語が理解されるか怪しかったから。 しかし、これが当たり。 ほとんどの具材がマッチ棒の形にカットされていて、具材をいただく食感が快い。 味付けは塩味がちょうど良い塩梅で、旨味を始めから最後まで感じることのできる優れた味。 隠し味に何か使われているけど何だかわからない。鶏油?何だろう?わからないけど美味い。 麺は縮れた太麺で、昔の札幌ラーメン道産子の麺を思い出させる。 もやしラーメンにはあまり適さない麺だと思うが、全体的にはバランスしていて料理人の腕が良さを感じさせる。 明らかに日本人ではない経営のこの手の中華屋に、あまり美味しいというイメージを持っていない私ですがここは美味い。 料理が丁寧に作られていて料理人の心意気を感じます。 もやしラーメンは600円と安価ですが、一品料理はそれなりの値段。 一度、夜に来ていろいろいただいてみたくなる、そんな魅力的なお店でした。 確実に両隣りのお店より美味しいので、3軒続きでもやっていけるのですね。
2020/11訪問
1回
30年以上前に一度宴会で伺ったことがある大黒さんですが、それ以来、本当に久しぶりに伺いました。 佐原の街が今よりもずっと賑わっていたことを示す立派な建物の鮨屋さんです。 ランチ用のメニューは無く、夜のメニューと同じ内容となります。 ここはひとつ、店名を冠してある大黒すし1,950円税込をいただきましょう。 後にも先にも客は私ひとり。 大将が手際良く握り、お茶を半分飲んだ頃に鮨が供されました。 左から順番にいただいたのですが、一番はじめの中とろが驚くほどの美味しさで腰を抜かしました。 スッと口の中でとろける様で、とろけた後は爽やかな脂と酸味がわずかに残り、さすが店名を冠した鮨だけのことはあると久々に中とろで感動しました。 その後も、イカ、白身、赤貝などもタネにビシャビシャしたところが全く無く、旨味が凝縮された様で美味しくいただきました。 最後は上品な葛と黒蜜。 大黒さんは媚びない鮨屋ですね。さすがです。 佐原駅近辺では小野川沿いの鮨処Mさんが高評価です。Mさんは中とろがとても美味いんですが、明らかに大黒さんの中とろは格が上。土俵が違う感じがあります。 メニューを見ると中とろ鉄火丼3,700円が目にとまりました。次回はこれをいただくしかないですね。
2020/10訪問
1回
3回目の訪問。前回訪問時に店内にワインのボトルが置いてあるのを見つけて、もし売り物ならばワインも一緒に買って帰りあわせて楽しもうと考えていました。 まずはシャルキュトリを選びます。 今回はフェラーリ社のプロシュットディパルマ1,100円/100gを買い求めることは訪問前から決めていましたので、ショウケースに並んでいることを確認して迷わず100gをご主人にお願いします。さっそく、ご主人はスライスに取りかかります。 そして私はその間にパテ系の物色に取りかかります。 今回は、鴨とアーモンドのソシソン700円/cmと手羽先とピーナッツのパテ500円/pcのふたつを選び、あらかじめパッキングされた物をひとつずつ購入しました。 この店のショウケースには、普段見ることのない非日常的な品物ばかりが並んでいて、いつもワクワクドキドキしながら品物を選んでいます。 このショウケースを見ながら、いただく時の姿や他の食材との組み合わせ、シチュエーションなどを想像して選ぶ作業はとても楽しい時間です。 そして、今回の次の目的のワインです。 ご主人に伺うと、カウンターに置かれているワインは売り物との返答をいただきました。小さなシールがワインの注ぎ口に1枚ずつ貼ってあり、そこに値段が書かれているとのこと。あ、確かによく見るとシールが貼ってありますね。価格はというと2,000円台から3,000円台付近のワインが主に並んでいます。 どれにしようか迷っていると、注ぎ口の形状が明らかに炭酸ガスを含むワインの形状ながら、ボトルやラベルが赤ワインを示す物が一本ありました。 ご主人に伺うとイタリア産のフェラーリ社プロシュットディパルマと同じイタリア産のワインなので合いますよ、と助言をいただき決定。家に連れて帰ります。 その晩、家でそのワインを開けてみてびっくり。初めて体験する赤の微炭酸ワインでした。 ベルベットのような柔らかで濃密な深い赤色をしていて、注いだ時にわずかに見られるレッドローズの泡が微炭酸であることを示しています。 口に含むと、フルーティなんだけどほとんど甘さを感じさせない建て付けで好印象。後味に雑味が無くキレの良い素晴らしいワインでした。ご主人さんのさすがの取り揃えですね。 このようなイタリア産の赤の微炭酸ワインをランブルスコというそうで、初めて知りましたがとても嬉しい出会いでした。 最初は、同じフェラーリ社のスプマンテが似合うのかななんて勝手に想像していましたが、ご主人の助言どおりこのランブルスコ サラミーノ ディ サンタクローチェ NV カンティーナ ディ カルピ エ ソルバーラの方がプロシュットディパルマには合うと思いますね。 さて、シャルキュトリです。 購入したシャルキュトリは、大好きなポールのフィグが入ったカンパーニュと合わせます。 生の白アスパラが手に入りましたので、じっくり茹でて冷やします。玉ねぎとピーマンのレモンドレッシングサラダも作ります。 はじめに、プロシュットディパルマからいただきます。 第一印象はクセのない味。 多くの人が思い浮かべる生ハムの味に近いのではないでしょうか。 脂も塩気も控えめで、これならば量を食べられそうです。ワインのつまみにパクパクと止まらなくなる系ですね。 あらかじめ冷蔵庫から出しておいて、室温に戻してからいただいた方がおいしいと思います。 鴨とアーモンドのソシソンは複雑で濃厚な味がします。 レバだと思わせるベースの味の上に、肉片が入っていたり、あまり甘さを感じないレーズンのような物があったり、もちろんアーモンドがあったりして、複雑で味わいがいくつも楽しめる逸品でした。 塩分は控えめ。 ハーブなのか、これが〇〇ですと言い切れない食材も入っており、まるで深海探査のようです。 これさえあれば、やっぱりワイン一本は軽く開けられますね。 一方、手羽先とピーナッツのパテは比較的明快。 手羽先感はほぼ感じないものの、どこを食べても一貫した味がベースになっていて、さらにピーナッツがアクセントになっている楽しい逸品。 こちらにはレバをあまり使っていないのかなと思わせる、パテでありながらもハムに近い食感。こういう割とライトな味わいも美味しいですね。 これで500円は安くないですか? Abatsさんがあるおかげで、美味しさに満ちた週末の夜が過ごせてなんと幸せなことか。 ご主人様に心より感謝いたします。 2回目の訪問。 先客がおられたので私の番が来るまで店の外で待ちます。 ショウケースと店の入り口との空間は3人位できつきつになりそうな広さ。今時ですからソーシャルディスタンスに配慮しての行動です。 外からもショウケースが辛うじて見えますので、入り口のガラス越しにショウケースと睨めっこしながら予習をします。 すぐに食べられる分だけ購入した方が良いですよ、と前回訪問時にご主人に教えられたので、今日はバテ、テリーヌ系から1品と、ハム、ベーコン系から1品と、合わせて2品を購入すると決めています。 ハム系からは、パンチェッタ ビアチェンティーナ940円/gを購入することにすぐ決まりました。 けれども、パテ系は迷いに迷ってなかなか決められません。 自分では決められず、ご主人にいまの季節だけいただけるものがどれなのかを問い合わせて、やっとこさジャンボンベルシエ(豚頭とハム、パセリ)を購入することに決めました。こちらは、900円と1,250円と2通りの値段がありますが、購入したものがどちらだったのかはわかりません。 さて、パンチェッタ ビアチェンティーナですが、前回購入したコッパ ビアチェンティーナと比べると、総じてクセがない味と風味。 コッパはワックスっぽい印象(伝わりますかね?)を強く感じて、その風味を好む方と好まない方に二分されるような強烈な個性がありましたが、パンチェッタはクセがコッパほどにはありません。この風味の違いは部位の違いだけではなく製法の違いであるように思いますが、今度ご主人に聞いてみたいと思います。 塩味も控え目。 見た目には脂部分が多いように見えますが、いただいてみると脂っこいとは感じません。 たまたま家にあったりんごと一緒にいただきましたが、フルーツの甘味と相性抜群ですね。生ハムとフルーツの組み合わせは、鴨ネギに勝るとも劣らない最強のペアリングの感があります。 ジャンボンベルシエは思ったより全体的に硬め。 煮凝りのようにプルプル感があるのかと思いきや、がっちり固まっています。 中に入っているハムのキューブやカシラ肉もしっかりとした歯応えがあり、箸で食べられるレベルではなくナイフフォークが必要な硬さです。 こちらのジャンボンベルシエは塊で販売されていますが、四角くハム状に整形したものを1cmくらいの厚さにスライスしていただいた方が美味しいかもしれません。 時折、コリコリとした食感の肉片もあり楽しめます。 今回購入した2品はどちらも塩分控え目。 Abatsさんのシャルキュトリは自家製ゆえ塩分控え目にできるのでしょう。 ところで店内にワインボトルが置いてありますが売り物なのかな? 今度伺ったら、ご主人に売り物か否かを問い合わせて、もし売り物でしたらおすすめを購入してシャルキュトリとのペアリングを楽しんでみたいものです。 もともとパテやテリーヌが好きで、パリやリヨンなどを訪ねていただいたこともありましたが、このような食肉加工品のことをシャルキュトリ(charcuterie)という名前で呼ぶことはごく最近知りました。 日本では、日本橋高島屋のペックさんやフォションさんで専ら購入していましたが、東京で、しかも、abatsさんのような専門店で買い求められるのはありがたいことです。 最近は、長野県御代田町のカタヤマさんや、軽井沢デリカテッセンさん、仙石原の相澤肉店さんなど、地方でも美味しいシャルキュトリを買い求められる店は増えてきましたが、どちらかと言うとハム、ソーセージなどドイツ圏寄りのシャルキュトリが多く、パテ、テリーヌといったフランス、イタリア圏寄りのシャルキュトリを扱う店は少ないように思います。 さて、abatsさんは店に入るとショウケースが左右に2つあり、所狭しとシャルキュトリが並べられています。 パテやテリーヌの類はcmあたりの価格が表示されていて、1cmに切られたものが個包装になって売られています。 ハムやベーコンの類は100gあたりの価格設定で、注文の都度スライスしてもらえます。 今日は、コッパ ビアチェンティーナ1,250円/100gを100gと、ホロホロ鳥と無花果のテリーヌ1,050円/cmを1cm、皮付き豚すね肉のテリーヌ仕立て900円/pcをひとつをそれぞれ購入しました。 生ハムであるコッパ ピアチェンティーナはかなりの薄さにスライスしていただけますので、自宅でいただくには100gでも結構な枚数になります。10枚以上はありますね。 見るからに脂部分が多めですが、いただくと全く脂っこくは感じず、噛めば噛むほど味が出る逸品です。 豚肩肉は、バラ肉とまた違った味わいで新鮮です。 甘めの果物に相性が良さそうです。 ホロホロ鳥と無花果のテリーヌはやや室温に戻してからいただきます。 ホロホロ鳥の肉が地層のように重なり合い、その間をゼラチン質の薄い層がつなぎ、無花果のアクセントが少しだけあってテリーヌ全体を構成しています。 まるで木星の表面のような景色のテリーヌは上品に仕上げられていて、ホロホロ鳥の肉の旨味がしっかりと感じられました。 時折、甘い無花果に行きあたり味の変化が楽しめます。 クリスマスに家飲みで楽しみたい逸品です。 皮付き豚すね肉のテリーヌ仕立ては想像どおりの肉肉しさを感じ期待を裏切りません。 皮付きであることが珍しく、部位の違いがそのまま食感に現れます。 こちらには甘味は一切無く、肉とゼラチン部分の味の違いを楽しむことができます。 店主さんに日持ちを尋ねたら、どれも一週間以内とのことで、できれば食べ切る分だけをこまめに購入して欲しいとのことでした。 この手のシャルキュトリは、たまに塩味がきついことがありますが、abatsさんのシャルキュトリはどれも素材の味を活かした塩味を極力抑えた調理となっているようで美味しいものばかりでした。 これからクリスマスシーズンにかけて忙しくなってくるのでしょうが、また伺って違う種類のシャルキュトリをぜひ購入したいものです。