1回
2019/03 訪問
五感を掻き立てられる大阪発エンターテイメントフレンチ
本の中にも春が…
希少なマルシンのステーキ
緑の木漏れ日の中で
シャンパンに緑が映える
お花見
美しい花々の生春巻きは春の香り
謎のカラトリー
お花見をイメージしたお料理
蛍烏賊とパスタ
世界一のたこ焼き
黒トリュフをたっぷりとかけたたこ焼き
ビール界のドンペリ「イネリット」
タブレットにヒノキのエキスを注入
ヒノキの香りとともに楽しむ「雪の幻」
焼きあがった宮崎牛
スモークされたラスエンフレーデ2015と宮崎牛のマルシン
フランボワーズの煙を閉じ込める
ラスエンフレーデ2018
デザートは照明の上
満月の猪
店内
外観
お店の前の張り紙
2019/04/05 更新
今夜は特別な夜になりそうで心が少し騒めいています
友人に紹介して頂き仲良しの先生たちを誘って会員制のイノベーティブフレンチ「201」さんでの食事会が実現しました
住所?それは秘密、非公開なのでHPには載っていません
暗証コードを入力して初めて確認できる様になっています
こんなに秘密めいたお食事は私も初めてです
訪れる前から好奇心を掻き立てる演出はもう始まっているのですね
とある普通のマンション、「201」号室の前に張り紙がありました
開演前19:45にお迎えが出てくるそうでそれまでしばしの待ち時間
ちなみに開演時間は決められておりますのでお店の場所を見つける時間も含め早めに到着するのが良さそうです
そして…。
マンションの一室の扉が開くと蝶ネクタイ姿の執事が現れ 言葉少なに中へと通されました
不安になりながらも真っ暗な廊下を進み異空間への扉を恐る恐る開けてゆきます
突き当たりの部屋に入ると暗がりの中にコの字の大きなカウンター
正面には何やら舞台のように強いスポットライトの当たるカウンターが1つ
小説の中ならば 選ばれた者達が集まり事件が起こるようなミステリアスな雰囲気そのものです
眼が慣れないせいもあり手探りで席に着くとメンバーが揃ったところで更にライトが落とされ いよいよ今夜の宴が幕を開けます
こちらは1コースのみ¥15000の中にペアリングのお酒代も入っています
ノンアルコール希望の方は申し出れば変更してくださいますよ
静まり返る暗闇の中…
何処からともなくスモークが湧いてテーブルを包み込む囁くような鳥のさえずりが聞こえ始め
シャンパングラスに立ち込める霞とキラキラと光る木漏れ日の緑が鮮やかに映ります
プロジェクションマッピングは空間と映像を合成しそこに新しい別の空間が演出されるということ
すなわち映し出された非現実的な光景と今いる現実とが交錯してゆくのです
なんと美しい…
一冊の本が置かれ静かに開くと中にはふきのとう菜の花生春巻き、わかめと筍の揚げ春巻きが入っていました
春を感じさせる色鮮やかな食用花
かじった瞬間にふきのとうが香り、視覚と聴覚ここで味覚の春が加わるというわけです
次に長い板で二人掛かりで運ばれてきたお料理は 桜を愛でるお花見の演出がされていました
ハマグリホタルイカのパスタ
五島列島タチウオ押し寿司
ハマグリの蒸し物
そしてカトラリーの引き出しに並んだスポイトや砂時計、注射器のシリンジと予想もつかない道具たちを見つけ胸が高鳴る
指示通り小瓶の中にあるハマグリのエキスをミキシングしてエスプーマを作りました
泡立ったところでハマグリの上にかけしっとりとした身と一緒に深い出汁の味わいを確かめる
いつしかリードされるまま夢中になりペアリングの白ワインに口をつけるのも忘れてしまうほどでした
そして次のお皿
その名も「世界一のたこ焼き」
フレンチを食べに来たのに何事か。と思いきや、その姿を見たらピンと張っていた緊張感が解れやがて微笑みに変わる
大阪ならではの遊び心で堅苦しさのない楽しい趣向ですね
とろとろのたこ焼きの中にはフォアグラが閉じ込められ
目の前でかつお節のように黒トリュフをたっぷり削って戴きます
生地に溶け出したフォアグラの脂と黒トリュフの香りが相まった珍しいたこ焼きの味もまた格別
こちらに合わせるのはスペインのビール
ビール会のドンペリと言われるイネリットです
世界一予約のとれないといわれるスペインの超高級3つ星レストラン「エルブジ」からセレブを迎えるためのビールとして生まれたイネリット
まるでシャンパンのようなフルーティーさがよく合います
次に日本酒 大吟醸「雪の幻」が振舞われました
ヒノキのエキスを注射器でタブレットに染み込ませそのおしぼりで指に香りをつける
グラスを持つ指が鼻に近づく瞬間に香る癒しのヒノキの香り、まるで升酒でいただいているような余韻が残ります
こちらに合わせるサクラマスと桜エビのソテーには深いグリーンのお皿、今や天然物は幻と言われる桜のこの時期が旬の脂の乗ったサクラマスと香ばしい桜エビのサクサクの食感が楽しい
そしていよいよメイン料理、
再びプロジェクションマッピングを映像で楽しんだ後、出された迫力の宮崎牛マルシンの塊ステーキ
個々に取り分けられ ポテトのペーストと共に肉じゃが風に戴きます
牛肉の中で最もヘルシーなモモ肉で柔らかな赤身は程よい脂で大変美味しいお肉でした
ペアリングのお酒はは南アフリカのメルロー種の赤ワイン「ラスエンフレーデ2015」
液体窒素の煙をグラスに閉じ込め砂時計を落としてフランボワーズの香りをワインに馴染ませます
人気のソフトタンニンとドライフルーツのようなアロマがありベルベットのようになめらかな口当りのワインと溶けたフランボワーズがふわりと鼻をくすぐります
最後のデザートは和のテイストでぼんやり灯りが灯った満月の上に猪を模った胡麻菓子が乗せられている
随所に施された仕掛けに心奪われたあっという間の2時間でした
現実と幻想の狭間に酔いしれた素晴らしいひと時
真っ暗のレストランに居たはずがいつのまにか大自然の中で食事をしているような錯覚に陥る不思議な体験は他では味わうことはできないでしょう
心震わすエンターテイメントフレンチに拍手を送りたい
ありがとう、ご馳走さまでした
※ 4/1より内容が大きく変わるという事で細かなメニューの詳細は許可を得て特別に掲載させていただきました