4回
2022/09 訪問
鰻丼はもちろん、かみしも盛りの「ヒレ巻き」も絶品です。
鰻で大阪といったら1番好きなお店が「鰻のにしはら」さんでして。
土用の丑の日辺りから想いは募るいっぽうでもう2ヶ月悶々としておりました。
数日前ダメもとでたまたまかけた際、電話が偶然通じまして予約が取れるという不意打ちの幸運に
嬉しさあまって空いた片手を思わず握り締めました。
それと今回は必ず食べようと決めていた「かみしも盛り」と鰻の(中)を前もってお願いしてオーダーも完璧です。
この日は暑さ厳しくもってこいの鰻日和。
坂を上ったところで店先にぶら下がるあの『準備中』の札を見つける、
このお店が札を『営業中』にしているのを私は見たことが無い。
それはいつも予約でいっぱいだからという
これこれ。とにんまり、
今日の私にとっては選ばれし者のみが食べる事を許されるような神々しさを感じる魔法の札だ。
店に入り奥のカウンターに腰を下ろし予約名を告げるとお願いしていたかみしも盛りがスッと出てきた。
左からヒレ巻き、むこう骨焼き、兜焼き、肝味噌胡瓜。
これらには作法として瓶ビールを合わせる(私の場合笑)
汗が引き切る前のビールは格別です、
美味しい景色を眺めながらなら尚のこと。
何処から迎えに行こうか悩んで選んだのは真ん中の兜焼き
濃厚なコクと食感、胡瓜の肝味噌は軽やかで貴重な鰻料理に舌鼓を打ち前座を愉しむ。
この中でも特に気に入ったのが『ヒレ巻き』。
見た目には違和感があるもののこれは想像以上に美味しかった。
鰻は捨てるところはないというけれど捌いた時に除かれる腹の部分のひれを串に巻きつけた串焼きのことでこのひと串で数匹分の鰻が使用されていると聞くと更にテンションが上がった。
メインの鰻のどんぶりは相変わらずの美味しさで
皮は薄く厚い身はふっくら蒸されて焼き目が香ばしく
追いかけるタレの甘く深い味わいととろける、
併せて粒のたったタレを吸った白米と頬張るともう止まらなくなって終いまで。笑
今回も美味しかったなぁ。
ごちそうさま、また来ます
(食べきれず多めに残った場合は折りに入れて持ち帰らせてくれるそうですよ)
2023/07/02 更新
2020/05 訪問
私の愛する大阪の江戸前美鰻
はじめに。
こちらのお店はふらりと入れることはほぼできないので電話予約か直接お店に行って予約されることをお勧めします
電話予約は10時〜10時半くらいが1番繋がる確率が高いと思われます
営業時間からは電話が鳴っても受話器を取る気配がないからです
私の場合、希望日の空いている時間を聞いて予約を入れました
又、コロナ対策で間隔を開けて客を入れているので席数の元々少ない店内、今は少人数が予約しやすいかと思います
それと注文も電話口で予約の際に聞かれますのでご準備を…。
初夏を思わせる休日の昼下がり
店の向かいの公園のさわさわと揺れる樹々とその隙間から差込む光りが清々しく瞳の奥まで染み込んでくるようです
前に来た時もこんな日だったなぁ。
相変わらず店に下がりっぱなしの「準備中」の札、
暖簾も出さずに営業するのがここの流儀のようですね
初めて来た時、入るに入れず困ったことを懐かしく思い出しました
間隔を開けて座るカウンター
目の前のエビスの看板がどうにも気になって一杯だけお願いすることに
骨太の骨煎餅は塩味だけでない旨味が染み出している
暫しの待ち時間琥珀の泡に喉を鳴らす
待てば待つほど美味しさが増すようなこの気持ちはなんだろう…
忠実な関東風、背開き、串打ち、白焼き、蒸し、からの色付けと
席についてからの30分ほどの工程を待つ間のこのもどかしくも高揚する気持ちと優越感が「大人の鰻」の醍醐味なのかもしれませんね
そんな鰻でいっぱいの頭でカウンター上にちょこんと置かれた戯けたカエルの置物をビール越しに眺めています
暫くして不意に背部から目の前に現れた鰻丼
予約の際にした注文のおかげなのか思っていたより早く出された気がしました
鰻丼はあくまでも鰻丼で重箱ではなく墨色の洒落たどんぶりにこんもりと乗せられ、これに肝吸いに香の物が付いて(中)¥4100
この焼きの芳ばしい香りとシズる照りがたまりません
コロナの自粛を良くぞ耐え抜いたと自分にご褒美
木のスプーンを手に取り柔らかに解ける鰻と薄茶色に染まった艶々の白米を一緒に隅からすくって戴きます
ああ…。やっぱり美味しい。
そんな傍で電話はひとしきり鳴っているが
出る気配はない
今こうしてここの鰻を食べられる嬉しさよ
幸福感や優越感もがこの鰻の味に上乗せされてゆくみたいです
小皿からはみ出した無骨にカットされたぬか漬けのシャキシャキの歯応えとつかり切る手前の控えめの塩梅は鰻の邪魔をしない味、
優しく上品な肝吸いとの味のバランスはいつ来ても素晴らしいと思わせてくれます
そして今日も一粒も残すことなく平らげどんぶりをピカピカにしている
私の愛する「にしはら」の鰻は今日も最高でした
ごちそうさまでした、また来ます
2020/09/17 更新
2019/05 訪問
やっと見つけた大阪江戸前鰻の味
大阪一位の鰻の店「にしはら」さん
ここの鰻が食べたくて恋い焦がれていたお店
大阪の街で美味しい江戸前鰻を探せどもなかなか納得の味を見つけることが出来ず鰻自体を少し遠ざけていたのですが
今回 機会がありましたのでこれも何かの縁と思い巡り合わせを信じて訪問させて頂きました
でも、こちらのお店は普通に来てもありつけません
何故ならほぼ予約制だからです
私もその情報を知り前日の夜電話で予約を入れさせてもらいました
天満橋からのんびり歩きながら街路樹の並木道が続く緩やかな坂を登る
溢れる陽射しが白い日傘に当たり爽やかな風にそよぐプラタナスの葉がカサカサと涼やかな音を立てている
登りきった頃 中大江公園の向かいにある看板を見つけました
大きな文字で「鰻 にしはら」と書いてある
少し不自然な文字の配列、正直少しイメージとのギャップがありますね
おや?
暖簾が出ておらず、準備中とある
何かの間違いでないことを祈りながら不安げに引き戸を開けてゆくと
中から恰幅の良いお店の方が現れたので予約をしていることを告げると中へと通してもらえました
カウンターの奥の席に座り予約の際にお願いしていた
鰻丼(中)¥4000が来るのを静かに待ちます
私の他には老夫婦が一組だけ
紅い麻の敷物の上に箸と木スプーンが行儀よく並び
後からお茶と鰻の骨が出されました
注文は何も聞かれません
昨日電話でお願いした鰻丼の(中)が私の顔を見てから既に焼き始められている様子
こちらは予約の際、何を食べるかを注文するのもルールのようです
流れるような作業でカウンター越しに焼かれた鰻が白米の上に載せられてゆくのが見えます
漬物と肝吸いが出されたと思ったら
追いダレと共にスーっと鰻丼が出されました
本日は鹿児島産の鰻だそうです
しかし良い照り、うっとりするようです
堪らず箸ですくいにいくと柔らかく蒸し上げられた鰻はほろりと箸から落ちてしまいました
ここで大阪鰻とは違う江戸前の柔らかさを実感します
そして木スプーンに持ち替え 先ず一投目の鰻を改めてすくい口に運ぶ
あー。これだ…。
込み上げてくる懐かしさ
故郷小江戸川越の鰻を思い出しました
子どもの頃 家族でたまに訪れた老舗鰻の味が蘇り胸がジンと熱くなってくる
私はその頃の味が忘れられず今でも帰省するときは必ずと言っていいほど鰻を食べて帰ってくるようになりました
とろりとした鰻に甘み強目のタレが染み込んだ白米と一緒にかきこむと溶け合う旨味に取り憑かれたように一心不乱に食べ進めていました
間に大きめの長芋の漬物の食感を楽しみ 肝吸いの優しい味わいを感じながら
思った通りの味でした
気がつけばひと粒残らず平らげて薄っすらタレの残るピカピカな器が1つ置かれているだけ
来れて良かった。
これでいつでも大好きな鰻が食べられるお店を大阪で見つけることができたと撮った写真を眺めながら振り返る
そんな満足感で満たされる鰻でした
ありがとう、大変美味しかったですご馳走様でした
2019/06/06 更新
今年も楽しみにしていた「土用の丑の日」。
小江戸育ちの幼い頃から鰻を食べて育った私は
鰻が身近で外食というと家族でよく鰻を食べにいきました。
西にきてから関東風鰻を探し続け、ようやく見つけた江戸前鰻をご紹介しようと思います。
こちらのお店は天満橋の「鰻にしかわ」さん、
予約困難と言われる人気店で正直電話がなかなか繋がらず日にちを変えてトライしてようやく繋がった時は思わず声が上擦ってしまうほど喜びました。
電話口でオーダーしたのは
鰻(中サイズ)¥4500とかみしも盛り。
かみしも盛りはお値打ち価格¥700
・うなぎ味噌
・兜焼き
・むこう骨焼き
・ヒレ巻
『かみしも盛り』は鰻丼が運ばれてくるまで冷たいビールと楽しめるので来ると必ずお願いするメニュー、
鰻の隅々までを楽しめるおすすめの盛り合わせです。
今回私が座ったカウンターの隅は特等席、
目打ちにした鰻を串からスルリと抜いて丼に盛りつける姿が壮観、目の前で見れる嬉しい席でした。
やがて現れた美しい鰻丼。
器は信楽焼き、渋みのある炭の様な色合いがこんがりと焼き上げられた鰻を包み込んでいます。
香りたつ香ばしい焼き目と上質な脂が艶やかに滲む。
厳選された国産鰻皮は薄く身はふんわりと膨らみを保ち柔らかで
甘辛たれが染み込んだ白米と一緒にスプーンですくうとほろりと崩れ舌の上で一つになる。
一度食べ始めてしまうと手が止まることはなく一心不乱に食べ勧めてしまう『虜』になる味というやつです。
美味しかった。
粋に1人鰻も良いですが2人で来るとなお美味しいと思えました、
美味しさを分かち合うという事は喜びも2倍になるのかもしれませんね。
また来ます、次回は鰻巻きも注文しよう
ご馳走様でした。