3回
2020/01 訪問
【再訪】やはり別世界です #1313
今夜は知人数人との会食で、久しぶりに「東京 芝 とうふ屋うかい」さんにお邪魔しました。早いもので、前回お邪魔してから4年半振りの訪問です。
前回は凄く外国人のお客様が多かったことを覚えていますが、今回は一連のコロナ騒動の影響もあり少なめですした。都心とは思えない庭を見ながら入口まで歩いて行くと、それでも玄関はお客様で一杯です。お店の方に名前を告げて、今夜の会場である離れの部屋まで案内してもらいました。途中には、節分のお飾りや掛け軸が飾られています。いつもながら、季節感の演出が見事ですね。
今夜は「とうふ屋会席 月」のコースでした。その内容は以下の通りです。
♦︎先付(養老とうふ、芹と北寄貝、菜花に生からすみ、鴨くわ焼、黒豆松葉)
♦︎蕪と焼白子 白みそ仕立て
♦︎名物 あげ田楽
♦︎本日の湊より
♦︎かに飯蒸し
♦︎名物 豆水どうふ
♦︎特選和牛炭火焼
♦︎深川ご飯・赤だし・香の物
♦︎はっさく
お酒はまずビールで乾杯し、その後は日本酒です。まずは「竹酒 うかいオリジナル」で、その後「刈穂 純米大吟醸 銀千樹」もいただきました。
本当に洗練された会席料理です。素材や味、包丁捌きなどは当然のこととして、器の色や形から盛り付け・配置に至るまで、五感全てで味わうことが出来るように、細心の注意と創意工夫が溢れています。客室係の方のサービス面も素晴らしく、都会の真ん中に居るとは信じられないような、静かでしかも華やかなひと時を過ごさせていただきました。
コースの料理は、もちろん京料理をベースとした会席ですので、薄味ながらも的確に出汁を効かせてあり、これも大満足でした。料理長が代わられたからか、私の舌も少しは進化したのか、前回よりも味の輪郭がはっきりして美味しくなったように感じました。
どの料理も良かったのですが、やはり一つ選ぶとすれば「名物 豆水どうふ」しかありません。単純に濃厚だとか大豆の香りがするとかいう次元ではなく、非常に澄み切った混じり気の無い美味しさです。前回は、後半出汁醤油を加えていただいたのですが、今回は塩昆布にしてみました。こちらの方が、より豆腐の自然な甘さを存分に味わうことが出来ます。これは本当に真似の出来ない味わいですね。
会食を終えて部屋を出ると、先程までオレンジ色に光っていた東京タワーが、黄色・ピンク・青の3色になっていました。それを眺めながら、少し夜風の中をぶらぶら歩いて降りて行くと、別世界から少しずつ下界に戻ってくるような感じです。前回は雰囲気に飲み込まれて、あまり分からなかった魅力が、今回は鮮やかに見えてきました。次回お邪魔すると、更に違う魅力が見つかりそうです。また近いうちに来てみたいですね。
お勘定は20,000円程度です。
ご馳走様でした!
2020/05/28 更新
2016/08 訪問
都心の異空間 #360
今夜はお客様との会食で、「東京 芝 とうふ屋うかい」さんにお邪魔しました。場所は、東京タワーと増上寺に隣接しており、地下鉄赤羽橋駅から東京タワーに向かって坂を登って行くと、左手に見えてきます。店の前は小さな広場になっていますが、当日は北欧の大使一行が来店されており、かなり混雑していました。店の前にはスタッフが待機されていて、名前を告げると案内していただきました。
入口の長屋門をくぐり石畳の階段を進んでいくと、店が姿を現します。店の敷地内に入ると、そこは東京ではないような静寂な空間が広がっています。
店内に入ると、大きな提灯があり、様々な展示品が飾られています。中でも目を引いたのが「氷柱」。夏の暑さの中にも、目から涼を味わえるよう、緑の楓をあしらった大きな氷柱は、素晴らしい演出です。スタッフの方が、色々と説明してくれながら、庭を通って部屋に案内されます。庭はかなりの広さで、真ん中に池と厨房(焼き場)があり、それを取り囲むように離れの部屋が配置されています。池には錦鯉が泳いでおり、いかにも日本らしい情緒を感じさせる風情です。
料理は「とうふ屋懐石 花」です。内容は以下の通り。
♦︎前菜(はすの葉に山桃・海老からすみ和え・とうもろこし・たこ白木茸酢)
♦︎あげ田楽
♦︎本日の湊より(お造り)
♦︎加茂茄子胡麻和え
♦︎名物 豆水とうふ
♦︎かます有馬焼
♦︎ごぼうご飯、赤だし、香の物
♦︎いちじく(デザート)
お酒は、ビールに続いて「竹酒 うかいオリジナル」「紀土 純米大吟醸」「刈穂 銀千樹 純米大吟醸」をいただきました。
料理は、前菜からデザートに至るまで、全てに料理人の包丁の冴えとおもてなしの心が感じられます。味は当然のこと器や盛り付けにも、細心の心配りがあり、この非日常的な空間も加わり、非常に満足しました。
特に「とうふ屋」だけあって、「あげ田楽」は楽しみにしていました。揚げには甘めの味噌が塗られており、別に用意された刻みネギを挟んでいただきます。これは庭の厨房(焼き場)で作られたもので、揚げたての豆腐の仄かな甘みと旨みが感じられます。
そして、メインとも言えるのが「名物 豆水とうふ」です。赤い器にたっぷりの豆乳が入っており、その中に大きな豆腐が浸かっています。まず最初はそのまま、途中から醤油をたらしていただきます。そのまま食べると、豆腐本来の香りも味がわかり、大豆の濃厚な味わいは凄いの一言です。豆乳もポタージュのようにも感じられる濃厚さでした。
食事を終えて玄関を出ると、夜空にライトアップされた東京タワーが真上に見えます。それを眺めながら、駅までぶらぶらと歩いでみましたが、まだ異空間にいるような気分でした。繰り返しになりますが、料理・建物・庭・接客等の全てにおいて、貴重な夜を過ごすことができました。
ご馳走様でした!
2017/10/05 更新
今夜は、初めてお会いする方との会食で、久しぶりに「東京 芝 とうふ屋うかい」さんにお邪魔しました。コロナ禍の影響もあり、約1年半振りです。
約束の時間よりも少し早く着いたので、先に離れの部屋に通してもらい、中庭を散策させていただきました。此処を訪れた誰もが感じることだとは思いますが、東京タワーを見なければ、都会のど真ん中だとは信じられない静けさです。
今回も「月」のコースをいただきました。内容は、以下の通りです。
♦︎前菜(湯葉とろ・川海老・炙り蛸とまと・ちまき寿司・丸十蜜煮)
♦︎名物 あげ田楽
♦︎本日の湊より
♦︎丸茄子揚げ浸し
♦︎名物 豆水とうふ
♦︎特選和牛炭火焼
♦︎しらすご飯・赤出汁・香の物
♦︎びわ・蓮とうふ
まずはビールで乾杯した後、もちろん日本酒をお願いしました。今回はお勧めの中から「鍋島 純米吟醸」「上川大雪十勝 純米吟醸」「飛露喜 純米大吟醸」をチョイス。どれも、味は間違いありませんし、料理の邪魔をしない食中酒としても最適でした。
前回も「月」のコースでしたので、骨格は同じなのですが、様々な旬の食材が盛り込まれており、楽しませてくれます。凝った前菜の盛り合わせ、包丁の冴えが端的に分かる「本日の湊より」、そして一番気に入ったのが「丸茄子揚げ浸し」です。かなり大きな丸茄子で、上には大根おろしと桜海老が載っています。いかにも料亭らしさを感じさせる上品な味わいで、そこに桜海老の旨味が加わり、なかなかの美味しさでした。
そして嬉しかったのが「しらすご飯」。大好物の釜揚げしらすがたっぷりと入っていて、味付けは多分しらすの塩気のみ。もちろん味は抜群で、2回もお代わりしてしまいました。
でも、やはりこのお店の主役は「名物 豆水とうふ」以外にはあり得ません。この濃厚でありながら、繊細極まりない味わいは、どう表現すれば良いのでしょうか。今回も前回学んだ通りに、初めはそのまま、後半は塩昆布と一緒にいただきました。正に唯一無二の美味しさで、これは自ら「名物」と名乗っても、誰にも文句は無いと思います。
お店を出る時には、いつものように真下から眺める東京タワーの絶景が待っていました。前の2回はブルー系の色が入っていたのですが、今回はスタンダードな色合い。やはり、これが一番しっくりきますね。それを眺めながら、お店を後にしました。
お勘定は22,000円程度です。
ご馳走様でした!