1回
2015/04 訪問
江戸前伝統の仕事を…全てにして有る…生きる伝説…「弁天山美家古壽司」…正に神がかり…
弁天山1人前
朧仕込卵
朧仕込卵
漬け鮪
漬け鮪 朧仕込卵
漬け鮪
煮烏賊
煮烏賊
穴子爽煮
5代目内田正親方
鱵
才巻
鳥貝
酢〆小肌
酢〆小肌
鳥貝
酢〆赤貝
炙り鰹
炙り鰹 酢洗赤貝
松皮鯛 昆布〆鮃
松皮鯛 昆布〆鮃
干瓢巻 鉄火巻
鉄火巻
鉄火巻
干瓢巻
酢洗赤貝
干瓢巻 鉄火巻
干瓢巻 鉄火巻
酢〆小肌 酢洗赤貝 各１貫追加
千代緑MS3
2016/11/27 更新
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このお店は・・・20年以上お邪魔してなかった店です・・・
といっても・・・今回が未だ２度目なんですけどね・・・
その間、雁屋哲氏の漫画・・・「美味しんぼ」にも
「すきやばし次郎」と「弁天山 美家古壽司」は１話づつ・・・
掲載されていた時期も有りましたね・・拝読して懐かしさともう１度行きたい
と言う気持ちが湧き起こったものでした。
（その頃住んで居た茨城からは決して来れませんでしたけど・・・）
本日は以前から大変お世話になっている方に御恩返しで食事をご招待しようと・・・
寿司が好きな人なので・・・
折角なら私の経験値の中で・・・1番の寿司屋にお連れしようと思い・・・
ここを予約・・・2人連れだって浅草詣でに参りました・・・
やはりお店の姿はかなりモダンに変わっても・・・仕事も味も何も全く変わらない・・・
最高水準のお店でした・・・
酢〆・昆布〆・漬・煮・炙・酢洗・焼・・・全てに何かしらの仕事が施され・・・
煮切やツメ等で食べやすく・・・出して下さるので・・・醤油は一切必要としません・・・
仕事も丁寧でゆったり・・・まるで舞いを舞うように・・・太極拳の様に・・・
目の前で握る親方の姿は・・・私でさえ・・・うっとり見とれてしまいます・・・
そして１つ１つ握る所作は・・・寸分の狂いなく同じ動作・・・
とある高級鮨店で見かけた・・・余分な酢飯をちぎって捨てるような仕草は見られません・・・
（当たり前か・・・(笑)）
握り自体も人柄が語られる様な握り・・・
地形が綺麗で優雅・・・とっても景色が良いです・・・
そして少し硬めで・・・少し甘めの酢飯は・・・
手に取ると・・・これが人肌で一転して柔らかい・・・
手を使ったところで・・・人肌なので煮切以外は1粒の米も手に残らない・・・
また・・・持っても崩れないのに・・・口に入れるとぱらっとほどける・・・
塗った煮切と素材と酢飯が口の中で三身一体で・・・味わい深い・・・
煮切りは軽くて風味が有るのに口に残らない・・・
箸も要らなければ、醤油も要らない・・・本当の江戸前鮨の仕事をし続けてる・・・
文化財の様な・・・お店です・・・
私の相手も大喜びで・・・生姜（寿司用語でガリ）が美味しいと・・・お替り３回も・・・
寿司と生姜とで・・・全然手が止まる様子は有りません・・・
私も嬉しいような・・・恥ずかしい様な・・・
それでは頂いた握りについてお話ししましょう・・・
鮃昆布〆でまったりと粘りが有り・・・〆の昆布の旨みをはっきり感じます・・・
鯛松皮造で皮岸の旨みが口の中で広がります・・・
赤貝酢洗で艶目が良く顔が良い・・・こりこり歯応えが有るも滑らかで味の輪郭をはっきり感じます・・・
鰹炙りでたたきの様ですが・・・煮切で味に深みとコクが増幅されてます。
鳥貝煮切りでするっと口に入り納まりが良いです・・・
小肌強めに酢〆した小肌と甘めの酢飯のバランスが良いと思います・・・
鱵煮切りのおかげで味がまろやかで美味しいです。多分これが生醤油だと・・・少々塩辛く口に残ると思われます。
才巻茹で時間の案配が完璧で・・・火が入っているのに半生みたいな柔らかさです・・・
海老独特の・・・ぽそぽそした感触は有りません。
烏賊煮てあるのか半生なのか疑いたくなるほど・・・柔らかく・・・
一体どんな仕事を？・・・
穴子爽煮（親方から聴きました）は芸術的です・・・真っ白で白焼きの様な白さで・・・ふんわり・・・軽い・・・口の中で溶けてしまう感覚です・・・
鮪赤身漬けこみがまるでルビーの様な透明感・・・見た目が美しい宝石・・・味もくどくなく・・・でも熟成したねっとり感・・・
卵朧仕込が気にならないほど滑らかで・・・軽いです・・・
パンケーキにも近いような良い食感ですが、酢飯に合う味でした。
干瓢戻して煮込んで味を滲ました干瓢の味加減が抜群・・・こんなに干瓢巻が美味しいなんて・・・すっかり忘れていた味・・
今迄ずっと食べて来た干瓢巻は何だった？
鉄火煮切りに潜らせて有るので・・・酢飯にも味が付いて・・・軽めの漬けを巻いたよう・・・もう言葉が出ません
とまあ・・・全てに１仕事も2仕事もされている鮨・・・
生姜とお茶（酒）以外・・・箸も醤油も使わず手で食べる壽司・・・
そんな江戸前原型の握り寿司が・・・此処には未だ残ってました・・・
伝統を守り技術を守りそれを誇りに持っていて・・・
でもそれを表に出さず・・・ひたすら客の立場を重んじて仕事する・・・
そんなひたむきな腰の低い・・・親方の姿が神々しくさえ感じた時間でした・・・
店を出て・・・帰り道すがらは・・・余程・・・感激したのでしょう・・・
私のお相手も・・・小1時間の間ずっと・・・喋りっぱなし・・・
さっき食べた鮨の話ばかりで・・・話題に尽きることが有りませんでした・・・
この店にお連れして本当に本当に・・・良かったです・・・
本当に・・・本当に・・・本当に有難う御座いました・・・
大変・・・大変・・・大変にご馳走様でした・・・