ミトミえもんさんが投稿したkatecuore(佐賀/伊万里)の口コミ詳細

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ミトミえもん (40代前半・男性・東京都) Tabelog Reviewer Award受賞者Tabelog Reviewer Award受賞者 認証済

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katecuore伊万里、上伊万里/イタリアン

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥40,000~¥49,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 5.0
1回目

2022/10 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

5時間越えのコース、その一瞬のために。

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コースの所要時間は5時間越え!?

佐賀県の伊万里にあるレストラン『カテクオーレ』、その滞在時間が5時間を越えた。だが、これこそがレストランのコンセプトに直結する、つまりはカテクオーレの魅力そのもの。長時間の理由は、ほぼ仕込みをせずに、その場で一から料理を作り上げるから。これは食材に対するリスペクトが根底にあり、それが食材が持つ魅力を最大化させるためのアプローチ。結果として、唯一無二の香りやテクスチャーを実現させているのだ。つまりは、その一瞬を捕まえる、そのための時間なのです。

カテクオーレで主役を務めるのは、黒毛和牛。しかも、ただの牛肉押しのレストランではない。奥様の実家が畜産業を営んでおり、生産者としての顔も持っているのだ。生産者リスペクトどころか、生産者そのものなのです。だから、シェフが牛について語る時、深い愛情が伝わってくる。牛には個性があるから、その魅力を引き出すのに責任があると話します。牛以外の食材も佐賀の魅力ばかりで構成されておりますが、どの料理にも牛のエッセンスが介在するのが面白い。やはり主役は黒毛和牛なのだ。

コースの始まりが上記のポイントをよく体現している。

「塩とミルク」、この料理が提供されたのは入店から約40分後。目の前で一からミルクを香酸柑橘であるゲンコウと固めていくのだ。なんと愛おしい時間でしょう。ここに合わせるのは五島列島の海水で作った花塩。塩のビビッドなアタックが、ミルクの旨味を十分に引き出します。全体的に酸味は強いのだが角がない。これがゼロから作ったからこそのアウトプットなのか。同時に、焼き立てのブリオッシュをスプーン代わりにいただきます。このブリオッシュの驚くほどのふわふわ感も、カテクオーレのコンセプトが生み出します。

続いて「牛のタルタル」。タルタルもまた調理の工程をずっとのぞく事ができる。まずは牛のスライスを炭に直接当ててほんのり火入れを施す。そして炭の中に牧草を入れて、藁焼きのように香りをつける。もちろん、この牧草も牛達に食べさせているものだ。味の骨格を整えるために、地産のきびなごで作った魚醤や伊万里の鶏の卵黄を混ぜ合わせます。肉の旨味はもちろんだが、重ねたスパイスの香りも抜群だ。ペアリングされたキビナゴのスープも抜群に美味い、、、

今度はパンツァロッティ、いわゆる揚げパンである。餃子の餡のように、佐賀県の恵みを包み込む。パンもやはり直前にミキシングをした作り立てのもの、つまり発酵をしないのだ。なるほど、パンではなく素材の香りをメインにしたいのか。肉に加えて、ウチワエビ、あみえび、チーズなどの地産の食材を包み込む。さらには、葡萄なんかもいるのだが、この組み合わせのバッチリ調和するから素晴らしい。

パスタは2種類。1つは「玉葱の冷製パスタ」、芯のところだけをシンプル使ったスープで、塩と水だけで精製している。新玉のような甘い味わいではなく、本当にクリアですっきりとした旨味。牛の旨味も重ねているが、口直し的な役割を果たします。ちなみに、玉葱の生産量は佐賀県が全国2位なんだとか。佐賀のことを伝える親善大使も担っております。笑 もう1つは、トマトのパスタ。こちらは出汁などを使わずにトマトの旨味ばかりを抽出。ニンニクの風味とともにいただきます。

お肉は13歳の経産牛と14歳の経産牛の食べ比べ。両方ともサーロインだが、前者は熟成などなしのフレッシュなもの。熟成をしないと旨味が少ないなんて言われるが、なんのなんの肉の持つ酸味が満足感を作ります。じっくりと時間をかけて火入れが作る香ばしさも抜群です。後者の14歳は1ヶ月寝かせたもので、確かに旨味が弾けます。ちなみに、未経産牛全盛の中で何故経産牛を使うのか?修行したイタリアでは一般的なんだそうです。1つずつ極めていきたいというシェフの謙虚さと探究心が伝わります。

最後はスープとスイーツの出番。スープは里芋と槍烏賊で作られる。どこに牛があるのかと思えば、里芋を牛脂で揚げたんだとか。抜かりない。スイーツはパンナコッタ、これもやはり固めていくステップを目の前でみる。冒頭で「一瞬を捕まえる」と紹介したが、まさに固まるか固まらないか、その一瞬を捉えた料理でございます。

カテクオーレの料理は、一瞬を捕まえる料理。そのための待ち時間ならいくらでも受け入れましょう。むしろ、そんな贅沢な時間が長く続くことに感謝を。ご馳走様でした!

2022/12/16 更新

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