『福島の1本桜』Spa8さんの日記

Spa8の食べ歩きノート

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桜の見ごろの時期は短い。
花をつけた後、強い風雨にさらされる日があると一気に散ってしまう。

美しさに加えてそんな儚さを持っているからこそ
愛される花の筆頭にあげられるのではないかと思う。

毎年、電車の車窓や散歩のときにチラリと見ることはあっても
花見自体を目的として出かけたことはない。

そんな自分でも是非見てみたいと思っていたのが
“三春の滝桜”。

ニュースなどで映像は紹介されることがあるが、
本物を見た人に聞くと、圧倒される迫力があるとのこと。

ただし、桜見物は“天気の日”を選ぶことは絶対条件であるが、
4月は年度はじめの時期でもあるので、そうそううまくは
日程がとれない。
今年こそ・・と思いながら3年以上、いつも機会を逸してきた。

今回は天気予報を見ながら“この日”をねらって休暇をとった。
平日なので、それほどの人出は無いだろう・・と
高をくくっていたら、これが大ハズレ。

滝桜を見る前に、その途中にある“不動桜”を見に行ったのが
マズかった。

滝桜の手前、駐車場(無料)の数百メートル手前から渋滞。
実際に駐車場に入るまでに30分ほどかかった。

午前中の割りと早い時間に辿り着いたので
これくらいで済んだが、
お昼に駐車場を出た頃には、その渋滞は5kmくらいに
延びていた。
休日には三春ICまで(約7km)渋滞が続くというもの本当らしい。


駐車場から滝桜までは徒歩で3分程度。
すでに滝桜の前には見物客が集まっていた。

何と表現すれば良いのか・・
ただもう圧倒的な存在感。

名前が示すとおり滝のように枝垂れて咲く無数の可憐な花は
まさに満開状態だった。

そして圧巻なのは幾つかに別れている根元近くの幹の太さ。
パンフレットによると幹周りは8.1mだそうだ。

根元には小さな祠が据えてあるが、
本当に何かの精が宿っているような雰囲気がある。

樹齢1000年以上とのことだか
本当に良く毎年、力強く花をつけてきたものだ。
その生命力には驚かされる。

滝桜は“エドヒガン ベニシダレザクラ”という種類らしいが、
これは長寿の桜とされているらしい。

ポピュラーなソメイヨシノが出てきたのは江戸時代で、
病気にも弱く、
最も長寿とされている弘前城公園の木も200年に満たない
らしい。

他所にも随所に樹齢300年以上の桜の老木があるが、1000年以上というのは
国内でも山梨の“山高神代桜”とこの木の2本だけとのこと。

福島にはこのような“一本桜”と呼ばれる独立して立っている老木が幾つもあり、県では“番付表”をつくってPRしている。

しかし、日本人は“桜”好きである。
集団で咲く桜も綺麗であるが、
他の木から離れて独り立っている1本桜も、滝桜ほどになると
その圧倒される迫力に惹きつけられるのだろう。

何年も宿題にしていた“三春の滝桜”にようやくお目にかかることができたが、
“1本桜”の魅力も発見することができたのは大きな収穫である。

来年はまた違う一本桜も見に行って見たいと思う。
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