旅の文具から名前をもらった菫という花。
少しうつむきかげんに、慎ましやかに咲く小さな紫の花。
花の名前が色の名前にもなっている、皆に知られた花。
そんな花、菫ですが、
私が仮の名前にいただいた小さな花は
本当は、思われているほどかよわいものではないのです。
草原を覆いつくすことはない花ですが、
雑草と二つ名を与えられる他の草すら育たない乾いた土地で
少しの水だけで命をつなぐことのできる強健な一面を持つ花なのです。
(その強さは、芝生の大敵だったりしますね。)
その可愛らしい花は、その育つ環境が変わった時に臨む命の伝手。
例えれば保険のようなもの。
多様性の確保、言い換えれば、多様な可能性をもつ子孫を育て、
生き残れる次世代を生み出すために使われるものなのです。
普段は、花びらのない小さな花で命を繋ぐのを専らとしているのです。
その姿はとても地味で、訪れる虫達もいないのです。
そうやって、普段は自らと同じ運命、可能性の花を育てているのです。
ですので、
私の名前は、
時を見て戦略をもって強くしたたかに生きたい。でも、そう見えないままに。
その思いを託したものだったりします。
そして、見てわかるように、笑顔をもじったもの。微笑。
(有名なお店があることはのちに知ります。苦笑。)
菫程な 小さき人に 生れたし
漱石