2回
2018/06 訪問
プレゼンテイター伊藤さんによるエンターテイメント・ショーのような美食の数々。
6月9日(土)18時20分に訪問。
電話予約した時に18時30分、その日の予約しているお客さんが全員揃ってから一斉にスタートと言われましたが、隠れ家のような階段を上って次々とお客さんがカウンターに着席します。18時30分にはほぼ全ての席が埋まって、お店のルール(飲み物のオーダーの仕方)の説明があります。
僕
『とりあえず3000円の飲み放題にしよっか』
SONO
『私、それとソフトドリンクも飲みたい』
その日、僕たちが座ったのは伊藤さんの調理スペースの真ん前で、手際のいい包丁さばきが堪能できる良席でした。僕たちは15000円の標準コースを頼んでいて、一杯目のスパークリングワインから、ドリンク担当の岡本さんが次々と飲み物を注いでくれます。
その日、伊藤さんがサーブしてくれた料理は、
❶ハマグリの出汁巻きと見島牛のたこ焼き
❷桑名産大和ハマグリのお吸い物
❸お刺身の盛り合わせ(10年に一度のトリ貝当たり年)
❹鰹のタタキ(船上の処理が美味しさの秘密)
❺鱧と茄子とジュンサイのお吸い物
❻山猫風鱧のちりめん山椒ご飯
❼ミャー婆豆腐の原点を探して(no大蒜&no生姜)
❽あさりバター
❾新玉ねぎとローズマリーのピザなど
➓本日のチーズ(ブッラータ&甘夏ピール最高!!)
❶❶馬肉のカルパッチョ
❶❷馬肉の串焼き
❶❸見島牛の美味しさを感じるシシカバブ
❶❹ライチ
❶❺見島牛の亀の甲(部位)のローストビーフ
❶❻見島牛のスジ肉とかのパスタ
以上のラインナップ。別途デザートで、
❶❼シュークリーム(noバニラビーンズ)
&プリン&ピスタチオオイルのミルクジェラート
❶❽酸味のあるキリマンジャロコーヒー
❶❾100年もののスコッチウイスキー
を注文しました。
食後のコーヒーを飲んで、お店を後にしたのは23時頃。見島牛について、途中、スマホ検索したり、ハマグリの美味しさをしみじみ感じたり、鱧の西京漬と刻んだ山椒の美味しさに感動したり、マスターである伊藤さんの料理方法や素材へのこだわりの説明を聞いた後に食べる逸品は、エンターテイメント・ショーのようです。
SONO
『私、カツオ苦手だったんだけど、このタタキだったら、大丈夫だわ』
僕
『全然生臭くないよね。塩で食べれそうな感じ』
、、、
僕
『この甘夏ピールヤバイ。ゼリーみたい』
SONO
『ブッラータも美味しいよ』
、、、
SONO
『これが100年ものか、、、よくわかんないな。。。』
僕
『めっちゃマルいじゃん。100年ものウイスキーなんて、はじめて見た。その間、大きな戦争があったから残ってないんだよね』
SONO
『、、、そーなんだ。。。』
僕
『、、、マジか。。。笑!』
梅雨入り直後、鱧のシーズンがはじまりつつあって、鱧料理を色々食べさせてもらったり、ハマグリの美味しくなる季節に上質なハマグリを食べさせてもらったり、伝説の見島牛を堪能したり、最後には2人とも、その日の食事に対する満足感に満たされていました。
僕
『この店に来るために名古屋に来ても良いくらい、いい店だったね。会計時にも価値ある消費だったって思えるし、、、また来ようよ』
SONO
『うん。また来よ』
外に出ると心地よい風が吹いていて、次回訪問した時にどんな驚きがあるのかを想像しながら、僕たちは手をつないで歩いて帰った。
2018/06/13 更新
9月14日(金)夜の訪問。
小雨まじりの名古屋を2人で歩いて、数ヶ月ぶりに『山猫軒』の入口を発見すると、思わず声がでました。
僕
『あった !!』
嫁
『ここだね。』
前回の印象がとても良かったので、今回はどんな料理と出会えるんだろうと思うと、内心ワクワクします。2階に上がって、店内に入ると僕たちは伊藤さんの調理場、まな板の正面付近の席に案内されました。
嫁
『キノコって水で洗っちゃダメなんだって』
僕
『え? そうなの? 知らんかった』
僕たちの正面にいる伊藤さんは大きな松茸を布巾で丁寧に拭いていて、、、
伊藤さん
『いい松茸が手に入ったんで、今日はこれを松茸ごはんにしますから、、、』
伊藤さんは、そう言うと松茸をスライサーにセットして薄くカットしていった。正面に座る僕たちは松茸の香りを存分に感じて、秋の訪れを意識し、これからはじまる料理の数々を想像して、ワクワクした。
その日、伊藤さんがプロデュースしてくれた料理は、、、
❶松茸スライスを炊きたてのご飯に混ぜ込んだ『山猫風松茸ごはん』
❷蛸の代わりに天使の海老を入れた『えびやき』
❸伊良湖岬のアサリの酒蒸し
❹すっぽんのお椀(白トリュフとトリュフオイルを隠し味に)
❺美し国、伊勢湾の魚たち
・天然鰻の蒲焼
・煮穴子
・カマスの塩焼き
・酢キャベツ
・鱧の味噌漬
・海老を叩いていれた玉子焼き
・湯引きした鱧
・アオイカのお刺身
・コハダ
❻塩だけで味付けした『究極のイクラ』を焼きたてパンにたっぷりとのせて
❼見蘭牛の頬肉のプルプル煮込みと自家製コンビーフ、口直しに生ハムメロンを添えて
❽鮒寿司の『飯』のスープ
❾見蘭牛のアキレス腱を煮込んで入れた『シルクロード水餃子』
➓炭火でさっと炙った見蘭牛のカルパッチョ
❶❶ブッラータと無花果
❶❷天然記念物『見島牛』のミスジのステーキ
❶❸シャインマスカット&ナガノパープル
❶❹すっぽん出汁の土鍋雑炊
❶❺すっぽん出汁の土鍋雑炊(おこげ)
(追加)
❶❻苦いコーヒーとフワフワかき氷にピスタチオオイルとクラッシュアーモンドをアクセントに
以上、前半が日本酒に合う肴たちで、後半はワインに合う肴たち。
山猫風の松茸ごはんは、スライスした松茸を炊き立てのご飯に混ぜ込んで、醤油だけで味付けした一皿。レアな松茸はキュッ、キュッっと繊維質を感じる食感で松の爽やかな香りが口一杯に広がります。すっぽんのお椀にはイタリア産の白トリュフとトリュフオイルが入れられていたんですが、こちらはトリュフの香りが華やかな雰囲気の逸品で、すっぽんの澄んだスープは滋味深くて、とても上品です。究極のイクラは伊藤さんが今朝ほぐしたもので、味付けは塩だけとの事。焼きたてのパンに(ニンニクをこすって)オリーブオイルを垂らしたものの上にスプーンで溢れるくらいイクラがのせてあって、キャビアを連想するような凝縮された魚卵の旨味を感じます。。。
僕
『俺さ、自分でコンビーフ作ったことがあるんだけど、こんな牛肉の美味しさを感じる仕上がりに出来なかったな。美味しい牛肉だけど、テクニックもすごいよ』
嫁
『頬肉もプルプルしてるね』
シルクロード水餃子は小麦の香りが楽しめる一品。皮は少し固くて素朴な歯ざわりだけど、牛スジ(アキレス腱)のジューシーさとマッチしていて美味しい。その日のハイライト、見蘭牛のカルパッチョと見島牛のステーキは、サシが入っていない赤身肉に見えますが、とてもジューシーで柔らかな食感。見島牛は山口県萩市で育てられている天然記念物(数少ない外国牛の影響を全く受けていない日本の在来牛)で希少価値のある高級食材。そんな食材が自然に振舞われるのが『山猫軒』さんの魅力だったりします。
飲み物は+3000円でワインや清酒が好きなだけ飲めます。カウンターにグラスを置くと、スタッフのオカモトさんが少しずつ注いでくれます。一斉スタートで4時間くらいのコース料理なので、ゆっくりしたペースでお酒を楽しむイメージです。途中、もうアルコールが飲めないと思ったら、ソフトドリンクの飲み放題に同じ値段で切り替わります。
僕
『焼酎好きでしょ? 折角だから魔王飲んだら?』
嫁
『、、、うん。折角だから飲もっかな。。。』
僕は途中からアルコールをギブアップしていて、追加でデザートと苦いコーヒーを頼んでいたんですが、妻はまだ飲めそうな雰囲気だったので、伝説の焼酎と言われている『魔王』をシングルで頼みました。
僕
『だいたいさ、魔王がシングル300円って、本当かなって思っちゃうよね!』
嫁
『うーーーーん、、、、、やっぱわかんないな。。。
私、何飲んでも一緒だわ 笑!』
僕
『ハハハ、マジか 笑!』
僕だって焼酎はある程度酔ってくると、芋と麦の違いだったり、黄麹の円やかさとか、黒麹のシャープさくらいがわかる限界で、銘柄特有の美味しさは全くわからなかったりするんだけど、それを正直に言う妻が可愛いと思った。
嫁
『料理教室って、どうやったら申し込み出来るんですか?』
伊藤さん
『年1〜2回かな。ブログに告知を出すんで、マメにチェックしといてもらえると、、、』
嫁
『年1〜2回か、、、少ない、、、なっ。
あっ。あなたは料理教室ダメだからね!!』
僕
『わかってるよ 笑!』
ある程度の年齢になると自分たち夫婦がくつろげる空間というか、隠れ家というか、そんな場所が出来ていて、『山猫軒』さんは僕たち夫婦が、ここに来ることがイベントになるようなお店として存在しているような気がします。気取りのない店内の雰囲気は、逆に落ち着いて食事が出来る居心地の良さを感じるし、4時間くらいかけて食べるコース料理は、伊藤さんのサービス精神が随所に溢れていて、1人30000円くらいするコース料理だったり、1年以上先まで予約がとれないお店や紹介制のお店とか格式?が高くなればなるほど美味しいと評価されるレストランとは正反対のポジションに位置しています。。。
嫁
『主人が伊藤さんの大ファンなんです 笑!』
僕
『そうだけど、カミさんも伊藤さんは同じ蠍座だから、グラスの話がよくわかるとか言ってました 笑!』
伊藤さん
『あー、そうなんですか 笑!』
次回、クリスマスの予約がギリギリとれて、お店を後にしました。外は相変わらずの小雨が降っていて、僕たちはビニール傘をさしながら、その日の料理だったり次の『山猫軒』の料理について話しながら、ホテルまで歩いて帰りました。ここに来るために2人で名古屋まで来て、そしてホテルに宿泊する価値がある店だと僕は感じています。