ランチ向上委員会さんのマイ★ベストレストラン 2014

絶望を退ける勇気を持て

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ランチ向上委員会 (男性・神奈川県) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

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この1年は、2位にランクインしたラ・ピッチョリー・ドゥ・ルルのレビューの文章が、食べログの本に掲載されたのが印象に残りました。
よりよい情報を世の中に出すために始めた食べログですが、成果のひとつだと思っています。
訪問したお店では、中華の名店や広尾界隈のフレンチ・イタリアンと川崎の有名大衆居酒屋と方向性の違う名店にまわれたのが収穫ですね。

マイ★ベストレストラン

1位

王朝 (西新宿、都庁前、西新宿五丁目 / 中華料理、ビュッフェ、飲茶・点心)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.3
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 -

2014/05訪問 2014/06/23

お店は無くなれど、「王朝」での記憶は無くならず

西新宿にある一流ホテルのヒルトン東京の2階にあった中華料理レストランです。2014年5月31日をもって閉店しました。2階のレストランフロアを改装するそうです。
王朝は、週末限定の全メニュー食べ放題の「王朝の味覚」が有名で何度も利用したお店でした。
父の定年退職の祝いをしたお店でもあるので大変思い入れの強いお店です。

以前の「王朝の味覚」では、ふかひれの姿煮のみ1人1枚限りでしたが、今回はは含まれていなくなりました。それでも、一流ホテルの中華料理が食べ放題なのですから、ふかひれの姿煮が無くても十分価値があります。
また、最後の5月は、平日でも「王朝の味覚」(ディナー11,818円・サービス料別途)を開催し、更に特別に個室の使用料がサービスだったので、とても充実した食事をすることができました。

いただいたのは、
■三種冷菜の盛り合せ
チャーシューとくらげと蒸し鶏の盛り合わせです。
蒸し鶏は、シンプルなれど、臭みなく柔らかく仕上がっていて絶妙ですね。
くらげの厚みがあって歯ごたえが良く、こちらも一般的なお店の素材との差を感じるものです。
チャーシューは、肉のストレートな旨みだけでなく、熟成感があります。この熟成感は、紅麹によるものですが、この本場の調理法で上手に作られるチャーシューはなかなかいただくことはできない貴重なものです。
紅麹を使ったチャーシューは、中華街でもそうそういただけるものではなく、私が知るのは金陵だけですね。

■牛舌の燻製
きれいにスライスされた面には、程よく脂がのっているのが見えます。スモーク加減は強めですが、もともとのタンのサイズが大きいので表面近くから香ります。このグラデーションがいいですね。


■つばめの巣スープ かにの玉子入り
つばめの巣と蟹の玉子が具の贅沢なスープです。蟹の玉子は、ワタリガニか上海蟹のような小型の蟹の内子を使用しています。
見た目も華やかで豪華なスープです。

■ロブスターの黒豆ソース煮
今回のメインと言ってもいい料理でしょう。ロブスターは殻つきのまま炒められており、殻から出る出汁や香りも活用しているようですね。黒豆(トウチ)は、塩味が強い食材なので、繊細な海老の味が活きるように弱めの加減で使われています。
プリッとした歯ごたえは良く、間違いなく王朝を代表する一皿です。

■ロブスターの梅ソース炒め
こうやって黒豆ソース煮と比較していただけるのが、王朝の味覚のいいところですね。梅ソース炒めでは、殻は無く、衣をつけて揚げたものを梅ソースと軽く炒められています。
梅ソースは、色合いに比べて酸味はマイルドで、梅味になるというより、華やかな色合いにさせるために使っているようにも感じます。

■牛肉の黒こしょう炒め
シンプルな炒め料理ですが、牛肉の柔らかさが素晴らしいですね。さすが一流ホテルの食材です。レシピや調理技術よりも素材の力が目立つ料理ですね。

■五目のおこげ
サクサクのおこげは、あんに絡んでもすぐは歯ごたえを失わず、混ぜて食べれば、絶妙な食感です。
あんの色は薄めで、味も強くはありません。全体の調和を大切にしたホテルらしい上品な味付けで、あんをスープのように飲めるぐらいのいい塩加減です。

■あわびのオイスターソース煮
スライスされたあわびとレタスのオイスターソース煮です。五目おこげと比較すると、オイスターソースの分だけ幾分濃いめの味付けになっていますが、総じて上品であることに変わりはありません。あわびとオイスターソースの旨みを吸ったレタスが美味しいです。

■魚の切り身揚げ甘酢あんかけ
ソースの赤色や散りばめられた野菜などが見た目にもきれいですね。
あんの粘性が高く、揚げた魚の切り身にしっかり絡みます。味付けは、酸味がやや強くて大人な味付けです。上品な味わいの白身魚にしっかりと味を加えてくれるあんは秀逸です。また、おこげのあんとの粘性の違いがはっきりわかりました。料理によって、その味を素材に上手に絡ませるように調整されておりレベルの高さを感じます。

■北京ダック
できれば丸々1羽でいただきたいのですが、専門店以外ではそういうわけにいかないのが残念なところです。やはり、1羽のサイズや皮の照りを見たいですね。
とは言え、ホテルらしい皮のみがカットされたパリパリの美味しいところだけを巻いた北京ダックは、高級店らしくていいですね。

■鴨の燻製
見た目以上に強く燻製されていますが、味が凝集していて美味しいです。鴨の脂で旨く感じさせるお店も多いところで、こういう、肉の味で楽しませてくれるのは素晴らしいです。
周りに鳥のかたちに加工された饅頭が添えられており、見た目でも楽しませてくれます。

■マーボー豆腐
一見すると、普通のさほど辛くない麻婆豆腐ですが、食べてみると四川料理らしい「麻辣」な辛さがあとからゆっくり攻めてきます。
広東料理主体でいただきましたが、他の地方の料理のレベルも高いですね。

■五目炒飯
上質なチャーシューに大振りな海老がメインの具の高級チャーハンですが、上品にまとまり過ぎていて、もうちょっと、油なり、塩気なりで何かもうちょっと個性が欲しいチャーハンです。

■蒸餃子(5個)
意外に1個が大きいのでびっくりしました。小籠包とまではいいませんが、中から肉汁の出る立派な蒸し餃子でした。

■フルーツ入りアーモンドゼリー
マンゴーやラズベリーがのった美しい杏仁豆腐です。

■あずきあん入り揚げバナナ
バナナとあずきを一緒に揚げてあります。

●アサヒスーパードライ小瓶
最後の利用ということで、お店側からサービスしていただきました。

●モエ・エ・シャンドン・ブリュットアンペリアル(ボトルで11,000円程度)
正確な値段は失念しましたが、このレベルのお店であれば1,000円単位でわかれば十分でしょう。
おそらく、世界一有名なシャンパーニュであろうこれが、王朝のスパークリングワインでした。

●東方美人茶
台湾の発酵度が高い烏龍茶です。繊細なまろやかな香りのあるお茶なので、茶葉の質が悪いと風味の乏しいお茶になりますが、さすがにヒルトンの茶葉は上質で、東方美人茶特有の香りを楽しむことができました。


接客も大変丁寧で、かつ、知識も豊富で楽しい時間を過ごさせていただきました。気づけば、我々のテーブルの担当は支配人だったようで、それはよい接客になりますよね。


空間も料理も接客もすべてが一流ホテルの品質で大満足の食事ができました。


この「王朝」がなくなってしまうのは残念ですが、ヒルトン東京がなくなるわけではないので、2014年10月の新しいレストランフロアに期待したいと思います。きっと、我々を驚かせ、楽しませてくれる新しいレストランがオープンするのではないでしょうか?

  • 「王朝の味覚」(ディナー11,818円・サービス料別途)のロブスターの黒豆ソース煮。2014年5月
  • 「王朝の味覚」(ディナー11,818円・サービス料別途)のロブスターの梅ソース炒め。2014年5月
  • 「王朝の味覚」(ディナー11,818円・サービス料別途)の三種冷菜の盛り合せ。2014年5月

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2位

ラ・ピッチョリー・ドゥ・ルル (広尾、恵比寿 / フレンチ、ワインバー、ビストロ)

1回

  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.1
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥2,000~¥2,999

2015/04訪問 2015/05/11

予約して遠方からでも行くべき上質なランチ

シェ・トモグループの広尾の有名ビストロです。住宅街にある、フランスの田舎風の落ち着いた雰囲気のお店です。

2013年11月よりランチ営業を始めたとのことで、ランチの知名度は高くなく、夜の人気ぶりと比べると余裕があります。これもそのうち、予約が望ましい状態になるのでしょう。2015年4月現在、ランチの利用は予約無しでもOKですが、休日ランチはほぼ満席なのでテーブル席を希望するなら予約をおすすめします。

ランチは、2,000円+税のプリフィックスコースです。前菜3種類、メイン3種類から選びます。それにデザート盛り合わせと食後のコーヒー等が付きます。

お店のホームページによると、オーナーシェフが、フランス修行中に各地で出会った郷土料理をそのテロワール(風土)を感じるよう本場さながらにじっくりと手間をかけて提供しているとのこと。
このコンセプトに偽りは無く、まるでフランス旅行をしているような料理たちです。

ランチで何度か利用しました。あまりに上質なので、機会があるごとに定期的に利用しています。

いただいたのは、
■前菜「ピペラード ~バスク地方の卵料理~」(2014年1月)
フランスとスペインの国境を形成するピレネー山脈のあるフランスのバスク地方の料理です。
スクランブルエッグをよりゆるくしたような卵料理にに塩漬け豚バラ肉(燻製にしていないベーコンといった感じ)をカリカリに焼いたものをのせて提供されます。
エスプレット(唐辛子)やハーブなどが効いて、ちょっとスパイシーな感じです。この効き加減が絶妙で、フランス料理としてはスパイシーですが、韓国料理やインド料理と比べたら、「香る」程度です。
玉子を加熱する際は、オリーブオイルを使用し、野菜の旨みがあるスクランブルエッグに程よくスパイシーな脂も残る豚肉の味とのバランスがいいですね。
エスプレットは、大航海時代にアメリカ大陸から渡ったもの。アメリカ大陸を発見したコロンブスですが、本人はイタリア人でスペインの女王からの援助を受けて航海に出ました。
ヨーロッパの国は地続きなので、相互に影響し合いながら文化を形成しています。スペインの香りを感じるフランス料理でした。

■前菜「豚足、耳、舌のテリーヌ」(2014年1月)
中世フランスには「シャルキュティエ」と呼ばれる豚肉加工の職人がいたぐらいで、豚肉の加工食品はフランス料理の定番です。
豊富なゼラチン質でいろんな部位を上手にまとめたテリーヌです。軟らかいながらも、部位による食感が異なりおもしろいです。
ピクルスとフレンチマスタードで作った特製ソースをつけていただきます。
白ワインが合いそうな、いい味です。

■前菜「イナダのマリネ」(2014年1月)
ブリの幼魚のイナダを使ったマリネです。サラダ仕立てになっており、女性向けの美しい見た目になっています。皿にはバルサミコ酢を煮詰めたソースが付いており、上質なバルサミコは煮詰めると酸味が程よく抜けて甘みが増し、ソースとして秀逸です。
日によって、そのときのいいものを仕入れているのでしょう。他の日では、関西では、高級魚として珍重されるイトヨリダイであったり、白身魚の定番のスズキであったりもします。

■前菜「パテ ド カンパーニュ ~ルル定番の田舎風パテ~」(2014年2月)
テリーヌはゼラチン質の食感が美味しいものでしたが、こちらは、赤身の旨さに程よく脂が入るパテです。付け合せのピクルスも酸味が効いていて美味しく、肉の脂が気になったときにいただくと、口の中がすっきりします。

■前菜「ピンサリとグリルした豚バラ肉のサラダ仕立て」(コース価格に+300円+税)(2014年4月)
ピンサリとは、遮光栽培したタンポポです。フランスの春らしい野菜です。
ほろ苦いピンサリにあわせるのは、グリルした豚バラ肉でそれに半熟玉子が載ります。
アメリカ文学のオー・ヘンリーの短編に「献立表の春」というのがありますが、その中で重要な小道具として「タンポポのゆで卵付き」というものが出てきます。

■前菜「マッシュルームのオムレツ」(2014年8月)
マッシュルーム入りのオムレツにマッシュルームを使ったクリームソースでいただきます。生マッシュルームのスライスも載せられたマッシュルーム三昧の前菜です。

■前菜「ニース風サラダ」(2015年3月)
色とりどりの野菜と共にアンチョビや鮮魚も一緒に盛られています。クスクスでボリュームアップされていて、ルルらしい質と量を兼ね備えたサラダになっています。なぜかとても春を感じるサラダでした。

■メイン「白金豚の胃と腸の白ワイン煮 カーン風」(2014年1月)
誰にでもわかりやすいように平易な言葉でメニューを書いてくれているので、「ただのモツ煮じゃん」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、一般的には「カーン風トリップ」と表記されるケースが多く、ここのフランス語のメニューもそうなっていますね。
イタリア料理では「トリッパ」、フランス料理では「トリップ」と呼ばれる内蔵の煮込み料理ですが、どこのお店にでもだいたい、トマトソース仕立てで提供されます。メニューにもある「カーン」とは、フランスのノルマンディー地方の都市の名前です。ノルマンディーは寒く、また、ノルマン人(スカンジナビア半島及びバルト海沿岸発祥のヴァイキング)の流れを汲むため、この土地固有の食文化があります。ぶどうを使ったワインではなく、りんごを使ったシードルやカルヴァドスといったお酒を作っています。
ゆえにイタリア料理であれば、モツをワインとトマトで煮込んでも正解ですが、カーン風とするならば、シードルやカルヴァドスを使って煮込み、トマトソースは使わないのが正統です。
前置きが相当長くなりましたが、ここのトリップは本物です!
わかりやすく白ワイン煮とのことですが、店員さんの丁寧な説明によるとシードル・カルヴァドスを使用しているとのこと。
味も、素晴らしく、この繊細な味付けで臭みを消すのは相当な技術がいることでしょう。トマトやニンニクで臭みを消すトリッパなら私でもそれなりのものが作れますが、ここのトリップは真似して作ることは不可能ですね。
下茹でをしっかりすることで臭みを抜くこともできますが、腸の脂が程よく残っています。これは時間にものを言わせて解決したのでなく、高い技術の証ですね。
臭みが無くなったモツに野菜や酒類の甘みや旨みを足して、上質な煮込みに仕上がっています。
和洋問わず煮込みを食べましたが、今のところ、これが私の食べた中でNo.1の味わいです。
唐辛子も別盛りで添えられていますが、これぞ、「お好みで」使うように添えられたもので、使わなくても完成された味です。

■メイン「豚バラ肉の香草パン粉付け焼き」(2014年1月・2014年5月)
この日のメインの中では、最も男らしい料理です。ボリューム感があるお肉は、この塊でありながらも軟らかく、また、脂身のところのぷるんとした食感と旨みがたまりません。お肉自体が美味しいのはもちろんのこと、付け合せのフライドポテトも揚げたてで美味しく、生野菜もいろんな種類の野菜が盛られており、凝っています。シンプルなれどお店の実力を発揮している一皿でした。
また、付け合せが季節によって変化し、春には季節感を感じる新じゃがと菜の花でした。

■メイン「カダイフを巻いた真鯛のフリット トマトソース」(2014年1月)
カダイフは、イスラムの文化圏に起源を持つ細いパスタのような食材です。通常はお菓子に使われますが、フランス料理やイタリア料理では、揚物の衣として活用されます。
カダイフをまとった真鯛は、食感が良く、味付けのトマトソースも色からも分かるようにクリームなどで調製されており、少し辛い味付けで、白身魚に合いつつも最後まで飽きないように仕上げられています。

■メイン「マトウ鯛のソテー」(2014年2月)
通常は、ランチには入っていないのですが、短期間に頻繁に来ているのでメニューが大きく変わっておらず、気を遣ってランチメニューの食材を違う調理法で出していただきました。こういう気配りが一流店のサービスですね。
皮がパリッとしており、色とりどりの付け合せの野菜と共にクリーム仕立てのソースに盛られており見た目にも美しいです。味もバターの風味がよく、白ワイン由来なのでしょうか?わずかな酸味とコクのあるソースは秀逸で、魚によく合うものです。

■メイン「長谷川 自然熟成豚のロースト マスタードソース」」(コース価格に+500円+税)(2014年5月)
鯵ヶ沢の長谷川自然牧場で育てられた豚肉のローストです。
豚らしい臭みがちょっとあるもののそれも味わいですね。それよりも、脂の旨みがとてもよく肉好きにはたまらない良さがあります。
ボリュームも相当あるので、ランチコースの価格にプラスしても満足いく質と量です。

■メイン「豚タンとナスのミルフィーユ仕立て マスタードソース」(2014年8月)
下茹でした豚タンとソテーしたナスの重ね焼きを網脂でしょうか、何かで包んで旨みを閉じ込めています。加熱によって出たタンの旨みをナスが吸います。ナスは脂(油)を良く吸うので旨みを無駄にすることがありません。

■メイン「長谷川 自然熟成豚のロースト」(コース価格に+1,500円+税)(2015年3月)
2015年5月にいただいたものと同じ料理ですが、プラスする価格が大幅にアップです。その理由は調理法にあるようで、ダッチオーブンで軽い燻製にするという焼き方でした。焼きあがったお肉は、燻製により風味が増しています。脂身も程よく付いているいい部位なので、味も最高ですね。
価格の分、量も多いです。連れとシェアしていただくといいでしょう。

■シェフ気まぐれ本日のデザート
前菜・メインに関する文章とのテンションの違いは、甘いものへの興味なので、決してイマイチだったわけではありません。
ランチで2,100円のコースでありながら、立派な盛り合わせが提供されました。
小豆のタルトをメインに自家製アイスクリーム・マカロン・フルーツなど、立派な内容です。これとお茶だけでも1,000円ぐらいの価格をつけても相応なぐらいです。
特に自家製アイスクリームが良かったです。バニラ味なのですが、どうするとこれだけ濃厚で美味しく仕上がるのでしょうか?
別の日には、チョコレートムースがメインでした。こちらは、滑らかかつ濃厚で上質です。
また、別の日には、フォンダンショコラがメインでした。暖かいチョコレートケーキは、口の中でよく溶けて美味しいです。また、自家製アイスクリームが、ラム酒の入ったバナナ味で、ラム酒の風味が大人な味わいにしてくれます。


接客も優れており、総じて丁寧で、知識もあるので料理の内容も説明してくれます。昼だからと手を抜かない優れたサービスです。

どの料理を食べても美味しくて価格以上の価値があります。ここのランチの2,000円+税は、確実に安いですね。肩肘を張りすぎない感じもよく、若者の初フレンチにも適しています。軽くグラスワインを飲んでもいいですね。
最後のデザートの盛りがいいので、時間に余裕のある女性なら、優雅にランチの時間を過ごして、デザートを食べながらゆっくりとおしゃべりを楽しむのもいいでしょう。
フレンチが食べたい人になら、年齢性別を問わず誰にでも自信を持っておすすめできる内容と品質と価格を兼ね備えたランチです。

  • ランチコース(2,000円+税)のメイン「骨付き 仔羊肉のロースト 赤ワインソース」(コース価格に+540円)2014年4月
  • ランチコース(2,000円+税)の「豚バラ肉の香草パン粉付け焼き」盛り付けが上品になりました。2014年4月
  • ランチコース(2,000円+税)のメイン「フランス産鴨モモ肉のコンフィ」2014年2月

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3位

アトリエドアイ (広尾、白金台 / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 4.3

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.1
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥2,000~¥2,999

2014/04訪問 2014/08/13

華やかなランチは、味もシェ・トモグループらしい高品質

シェ・トモグループのフレンチレストランです。普段は、ラ・ピッチョリー・ドゥ・ルルを利用しているのですが、系列店の違いを楽しんでみようとうかがいました。

木目をパズルのように組み合わせた外壁、店内もフランスの香り漂う、ちょっと洗練された感じです。ルルが田舎風なのに対して、こちらは重厚感があります。

ランチコースは、ルルと同じで2,160円で前菜・メイン・デザート・コーヒーです。選択式のプリフィックスですが、ルルは、デザートは盛り合わせですが、こちらは選べます。

いただいたのは、
■前菜「ホワイトアスパラとグリーンアスパラのテリーヌ 薫製にかけた帆立貝を添えて」
旬のアスパラを使った前菜です。テリーヌは食感のしっかりしたゼリー寄せで断面のアスパラが美しいです。軽く燻製にした帆立の貝柱との相性は良く、ソースも軽めでアスパラや魚介とよく合うものです。
見た目にも非常に美しいですね。

■前菜「プラチナポークのトリップ カーン風」
ルルでは、クラシカルな王道のノルマンディーの郷土料理としてのトリップでしたが、こちらは、トマトベースの味付けをしたイタリア風のトリップです。とは言え、カーン風に仕上げた繊細な味を殺さないようにトマトの味わいは控えめでバランスが取れています。オーブンで焼いているので、表面の香ばしさも楽しめ、陶器の器も熱せられており最後まで熱々でいただけます。

■前菜「ガレットコンプレ」
ブルターニュ地方の郷土料理でそば粉のクレープです。ハムとチーズと目玉焼きを包んであります。上に盛られたクレソンの緑も美しいです。
ガレットは、フランス料理であるものの日本のお店では、なかなか提供してません。まれに専門店があるぐらいですね。
こういう、フランスの郷土料理を取り扱ってくれるのが、シェ・トモグループの魅力です。

■メイン「ウサギもも肉のシューファルシー」
日本人にはびっくりの食材ですが、ヨーロッパでは、さほど珍しいものではありません。
盛り付けは、大変凝っており、緑黄色野菜で作ったピューレでうさぎの耳を描いて、メインのキャベツ包みの部分が顔となって、うさぎの顔を表現しています。写真の方向を意識して撮影してみましたが、どうでしょうか?
味わいは、うさぎ肉自体が、脂が少なく鶏肉に近い食感で少し野趣がある味わいです。包み焼きでうまく味わいを閉じ込めてますし、ソースも肉質に合った濃さで作られており、バランスがいいですね。また、耳部分のピューレもソースとして一味違う食べ方もできるので、飽きずにいただけます。

■メイン「パートフィロで焼いた白身魚(イトヨリダイ)と空豆のフリット」
白身魚は、高級魚のイトヨリダイを使用しています。この魚も魚屋などではあまり流通せず、飲食店がメインで消費される上品な味わいの高級魚ですが、ルルでも見かけるシェ・トモグループの好きな食材です。
イトヨリダイに下味がつけられ、パートフィロというギリシャや中東あたりが発祥の薄い生地で包んで焼いてあります。
中には魚だけでなく、ズッキーニなどの野菜も入り、魚の旨みを吸ってくれています。盛り付けも当然ながら美しく、カットされたトマトなどで飾られ、女性に喜ばれそうなメインですね。

■メイン「牛バベット(ハラミ)と新ジャガイモのロースト」
いい焼き加減に焼かれカットされた牛ハラミ肉は、定番の食材なれど、いいお店のものはやはり美味しく、赤ワインをベースにしたソースによく合います。
付け合せを新ジャガイモのローストにすることで、季節感を出していますね。
男性向けのメイン料理です。
パンが、バゲットでなく質感のある黒パンなので、こういう肉料理との相性は抜群ですね。

■デザート「フォンダンショコラとフランボワーズのソルベ」
ルルとの決定的な違いのデザートですが、ソルべと1品で構成されています。流行のフォンダンショコラは、量もあって食べ応え十分。盛り合わせだと「もっと食べたい」と思ってしまいますが、この量があると「満足いくまで食べた」と思えます。ソルベもフォンダンショコラと相性の良いフランボワーズです。

■デザート「大きなイチゴのマカロンとショコラブランのソルベ」
自作のマカロンもシェ・トモグループのウリのひとつですが、これに上質なイチゴを挟んだマカロンは、見た目にもかわいらしくて女性に受けること間違いなしです。
合わせるソルベは、ショコラブラン(ホワイトチョコレート)です。濃厚なれどさわやかな感じがいいですね。

■デザート「サクラのモンブランとシャルトリューズのソルべ」
こちらは、さくらあんを使うことで季節感を強く出しています。その分、フレンチというより和菓子に近くなっているモンブランですね。
合わせるソルベは、シャルトリューズという薬草系のリキュールのソルベです。さくらあんでねっとりとした口の中をさわやかにしてくれます。

料理の提供がゆっくりなので、ビジネスランチよりも昼からお酒をいただいてゆっくり楽しむのが正しい使い方ですね。

どの料理を選んでも確実に美味しく、価格以上の価値があるのは、ルルと同じです。ルルと違う点は、総じてこちらのほうが華やかな印象で、ルルは質実剛健な感じです。女性にはこちらのアトリエ・ド・アイを、男性にはラ・ピッチョリー・ドゥ・ルルをお勧めしたいです。
いずれにせよ、高品質であることは確かなので自信を持っておすすめできるお店であることは間違いありません。

  • ランチコース(2,160円)の前菜「ホワイトアスパラとグリーンアスパラのテリーヌ 薫製にかけた帆立貝を添えて」2014年4月2014年4月
  • ランチコース(2,160円)の前菜「ガレットコンプレ」2014年4月2014年4月
  • ランチコース(2,160円)の前菜「プラチナポークのトリップ カーン風」2014年4月2014年4月

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4位

ウェスティンホテル東京 (恵比寿、目黒、白金台 / ホテル)

1回

  • 夜の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2014/03訪問 2014/04/08

計算され尽くした美しき婚礼料理

友人の結婚披露宴に招待されての利用です。着席のコース料理です。当然ながら、飲食の総額等不明なので通常利用外としてのレビューです。

いただいたのは、
■スモークサーモンとカニの花束 ~シャンパンのクレモンティーヌ風ソース~
婚礼用コース仕様の前菜で、カニの身の花束をスモークサーモンで包み、エディブルフラワーとハーブで飾られた、美しい冷菜です。
新婦のブーケをイメージして作られているのでしょう。
クレモンティーヌとは、フランスのみかんですが「風」がついているので、柑橘系のソースということでしょう。サーモンにレモンを合わせるならありきたりなので、シャンパンの酸味と柑橘の香りを利用し、ホテルらしい品質の上品な味に仕上げたものでした。

■鴨の赤ワイン煮込みと茸のパイ包み焼き ハーブサラダ添え
パイがハート型になっており、こちらも婚礼用の仕様です。
パイに包まれた鴨肉は、ナイフがいらないほど柔らかく煮込まれており、繊維にそって簡単に崩れるやわらかさです。
味もよくしみており、ソースも丁寧に作られているようで、素材が鴨とは思えない伝統的フランス料理を感じさせてくれる重厚な味わいです。
鴨肉の味わいに喜んでいて、茸を感じることができませんでした。

■モリーユ茸のコンソメ
コンソメというと、固形のスープのもとをイメージしてしまいますが、本来は肉・野菜・魚とたくさんの食材を使い、時間をかけて丁寧に味を抽出しアクを取り除いて作るスープです。ゆえにコンソメとはフランス語で『完成された』の意味です。
この完成されたスープにフランス名産の希少価値の高いきのこのモリーユ茸を具に入れたスープです。ヨーロッパのきのこといえば、トリュフやポルチーニが有名ですが、香りの高いトリュフに対して、モリーユやポルチーニは旨みで楽しませてくれるきのこです。
また、和名がアミガサダケというだけあり、独特の形状があり、ゆえに食感も良いです。
もっと、いっぱい食べたいと思わせる隠れた名品なスープでした。

■真鯛とホタテ貝のムース ~チャイブと白ワインのソース~
慶事といえば、日本人にとっては鯛は欠かせない食材です。赤く華やかな見た目であり、しっかりとした鱗に包まれた姿は、鎧武者を彷彿させ武士にとっては特別な食材であり、食べてみれば上品な白身のおいしさがあり、日本人には特別な魚であることは間違いありません。
しかしながら、披露宴の料理となると真鯛のポワレではありきたりですし、列席者の年齢や食に対する嗜好などのパーソナリティを考えると、食べやすい料理が求められます。
この料理は、鯛とホタテを合わせてムース仕立てにすることにより、味は良くかつ食べやすいものに仕上がっています。また、ムースになったことにより、盛り付けにも自由度が生まれ、添えもののアスパラの盛り付けが華やかさをプラスしています。
味は、ムースからの魚介の上品な旨みと王道的なチャイブバターに白ワインをプラスしたソースの相性は良く、誰にでも好まれる味わいです。

■牛フィレ肉とフォアグラのステーキ トリュフソース
これぞ、フランス料理の肉メインの王道の『トゥルヌド・ロッシーニ』です。
牛フィレ肉のステーキにフォアグラのソテーをのせて、トリュフのソースで仕上げたものです。近年はフォアグラの流通量が増えたので、ファミレスでも類似の料理を出すようになりましたが、トリュフが香るソースでこそ本物です。さすがにファミレスではこうはいきません。
大量に調理するからか、フォアグラが若干ですがソテーの際に脂が抜けすぎている感もありますが、食べ慣れない人にしてみると脂がくどくて重い印象になってしまうので、婚礼料理として万人向けを目指している配慮かもしれません。
添え物のアリゴも、個人的には、もっとバターや生クリームが効いた、伝統的フランス料理らしい頑迷な感じが好きなのですが、ソフトな印象でした。

■ピスタチオクリーム入りのチョコレートドーム ~ラズベリーとバニラ風味のカスタードソース~
半球型のかわいらしいチョコレートドームの中にクリームが入ったデザートです。ラズベリーが添えられており、酸味がアクセントになります。

●モエ・エ・シャンドン ブリュットアンペリアル
いただいた飲み物は主にシャンパンです。一流ホテルなので、ちゃんとフルートグラスで提供していただけます。
フランス料理に合わせるお酒は、やはり、シャンパーニュですね。久しぶりにいただきました。普段は、スペイン産のカヴァやさらにグレードを落としてメキシコ産のスパークリング(これはこれでボリューム感があっておいしいのです)などを飲んでいるので、久しぶりのシャンパーニュは、シャープで香り高く心地よいです。
ブリュットは、辛口の意味。アンペリアルは皇帝です。フランス皇帝と言えばナポレオンのことで、ナポレオンが遠征の際にモエのシャンパンを持っていったことに由来し、ナポレオン生誕100年の記念で作られるようになったものです。
また、このシャンパーニュは、ベルリン国際映画祭、ベネチア国際映画祭など世界各国の映画祭のオフィシャルシャンパンだったりもします。


高級ホテルの婚礼料理らしいコースでした。
いろんな方が同時に同じ料理を食べるということで、万人向けでなければならず、しかし、美味しさや感動がなくてはなりません。
また、フランス料理がはじめての人でも食べなれている人にも美味しいと感じさせるコースづくりは難しいことかと思います。
そういう中で、豪華食材で押さず、奇抜な創作料理に走らず、伝統的なフランス料理を意識しつつも、現代的で食べやすいコースになっていると感じました。

特にコースとしてのバランスが意識されており、後半のメインの料理のソースのバター・食材の脂分を減らす配慮は、最後まで美味しくいただけるように作られているのかと思います。
1品だけであれば、もっと美味しい料理ができるのでしょうが、最後まで美味しく食べられてこそのコースですから、腕自慢になることがなく、食べる側の視点で準備されているすばらしい料理かと思いました。


---2014年3月利用---
立食パーティーでの利用です。職場から近いのもあって、ウェスティンが最もよく利用するホテルですね。
着席の宴席に比べると、料理のグレードは落ちますが、他のホテルに比べて品数が多いのがいいかと思います。
メニューは、ホテル側が提示した定番ものがありますが、数品は選択して選ぶこともできます。一流ホテルなので、「これが食べたい」なんてわがままも聞いてくれます。


品数が多くて、写真も撮りきれず、すべてを味見したわけではないので、いただいたもののうち特徴的なものを抜粋して、評価すると、
■鴨胸肉のスモーク ドライフルーツのコンポート添え
肉の旨みに果物を合わせるのは、日本人にはなかなかイメージしづらいのですが、欧米では定番ですね。こういう料理が普通に出てくるところが嬉しいです。脂身の旨みと赤身の旨みそれにドライフルーツのコンポートによる甘みや酸味のバランスがいいですね。

■白身魚のスモーク きゅうりとディルのサラダ添え
立食の宴席向けの料理です。刺身を提供して時間が経過すると衛生的にも見栄えも悪いです。軽くスモークされた白身魚は保存性に優れ、2時間程度の宴席で劣化することなくいただけます。
上品な白身魚の軽いスモークは、味も凝縮して美味しく、見た目もとても華やかで秀逸な料理です。

■ローストポークと野菜のマリネ マスタードドレッシング
欧米の定番的な宴会料理です。味付けも定番のマスタードドレッシング。野菜のマリネが添えられて、お肉がちょっと重く感じたときの箸休めになります。

■海老と帆立貝のカクテル ハーブドレッシング
さすがホテルの料理と言わんばかりにひとつひとつのサイズが大きいですね。サワークリーム系の味付けですが、海老や帆立の素材の味を活かすマイルドな味付けです。

■ポークのカツレツ レモンバターソース
若者男子向けのボリューム感のある料理もありました。写真の盛り加減が少ないのは、食べられてしまったのではなく、随時補充するように少なめに盛られているようです。単なるカツレツではなくて、レモンバターソースとちょっと凝ってるところがホテルクオリティ。

■ペンネ アラビアータ
スプーンで盛れるペンネは立食向きの定番。コンラッドのペンネはパンチェッタの旨味とスパイシーさが特徴でしたが、ウェスティンのペンネは、ナスも入り、チーズも加わり、マイルド仕様です。定番料理は、ホテルごとの違いがわかって実に興味深いです。

■サーモンと白身魚 茸のソテーとトマトソース添え
魚のメインは、万人向けのスタンダードな味わいです。1つの料理で2種の魚が使われていて手が込んでいますね。ブラウンマッシュルームが魚の旨みを吸っていて、隠れた名品です。

■炒飯
意外なメニューですが、ウェスティンの中華『龍天門』は広東料理の名店なので、立食でも希望すれば中華料理メニューが出てきます。チャーシューも海老もたっぷりの五目チャーハンです。出来はいいですが、さすがに出来立てを食べられるわけで、チャーハンにこだわるなら、レストランで食べないといけませんね。

デザート類も種類が多く、女性には喜ばれそうです。和洋中何でもありですが、それぞれが高級ホテルのクオリティなので、楽しめますね。お酒もワインが良かったようで好評でした。

  • スモークサーモンとカニの花束 ~シャンパンのクレモンティーヌ風ソース~ 2013年11月
  • モエ・エ・シャンドン ブリュットアンペリアル 2013年11月
  • 鴨の赤ワイン煮込みと茸のパイ包み焼き ~ハーブサラダ添え~ 2013年11月

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5位

四川食府 (京急川崎、川崎新町、川崎 / 四川料理、中華料理、担々麺)

15回

  • 夜の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 昼の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥1,000~¥1,999 ¥1,000~¥1,999

2023/02訪問 2023/03/01

麻辣だが、味がそれだけでないのが四川料理

川崎区新川通にある中華料理店です。

川崎市立川崎病院の近くにあります。

奥に細長い造なので、外観からのイメージよりも座席数がありますね。
また、座敷もあるので宴会にも適したお店です。

外見はごく普通の大陸系中華料理店ですが、実力派で、かつ、安いのが魅力のお店です。
四川料理をメインに扱いますが、窯焼きの北京ダックも名物のお店です。

物価高に伴い、価格改定と同時にメニュー改定を行ったようで、新たな四川料理が登場していました。

いただいたのは、
■高菜と白身魚煮込(1,880円)
四川料理の定番である「酸菜魚」というメニューです。
四川料理というと麻婆豆腐や担々麺あたりの知名度が高く、中華料理として一般化している回鍋肉や青椒肉絲なども四川料理です。
また、20年ほど前に本格的な中華料理店が増えた頃から定番化しているのは水煮牛肉という、唐辛子と花椒で牛肉を辛めの味付けで煮込んだものがあります。
近年は、「ガチ中華」という言葉が流行り、現代の中華料理が日本に流入しつつあります。
そんな中で、酸菜魚は埋もれてる定番四川料理です。
四川料理としては古典的で定番であるものの、他の料理ではあまり使わない魚であり、また、日本では肉料理を頼むお客さんが多いので、どうしてもメニューから外されやすいようです。
加えて、日本における知名度の低さもあるのでしょう。
中国における火鍋ブームに乗って、中国全土に広がり、日本におけるガチ中華ブームで日本でも食べられるようになりました。
酸菜と呼ばれるのは、葉物野菜の漬物です。発酵しているので元の野菜はわかりませんが、緑色のもので、青梗菜か高菜のような感じです。発酵により適度な酸味を持っています。
この酸味のある酸菜を白身魚の切り身と共に煮ているのですが、輪切りの唐辛子と少量の花椒を加えて、四川料理らしい麻辣の味にしています。
加えて、生姜も効かせてあるので、一般的な四川料理の味わいの『麻辣』をベースにしつつも、酸味と生姜の風味もある、複雑な味わいに仕上がっています。
四川料理は「百菜百味」と言われます。これは「四川料理には百の料理があり、それぞれ異なる味わいがある」という意味です。まさにそれを感じさせてくれる味ですね。
スープ状なので、ご飯と共に食べてもいいですし、お酒の肴にもなる優れた料理ですね。加えて、油っこくないので、ヘルシーで量が食べられるのも魅力です。


他にも新たに加わったメニューは、要予約の揚げ魚の特製煮込み(3,980円)はガチ中華の主力メニューの『烤魚』ですね。他にも、汁無し鍋の麻辣香鍋(干鍋)のメニューも充実しました。
定番中華は抑えつつも、四川料理メニューが増え、ガチ中華が楽しめるお店になったようです。
町の大陸系中華料理店ですが、ガチ中華を楽しみたい人におすすめのお店です。
川崎区新川通にある中華料理店です。川崎市立川崎病院の近くにあります。

外見はごく普通の大陸系中華料理店ですが、実力派で、かつ、安いのが魅力のお店です。

四川料理をメインに扱いますが、窯焼きの北京ダックも名物のお店です。

いただいたのは、
■自家製北京ダック(3,880円)
訪問してからの注文でも仕込んだ在庫があると提供してくれますが、時間がかかるのと無い場合があるので、予約しての注文をお勧めします。
いい色に焼かれたダックをテーブルサイドでカットしてくれるのはまるで高級店のようですが、ここは川崎ですし、価格も川崎の価格です。
1羽まるまるを存分に食べれば、尾に近いところの脂の多いジューシーさと、皮のパリッとしたところの違いを味わえます。
また、味付けも定番の甜麵醬だけでなく、四川料理風の辛いタレも用意してくれるので、辛党の人にもいいですね。
更にこの価格で、残った骨でスープも作ってくれます。こちらも美味しいです。

■ダック肉の唐辛子炒め(+500円)
辛子鶏の鴨版なので、中国語では『辛子鴨』ですね。
北京ダックを注文した際に追加でお願いすると炒めにしてもらえます。
唐辛子と花椒がピリリと効いた味わいで、こちらもお酒にぴったりの味わいでしょう。

■牛の内臓の四川風ソース和え(880円)
中国語では『夫妻肺片』という四川料理のポピュラーな前菜です。
胃袋のハチノスやすね肉などを使っており、ピリ辛なソースを絡め、ゴマと香菜(パクチー)を散らしてあります。
提供される器が変わってゴージャスな印象になりました。

■五目チャーハン(780円)
大陸系中華の調理なので、ちょっと油の量が多めですが、なかなかのパラパラ度でありながら、日本人好みのご飯の食感を少し残した美味しいチャーハンです。

■鉄板餃子(480円)
今の流行りと逆行した、肉汁弾ける大きな餃子で食べ応えがありますね。
ボリューム満点です。

■サンラースープ(480円)
『酸辣湯』です。
ちょうどいい辛さと酸味で、これでもお酒が飲めるぐらいの仕上がりです。

●瓶ビール(480円)
普通のアサヒスーパードライの中瓶ですが、オリンピック仕様のラベルになりましたね。


街の中華料理店として、十分な実力があり、メニューの幅も広く、北京ダックという目玉料理もあり、料理もお酒も総じて安いという非常に使い勝手の良いお店です。
他では食べられない特別な料理はありませんが、安く、美味しく、楽しく中華料理を食べるならここですね。
川崎区新川通の中華料理店です。川崎市立川崎病院の近くですね。

外見はごく普通の中華料理店ですが、実力派で、かつ、安いのが魅力のお店です。

最近、私は、インド・ネパールのカレーを食べています。ネパールの定食たる『ダルバート』や南インドの『ミールス』でご飯を食べるのが美味しいですね。
カレーという料理の概念とは一体何なのかと考えてしまします。一般的には、「香辛料を多用したご飯等の主食との相性のいい煮込み料理」という感じでしょう。インド・ネパールあたりの「カリー」はまさにそのものですが、タイのグリーンカレーは、タイ人にとってインドのカリーと同じ系統の料理として区分されることをどう考えるのかに興味がありますね。
そして、多彩な料理がある中華料理にもご飯にピッタリのカレーに似た料理があります。麻婆豆腐あたりが一般的にカレーに近い印象があります。しかし、私が考えるキングオブカレーに近い中華料理、それは四川料理の『水煮牛肉』です。
インド・ネパールのカレーを食べていて、この水煮牛肉が食べたくなり、訪問です。

いただいたのは、
■牛肉の四川風煮込み(1,800円)
これが『水煮牛肉』です。もしくは、『水煮肉片』ともいいます。四川料理の定番ですが、日本語訳が定まっていないので、『牛肉と唐辛子四川香味煮込み』とか、『四川風激辛煮込み』などの表現がされますね。
この料理、唐辛子と花椒が入っていて、香菜(パクチー)も盛られていて、とてもスパイシー。真っ赤ですが、見た目ほどの辛さではありません。
上面には油が浮いていますが、ここに四川料理たる味わいがあります。唐辛子・花椒・ニンニク・生姜などの香辛料が油の中で加熱されることで、油に香りと香辛料の風味が移り、その油が料理全体に混ざることで味わいを全体に広げてくれていますね。
油の層の下にある水分は、中華スープがベースになっているので旨みもしっかりとしていますね。
具は、牛肉で片栗粉をまぶした上て加熱してあり、タレが絡みます。また、肉の下には豆もやしと白菜がたっぷりと入っていて、「牛肉」の文字がありますが、意外に野菜が多い料理でもあります。
スープというか、タレというか、カレーでいうところのルーにあたる部分は、旨みがあるところに香辛料がたっぷりで、これを残すのはもったいないです。
ライスを注文して、ご飯にかけていただくのが王道でしょう。こうやって食べると、まさにカレーです。
実際、中国人は、この料理は1皿の量が多いのもあって、複数人で1皿をシェアし、ご飯にかけて食べています。
唐辛子・ニンニク・生姜あたりは、インドやネパールのカレーで使うスパイスですし、クローブやカルダモンは入りませんが、その分、花椒が加わります。水煮牛肉は、単体ではご飯はつかないメニューですが、ご飯と一緒に食べれば、これは明らかにカレーでしょう。
ぜひとも、カレー好きには、インド・ネパールだけでなく、この「中華料理のカレー」を食べていただきたいですね。


こちらのお店は、外観も店内も一般的な『街の中華料理屋さん』ですが、このようにレベルの高い本格的な四川料理が楽しめるお店です。おすすめのお店です。
川崎区新川通の中華料理店です。川崎市立川崎病院の近くですね。

外見はごく普通の中華料理店ですが、実力派で、かつ、安いのが魅力のお店です。

クリスマスの定番料理といえば、ローストチキンですね。アメリカでは七面鳥の丸焼きを食べるのが定番で、それを日本で真似る際に七面鳥より美味しく、調達しやすい鶏肉になったのでしょう。
キリスト教徒でもありませんし、アメリカ文化を正しく継承する者でもないので、イベントごととして楽しむためには家禽の丸焼きならOKということで、北京ダックをいただきます。

いただいたのは、
■自家製北京ダック(3,880円)
1羽まるまるを提供してくれてこの価格なので非常にお得です。
都内にはこれより安い価格のお店もありますが、価格相応に質も下がるので、こちらのお店が日本一コストパフォーマンスの高い北京ダックのお店だと私は思っています。
「ダック」とは何の鳥という疑問が生まれますが、鴨でありアヒルでもあります。野生にいるのが鴨、それを品種改良して家禽化したものがアヒルです。そのため、漢字では「家鴨」と書きますね。
そのため、基本的には同じものです。
日本人は「鴨」と書かれたほうが高級に感じるので多くの飲食店では「鴨」と書いていますが、そのほとんどが外国で肥育したアヒルですね。
東欧やブラジルでも生産されていますが、カナダ産が安定的に美味しいですね。こちらのお店もカナダ産とのことです。
手間がかかるので予約したほうが望ましい料理ですが、テーブルサイドでカットしてくれて、それをいただけるので大変お得な料理でしょう。
店主がダックに包丁を入れると、美味しい肉汁と脂が出てきます。
皮の下には脂肪の層があり、その下の肉も付いた状態でカットしてくれます。これを蒸した餃子の皮のようなもので包んで食べるのですが、ダックよりも皮の枚数のほうが少ないので、贅沢にダックを2切れぐらい包んでいただきます。
味付けは、定番の甜麵醬ベースのものと、お店の個性の出たちょっと辛いものの2種類があります。最初は定番の甜麵醬でいただきたいですね。お酒を飲むなら辛いものも美味しいです。
包む皮が無くなったら、きゅうりやネギと共にタレをかけておつまみとしていただきます。
皮のパリパリ感、脂肪のジューシーさ、肉の旨み、それに甜麵醬の甘さが加わり、まさに高級中華料理の味ですね。
更にこの価格で、ダックの骨を使ったスープも付きます。
豆苗と白菜も入っているスープで、骨まわりの肉も付いていますので、ちょっと行儀悪いですが、手で持ってかじりつけばお肉も楽しめます。もともとのスープの出汁がしっかりしているところにダックの旨みも加わって、美味しいスープに仕上がっています。

■ダック肉の炒め(+500円)
北京ダックを注文し、追加料金を払うと更に調理してくれるメニューです。
四川料理の定番の辣子鶏という鶏肉と唐辛子の炒めをダック肉で作ったものなので、『辣子鴨』ですね。
唐辛子と花椒の香りと辛さで味付けされた肉は、スパイシーでお酒にぴったりです。


まるまる1羽をいただけて、この価格なのは文句なしにお得ですね。
1羽を食べる適正人数ですが、最低3人、理想は4人、最大6人といったところでしょう。
量を食べられる人で、炒めを持ち帰りにすれば2人でも可能かと思います。
また、まるまる1羽の北京ダックが登場すれば、宴会が盛り上がることも間違いなしですね。

皆さんもクリスマスに北京ダックはいかがでしょうか?
川崎区新川通にある中華料理店です。

川崎の秋のイベントといえば、『かわさき市民祭り』ですね。「祭り」と言っても神社の「祭典」ではなく、地元川崎の商店や企業が出店し、地元のサークルが踊りなどを披露する何でもありのイベントです。手軽に食べられる屋台料理も出ますが、それだけでは物足りないですし、座ってゆっくりと飲食したいものですね。多くの方がメイン会場の競輪場からまっすぐに川崎駅を目指すので、その線上にあるお店は混雑しますが、ここは少し横移動しているのであまり混雑していません。おすすめの休憩スポットです。同じように富士通スタジアムでイベントがあった際も食事スポットとしてこちらはおすすめですね。

いただいたのは、
■四川風味ダック(880円)
中国語名は『樟茶鴨』といいます。樟はクスノキのこと。クスノキのチップで燻すためこの文字が付いています。茶はお茶です。お茶で下味をつけるという調理法とお茶の葉も燻製にする際に使うという説とがありますが、どちらが正しいのかは今となってはわかりません。
というのも、この料理は、四川料理の中でも古くからある料理です。唐辛子や花椒、クミンなどの香辛料を使っていないのは、そういうものが伝わる前からある料理だからです。そういう点からもこの料理の古さがわかるでしょう。
この料理を有名にしたのは西太后です。清王朝を傾けたともいわれる西太后が好んだ料理として有名で、また、この料理が一般に普及したのは清王朝が崩壊したからです。王朝の崩壊に伴い宮廷料理人が故郷の四川省に帰り、お店を開いてこれがヒット商品となったからです。
なかなか珍しい料理で、日本ではホテルの中華料理店や中華街でないと食べられない料理でしたが、近年は腕のある料理人が日本で開業しているのでここのように食べられるお店が増えました。またそれに伴い、模倣して作るお店も増えて、日本の街の中華料理店でも食べられるようになりましたね。
しかしながら、名前については上手に訳すことができずにいろんな名前がついています。『四川風ダック』『鴨の四川風燻製』『四川風スモークダック』などと呼ばれます。中には、四川料理店でないので、「四川」の字を使いたくなくて、『台湾風ダック』や『紅茶ダック』などと大胆な意訳をするお店もありますね。
こちらのものは、程よい脂の鴨をスモークして作っています。燻製の加減もちょうどよく、単に焼いたものよりもやや硬いぐらいで味が凝縮しています。燻製による香りが豊かですね。
食べた人にしかわからない味ですが、皆さんが知っている料理で一番近いのは、ディズニーランドで売っているスモークターキーでしょう。
お酒にぴったりの味わいです。北京ダックは1羽を食べるには4人ぐらい必要ですが、こちらなら1皿を1人でも食べられます。

■チャーシューとネギ和え(280円)
リーズナブルな小皿シリーズの料理です。その中でも一番安い価格帯のものです。
たっぷりのネギとお店自慢のチャーシューをちょっと辛いタレで和えているものです。野菜の価格が上がっているご時世にネギがたっぷりで驚きですね。

■担々麺と半チャーハンセット(880円)
この日のランチメニューです。
担々麺は、赤い汁に緑のネギと青菜の色合いが美しいですね。
辛そうに見えますが、日本人向けに調整されていて、さほど辛くありません。出汁がしっかりしているので、旨みの中に辛さも加わる感じの美味しい担々麺です。
半チャーハンは、高菜チャーハンでした。高菜・玉子・ネギが具のチャーハンで、ややしっとりとした仕上がりです。
他に中華風の冷奴とザーサイが付きます。


リーズナブルだけど本格派で使い勝手のいいお店ですね。外観はごく普通の中華料理店ですが、メニューの充実度と安さと美味しさのバランスは素晴らしいと思います。
川崎区新川通にある中華料理店です。

お店の名物は、北京ダックで、丸々1羽をお客さんの目の前で捌いてくれます。高級感がありますが、3,880円というリーズナブルな価格で楽しめるのでありがたいですね。
北京ダック以外では、点心よりも炒め物が安くてレベルが高い印象です。
そのため、ランチの定食もお得ですが、夜にも3種類程度の夜定食を用意してくれているのでひとりで食事だけの利用にもおすすめです。

いただいたのは、
■ナスの四川風炒め(880円)
中国語では『魚香茄子』と言います。麻婆茄子とは違います。中華料理通を気取るなら覚えておいたほうがいいでしょう。
「魚香」とは調味料の名です。諸説ありますが魚を食べるのに適した味わいの調味料ということでこの名前が付いたようです。四川発祥なので魚とは川魚でしょうね。塩味・甘さ・酸味・辛さの4つの味のバランスを取ったものです。そのため、麻婆茄子のような辛さではなく、旨みの中に辛さがあるものです。「魚香」は、万能なので『魚香肉絲』という豚肉の細切り炒めをこの味付けにしたものもあります。
麻婆茄子とは違う、複雑な味わいは、刺激よりも深さを求める大人向けの味わいですね。

■イカの辛口炒め(880円)
こちらの中国語名は『香辣炒魷魚』とのこと。高級中華料理店風に訳せば、『イカのスパイシー炒め』でしょうか?辛さを表現する中国語はいくつかあります。一番有名なのは『麻辣』で、これは麻婆豆腐でおなじみの花椒由来の痺れる味を含む辛さです。『酸辣』は酸味のある辛さで酸辣湯で有名ですね。その次に覚えていただきたいのが『香辣』です。「シャンラー」と読みます。漢字というものは非常によくできていて、この味わいは、この字そのものです。「香りたつ辛さ」ですね。刺激だけでなく、唐辛子由来の風味もよく感じる味わいのことです。
こちらの料理の味わいは、お店の四川料理の中でもストレートに唐辛子の辛さを感じる味わいですね。四川料理は日本人がイメージする以上に辛さの中に味をプラスして複雑な味わいに仕上げています。こちらの料理は、唐辛子の香りと辛さを感じられるものです。
イカと一緒にキュウリが入りますが、火が通り過ぎず、いい食感をしています。

■芝エビ、イカと玉子のチリソース定食(850円)
夜定食です。海老チリをイカと玉子でボリュームアップしたものです。海老の比率が下がっていますが、夜で定食スタイルでこの価格ですから、お得ですね。
ランチタイムは、自家製杏仁豆腐が食べ放題でライスもおかわり自由ですが、夜はそういうサービスはありません。しかし、メインはちゃんとした味わいでご飯がすすむ旨みのある味付けです。また、量は少なくても海老のサイズは大きく満足いくものですね。


ランチタイムのお得感もおすすめですが、お店の真価を味わうなら夜に単品メニューを食べると実力がわかるでしょう。何を食べてもお得なお店です。
川崎区新川通にある中華料理店です。

この界隈には中華料理店が多く激戦区ですが、その中でも群を抜いて腕がいいのがこちらのお店です。近隣のお店も含め、料理人が1人でやっていることが多いので、その人の腕前によって味が大きく変わります。こちらのお店は四川料理をメインにやっているのでお酒を飲むなら、こちらの辛い料理がおすすめです。もちろん、日本人好みの定番中華もありますね。

いただいたのは、
■冷やし担々麺(850円)
四川料理のお店ということで、夏の麺料理も担々麺です。日本人向けに冷たい麺料理を扱っており、冷やし中華と冷やし担々麺の2種類があります。
見た目からもわかるように辛さはそんなに強くなく、ゴマの風味と濃厚さをたっぷりと感じられる味に仕上げてあります。中央に盛られた肉みそも辛さは無く、色は黒いですが甘いわけでもなく、自然な肉の味わいですね。
ガラスの器にたっぷりと注がれたゴマのソースが味の決め手で、飲めるぐらいの塩分濃度に仕上げてくれていて、スプーンも添えてあります。冷製スープのごとく、飲んでしまうのがおすすめの食べ方ですね。

■チャーシュー麺と半チャーハンセット(880円)
日式中華料理店ならド定番のセットメニューですが、こちらのお店では比較敵珍しいメニューです。
チャーシューは、単品料理では、赤麹を使ったものが出ますが、これはランチメニューなので、赤麹は使わない一般的な焼き豚の仕上がりのものですが、これはこれで豚肉の自然な味が味わえて美味しいですね。
また、スープですが醤油ベースですが、日式のような穏やかな味ではなく、出汁もしっかり、醤油も中国のたまり醤油を使っていますね。色合いは濃いですが、塩分濃度はそんなに高くなく、でも、力強いですね。
昼飲みのシメにぴったりです。

■手作りワンタンスープ5個入り(200円)
こちらのランチタイムのみ、追加注文専用の料理なのでメインを頼まないと注文できないものです。
スープの出汁がしっかりしているので、スープ料理としての完成度が高いですね。また、安さも魅力です。
ランチメニューの定食は、ご飯のおかわりができるので、定食にこのワンタンをプラスすることで、メインの炒め物だけでなく、ワンタンでもご飯がいただけ、相当の量のライスが食べられますね。大食漢におすすめのメニューです。


近隣にはもっと安い中華料理店もありますが、味・ボリュームを勘案したコストパフォーマンスでいえば、こちらに勝るお店はそうそう無いでしょう。
ランチの食事にも昼飲みにもおすすめですし、食欲の無い日に冷やし麺を食べてもいいですね。
川崎区新川通の中華料理店です。川崎市立川崎病院の近くですね。

外見は、ごく普通の中華料理店ですが、実力派で、かつ、安いので頻繫に利用しています。
安すぎてお店の経営が心配でしたが、ついに値上げです!2017年6月の酒税法改正に伴いドリンクメニューは価格がアップしました。しかし、良心的な価格改定で、お酒のメニューはアップしたものの料理はそのままです。

いただいたのは、
■晩酌セット(690円)
ドリンク1杯と小皿料理で以前は600円だったので90円アップです。
小皿は、ハチノスの煮つけを注文しました。イタリア料理のもつ煮込みのトリッパと同じですが、こちらは醤油煮です。
醤油煮でも、最初に臭みを抜くために下茹でを丁寧にしてから、味付けをしているようで、しっかりと醤油味がつくのではなく
、あっさりしています。この味付けは広東ではなく四川の特徴なのかもしれませんね。臭みは抜けていて、柔らかく仕上がっていて食べやすいです。

■四川風イカの鉄鍋炒め(880円)
汁無し鍋の麻辣香鍋の具がイカバージョンのものです。他に牛肉バージョンがあります。
細かく包丁が入れられて食感が良く仕上がったイカをメインにニンニクの芽や玉ねぎやナスなどの野菜を炒めたもので、特徴としては、唐辛子の辛さと花椒の香りを油に移して全体に絡めているところですね。「汁無し」というのは、水気は無いですが、鍋の下には油がありますから、これを絡めていただくと四川な味わいが広がります。

■エビのチリソースチャーハン(980円)
正当派の四川料理が多い中で、こちらは、日本人向けのアレンジメニューです。
玉子とネギのシンプルなチャーハンにエビチリがかかったもので、日本人なら誰でも大好きで贅沢に感じられるチャーハンでしょう。辛さはほかの本格四川料理と異なり軽く仕上げてあるので、辛さがあまり得意でない人も楽しめる味わいかと思います。

お酒の価格が上がっても料理の美味しさは変わらずです。お酒を飲まない人やランチでの利用の人には問題ないですね。
お酒も、瓶ビールが中瓶で480円、紹興酒もボトルで1,200円なので、低価格であることには変わりがありません。
やっぱり、川崎でおすすめの中華料理店ですね。
川崎区新川通の中華料理店です。川崎市立川崎病院の近くですね。

外見は、ごく普通の中華料理店ですが、クラシカルな味わいの四川料理と北京ダックがいただける名店です。しかも、価格はごく普通の中華料理店の価格です。
気付けば、5月も終わると今年は北京ダックを1羽も食べていないことに気づき、いただきに来ました。

いただいたのは、
■北京ダック(3,880円)
北京ダックは、調理に時間がかかるので前日までに予約をしたほうが望ましいです。当日でも下ごしらえしてあって、かつ、仕上げの調理ができる余裕があれば提供してくれますが、必ず食べたいなら予約をしましょう。
この日は訪問前に確認の電話を入れました。ちょっと時間がかかるけどOKとのこと。
お店で焼き上がりを待つ30分間は、1皿280円のリーズナブルな前菜を2品注文してしのぎました。すると、ご主人がダックと共に登場です。
こちらのお店の魅力は、お客さんの前でカットしてくれることです。
本場では当たり前のことですが、日本では高級店でないとこういうサービスは無いですね。
ちなみに食べ放題店や一部の安い中華料理店では、真空パックになった調理済みのダックを輸入し、表面に油をかけてパリッとさせて提供しています。優良店とそうでないお店を見分けるコツとしては、ダックの肉や骨を調理してくれるかどうかですね。四川食府では、北京ダックの値段に込みで骨をスープにしてくれます。また、プラス500円で『鴨肉の唐辛子妙め(殊子鴨)』にしてくれ手す。
と、北京ダックの説明をしているうちにカットが終わります。カットされたダックとダックをまく皮、それに薬味のネギやキュウリ、タレ2種がテーブルに並びます。
タレは、黒色が濃いものは甜麺醤をベースとしたスタンダードなもの。茶色がかったものは四川風のちょっと辛さがあるものです。
基本はやはり甜麺醤のものでいただくのがいいでしょう。お酒を飲む人には辛いものもおすすめです。また、両方をブレンドして好みの味を作るのも楽しいですね。
まく皮に対して、ダックのほうがはるかに多いので、賛沢に2枚載せでいただきます。ダックは皮はパリパリ、その下に脂の層があり、ここはジューシー、そして、その下には肉がついているので肉の旨みも味わえます。この3種の美味しさを包んでいただくのが醍醐味でですね。
スープは、こちらのお店の基本のスープのレベルが高いので、それにダックの骨のダシが加わり、非常に美味しいスープになります。具は白菜とダックの骨周りの肉です。このお肉をもったいないからと食べていると蟹を食べているときのように無言になっちやいますね。

■鴨肉の唐辛子妙め(北京ダックにプラス500円)
唐辛子と共に妙められていますが、基本的には唐辛子は食べません。炒める際に油を介して、素材に香辛料の風味は移して味付けしています。たまに激辛好きの人はかじりますが、そこはお好みで。
肉の旨みと共に味わうのは、花椒の刺激です。花椒がホールで入っているので、これを食べるとなかなかの刺激ですね。しばらくの間は舌がしびれます。これもお酒がすすみますね。


四川食府の真骨頂『北京ダック』をコースでいただいて、大満足でした。1羽いただいて、炒めのオプションを付けても4,380円です。頑張れば2人でも食べられますし、6人ぐらいまでなら1羽でOKです。ちょうどいいのは4人ですね。4人で食べたら1人当たり1,095円。他に前菜をいくつか頼み、シメの食事を頼めば、立派な北京ダックコースが低価格でいただけます。こんな豪華な料理が提供できる街の中華料理店はほかには無いですね。
川崎区新川通の中華料理店です。川崎市立川崎病院の近くですね。

外見は、ごく普通の中華料理店ですが、実力派の中華料理店で気に入っています。

前日にお酒を多く飲んでしまったので、この日は、汁ものを体が欲していたので、スープや麺料理が主体のチョイスでいただきました。

いただいたのは、
■蒸し鶏肉のネギソースかけ(280円)
バンバンジーと同じ、蒸し鶏を使っていて、味付けのソースが異なるものです。
醤油ベースのタレに胡椒などの香辛料が入ったタレを使っています。それに白髪ネギが盛られています。
辛くなく、スッキリとした味わいですね。

■エビ餃子(3個)(280円)
安さが魅力の点心です。あまり差が出にくい料理なので、安いというのは大きな魅力があります。

■焼売(4個)(400円)
4個で400円なので、1個あたり100円という、こちらも安さが魅力です。
お肉の焼売ですが、ジューシーではなく、野菜もバランスよく混ぜた優しい味です。もうちょっと肉っぽさがあっても嬉しいですが、女性でも食べやすい仕上がりになっていると思います。

■五目タンメン(780円)
四川食府の海鮮炒めの類は、多くが素材の味を感じられる塩炒めになっています。一番豪華なのは、三種の海鮮と季節の野菜炒め(980円)で、これは魚介類と野菜の塩炒めです。これと同じぐらいの量の魚介が入るのですが価格は同じなのが海鮮おこげ(980円)です。おこげの分だけ手間もかかりますが、その分、材料の量を少しだけ減らしてあるだけでこれもお得。
五目おこげ(880円)は魚介が減った分、豚肉が入り、100円安くなっているメニューです。ここまではみんな塩炒めなのですが、注文した五目タンメンは、醤油ベースのあんになっています。具は、五目おこげと同様に魚介も豚肉も入っていて、具だくさんです。なので、こういう魚介と野菜のあんが入ったメニューの中で、最もお得な料理です。
また、スープの味が非常にしっかりしているので、ベースにある味わいがしっかりしています。その上に上質な五目あんがかかることで美味しい麺に仕上がっていますね。
ラーメン専門店ではないので、麺は一般的な中華麺ですが、具とスープを楽しみたい人には自信を持って勧められる五目タンメンでしょう。


どのメニューも非常に美味しいですが、ものによっては更にお得(一般的なお店よりも割安で提供されている)なものもあります。四川料理のお店なので、お酒がすすむ四川料理に注目してしまいますが、魚介類が入った炒め物もおすすめですね。
川崎区新川通にある中華料理店です。

外見こそ、街の普通の大陸系中華料理店ですが、味は本場の味でハイレベルです。ということで、ゴールデンウィークもすることがなければ、『四川食府』で昼酒です。
横浜中華街に行ったら大混雑ですが、ここなら混まずに安く本場のレベルの高い料理が味わえます。定番料理もいいですが、珍しい料理をいただくと、新たな発見があり、楽しめます。

いただいたのは、
■牛の内臓の四川風ソース和え(880円)
中国名は『夫妻肺片』といいます。四川料理の定番料理です。仲良しの夫婦が捨てられる肉(=モツ)を使って作った料理が評判となったといういわれがあるものです。そのため、昔は『夫妻廃片』という字だったそうですが、「廃」はゴミの意味があるので、料理の名前にはふさわしくないとのことで、同じ音の「肺」の字になりました。モツ料理ですが肺は入っていません。
すね肉・レバー・ハチノスの四川風のスパイス炒めという感じの味わいですが、スパイスの効き方がいいですね。料理から感じる香りが外国の香りがします。
スパイスが効いているのでレバーやハチノスから臭さは感じません。赤いので辛いように見えますが、程よい辛さでお酒がすすみます。

■玉子のかに肉あんかけ(880円)
四川料理のお店ですが、こういうスタンダードな中華を食べてもレベルが高いですね。ふんわりと仕上がっています。
写真を見てもらうとわかるようにかに肉が多い、誠実なつくりなので満足度が高いです。

■海鮮おこげ(980円)
こちらも原価率が高そうな、お客さんの側としては食べたほうがお得なメニューです。
大きな海老、イカ、それにホタテが入ります。豪華です。
魚介の味を殺さないように塩気も弱めで繊細なつくりになっています。
中華料理でも脂っこくなく、四川料理でも辛くない、こういう料理もあるので安心していろんな人におすすめできるお店です。

■ランチの『あさり麺+半チャーハンセット』(880円)
四川食府では、ランチの時間帯もグランドメニューも注文できるし、晩酌セットも注文できるシステムです。
そのため、昼飲みしたほうが、シメの食事の選択肢が広いですね。
この日のランチは、あさり麺でした。潮干狩りシーズンでアサリが美味しい時期ですから、いい時期に提供していますね。
身も大きく立派な殻付きアサリがたっぷり入っています。アサリの旨みだけで仕上げるかと思いきや、唐辛子も入れて味を引き締めているのが四川料理スタイルですね。
付属の半チャーハンは、たまり醤油を使った黒チャーハンで、こちらも味がしっかりしていて美味しいです。

■ランチの追加メニュー『手作りワンタンスープ5個入り』(ランチに+200円)
最近できた、追加メニューです。ちゅるっとした食感の自家製ワンタンが5個入ったスープが、何と200円です。定食に追加するのがセオリーですが、麺類と半チャーハンのセットのときも注文できます。わずかな金額でボリュームアップできます。


どの料理もレベルが高いけど安く、大満足ですね。お店の混雑している時間帯だとゆっくりできないので平日の夜か、休日の昼あたりがおすすめでしょう。何を食べても美味しいので自信を持っておすすめできるお店かと思います。
川崎区の新川通りにある中華料理店です。

外見は、いかにもという街の普通の中華料理店ですが、秘めた実力が素晴らしいお店です。それでいて、価格は安いのが魅力です。


3月も中頃となると、暖かい日も多くなりますが、そんな中で寒い日があると、何か温かいものがいただきたくなります。
ラーメンにせよ、スープにせよ、温かいものは、気温が寒い日にいただくのが一番美味しいですね。ということで、酸辣湯が飲みたくて訪問です。

いただいたのは、
■酸辣湯(480円)
スープ料理なのでコース仕立てにするならば、前菜をいただいた後に食べるべきでしょう。また、日本人の感性では最後にチャーハンなどと一緒にいただきたいですが、この日の目当てはこれです。身体に寒さが残っている間にいただきたくて、最初に注文です。
こちらの酸辣湯はある意味日本一ではないかと思っています。
日本一であると私が思う理由は、
1 価格が安い・・・最大の理由はここにあります。税込みで480円というガストやサイゼリヤもびっくりの価格です。時折、酸辣湯をメニューに加えるスープストックトーキョーはレギュラーカップで630円ですから、この価格は絶対的な強さですね。
2 具だくさん・・・1品目から頼める理由はこれです。きくらげや竹の子などをつまみにすれば、スープですがお酒を飲めます。
3 プロが作る四川料理・・・世の中にはセントラルキッチンで調理済みのものを温めて出すお店もあるというのに、こちらは四川省出身の料理人が作ります。酸辣湯は四川料理ですから、まさに本場の味ですね。
味わいは、ベースのスープがなかなかしっかりしているので、酸味も辛さもそんなに強くは感じません。旨みを感じる中に程よく混じる感じです。酸味や辛さが足りない人は、卓上の酢やラー油で調整するといいですね。

■ピーマン、ナスとじゃが芋の醤油炒め(880円)
中国名は『地三鮮』です。
中華料理は、肉が多い・油っこいイメージですが、これは、野菜中心の料理で、シンプルだけど、美味しい炒めものです。
「地」は、「大地のもの」野菜のことですね。「三鮮」は、「3種の新鮮なもの」の意味です。つまり、「3種の新鮮野菜の炒めもの」です。
中国の東北部(旧満州)あたりの定番料理ですが、日本の中華料理店でも見かける料理ですね。使う野菜も、ジャガイモは使われることが多いですが、入る野菜も、ナス・ピーマン・パプリカ・玉ねぎなどが使われ、少量のお肉が入ることもあります。
四川食府のものは、ジャガイモ・ナス・ピーマン・パプリカを使い、お肉は使っていません。
素揚げにした野菜を醤油系のあんを絡めたシンプルな料理ですが、中華料理は火力が命です。
お店で食べると、シンプルな料理でも非常に美味しいですね。

■四川風味ダック(880円)
中国名は、『樟茶鴨』です。
お茶で味付けし、樟(クスノキ)のチップで燻製にした鴨です。
唐辛子が四川に伝わる前からある料理なので、辛くない四川料理です。中国が清の時代に西太后がお気に入りだったとのことで、清王朝崩壊後、宮廷料理人が成都に帰り、お店を開き同じレシピで提供したところ、大ブレイクしたという逸話が残る料理です。現代では、街中で手軽に食べられる料理です。
味わいは、燻製にした風味がお酒に合いますね。880円ですが軽く食べられてしまいます。美味しいので、飲んでいるといくらでも食べられてしまい、2人で1皿では足りないかも?

■五目おこげ(880円)
実は、おこげも四川料理です。
テーブルで、サクサクに揚げたご飯にあんをかけると「ジュワジュワ~」っといい音を立てて完成するパフォーマンス的にも優れた料理です。
五目あんでお酒も飲めますし、おこげのご飯で軽い主食にもなるので、シメにもならなくもない、便利な料理です。


意識したわけではないですが、なんとなく、この日は、四川料理でコース仕立てにした感じです。
街の中華料理店ですが、料理はこの実力、そして、紹興酒が1本1,000円なので、これをいただけば、大満足の中華料理のフルコースです。コストパフォーマンス最高の中華料理店ですね。
川崎区の新川通り沿いにある中華料理店です。

外観は、いかにもという感じの街の中華料理店ですが、実は味が良くて、かつ、リーズナブルなので私のお気に入りのお店です。
近くにも中華料理店は多いですが、こちらの表示価格は税込みなので、安い印象があります。また、紹興酒がボトルで1,000円なので軽く飲むのにも、しっかりと飲むのにもいいお店です。

ランチは、セルフサービス方式でお茶やコーヒーが用意されていますし、ライスはおかわりし放題、杏仁豆腐も食べ放題なので、ガッツリ食べたい人にも向いているお店かと思います。

ランチメニューは、リーズナブルな炒め物の定食、麺とチャーハンのボリューム満点なセットなど、いろいろ揃えてありますが、2017年3月からちょっと変化があったので訪問です。ちょっと高級な料理や個性的で、他の中華料理店では取り扱わないようなメニューがランチメニューに1品加わるようになりました。
毎日、必ずしも何か特別な料理があるとは限りませんが、お店の前のランチメニューをチェックするのが楽しみになりますね。

いただいたのは、
■黒毛和牛ステーキと前菜2点盛り合わせセット(1,280円)
1日限定6食というメニューです。
結論から言うと、迷うなら間違いなく食べたほうがいいメニューでしょう。
メインのステーキは、メニューの表記に嘘は無く、柔らかくて口の中でとろけるいいお肉を使っています。
中華料理店なので、ステーキも中華風に仕上げてあり、オイスターソースをベースにしていて胡椒で味を引き締めてある感じです。ステーキハウスではいただけない、中華料理のステーキですね。
付け合わせにはブロッコリー・ナス・パプリカ・アスパラガスがあります。茹でただけのものなので、こちらもソースに絡めていただきましょう。
メインのステーキの他に前菜が2品付き、この日はバンバンジーとじゃがいもを使った和え物でした。小皿料理であるメニューを1人用に少量ずつ盛り付けたものです。

■ランチの追加メニュー『手作りワンタンスープ5個入り』(ランチに+200円)
ランチを注文した際に追加でオーダーできるサービスメニューです。自家製のワンタンが5個で200円でいただけるのですからお得ですね。
ステーキは、とても美味しいですが、ボリュームとしては他のメニューより少ないので、これを追加するとバランスが取れますね。
3個なら150円ですが、5個200円のほうが断然お得ですね。

■自家製小籠包(5個)(580円)
ランチの時間帯でも、通常メニューも注文OKです。
この日のヒットは小籠包で、肉汁で今にも破裂しそうなぐらいのものでした。
1個あたりの価格と肉汁の量を比較すれば、ここのお店よりもコストパフォーマンスが高いお店はほとんどないでしょう。


今回は、高級なステーキでしたが、お店が本領を発揮する四川料理を提供するランチも楽しみですね。
川崎でもすっかり有名になった、外観は普通の中華料理店ですが、食べるとすごい中華料理店です。

土日はランチの時間帯でも宴会をする地元のお客さんで賑わい混雑している日もありますね。平日のランチは、ライス・杏仁豆腐・お茶やコーヒーがおかわり自由なので、労働者で賑わっています。

休日の昼飲みに訪問しました。

いただいたのは、
■茄子のニンニク和え(280円)
四川料理の得意とする、ニンニク風味の味付けの茄子です。
夏野菜なので、冬の盛り付けはちょっと少ない気もしますが、タレからお店で作っているのでチェーン店の居酒屋で飲むよりもはるかに美味しく、そして、安いですね。
強いニンニク味がお酒を呼びますね。

■砂肝のゆず風味(280円)
柚子の季節だからか、風味が少し強く、スッキリしていていい感じですね。
一般的に中華料理店で飲むときの小皿料理というのは、ザーサイ・チャーシュー・メンマなどの『素材』を小皿に盛って提供されることが多いですが、四川食府の小皿はほとんどが『料理』なので満足度が高いです。

●紹興酒 10年(3,580円)
年始の浮かれ感で一番高い紹興酒をいただきました。
紙箱入りで、中は茶壺に見立てた陶器のかわいいボトルです。コルクの栓がしてあって、その上からフィルムで密閉してあって厳重ですね。
味は、とてもまろやかです。以前、他のお店で熟成した紹興酒を飲んだことがありましたが、枯れている感じがして、フレッシュな若い紹興酒のほうが好みだと自分では思っていたのですが、この紹興酒は美味しいですね。
フレッシュな紹興酒のほうが美味しいと思っていましたが、その概念が覆されました。ワインと同様に若いものには若いなりの美味しさがあり、熟成したものには熟成した美味しさがありますね。

■黒ごま担々麵と半チャーハンセット(880円)
シメは、お得なランチメニューから選びました。
夏には金ゴマ担々麺を提供していましたが、冬は黒ごま担々麺です。
一般的に担々麺は、市販のゴマペーストを使っていることが多いですが、お店で黒ごまをすったものを入れているようでゴマ特有の風味がたまらないですね。白湯スープに黒ごまを入れると色はグレーになってしまい、ちょっと不思議な見た目になっていますが、味はいいですね。特にスープ単体で飲むときより、麺と絡めていただくときにごまの風味と出汁の旨みと程よい辛さのバランスで美味しく感じます。
スタンダードな担々麺とは一線を画す味わいです。中華料理というものは進化が早く、料理人によるアレンジによって新しい料理が生まれます。料理人のセンスが出る担々麺ですね。
ランチはこれに半チャーハン・豆腐・ザーサイが付きます。半チャーハンはスタンダードなチャーハンですが美味しいですね。お店ができた当初のチャーハンと比べると、使う素材や油の加減など日本人好みに変化させてきましたね。いい腕をしていると思います。


ランチや季節料理は、グランドメニューに無いメニューがあり、おもしろいですね。
今回の黒ごま担々麺は当たりでしょう。お酒もリーズナブルな1本1,000円の紹興酒も美味しいですが、高い紹興酒も美味しいことがわかりました。料理もお酒も充実で大満足のお店ですね。
川崎駅からギリギリで徒歩圏内にある中華料理店です。
私のイチオシ中華料理店の盤古茶屋の料理長が天府苑を経て開業したお店です。盤古茶屋は、個人客から大宴会まで対応でき、料理も日本人が好みそうな中華料理のすべてがひとつの店舗でまかなえるスーパー中華料理店ですが、こちらは小規模なお店です。

店内は、街の中華料理店といった印象でオープンして間もないので装飾も少なくすっきりとした印象です。テーブル席は、仕切っているパーテーションが固定されていないので、レイアウトの変更が可能で、宴会での使用も可能です。14人までの座敷の個室があるので、子連れでの宴会にも適しています。

- - - ランチに関する記述 - - -
ランチメニューは、週替りの定食や麺類のセットものなど6種類と日替り2種類があり、この規模のお店としては、メニューのバリエーションが豊富です。
価格も580円~880円とリーズナブルです。
安いですが、セルフサービスでウーロン茶とコーヒーがホットとアイスで飲み放題、杏仁豆腐が食べ放題、ライス・スープがおかわり自由と大食いの人にも満足のサービスです。

■冷やし中華(850円)2016年7月
正統派中華料理の四川食府ですが、この夏、ついに日本人が大好きな冷やし中華を発売しました。タレは醤油ベースの甘酢とゴマだれから選べます。基本的には日本人のイメージする冷やし中華そのものですが、具がこちらの通常メニューで提供される前菜と同じ素材が使われています。紅麹を使ったチャーシューも美味しいですし、お肉はさらにバンバンジーに使う蒸した鶏肉も入ります。値段が高騰している中華くらげもたっぷりの贅沢な冷やし中華ですね。
ランチでもディナーでも同価格ですが、ランチの時間帯では小さなチャーハンが付きます。

■金ゴマ冷やし担々麺(850円)2016年7月
本場の汁無し担々麺ではなく、陳建民氏のスタイルを踏襲した、日本の担々麺を冷やしにしたものです。そのため、濃厚なゴマのスープがたっぷりの冷やし担々麺ですね。
辛さも日本人向けの程よい辛さで、ゴマのうまみを味わうバランスの良い仕上がりになっています。
ランチの時間帯だと小さなチャーハンが付くのは冷やし中華と同じですね。

■鶏唐揚げの唐辛子炒め(750円)2014年12月
四川料理の定番で「辣子鶏」と呼ばれる唐揚げを大量の唐辛子や香辛料と炒めた料理です。
作り手の個性が出る料理ですが、唐揚げのサクサクの食感を残しつつ、上手に香辛料の風味をつけています。唐辛子の量は、日本人向けに少なめに作ってあるので、辛さと旨みのバランスがいいですね。
炒める際にニラを加えているので、見た目も唐辛子の赤色とニラの緑色が冴えています。
単なる唐揚げよりも、香辛料によるスパイシーで複雑な味わいが満足度を高めてくれます。
程よい辛さでご飯がすすむランチにぴったりの四川風から揚げですね。
定食スタイルなので、冷奴・スープ・漬物が付きます。
冷奴は、きゅうりとトマトも敷いてあり、豆腐の上には中華ハムが載り、味付けも単なる醤油でなく、香辛料を混ぜたオリジナルのものです。低価格のランチですが副菜も手が込んでいる点が素晴しいですね。
スープは玉子とワカメのスープでダシがしっかりしているので、美味しいです。

■野菜タンメン+鶏唐揚げ3個+半チャーハン(880円)2014年12月
野菜タンメンは、夜メニューとまったく同じものです。単品なら750円なので、130円で唐揚げ3個と半チャーハンと冷奴が付く計算になり、とてもお得です。
特に半チャーハンの出来がよく、豚肉と玉子とネギのシンプルなチャーハンですが、たまり醤油での味付けで、なかなかのものですね。
デザートの杏仁豆腐は、もっちりとした食感の自家製です。寒天で固めたものとは質が違いますね。


ランチメニューは、日本人なら誰でも好きな定番中華が多く、得意の四川料理も昼食用になっています。ランチの料理の質も高いですが、真価は夜の豊富なメニューにあると思います。
副菜を含めて作り置きしていないようで、どれも熱々で提供される点は素晴しいですし、メニューの種類が豊富ですので毎日利用しても飽きない内容になっているかと思います。この界隈で、ランチで中華料理を選ぶなら間違いなくここをおすすめしますね。


- - - ディナーに関する記述 - - -

メニューは、盤古茶屋から売れ筋を厳選し、店主の得意とする四川料理に重点を置いた感じ。規模や内装が簡素になった分、価格設定はリーズナブルで、特にお酒が安く、紹興酒が1本1,000円なのは群を抜く安さです。
日本ではなかなか食べられない四川料理を紹介すると、牛の内臓の四川風ソース和え(中国名:夫妻肺片・880円)は、四川の牛モツ煮込みで、ハチノスとレバーとタンなどを辛口に煮た料理です。
もちろん、定番中華料理もそろっていますし、250円からの小皿料理豊富です。
また、彼の得意な北京ダックもあります。この価格帯の北京ダックの中で、最も上手な焼き手であるので、おそらく川崎で一番おいしい北京ダックでしょう。北京ダックを焼くための窯は、チャーシューなどを焼くことも可能で、紅麹を使っています。これを日本でちゃんと使っているお店は、ホテルの中華料理レストランと老舗広東料理店など、一部のお店に限られますね。

いただいたのは、
■北京ダック(3,880円)2016年11月
安く北京ダックを出すお店は、中国で一次加工されたものを輸入しお店で熱した油をかけて完成させます。粗悪な食べ放題店では、カットされたものを真空パックに詰めたものを利用しています。
当然ながら高級店では店内で焼き上げていますので手間がかかり、その分が価格に跳ね返ります。それゆえに高級料理となります。
ここのお店は、窯を用意しており店内で焼いた上で、丁寧に熱した油をかけて完成せているにもかかわらず大衆的な価格での提供です。
北京ダックは作り手の腕に左右されやすく、ここの店主は上手なので出来が違いますね。表面はパリッとしており、脂の層は高級店のものに比べるとちょっと弱いですが、価格以上の価値があるいい脂です。肉もジューシーに焼きあがっています。
焼きあがると、高級店同様に丸々のままテーブルまで運び、見せてくれた後でカットしますが、包丁が入った瞬間に脂と肉汁が溢れ出ます。北京ダックの名店である全聚徳などではよく見る光景ですが、一流店と同様のレベルのものが川崎で大衆的な価格で食べられるのはうれしいですね。
タレは、甜麺醤をベースにしたスタンダードな甘いタレとちょっと辛いタレの2種類あります。正統派の北京ダックとして食べるなら甘いタレがおすすめですが、おつまみとしていただくなら辛いのもいいですね。
ダックを包む皮である『餅』の枚数よりもはるかにダックの量のほうが多いので1枚にたくさんのダックを入れるなんて贅沢もできます。
残った肉と骨は、スープにして提供してくれます。野菜も加えて調理してくれますし、ダシがしっかりしていて、とても美味しいですね。
これでこの価格なのは、大変お得です。絶対に注文すべき料理ですね。北京ダックマニアの私が納得する味とコストパフォーマンスです。
最初に書いたようにここのお店の北京ダックは、窯でやくところから調理が始まるので、調理に時間がかかります。食べる際は予約が望ましいですね。もしくは、多少待つのを覚悟の上で、来店したらすぐに注文しましょう。
3,880円で、北京ダックと骨を使ったスープの2品がいただけ、さらにプラス500円で肉を使った炒め物をいただけますが、この炒め物は辣子鶏を鴨肉で作ったもので、辛くて美味しいですね。お酒のすすむ味です。

■四川風味ダック(中国名:樟茶鴨・880円)2014年11月
アヒル(鴨)をお茶で味付けして、クスノキ(樟)でを燻してから蒸し、最後に油で揚げる手の込んだ料理です。成都出身の料理人が茶の産地である福建料理の調理法を取り入れ考案した、清王朝時代の宮廷料理で西太后の好物だったもので、料理人が帰郷後、店で出すと大ヒットしたものです。
中国の四川料理店では、たいていメニューに載っているメジャーな料理ですが、日本人にはなじみの薄い有名四川料理です。そんな料理が味わえるのはとても貴重ですね。
味は、燻製によって香りがついた皮はとてもいいです。水分が抜けて味が凝縮して肉は上質なハムのようになっていますが、脂の層は残っていてプリッとした脂の旨みを感じることができます。味わいとしては、ディズニーランドのチャックワゴンのスモークターキーレッグをもっと上質にした味といえば、わかりやすいでしょう。
辛くない四川料理であり、価格も手ごろなのでおすすめです。

■ナスのニンニク和え(280円)2014年11月
素揚げにしたナスをたまり醤油をベースにしたコクのある味わいで味付けしてあります。ニンニクチップも入りお酒がすすむ味ですが、とても安いのが特徴です。

■ゆで豚肉のニンニク和え(280円)2014年11月
たまり醤油とニンニクチップの味付けは、ナスのニンニク和えと同じですが、こちらは食材が豚肉となります。肉好きにはたまらないおつまみに仕上がっています。
キュウリの飾りも美しく、見栄えもいいですね。

■海鮮おこげ(980円)2014年10月
イカは包丁の入れ加減がこまやかで芸術の域まで達しています。海老も大きく、ホタテも入って、豪華な海鮮のあんを熱々に熱した土鍋に入ったおこげにかけることで完成する料理です。
テーブルで、「ジュワー!」と音を立てるので、見た目に美しいだけでなく、音も楽しめ、食べて美味しい料理です。
四川らしい「麻辣」の料理ではないですが、「おこげ」は四川発祥でもあり、海鮮あんは、日本人に好まれる味わいで、このお店で食べるべき1品ですね。
本場の料理人のテクニックを見事に披露してくれています。

■春巻き(3本・420円)2014年10月
日本人が大好きな、小籠包や海老餃子などの点心は、上海料理や広東料理です。特に点心は広東料理の得意分野。店主の範疇では無いので、美味しいですが特筆するほど美味しいレベルまでは達していません。
しかし、春巻は出来がよく、特に椎茸の風味を上手に活かし、中の具もねっとりとしたあんで包むことにより、全体に味がいきわたります。

■豚肉チャーハン(750円)2014年10月
たまり醤油を使った黒いチャーハンです。中国の醤油で味付けをしていて、色合いほどの塩気の濃さは無く、豚の脂身の旨みもあっての美味しいチャーハンです。お腹がいっぱいでも、香りをかぐとひと口食べたくなりますね。
孤独のグルメシーズン4で登場したシャンウェイというお店にも黒チャーハンがあり、テレビの効果で黒チャーハンが流行っているようですが、ここ四川食府で豚肉チャーハンを頼めば、本場の黒チャーハンがいただけます。

■カニチャーハン(880円)2014年11月
玉子と葉物を使って作ったシンプルな塩味のチャーハンにカニ肉が載ります。贅沢なチャーハンですが低価格ですね。
繊細な塩味のチャーハンで美味しいですが、強い味わいの料理を食べた後のシメだと味がわからなくなります。食べる際は最初に食べるのがいいかともいます。

■エビのチリソースチャーハン(980円)2014年11月
玉子チャーハンにエビチリをかけたものです。海老はプリプリでエビチリとして完成したものと、上手に作られた玉子チャーハンなのですが、この2つを一緒に食べるとオムライスのような味わいに変化します。
2つの中華料理をあわせると、洋食っぽく味が変化し、ちょっとおもしろい料理です。
海老の量も多く、手が込んでいるのに価格は抑え目で、とてもお得な料理です。
正統派のチャーハンでは無いですが、シメのご飯におすすめですね。


調理を基本的に店主がひとりでやっているため、ちょっとしたアレンジも可能です。塩味のものを醤油味にしてもらったり、辛さの調節をしてもらったりと要望にも柔軟に対応して好みの味に仕上げてくれるのがいいですね。
特級調理師だけあって、アレンジしてもらっても、全体のバランスが崩れないで期待どおりの仕上がりになっているのが嬉しいです。
本場の味付けか、日本人の好む味付けかで店主も模索しながら調理をしています。本物の四川料理が味わいたい人は、注文の際にひと声かけてお願いするといいかもしれません。


- - - 宴会に関する記述 - - -

お酒は安いお店なので、飲み放題でなく料理のみ4,000円のコースです。
個人経営のお店なので、お店のメニューに料理のみの4,000円コースは無いのですが、予算にあわせて作っていただきました。
また、料理の調整もしてくれるのがいいところ。お肉は控えめにして、魚介類を多くしてお願いしました。
こうした融通は利くのですが、日本語が堪能ではないので、お店に訪問して相談するのがいいでしょう。

いただいたのは、
■4,000円コース(2015年1月)
・5種の前菜盛り合わせ(写真は9人前)
バンバンジー、自家製チャーシュー、中華クラゲ、ピータン、エビの5点盛りです。
ネギで作った花も飾られて豪華な印象。四川の前菜のバンバンジーもあり、日本人好みのチャーシューもあり、バランスのいい盛り合わせですね。

・蟹肉入りフカヒレスープ
2品目から、豪華なものをいただきました。この価格ながら、フカヒレも結構入っています。

・伊勢海老のチリソース炒め
エビチリは、何と豪華な伊勢海老です!やわらかくて、マイルドな高級エビチリですね。

・手作り点心2品「春巻と小籠包」
春巻は、1人で1本の半分ですが、9人で5本いただけるサービス精神。
もちろん、味もいいですね。

・北京ダック
お店の名物料理の北京ダックです。人数に応じたサイズのダックを焼いてくれるので、1人分が1枚なんてことは無く、たくさんいただけます。

・国産牛の中華風ステーキ 干松茸添え
国産牛な上に副菜も松茸という豪華仕様!ソースもバルサミコ酢のような旨みと風味のあるソースが美味しいです。

・白身魚の甘酢あんかけ
白身魚に丁寧に包丁が入っていて、花のように美しく開いています。甘酢の味付けもよく、繊細な白身魚の味を消さない穏やかな味です。

・海鮮チャーハン
具が珍しく、たらことイカが入ったチャーハンです。

・マンゴープリン
カットマンゴーかと思うぐらいのプリンでした。

特級調理師だけあって、単品料理よりもこういった、コース料理のほうが実力が発揮されて、美味しい料理を堪能できました。
予算を増せば増すほど、お店の真価が発揮されるかと思います。安いコースより高いコースのほうがおすすめですね。

- - - 総評 - - -

ランチは低価格でバラエティが豊富で飽きないお店で、ディナーは本格中華が低価格で味わえてお酒も安いので食事だけでなく宴会にもピッタリと昼夜共に使い勝手のいいお店です。
北京ダックが1羽で税込3,880円なのは、私が知る限り最安値です。また、日本ではなかなか味わうことのできない四川料理が並ぶので、本物の四川料理が食べたい人は楽しめるお店かと思います。
中華料理マニアの私が、盤古茶屋と並んで自信を持っておすすめできるお店です。

  • 鶏モモ肉の四川風唐揚げ(880円)2015年9月
  • ナスの四川風炒め(880円)2015年9月
  • 台湾風たんつーめん(680円)2015年9月

もっと見る

6位

島田屋 (川崎新町 / もつ焼き、居酒屋)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.8
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ~¥999 -

2014/10訪問 2014/10/30

肉屋の実力を活かした川崎屈指の実力派大衆酒場

川崎区の新川通りから、ちょっと入ったところにある大衆酒場です。
店内はテーブル3卓とカウンターの小さなお店です。お店の年季の入り方はなかなかのもので、木のカウンター・テーブル・背もたれの無い椅子・壁に貼られたポスターや装飾品など、すべてから昭和を感じますが、これがセットで無いところが素晴らしいですね。それでいながら、手入れが丁寧のされているようで清潔感があり不衛生な印象は無いです。

メニューは、1本60円の串焼きと煮込みやガツさしなどの1品料理が150円と驚異的な安さです。
お酒の種類は、ビール(530円)・清酒(280円)・ウイスキー(280円)の3種類と少なめであるものの、安さとおいしさゆえに店内はいつも混雑しています。
お通しが無く、当然ながらテーブルチャージも無いのでとても安い印象のお店です。

また、店内飲食だけでなく、串焼きは持ち帰りができるので、飲み屋ですが早い時間は子連れのママさんも買いに来ます。

いただいたのは、
■煮込み(150円)
お店の看板メニューです。醤油ベースの煮込みでした。お店の雰囲気からは、煮汁はもっと濁ったものを想像していましたが、結構、澄んでいました。
味は、旨みがしっかりしています。塩気(醤油)もイメージ的にはもっと濃いのかと思っていましたが、さほどでもなく、ちゃんとバランスが取れている感じです。
大根がこの味を上手に吸ってくれており、味のしみ込み加減も絶妙な具合で提供されているのが素晴らしいですね。
上に盛られた長ネギが、ちょっと辛いのがいいアクセントになっています。

ヨーロッパでは、内臓肉を食することは当たり前であり、イタリア料理ではハチノスをトマトソースで煮込んだ『トリッパ』が、フランス料理ではリンゴ由来のお酒で味付けする『カーン風トリップ』があります。
ヨーロッパ系の煮込みで、私が最も美味しいと思うのは、広尾のラ・ピッチョリー・ドゥ・ルルのものです。ルルの煮込みは、繊細でありながら、脂がのっているところにはのっているという優れたものです。
ここ、島田屋の煮込みは、和食らしい方向性の味わいで力強いものです。
また、ルルの煮込みに入る野菜の玉ねぎや人参は、煮込みに甘さをプラスするためのものですが、島田屋の煮込みの大根は、旨みを吸わせる目的でしょう。
こういう点に西洋と東洋のものの考え方の違いを感じたりしてしまいます。
この2店舗の和洋煮込み対決ですが、味だけを比較すると甲乙つけがたいですが、島田屋の150円という価格からくるコストパフォーマンスを考慮すると島田屋に軍配が上がります。もっとも、価格はお店の雰囲気とか立地とか品揃えとかも含んで決まるものなので、2店舗の和洋煮込み対決は高尚な遊びだと思って読んでください。
とは言え、味では甲乙つけがたいのは事実です。食べログTOP1000に入るフレンチと肩を並べられる味を出せるお店が川崎にはあります。

■ガツさし(150円)
刺しと言っても本当に生なのではなく、ゆでられたものですが、手間を惜しまず下処理されているようで、とてもきれいな色をしています。
味付けは、川崎らしくニンニクでお願いしました。醤油の塩味とニンニク・ネギ
の香味とでいただくと、「下町文化そのものだなぁ」という味わいです。
こちらも、150円の価格では信じられない完成度で、内臓肉に抵抗のある人が初めて食べる際にはおすすめしたいぐらいの調理加減です。

■なんこつ(1本60円)
豚の気管の軟骨です。軟骨部のコリコリ感はもちろんのこと、焼いた焦げ目が香ばしいです。そして、最大の特徴は、付いている肉のジューシーさですね。
2つの味が1本で楽しめる優れた串ですが、これが1本60円である点が最も驚きです。

■かしら(1本60円)
これももちろん60円ですが、言われなければ1本200円ぐらい払ってしまいそうなボリュームがあります。
持ち帰りも含めて、毎日たくさん焼いているだけあって、焼き加減もよく、その焼きたてをいただけるのは何よりの贅沢です。

●ビール(530円)
キリンラガーをいただきました。隣の横浜の生麦にはキリンビールの工場があり、川崎・鶴見でビールと言えばキリンです。そして、歴史のあるお店だからか、一番搾りではなくラガーですね。力強い味わいの下町グルメには苦みの強いラガーが合います。
ビールの値段だけは、一般的な飲食店と同等レベルの価格ですが、食べ物の驚異的な安さを考えたら、ビールの価格にお通し代が含まれていると思って、飲むのがマナーでしょう。


川崎駅から遠いという立地・早く始まり早く終わる営業時間と日曜祝日休み・大衆酒場にある程度慣れていないと入れない雰囲気などの欠点はありますが、味とコストパフォーマンスは文句無しのお店です。
好きな人なら、遠方からでも来る価値がありますが、人気店なのでできる限り早い時間の入店をおすすめします。

  • 煮込み(150円)2014年10月
  • ガツさし(150円)2014年10月
  • なんこつ(1本60円)2014年10月
  • かしら(1本60円)2014年10月

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7位

小料理荒井 渡田店 (川崎新町、小田栄 / 居酒屋、海鮮、馬肉料理)

1回

  • 夜の点数: 3.9

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.2
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥2,000~¥2,999 -

2015/05訪問 2015/05/03

間違いなく地域一番店の魚介が美味しい居酒屋

川崎区内の有名居酒屋です。駅からは遠いものの刺身のレベルの高さで人気のお店です。
店内は、座敷席がメインで、カウンターも一列。早い時間から混雑するものの、座席数も結構あるので安心して利用できます。家族連れもOKな明るい雰囲気です。

メニューは、何と言っても刺身類が一押しです。種類が大変豊富でどれも安い。まるで漁港か市場の近隣にある飲食店のようなレベルです。

初めての利用だったので、お店の一番得意とする刺身類を中心にいただきました。ぜひとも、写真で色艶を確認していただきたい質の高さです。

いただいたのは、
■ほや(500円+税)2014年6月
ほやが常にメニューに掲載されている点からもお店のレベルの高さがうかがえます。鮮度の良いほやで、変な臭さはありません。ボリュームもあり、丁寧に調理して殻に盛られた姿はなかなかのものです。これでこの価格なのですから驚きですね。

■鯨ベーコン(1,000円+税)2014年6月
荒井の刺身類のラインナップからすると、高い価格帯のメニューです。鯨自体が高級品になってしまったからでしょう。残念な限りです。
とは言え、荒井らしいボリューム感で価格以上の満足度を与えてくれます。

■生つぶ貝(700円+税)2014年6月
「生」です。そもそも、貝類の刺身を豊富に取りそろえると高コストになるので安い居酒屋では敬遠されがちです。そんな中、生で用意されているのが素晴らしいですね。つぶ貝というと、回転寿司のネタでよく見かけますが、あれとは種類が違うものです。
肝もしっかりついていました。苦味が少なく、旨みが多いですね。映画「武士の一分」では、木村拓哉演じる武士が、つぶ貝の毒で失明する話ですが、実際のつぶ貝にも毒がある部位はありますが、失明はしません。また、藩主の食事の毒見役という役目ですが、「毒見」という概念は日本では薄く、中世ヨーロッパのものです。日本の場合は膳奉行という役目の武士が「検食(適切・適正に作られているかの確認)」しています。
ということで、肝も美味しくいただけますが、こうやって、肝をちゃんと提供してくれるお店は、居酒屋ではなかなか無いでしょう。
回転寿司ではない、ちゃんと座っていただく寿司店のレベルの刺身です。私の知る限り、この質のつぶ貝の刺身がこの価格でいただけるお店は他にありません。

■鳥貝(500円+税)2014年6月
とても安い価格かと思います。市場で買っても、加工された1枚で100円程度ですから、4枚で500円なのは飲食店の価格としては激安です。都内の寿司店でいただくのの半額ぐらいの価格でしょう。
味ももちろんよく、仕入れの上手さを感じさせるものです。

■ぶり(500円+税)2014年6月
貝類の良さと比べると、あまり驚きは無いのですが、厚切りで上質であることは確かです。

■生ほたるいか(600円+税)2015年4月
ほたるいかが、生で提供されている点が素晴しいですね。ボイルであれば見かけますが、生となると相応のレベルの寿司店などでしか見かけません。ほやもそうですが、こういった鮮度が重要な刺身を扱う点が素晴しいです。

●生ビール中(450円→ハッピーアワーで300円+税)2014年6月
月・火・水の17時~19時は生ビール(中)が300円、サワー類、角ハイボール、日本酒2合が各200円のハッピーアワーをやっています。
銘柄は、プレミアムモルツです。安いので銘柄については目をつぶるべきでしょう。


料理はどれも素晴らしく、お酒は安い!魚介類が好きな人には自信を持っておすすめできる名店です。川崎区内に住んでいるなら、一度は行くべきお店ですね。

  • ほや(500円+税)2014年6月
  • 鯨ベーコン(1,000円+税)2014年6月
  • 生つぶ貝(700円+税)2014年6月

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8位

クッチーナ笑多 (広尾、恵比寿 / イタリアン、パスタ)

1回

  • 夜の点数: 3.9

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.6
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 昼の点数: 3.8

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.1
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥5,000~¥5,999 ¥1,000~¥1,999

2014/05訪問 2014/05/18

ランチの肉料理は男性にも大満足、ディナーはお酒がすすむ店

日比谷線広尾駅から広尾商店街を通り、徒歩4分程度の場所にあります。4人がけテーブル1卓と2人がけテーブル1卓とカウンター8席の小さなお店を若いシェフが切り盛りしています。
店内は、こぢんまりとしていてかわいらしい印象です。

何度も行っているお店なので、情報をまとめてレビューを校正しました。


- - - ランチに関する記述 - - -

メニューは、基本的に4種類で内容は週替わりです。
ロングパスタ、ショートパスタ、スープ、肉料理とそれぞれ素材や味付けの異なる4種類から1品チョイス800円~1,000円です。サラダ、パン、コーヒー(or紅茶)が付きます。
パスタの2種は、ロングパスタがオイルベースなら、ショートパスタはトマトソースにしてあるなど、味がかぶらないように工夫されているので、4種のランチの内容から誰でも好みのメニューが見つかるかと思います。
スープは、野菜をたっぷり使った健康的で優しいスープなので女性に人気です。
肉料理はボリュームがあり、お願いすればライスも出してくれるので男性でも満足できると思います。鶏肉が多いですが、時には豚ロースなどを大胆なボリュームで出してくることもあるので毎週笑多のメニューから目が離せません
すべてのランチに付属するサラダも、決してオマケ程度のものではなくて、ベースの生野菜にポテトサラダを添えたり、ニンジン・カリフラワーなどの温野菜をのせたりして、適度に変化があります。もちろんドレッシングも自家製でいろいろあるので飽きることはありません。
自家製パンも趣向を凝らしていろんな種類を出してくれますし、必ずバターをつけてくれるのもポイントが高いです。

ランチメニューは、ブログに公開されていますので確認して行くとよいでしょう。
12時~13時は混雑していますので、ランチでの訪問の際は少し時間をずらして行くことをお勧めします。

印象に残るランチは、
■若鶏のモッツァレラ焼きトマトソース(1,000円)
2013年10月の肉料理です。基本どおりのチキンのモッツァレラ焼きトマトソースですが、昼の忙しい時にチーズもプラスして焼き上げるのは手際の良さが必要ですし、コスト的にも高くなるので利益率が下がるかと思います。雰囲気先行のイタリアンであればモッツァレラ無しのもので出てくるでしょうが、このきっちり感が小さな本格イタリアンの証です。

■小柱とかき菜のクリームソース スパゲッティ(1,000円)
2013年2月のロングパスタです。小柱は、青柳の貝柱でほのかな甘みのある寿司店では軍艦で握られる早春の味覚。かき菜は群馬県で栽培されるアブラナ科の野菜で霜にあたった2~3月が旬とされます。
一見すると平凡なパスタですが、旬の味覚が詰まった1皿です。高価な食材は美味しいですが、旬は食材の実力が最大になったときです。旬の食材を上手に使った料理は、金額以上の味わいを感じさせてくれます。

■豚ロースと厚切りベーコンのグリル(1,000円)
2013年6月の肉料理です。豚肉つかうなら、どちらか1方でよかったのではと思う両A面のような肉の競演です。付け合せにパスタまで付いており、普通はこれだけでワンプレートランチでとなるぐらいのものです。もちろんこれにもサラダ・パン・ライス・コーヒー付けて、1,000円です。明らかに採算度外視でしょう。


- - - ディナーに関する記述 - - -

ディナーは、季節の食材を用意しており、イタリアンの多い広尾界隈の中でもお勧めできるお店だと思います。春にはフランス産の野生アスパラ、晩秋の自家製カラスミなど、チェーン店や大規模店舗では難しい料理を提供してくれます。
お勧め料理は、おまかせ前菜盛り合わせです。と言うのは、定番料理もありますが、季節で美味しいものも変わるので、おまかせでシェフに選んでもらうのがベストです。その日のメニューのうち、お勧めのものを少しボリュームを下げて盛り合わせにして出してくれます。これで1杯やりつつ次のメニューを考えましょう。
黒板に書かれたメニューのうち、白色で書かれたものは定番メニューで、赤色で書かれたものは限定メニューです。

ドリンクメニューは、ワインについては、秋にはノヴェロ(新酒)を用意するなど、個人経営らしい充実度です。最も安いワインがデキャンタ750mlで2,580円ですが、近隣の相場は、ボトルで3,200円~程度なので良心的といえましょう。
イタリアのビールのモレッティが置いてあり、こちらは軽めでのどごしのよい、ピルスナータイプのビールです。
ノンアルコールでは、ブラッドオレンジジュースやぶどうジュースも置いてあるので、アルコールの苦手な女性でも、料理とともに飲み物も楽しめると思います。

また、デザートにも力が入っているのがこのお店の特徴です。常時4種類程度あり、ティラミス、ショコラマスカルポーネ、パンナコッタなど一般的なものもありますが、ババ(ナポリ名物のシロップをしみこませたケーキ)やボネ(トリノ名物のチョコレートプリン)やズコット(フィレンツェ発祥のクリームがスポンジにくるまれたケーキ。製法が複雑で手間がかかるので、置いてあるお店はまれ)など、珍しいものも多いです。しかも、これが1個500円でボリュームもなかなかあるので、甘いもの好きな人にはお勧めです。シェフの手作りでメニューも頻繁に変わるので、何度行っても新しいケーキを食べることができます。

希少糖と呼ばれる通常の砂糖とはことなり健康的な糖類を使っています。デザート類は完全に希少糖を使用し、他の料理でも使える限りは希少糖使用で調理されています。健康が気になる方でも美味しくいただける料理を提供してくれるお店ですね。


いただいたメニューのうち、特徴的なのは、
■おまかせ前菜盛り合わせ(1,580円)
何度もいただいていますが、レバーパテ・カモのスモーク・コッパ(豚肉のハム)・生ハム・牛タンなどの肉料理から2品、季節の鮮魚を使ったニンニクトマトマリネ・マグロのカルパッチョなどの魚料理が1品、サラダ・焼き野菜のマリネなど野菜料理から1品で構成されます。食材の価格により3品の盛り合わせだったり5品になることもありますが、出てくるものはイチオシメニューで美味しいです。

■三河産 アサリのワイン蒸し(1,280円)(2013年4月)
潮干狩りのシーズンはゴールデンウィークあたりですが、市場ではその前からいい具合に育ったアサリが流通します。それを使ったワイン蒸しは身も大きくスープには旨みが出ていて、大満足です。パスタにしても美味しいですね。

■モモとトマトの冷製カッペリーニ(1,480円)(2013年8月)
繊細なシェフの料理の特徴がよくあらわされた1品です。桃をパスタにするのはイメージ的には違和感がありますが、トマトの酸味・旨みとも調和し、細麺のカッペリーニを使い夏に適した冷製パスタに仕上がりました。

■エソジカのロースト ポートワインソース(2,180円)(2013年10月)
秋の味覚ジビエも提供してくれます。中心部が赤くいい火加減で焼かれたエゾジカにかけるはポートワインをベースにしたソース。エゾジカの質もさることながら、ソースの味が絶品でなんとも言えない濃厚さがあります。野生動物の肉なのでさっぱりしがちで、だいぶ前に西新宿の有名ホテルでいただいたときは、さっぱりし過ぎて残念な印象でしたが、ここのは赤身肉の旨みとソースの濃厚さでとても美味しかったです。

■ズワイガニとキャベツのミルフィーユ(1,180円)(2013年1月)
冬は、蟹が美味しい季節。また、お正月はちょっと高級な食材で美味しいお酒が飲みたいですよね。蟹のほぐし身とキャベツを重ねたシンプルな料理ですが、蟹の旨味と笑多特製ドレッシングの相性は良く、お酒がすすむ味わいです。

■ほうじ茶のプディング(500円)(2014年1月)
ヨーロッパの定番デザートも秀逸ですが、時にはこんな遊び心あふれるメニューもあります。甘みと後味に残るお茶の渋みが不思議な味わいです。1品でデザートとお茶を同時に楽しんでいるような感じがして実におもしろいですね。


- - - 総評 - - -

料理は気合が入っていますが気取らないお店なので、カウンターで前菜とパスタで軽く1杯なんて使い方もありだと思います。広尾界隈は、内装や料理の盛り付けに凝って、結果として値段が高いお店もありますが、ここは食材も手間も惜しまないお店なので、味を重視する方にお勧めします。
特に野菜料理と魚料理に強く、女性好みな繊細な味付けのものが多いです。ちょっと手の込んだ料理がお手ごろ価格でいただけるのがいいところですね。
ガッツリ食べたい男性向けにお肉のボリューム感のあるメニューも増やしてきたので、男性にも自信を持っておすすめすることができます。メニューに無いものでも食材があればいろいろ作ってくれるのでありがたいです。先日いただいた牛ランプ肉は、メニューには無かったのですが食べたい量だけを指定して焼いていただきました。

サラダなどに使っているドレッシングを1本700円でテイクアウトできるようになりました。ワインビネガーやフレンチマスタードを使ったさっぱりしていて大人な味わいです。広尾イタリアンのクォリティを家庭で楽しめます。キャベツの千切りにハムを載せて、このドレッシングをかけて粉チーズを振れば、家庭のサラダもシェフの味わいです。

小さいお店なので3名以上で来店する場合は電話を入れてからがいいでしょう。

  • 山口産 無角牛ロースのタリアータ2,480円。
          タリアータとは、イタリア語で「薄切り」の意味で、薄切りにした肉料理全般を言います。
  • 大山鶏モモ1枚のガルムソテー1,580円。
          ガルムとは、「魚醤」の意味。笑多ではセロリ、アンチョビ、マルサラ酒で味付けしたソテーです。
  • ブリのたたきと赤玉ねぎのバルサミコサラダ980円。この日はブリでなくイナダでした。

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9位

カルテット (広尾、恵比寿 / イタリアン、ステーキ、ワインバー)

1回

  • 夜の点数: 3.6

    • [ 料理・味 3.9
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 昼の点数: 3.6

    • [ 料理・味 3.6
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.4
    • | 酒・ドリンク 3.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥4,000~¥4,999 ¥1,000~¥1,999

2015/08訪問 2015/08/25

厳選されたワインと多彩な肉料理が興味と食欲をそそるオステリア

イタリアン激戦区の広尾にニューオープンのオステリアです。
お店は地下にありますが、黄色く塗られた壁と照明により暗さや圧迫感はありません。
店内は、カウンターとテーブル6席と広尾らしい規模の小さなイタリアンです。

近隣のイタリアンのクッチーナ笑多のシェフのご紹介でうかがいました。今の広尾のイタリアンは、有名なお店よりも、こういう若きシェフの小さなお店のほうが個性とエネルギーがあっておもしろいですね。食べ比べをすれば必ず好みのお店が見つかるかと思います。

- - - ランチに関する記述 - - -

2014年4月よりランチ営業も開始しました。
ワンプレートのランチで、メインがパスタ(1,100円)かローストビーフ(1,300円)の2種類です。
メイン以外にプレートにはサラダとひと口前菜とパンが盛られます。また、食後にコーヒーor紅茶が付きます。

■徳島県産阿波牛のローストビーフプレートランチ(1,300円)(2014年5月)
肉料理がウリのお店のローストビーフなのでとても美味しいですね。1人前で120~130g程度あるとのことです。国産牛でこの量があって、この価格はとてもリーズナブルです。火加減も良くて、加熱後にお肉を休ませてからカットしてくれるので、肉汁が大量にこぼれたりしません。
食べやすいように比較的細かくカットしてくれる点もいいですね。
この日のひと口前菜は、ハムとサラミでした。お肉を満喫できるランチです。

■本日のパスタプレートランチ「桜えびと春キャベツのスパゲッティ」(1,100円)(2014年4月)
お肉の紹介が多いですが、魚介類ももちろんあります。桜えびと春キャベツの春らしさ満載の王道的パスタです。桜えびの旨みがキャベツやパスタに行き渡り、大変美味しいですね。
この日のひと口前菜は、冷製パンプキンスープとサラミです。ちょっと暑い日に冷たいスープは心地いいです。また、肉が美味しいお店なのでサラミでちょっぴりいただけるのも嬉しいところです。

■ランチデザート(+300円)「ピスタチオのティラミス」(2014年5月)
ランチをいただいた際は、プラス300円でデザートがいただけます。内容はその日次第です。この日はピスタチオのティラミスでした。おつまみの豆っぽい印象ですが、ヨーロッパや中東では、ナッツ系デザートの材料として重要なポジションです。
とても滑らかな舌触りで、チーズの香りがありピスタチオを使っているとは言われないとわからない感じですね。

ワンプレートでテンポよく提供されるので待ち時間も少なく、普段使いのちょっと上質なランチにちょうどいいですね。


- - - ディナーに関する記述 - - -

元々ワインを飲む居酒屋という定義のオステリアだけあって、メニューは、トリッパのトマト煮込み(1,400円)やイタリア直送 水牛のモッツァレラチーズ(1,400円)などワインに合いそうな前菜が並びます。主食になるのは、4時間煮込んだミートソースのスパゲッティ(1,200円)などのパスタです。
そして、メイン料理は、このお店の最も特徴的といえる美味しい肉たちが並びます。北海道産ホエー豚のサルシッチャ(800円)、国産豚タンの一本丸ごとコンフィ(1,500円)、リードボーのソテー(1,500円)、牛ホホ肉の赤ワイン煮込み(1,800円)と、いろいろな肉をいろいろな調理法で提供してくれます。

飲み物は、グラスワインが赤・白を各2種類ずつ用意しており、グラスのスパークリングワインは『なみなみ』に注いでくれて、オステリアらしい充実度です。ボトルワインも高級なものからリーズナブルなものまで、そして産地もフランス、イタリア、チリ、アルゼンチン、日本と多彩にそろえてあります。産地のバランスも良いですが、有機や減農薬などの生産者のこだわりのあるワインを取り揃えている点も評価できるかと思います。シェフはソムリエ資格も持っているようですし、ちょっといいワインもさほど比較的安く提供されていて魅力的です。

いただいたのは、
■おまかせ前菜盛り合わせ(1人前1,000円~)(2013年11月上旬)
生ハム2種・豚肉とマッシュルームのリエット・コショウダイのカルパッチョ・野菜のマリネです。
手間を惜しまず大皿盛りでなく1人前ずつ盛ってくれるのが嬉しいですね。
生ハムは、一般的な生ハムとサラミっぽいものとの2種。味の違いが楽しめます。
豚肉とマッシュルームのリエットは、マッシュルームが入ることによりマイルドな味わいに仕上がっています。肉が前面に来る正統派リエットもいいですが、ここのお店では、後半にメインの美味しいお肉が控えているので、前菜ではこのぐらいのマイルド感がちょうどいいと思います。
コショウダイは、適度な甘みのある上品な味わいで、香り高いオリーブオイルとあいまって、ちょっと高級感のある味わいです。
野菜のマリネは、ナス・パプリカ・かぼちゃです。盛り合わせのバランスを取る安定した味わいですね。

■キノコとパンチェッタのフリッタータ ~ゴルゴンゾーラソース~(800円)(2013年11月上旬)
まいたけとパンチェッタの味わいが旨いイタリアンオムレツです。フリッタータだけでも旨いところですが、特製のゴルゴンぞーらソースが濃厚で、ワインに合いそうな1品に仕上がっています。食感もフリッタータらしいフワフワの焼き加減でいい感じですね。

■本日の赤身肉「イチボ」(2,000円)(2013年11月上旬)
シェアして提供していただいたので、写真のものが2皿で2,000円です。
肉は品川にある東京都芝浦食肉市場から仕入れているとのことです。国産牛A5クラスの牛肉のイチボという部位です。
中心部に赤みが残り、火の通り加減も申し分ありません。小さな器に盛られた褐色がかった調味料は、醤油のパウダーとのこと。コンソメのような旨みがある不思議な調味料です。
大変やわらかくて、ナイフを入れると簡単に切れます。とてもいいお肉です。
付け合せは、ズッキーニです。結構立派な大きさでカットされたもので、大盤振る舞いですね。
こういう、損得勘定抜きで美味しいものを食べてほしいというシェフの心意気を感じるお店は間違いなくいいお店かと思います。1皿2,000円の肉料理は一般的には安くないかもしれませんが、肉質や立地を考えると大変リーズナブルなものです。

■ルッコラセルバチコのサラダ ~15年熟成のバルサミコをかけて~(800円)(2013年11月中旬)
ルッコラの野生種のルッコラセルバチコのサラダです。他の野菜は使わず、バルサミコとチーズだけで仕上げたシンプルなサラダなれど、ルッコラセルバチコの苦味と独特の風味が楽しめます。

■イタリア産フレッシュポルチーニのリゾット(2,200円)(2013年11月下旬)
フレッシュポルチーニのシーズンの終盤でいただきました。乾燥ポルチーニも旨いですが、フレッシュは味だけでなく食感がいいです。これを食べる前日は六本木ヒルズにある和食店でトリュフの炊き込みご飯をいただきましたが、ヨーロッパのキノコでご飯を食べるなら、断然、ポルチーニのリゾットですね。

■いちごのシャーベット(400円)(2013年11月)
外見は普通のシャーベットですが、いちごの味わいがとても強いシャーベットです。まるでいちごをそのまま凍らせて食べているかの印象です。

■彩りフルーツのマチェドニア(900円)+スパークリングワインがけ(+400円)(2014年2月)
ジュレにフルーツを載せたデザートにプラス400円でスパークリングワインをかけてくれるサービスがあります。さっぱりとしたデザートですが、スパークリングワインでちょっとゴージャスで大人の味わいに変身してくれます。

■特別注文「牛タン丸ごと1本のコンフィ」(2013年11月)
事前予約が必要なメニューです。特別にお願いして作っていただいたので、価格は不明です。
豚タンのコンフィが通常メニューにあるのですが、牛だったらどうなるんだろうという上司の素朴な疑問から作っていただいたものです。1.3~1.4kgぐらいとのこと。写真には大きさがわかるように横にタバコを置いてあります。
さすがに舌そのものでちょっとグロテスクでしたが、カットすると抜群の火加減で美しい色合いの肉料理となりました。先端部分は赤身のしっかりとした味わいで、後ろのほうはしっかり脂ののった旨みがあり、同じタンでも部位によっての味の違いを楽しむことができました。

■特別注文「仔豚の丸焼き」(2014年4月)
事前予約が必要なメニューです。特別にお願いして作っていただいたので、価格は不明です。前回の牛タン1本に続き、お店の焼ける限界に挑戦してもらいました。5~6kgぐらいでしょうか?
中華料理でも広東料理で仔豚の丸焼きがありますが、こちらはイタリアンなので、見た目は同じなれど、味わいが異なります。皮は北京ダックほどパリッとせず、コラーゲンが多めな感じの仕上がりです。脂も多くないので皮のコラーゲンと肉の旨みとのバランスがいい味わいですね。味付けは、香辛料をいろいろ使い複雑な味わいに仕上げてくれました。辛さはありませんが、いい香りがしました。


●なみなみグラススパークリングワイン(800円)
スペイン産のカヴァで銘柄はコドニュー。メニューの名前のとおり、なみなみについでくれます。きめ細かい泡立ちとスペインらしいボリューム感のあるスパークリングワインです。

●シャンパーニュ・ポメリー・ブリュット・ロワイヤル(ボトル8,000円)
フランスブルボン王朝の色といえば、ロイヤルブルー。この色をイメージカラーとするポメリーは、フランス伝統のシャンパーニュ。爽やかで現代的なモエに対して、ポメリーは辛口なれど、芳醇な味わい。正規輸入代理店はキリンビールです。

●シャンパーニュ・グラン・クリュ・アンボネイ・キュヴェ・デ・クレイエール(10,000円)
シャンパーニュの中でもワングレード高いグラン・クリュクラスで、もちろん、レコタンマニピュランです。
いい樽香があり、酸味がシャープな辛口シャンパーニュもいいけれど、こういう複雑な味わいのシャンパーニュもいいなと思わせてくれる味わいですね。これほど樽熟成を感じたシャンパーニュは初めていただきました。

●シャブリ・プルミエ・クリュ・フルショーム(ボトル6,500円)
シャブリの中でもワングレード高い「プルミエ・クリュ(1級)」のシャブリです。シャブリらしいシャープな味わい。

●甲州グリ・ド・グリ(シャトー・メルシャン)(ボトル4,500円)
甲州種の紅紫色の果皮からくる、やや褐色がかった美しい色合い。白ワインとしては、タンニンがしっかりめの味わいであるものの赤やロゼと比較すると軽く繊細な印象。
酸味もおだやかで、赤身のお肉に良く合います。

このお店は、ワイン×肉料理が特徴で、若い女性には好まれそうな印象です。2人ぐらいでカウンター席に座り、料理へのシェフのこだわりを聞きながら、シェアして食べるとより美味しくいただけるかと思います。


- - - 総評 - - -

座席が比較的ゆったりとした幅でとってあるためとても快適で、接客も大変丁寧でとても居心地の良いお店です。
上質なお肉が食べられることは間違いないお店なので、広尾で肉が食べたくなったら、ここを選択すべきですね。
メニューは定番は残しつつも適度に入れ替えをしているので行くたびに楽しめるかと思います。

  • 埼玉県産牛ランプのステーキ 150g(2,500円)2015年8月
  • シャンパーニュ・グラン・クリュ・アンボネイ・キュヴェ・デ・クレイエール(10,000円)2014年4月
  • 彩りフルーツのマチェドニア(900円)+スパークリングワインがけ(+400円)2014年2月

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10位

聘珍樓 横濱本店 (日本大通り、元町・中華街、石川町 / 中華料理、飲茶・点心)

1回

  • 夜の点数: 3.6

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.6
    • | CP 2.5
    • | 酒・ドリンク 3.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2014/04訪問 2014/04/01

中華街の老舗高級中華料理店は何でも揃う!

横浜中華街において現存するお店の中で最も古いお店です。昭和9年に横浜貿易新報社が募集した「浜自慢新名物五十佳選」に選ばれたとのことで、昔からの有名店なのでしょう。

入り口の受付で、飲茶等の軽食なのか、食事なのかを聞かれるので、食事である旨を伝えると個室に通されました。さすが、中華街の高級店です。

メニューは、基本は広東料理なれど、中華料理のジャンルなら何でもあります。当然ながら高級食材を使った海鮮料理から、定番の点心もありますし、季節もののメニューもあります。ゆえに何冊もあるメニューから好みのものを探すのはなかなか大変なことです。
おすすめなのは、その月ごとのメニューが別冊になっており、1皿の量も少なめなのでいろいろ食べられて楽しめるますね。

いただいたのは、
■エゾアワビのオイスターソース煮込み(2,320円)
さすがに黒アワビでは高いのでしょうね。アワビの中では比較的お手ごろ価格なエゾアワビを使っています。
柔らかく煮込まれていて、オイスターソースでの味付けとアワビは相性抜群!文句なしのお勧め料理ですね。
本格中華というより、ヌーベルシノワ(1980年代に香港で生まれたフランス料理や和食の技法を取り入れ、銘々皿に盛り付けする新しい中華料理)の魚料理のメインになりそうな一品ですね。オイスターソースを残すのがもったいなく、饅頭でソースを取って食べたくなります。

■エゾアワビのニンニク蒸し(2,320円)
こちらもエゾアワビですが、違った調理法です。均一に火が入り、食べやすいように包丁が入っています。こういうところの気遣いがさすが一流店ですね。
こちらの味付けは、ニンニクと醤油がベースなので、アワビの味わいを引き立ててるのでアワビの味を感じることができます。
肝がちゃんと付いており、肝まで苦味が少なく旨みが多く美味しいですね。貝類の肝は、もうちょっと苦味が強くて海を感じる味かと思っていましたが、素材の質がいいのでしょうか?苦手な人でも食べられそうな味わいです。

■アサリのトウチ醤煮込み(1,260円)
トウチとは、黒大豆を発酵させた食材(調味料)で塩気も強いですが旨みも強いです。
日本では「豆鼓」と記載されることも多いですが、厳密には2字目のへんは、豆なので異なる意味の字をあてたものです。なので、正しく表現するためにカタカナでトウチと書いているのでしょう。文化を正しく理解する姿勢をメニューの表記からも感じますね。
魚介系の旨みの強いアサリと植物由来の旨みの強いトウチの2つの食材を使えば、美味しく仕上がること間違いなしです。
アサリ自身にも塩気があるので、トウチを多用しないところが高級店の調理法です。個人的には、トウチメインで味付けして押してくる大衆中華も好きです。
春雨を合わせて煮込むことにより、旨みを吸わせていています。よく計算された完成された料理です。

■焼鴨(正式名称と価格は失念)
広東料理の定番をグランドメニューから選びました。北京料理なら北京ダックですが、広東料理ならやっぱり焼鴨です。もともとは南京料理が発展する間に枝分かれした兄弟みたいな料理ですね。
特に高級店の北京ダックは、皮のパリパリだけを味わうものになってしまうので、こちらにしました。
皮のパリパリ感こそ、北京ダックに劣るものも、食べ放題の北京ダックよりもパリパリで、かつ肉もしっかり味わえるので美味しいです。わずかに酸味を感じる特製ソースがでいただきますが、こちらも絶品ですね。

■豆腐と干し海老の煮込み(650円)
聘珍樓の本店にも、安心して食べられる価格のものがありました。
豆腐と干し海老を煮込んだあんは、穏やかな味わいで飽食で疲れた胃に優しい味わいです。

■海老の龍井茶炒め(2,100円)
広東料理の名店で杭州料理(上海料理)をいただくというちょっと意地悪な主旨をもって注文しました。プリップリの海老の素材の良さは申し分なく、龍井茶はさわやかで、春を感じさせる料理です。
美味しい仕上がりですが、見た目のシンプル度からくる、コストパフォーマンスの悪さは否めない料理でした。

■小籠包(1個200円)
ひとセイロでの注文でなく、1個単位の注文なので人数分の注文ができて便利です。
専用のステンレスのおたまのようなものの上に載って出てきますが、大きなお店だけあって、客席に届くまでに時間がかかるようで熱々ではありません。適温ですが、やはり、小籠包は、やけどするばかりに熱々をいただきたいところです。
今回いただいた料理の中で最も凡庸です。

■海老すり身団子揚げ(1,160円)
見た目は凡庸ですが、1個290円相当の海老団子は、海老の味が凝縮して美味しいです。揚げ加減も文句なしで衣がサクサクしています。中華風とも洋風ともつかない、ソースとケチャップとオイスターソースを混ぜたような特製ソースでいただきます。

■豚足と生姜の黒酢煮込み(1,470円)
豚足も高級店なら、高級な味わいです。焼肉店ではいかにも足なものが出てきますが、ここのは関節部のコラーゲン繊維が多い部分だけで出てきます。黒酢といっても酸味はマイルドで、バルサミコ酢で煮込んだような感じです。ショウガの香りもアクセントになる、高級豚足ですね。

■特上海鮮入りチャーハン(3,040円)
チャーハン1皿に3,000円以上を支払うのですから、狂気の沙汰な感じもしますが、そうそう高級店のチャーハンをいただく機会もないので味わってみることに。
出てきたチャーハンには、太いカニが2本載っています。もちろんカニカマではないです。チャーハンの中にもイカやホタテなどの海鮮が大きなサイズで入っています。
油の使い加減が上手で、油っこくないのに程よくパラパラです。卵も細かく炒められていてレベルの高さを感じます。
テクニックはなかなかのものですが、コストパフォーマンスはいいとは言えませんね。

■おこげの五目あんかけ(3,040円)
個室内で熱々のおこげにあんをかけてくれます。ジュワーッと音をたてて食欲を刺激してくれる定番料理です。
この価格ゆえに具のホタテの大きさが大きいですね。残念なイタリアンならこれのソテーだけでメインとしてしまいそうな大きさのものです。

●工芸茶 ブライダルブーケ「丹桂飄香」&ブライダルアーチ「金元宝」(各840円)
花咲くジャスミン茶の工芸茶です。グラスの中できれいに花開いてくれれば美しいのでしょうが、なかなか上下が定まらず、美しいかたちに収まりません。味は、普通のジャスミン茶です。


すべての中華料理が揃ってしまいそうな聘珍樓ですが、今回いただいた料理の中では、海老の龍井茶炒めと小籠包という、古典的上海料理のときにコストパフォーマンスの悪さが見えるので、やはり、お家芸の広東料理をいただくのが良いかと思います。

接客は、高い質とはいえますが、10%のサービス料を取るのそこを勘案すると評価が難しいです。また、人によってサービスの質にばらつきがあるかと思います。

アラカルトだと目移りするので、よほど中華を食べなれた人とか、どんな料理がどんな価格で提供されても気にならないセレブ以外には推奨しません。
やはり、お店お勧めのコースを無難にいただくのが正しい利用法かと思います。

  • エゾアワビのオイスターソース煮込み(2,320円)2014年3月
  • エゾアワビのニンニク蒸し(2,320円)2014年3月
  • アサリのトウチ醤煮込み(1,260円)2014年3月

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