2回
2019/08 訪問
歴史感じる静謐の間で頂く加賀料理
今回の加賀旅行で一番楽しみにしていたお店。
元々は加賀藩の御膳所御料理方を代々勤めてきた
大友家が180年に渡って営んでいる料亭。
池波正太郎が「むかしの東京をしのばせる味わい」
と記した料理を一度味わってみたかった。
前田利家公とまつの方を祀った尾山神社近くの
風情ある建物。予約時間数分前に到着すると
既に若女将さん?仲居さん?が店先でお迎え待機。
「○○さまでございますね。」
「お暑い中、ようこそおいで下さいました。」
この時点でもう間違いないなあと思いましたわ。
庭に面した一見離れと思しき角部屋の座敷へ。
後から知ったがこの店で最も古い江戸期の建物とか。
台風の影響で風が強くこの日は立て簾も、より静謐な間
での食事となり、これも悪く無い。何しろ落ち着く空間。
突出しのゴリの甘露煮、自家製食前酒に始まり、
吸物、造り、八寸、焼物、代表的加賀料理の唐蒸しと治部、
酢の物、なすそうめん、果物。どれも全く文句ございませぬ。
きちんとした加賀料理は初めてで、感嘆しながら味わう。
どれも美味じゃったが、ワシが特に印象に残ったのは
自分で釣らんと味わえないと言われる市場に流通しない
クルマダイの昆布締めと治部。
シッカリした歯応え。噛むととろけて脂の甘みが昆布の
旨味に包まれながら出てくる感覚は秀逸。
治部は・・ワシが今まで治部煮として認識してたものとは
全く異なる味わい。旨味が閉じこめられた鴨、深みある出汁に
小麦でさらっとしたとろみの汁。わさびを溶くと段々と味が
より締まっていく流れ。ええなあ。酒がススムわ(笑)
細かな事じゃが、刺身のつま・・白髪大根のケンの中に
僅かに同じ細さの胡瓜が含まれており、その香り味わいが
何とも言えぬええ塩梅。よく考えられてるなあ。
あれは加賀太きゅうりなのかしら?1本買ってきたから試してみよ。
歴史を感じる静謐の間で、2時間ほどゆっくりと美味しい
加賀料理を頂く。久々に記憶に残る食事じゃったなあ。
これだけゆったり贅沢な時間を過ごさせてもらって、
お会計は二人で19000円切ってる・・ってマジかい。
ありがたい様な申し訳無い様な。出迎えてくださった女性が
給仕から最後のお見送りに至るまで、まるで専属の様に
ついてくださったのも驚き。
本当にご馳走さまでした。次回は冬場に再訪をと強く心に誓いました。
2019/08/20 更新
金沢最後の食事は前回とても感銘を受けた料亭大友楼。
やはり定刻前から入り口待機のお出迎えを受け、
この日は二階の間に案内される。時代を感じる急な階段、
銘陶の並ぶ廊下を渡り、落ち着きと品を感じる間へ。
一番シンプルな加賀料理のコース。
この日は食前酒と白子に始まり、椀、造り、八寸、焼物、
鯛の唐蒸し、治部煮、酢の物、河豚卵巣ぬか漬け茶漬け、
果物。金沢料理の代表的な品の唐蒸しと治部煮は全ての
季節、コースで供されるらしい。
酒は手取川を頂き、それぞれの品をゆっくり味わう。
酒、料理、空間、供してくれる人が全て心地よい。
単純に美味い不味いの域を超えて命の洗濯受けてる感じ。
わはは。オーバーかしら(笑)
1号が「年末休みに金沢に行くので、もしやってて予約
取れたらお願い」と頼まれ伺うが指定された日はお休み。
残念でした(笑)でもこういう場を若い時から経験して
おくのはとてもええ事じゃと思うし、あらためての訪問を
勧めたい。お代はお酒ちょこっとを含めて二人で18000円程。
ホントにいいんでしょうかと聞きたくなる。
金沢ってええ街じゃねえ。今度は春に来たいのお。