ガレットブルトンヌさんが投稿した長谷川 稔(東京/広尾)の口コミ詳細

ガレットブルトンヌのレストランガイド

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長谷川 稔広尾/イノベーティブ、フレンチ、イタリアン

4

  • 夜の点数:5.0

    • ¥50,000~¥59,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 4.9
      • |CP 4.9
      • |酒・ドリンク 5.0
4回目

2020/06 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.9
    • | CP4.9
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥50,000~¥59,999
    / 1人

神、再び

今や、世界一予約至難とも思われるこちら。

幸運なことに、ご縁があって、再訪することができました。

勉強熱心な長谷川シェフ。

日々の精進を如実に感じる料理であり、

現状に甘んじないチャレンジも感じられ、

またまた超絶な技をみせてくれました。

華美な要素は一切なく、

素材の声を聴くかのような調理法。

油分保有率と水分保有率のバランス、味覚の対比を意識して

創られる料理は感動を超えます。

では、この日の天国の様子です。

*はワインペアリング


「食材の命を断つ瞬間から料理が始まる」全9皿


1. 鮑 グリーンアスパラガス
 千葉 房総の鮑 水と塩で約3時間火入れ。
 ソースは鮑の出汁をくず粉でとめたもの。
 このくず粉のとろけ具合も最高です。

 北海道産グリーンアスパラガスを蒸し焼きにした後
 高温のオーブンでロースト。

 *Roger Coulon / Brut Premier Cru Heritage N.V.
  ロジェ・クーロン/プルミエ・クリュ エリタージュ N.V.

  乾杯と、
  一品目に。
  10年以上熟成の
  香りと旨味の豊かなシャンパーニュ。


2. 金目鯛の鱗焼き スペシャリテ
 一見、こんなに手がかかっているとは想像できない料理ですが、
 実は・・・
 ①金目鯛は前日に昆布締めで塩打って脱水させ、
  30秒スチーム、30秒休ませて
  1分スチーム、1分休ませて...
  この作業を約1時間繰りし、ゆっくりと保湿させながら火入れをしていく。
  冷凍庫で1分冷ます

 ②ストレスをかけず傷をつけない為、皮目には包丁は入れないで、
  鱗をつけたまま皮目を下にしてフライパンで焼く。
  火が入りすぎないよう氷をあてながら焼いていく。
  絶対に魚を押さえつけない(ストレスがかかり今までの火入れの意味がない)
  魚が反るのを感じながらバランスをとり調整し素手で優しく押さえながら焼いていく。
  火傷しないための手袋は、魚の状態を感じる感覚が分からなくなるから絶対につけない。
  そのため、シェフの指先はいつもやけど。
  通称、「やけど焼き」です。

 ③炭で余分な油を落とし熱々に仕上げ、残りの火入れを行う。

 熱源を3つ使って、手間をかけ、ゆっくりと丁寧に火入れ。
 付け合わせは
  ・北海道ハーブ (毎日届くそう)
  ・高知の茄子のマリネ
  ・伊豆の甘夏

 25年熟成のバルサミコソース
 タプナードソース(オリーブ、コルニッション、ケッパー、レモン果汁)

 この一皿で、甘み、旨味、苦味、塩味、酸味の5味を楽しめます。

 *Gerard Boulay / Sancerre Monts Damnes 2017
  ジェラール・ブレ/サンセール モン・ダネ 2017年
  馥郁とした香り。
  スペシャリテをさらに際立たせます。
  ソーヴィニョン・ブランの爽やかさも。
  
3. 鹿カツサンド
 北海道の蝦夷鹿のもも肉を燻製にし低温で調理。
 ネックショットと呼ばれる狩猟方法により鹿にストレスなく、
 血が回らず、綺麗な肉質の鹿。
 北海道産のじゃがいもを使用したピューレとトマト、キャベツを
 パンで挟みカツサンドにしインカのめざめのローストを添えて。
 
 本当にきれいな味と風味の鹿肉です。
 ルビー色に輝き、抜群の火入れ。
 大好物ゆえ、この仕上がりは至福。
 
 *Serafin / Gevrey Chambertin 2009
  セラファン/ジュヴレ・シャンベルタン 2009年

  軽くスモークされた鹿カツには
  ほどよく熟成された
  香ばしいジュヴレ・シャンベルタン。
  次の料理と白ワインへの流れも考慮され、
  完璧すぎ。


4. 冷製パスタ 浜中赤ウニ
  銚子一山いけすのハマグリ出汁とスダチ
  を合わせたソースと絡めた冷たいパスタ。

 ・一山いけすのハマグリ
  鹿島と銚子の海流がぶつかる綺麗な水質で、
  トロール漁でゆっくりと静かにストレスを
  かけないように取っていく。(ハマグリにストレスを与えない為)
 
  四回濾過された生簀で生かし、水揚げしたその日のうちに
  店に届く。
  新鮮なためハマグリは洗わず火にかけ、綺麗な出汁を取る。

  赤ウニの間にレモン、ライムのジュレ、上から少し醤油を垂らして。

  この赤ウニの間の、レモンとライムのジュレ、という技に
  悶絶。 神は細部に宿る・・・。

  *Clos de la Bonnette / Condrieu Roches d’Arbuel 2018
   クロ・ド・ラ・ボネット/コンドリュー ロッシュ・ダルビュエル 2018年

   今回のインポートは60本のみ、とのこと。
   あくまでも自然なトロピカル香が
   冷たいパスタのスダチ・レモン・ライムの風味に、
   まったりオイリーなテクスチャーが
   雲丹のコクと素晴らしいマリアージュ。

5. リゾット 雲丹 まぐろ
  福井県産いちほまれ米を使用。
  まず、釜で炊かあがったところを見せてくれます。
  それを、ハマグリの出汁で炊き上げる。
  宮崎、油津のまぐろを使用。漬けにしたものと、炙ったものと
  2種類乗せ、有明の海苔と山葵を添える。
  今度は北海道余市の雲丹と焦がしバター、卵黄を合わせたソースで。

  反則的美味です。

  *ここで、ワインは休憩で、
   芦屋・青山ウーフさんの紅茶
  『アンバー』
  ダージリン・ファーストフラッシュに
  天然のバラとカモミールのブレンド。
  丁寧に水出しされ
  華やかで美しい仕上がりに。

6. マナガツオ 真鯛出汁 
  今回、最も感動した一品。
  究極の引き算の美です。
  茶道の心さえ感じます。
 
  藤本純一さん神経締めのマナガツオを
  蒸気で遠くからゆっくりと保湿をさせながら
  2時間かけて火入れし、炭火で仕上げる。

  スープも藤本さんの真鯛(神経締め)を使用。
  旨味成分に変わるATPを残す神経締め
  その真鯛の身だけを使う、という贅沢さ。
  冷やした時に苦味やえぐみに変わる為、
  頭と骨は一切使わず身だけで出汁をとる。

  身は前日に塩を打ち昆布締めにして脱水させる。
  硬水で洗い、軟水に浸し攪拌、濾過し火にかける
  愛媛の海域で獲れる真鯛は運動量が多く脂が少ない。
  そのため余分な油脂分が無く、冷やしてもクリアで
  綺麗な出汁がとれる、とのこと。

  真鯛、水、塩 以上。
  潔し。

  *Simon Bize / Savigny Les Beaune Premier Cru Aux Vergelesses 2003
   シモン・ビーズ/サヴィニー・レ・ボーヌ プルミエ・クリュ 
   オー・ヴェルジュレス 2003年

   銘醸ブルゴーニュの
   完璧なコンディションの
   バックヴィンテージ。
   リッチなシャルドネながら、
   繊細なマナガツオの一皿にも合う
   絶妙なバランス感。


7.石垣島 きたうち ヒレ
 きたうちプレミアムビーフ40

 40ヶ月肥育の自然放牧の和牛、月間5頭。
 サシの融点は26度。

 低温でじっくりと(スイッチバック)火入れをし炭火で仕上げ。

 付け合わせは、
 賀茂茄子に、ブラウンマッシュルームエシャロット、
 ベシャメル、ゴルゴンゾーラのソースに、
 椎茸、スカモルツァチーズを乗せてグラタンに。

 *Argiolas / Turriga 1994
  アルジオラス/トゥリガ 1994年

  南の島の素晴らしい和牛に
  サルデーニャ最高の赤ワイン。
  こちらも完璧な熟成状態で、
  見事な芳香と重厚な味わい。
  開けたてと、
  前日に抜栓しデキャンタージュしたものを
  二皿のメインに合わせてサーブ。

8. トマト
  宮崎県のアイコトマト、低温(100度)で1時間ロースト。
  木更津のモッツアレラチーズとリコッタチーズ。
  レモン果汁とオリーブオイルを合わせたドレッシングと、
  北海道の菅原優子さんのハーブを。

9. 石垣島 きたうちイチボ
  (チンジャオロース仕立て)

  「まだ、お腹、入ります?」と聞かれ、
  深く頷きました。笑
  ヒレ同様に火入れをし、上に厚岸の牡蠣を乗せ、
  自家製のオイスターソースに、
  鹿児島の筍、宮崎のピーマン、梅山豚を加えたソースを。

  ちゃんと、チンジャオロースになっているところが、
  ちょっとクスっとします。

  *Argiolas / Turriga 1994
   アルジオラス/トゥリガ 1994年
   こちらには前日にデキャンタージュしたものを。
   やはり、こちらが好きです。
  

<番外>
  なんと、冷麺、登場。
  ホロホロ鶏の出汁というスープが
  すごすぎ。
  
  *これにもマリアージュ、というのが花田ソムリエの  
   すごさ。
   
   Marguet / Brut Nature Sapience Premier Cru 2008
   マルゲ/サピエンス プルミエ・クリュ 2008年 

   なんとサピエンス、
   しかも伝説になるであろう
   2008年ヴィンテージ。
   
10.デザート

  ① 長崎産 びわ
    ヨーグルトと北海道産クリームチーズのソースの上に
    レモングラス、ココナッツでコンポートにしたびわを添えて
    レモンのジュレとライムの皮を散らしています。


  ②ガトーショコラとピスタチオのアイス
    北海道産4つ星苺を添えて

   ・DOMORI サンビラーノミルクチョコレート
   ・バローナ 
    を使用したガトーショコラ。
    温度の対比を表現する為、2種を添えて。

11. 茶菓子
・マカロン
  ルビーチョコレートのガナッシュにフランボワーズのジャム
・アプリコットといちご、イチジクのパウンドケーキ
・特別にカヌレも


 *『オリエンタル』
   こちらは長谷川稔だけのオリジナル。
   ダージリン・ファーストフラッシュに、
   サンダルウッドをブレンド。
   エキゾチックで上品な香り。


今回は、マナガツオに心底感動しました。

長谷川シェフのキャパシティと探求心に、

心酔です。

そして、ソムリエ花田さんのワインマリアージュも

いつもながら、キレッキレで、

大いに楽しませていただきました。


予約至難度だけでなく、

クオリティもオリジナリティも、

世界唯一無二です。

  • セッティング

  • 個室

  • シャンパーニュ

  • 鮑とアスパラガス

  • 鮑とアスパラガス

  • 白ワイン

  • 金目鯛

  • 金目鯛

  • 白ワイン

  • 鹿カツサンド

  • 鹿カツサンド

  • 白ワイン

  • 雲丹のパスタ

  • 雲丹のパスタ

  • 炊きあがったご飯

  • アンバー

  • アンバー

  • 鮪と雲丹のリゾット

  • 白ワイン

  • マナガツオ

  • マナガツオ

  • 赤ワイン

  • 石垣島 きたうち ヒレ

  • 石垣島 きたうち ヒレ

  • トマト

  • トマト

  • 赤ワイン

  • 赤ワイン

  • 石垣島 きたうちイチボ

  • 石垣島 きたうちイチボ

  • シャンパーニュ

  • 冷麺

  • びわ

  • びわ

  • オリエンタル

  • オリエンタル

  • ガトーショコラとピスタチオのアイス

  • ガトーショコラとピスタチオのアイス

  • 小菓子

2020/06/11 更新

3回目

2019/05 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.7
    • | CP4.9
    • | 酒・ドリンク4.9
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

神、宿る

3回目の訪問となりました。

新たなスタッフに変わり、雰囲気もとても明るく、和気あいあい

としています。

1階、シェフズルームに通され、窓越しに、キッチン

にいらっしゃるシェフと目であいさつ。

長谷川シェフ、今回も渾身の天才ぶりを見せてくれました。

もやは、天才を越して、すべての料理に神が宿っています。

「素材にストレスを与えないように」が、シェフのフィロソフィー

でもありますが、その素材と料理に対するやさしさが、素材の細胞の

隅々にまで伝わり、ひいては、私の細胞まで元気にしてくれます。

今回は、特にそれを強く実感。

ふつうであれば、「どうだ、この料理、すごいだろ」と

料理が主張してくるほどのクオリティですが、

長谷川シェフの料理は、ものすごく手がかかって

いるのに、そんなことは微塵も感じさせないほど、

淡々としていて、それでいて、一口いただくごとに、

経験したことのない充足感に包まれます。

心地よい読後感、翌日の爽やかさ、すべては、長谷川稔シェフの

成せる業です。

では、今回の内容です。

すべて完璧でした。

コースは、税サ込 36000円。

それに、ワインと個室料です。


1、舞鶴の鮑
  ミネラルを多く含んだ海流で育った鮑
  55度の温水で洗い、75度で4時間火入れ。
  水は、軟水7割、硬水3割。
  鮑の出汁と高坂鶏の出汁を葛粉でとろみをつけたもの。
  函館のアスパラガスの先には、肝ソースを炙ったものが。

2、すき焼き
  特選松阪牛のフィレと
  石垣キタウチプレミアムビーフのサーロイン
  前の晩に火入れし、自由水を出し、
  割り下を含ませて、ゆっくり炭火で火入れ。
  添えてあるのは、
  ・ちりめん山椒
  ・アサリ出汁で炊いたご飯
  ・北海道の王様椎茸
  ・赤酢
  これを、浜中の塩水雲丹+温泉卵につけて
  いただきます。

3、伊東の金目鯛
  スペシャリテです。
  1分蒸して、5分休ませる、を7~10回
  繰り返し、
  皮目を下に、鱗を寝かせるという独特の焼き方。
  身に火が入りすぎないように、上に氷を当てながら、
  オリーブオイルをつけて、炭火で火入れ。
  皮目はカリカリにクリスピー、そして、
  身はあくまでソフトでジューシーに。
  付け合わせは、
  ・北海道のハーブ
  ・ローストしたアイコトマト
  ・牛乳に1晩つけたモッツァレラ
  ・高知の茄子
  ・タプナード
  ・バルサミコ酢

  この料理で、人間の5味、
  旨味、塩味、甘味、苦み、酸味を表現。

4、北海道4つ星いちご
  いちご大福をイメージした一品
  マスカルポーネチーズと、ラム酒、
  抹茶、タピオカ、白餡を。

  モレッティのお皿で登場

5、マナガツオと筍
  今治の漁師、藤本純一さんのマナガツオの炭火焼
 
  京都の筍は、70度で蒸し焼きにし、
  グレープシードオイルで2時間コンフィにし、
  白出汁で1時間煮込み、その後ビールの衣でベニエに。
  煮込むときに、炭をいれることで、炭のカルシウムと
  筍のシュウ酸が結び付き、えぐみを取っている、とのこと。

  付け合わせは、
  ・蕗の薹の味噌
  ・菊芋ピュレ
  ・ブレザオラ
  ・山山葵

6、パスタ
  銚子、一山いけすの蛤の出汁と、
  昆布〆した白海老の出汁をまとった
  パスタに、キャビア

7、阿蘇の梅山豚のロースとバラ
  厚岸の牡蠣の酒蒸し
  宮崎のピーマン
  八丁味噌と甜麺醤
  オイスターソース
  ラー油

  イメージは、青椒肉絲

  グルタミン酸とイノシン酸の旨味が
  計算しつくされています。

8、リゾット
  福井、レンゲ栽培米のいちほまれと、
  神奈川の春シメジを、
  渡り蟹とトマトソースの出汁で。
  そこに毛蟹、雲丹、神経〆した車海老を。

  レンゲ栽培とは、昔から伝わる米栽培で、
  苗を植える前に、レンゲ畑を作り、
  空気中の窒素を土壌に固定し、それを有機肥料に
  するというもの。

9、仏、ルーアンの窒息鴨
  スイッチバック2時間半
  (1分のロースト、20分休ませる)
  ロワールのアスパラガス
   100度で4分蒸し、2分揚げたもの
  マルサラ酒とフォンドヴォーで。

  見事な焼きです。
  素晴らしいローズ色
  テクスチュアも完璧。
  皮目のクリスピーさも言うことありません。

  4種のポテトのマッシュ
   ・メークイン
   ・きたあかり
   ・サヤアカネ
   ・ロビオーラ
   トーマ・シラヌカのチーズで

   マッシュルームにゴルゴンゾーラ

10、デザート
  太陽のマンゴー
  ヨーグルトのパンナコッタ
  柑橘のアングレーズソース
  フォアグラを練りこんだクレープ生地
  ココナッツのジェラート

11、ミニャルディーズ
  ・胡麻のマカロン
  ・アングレーズのガナッシュ

12、富士のほうじ茶


お供は、赤ワインをグラスで。
Chateau Clinet Pomerol 2006
鴨とは、完璧なマリアージュでした。


新たにスタッフとなったソムリエの保木本さんも

とても一生懸命で、心地よいホスピタリティ。

これだけの説明を覚えるのに、

電車の中でも、呪文のように繰り返していたそうです。

そういった日々の努力は、着実に伝わりますね。


このクオリティを維持するシェフの技術と

精神力に感謝あるのみ、です。

帰宅後、お土産にいただいた、チーズケーキを

いただきながら、しみじみとお料理を振り返り、

幸福感に浸りました。


  

  • おしぼり

  • セッティング

  • 赤ワイン

  • 雲丹と温泉卵

  • すき焼き

  • すき焼き

  • 特選松阪牛フィレと石垣キタウチプレミアムビーフのサーロイン

  • 長谷川稔シェフ

  • 金目鯛

  • 金目鯛

  • 4つ星いちご

  • 4つ星いちご

  • マナガツオと筍

  • マナガツオと筍

  • パスタ

  • パスタ

  • 梅山豚と牡蠣

  • 梅山豚と牡蠣

  • レンゲ米のイチホマレと春シメジ

  • リゾットに

  • ルーアン鴨

  • ルーアン鴨

  • ルーアン鴨

  • デセール

  • デセール

  • ミニャルディーズ

  • ほうじ茶

  • チーズケーキ

2019/05/12 更新

2回目

2018/12 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.3
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.3
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

天才シェフが繰り出す五味の限りないマリアージュとコントラスト

今年出会ったレストランで、ダントツにトップだったのが

こちらでした。

今までも天才と思われるシェフには何度もお会いしていますが、

ここまで絶句させる料理の技は正直驚きです。

長谷川シェフは、どこにも修行経験がなく、すべて

独学。

それゆえ、きっと、彼の手法には、「これはダメ」という

ヘンなハードルはないのだろうと想像します。

その変わり、限りなく続く試行錯誤。 異常なまでの

集中力がなければ到底できません。 

しかし、ご本人は、ニコっと笑うと小熊ちゃんのような

キュートな表情。 

厨房にいるときの集中した顔つきと、会話しているときの

表情がまるで違います。

そんな驚愕の技ですから、予約が殺到。

聞けば、2020年半ばまですでに満席とか。

そんな中、再訪の機会を持てたことは幸せの至り。

冬になり、前回とは素材も一新。

またまた、すご技がさく裂しました。

では、内容です。

1、白子のタリオリーニ
  愛媛今治の藤本さんの鱧と、
  銚子一山いけすの蛤の出汁に
  高知の柚子を効かせたタリオリーニ。
  鱈の白子は、干し椎茸やかつおぶしなどの白出汁で
  ゆっくり炊いたもの。
  タリオリーニの上には、たっぷりと艶々の白子が。
  噂には聞いていましたが、これを一口いただいたときの
  衝撃。 初めてこちらに伺ったときの衝撃が
  瞬時によみがえりました。
  人生でいただいた白子の中で最も美味です。
  白出汁の滋味が白子に沁みているのですが、
  白子の旨味も同時に感じます。
  タリオリーニに混ぜずに、交互に食べてください、と
  シェフのリコメン。
  口の中で、交互に記憶が交錯し、増幅します。
  まさに至福。

2、シマアジ
  伊東から2.8kgのシマアジが入ったとのことで、
  それを41.5度で燻製に。
  42度になると、もうかたくなるそうで、
  シェフは、どの素材にも適温を試しています。
  果てしない作業です。
  サラダ仕立てで。

3、会津の献上柿
  2つのソースで。
  ① マスカルポーネとラム酒
  ② ヘーゼルナッツとカカオ
  ②のソースは、柿の上にちょっとだけのっているので
  いわれないと気付かないくらいですが、
  そのカカオの余韻が素晴らしいのです。
  実は、柿にほんの少しのセルドフルールを
  ふっているとのことで、これで味の締まりを
  実現。
  甘味と香りのコントラストを楽しめます。

4、長井の赤座えびのベニエ
  2種の塩味で。
  ① モルドバのベルーガ
  ② 川岸牧場 神戸牛のブレザオラ
  塩味にブレザオラをもってくるとは・・・。
  確かに、異なる塩味がベニエをより楽しくします  
  合間にいただく、椎茸の炭火焼も計算しつくされて
  います。
完璧ですが、こうすれば、もっと良くなるのでは、
  と思いついてしまったことがありました。
  シェフには伝えていませんが・・・。笑

5、川岸牧場 シャトーブリアン
  幻の蓮根と言われる姫路蓮根をコンフィにして揚げたもの
  山葵と白子
  その三層をいただいてから、
  残った白子をソースでもあるポン酢につけて、
  白子ポン酢で。
  極上のシャトーブリアンには、ナイフがスッスと
  通り、蓮根、白子とのマリアージュも初めての体験。
  白出汁のイノシン酸が牛肉とマッチするのは
  いうまでもありません。

6、リゾット
  日高の毛ガニに、
  昆布盛の塩水雲丹に焦がしバターを。
  山山葵と白トリュフ。
  蓋をとると、トリュフの香りが広がります。
  温泉卵と割り下を少しかけて。
  なんとも贅沢なリゾット

7、回鍋肉
  「回鍋肉がでます」とは聞いたものの、
  お皿が登場したのは、小気味よく想像を裏切る
  もので、もう痛快そのもの。
  お皿は、フレンチの仕立てです。
  高山の雌イノシシのロースにチーズをまとわせ、
  ローストし、キャベツと。
  松阪豚のバラ肉はカリっと炭火焼。
  それを甜麺醤でいただきます。
  この甜麺醤が笑えるほど美味。
  添えられた蕪は、油分を流す役目。
  生姜御飯を少しいただきながら・・。
  脂と甘みのコントラストです。

8、デセール1
  長野の富士リンゴをコンポートとジャムで。
  下には、アーモンドミルクのパンナコッタ
  上には、生姜のグラニテ
  冷たい一品。

9、デセール2 
  フォンダンショコラ トンカのガナッシュ
  京都産酒かすのアイス
  高知のミカンを150度で1時間半焼き、
  甘味を凝縮させたものと、それを半分冷凍にしたもの。
  べにまどか(水晶文旦)
  とそのアイスパウダー

10、ミニャルディーズ
  ① ベルガモットのチョコレート
  ② 柚子のマカロン
  3 フィナンシェ  プレーン
            シナモン
            コーヒー

11、富士 マル茂茶園、本多さんのほうじ茶


お供は
1、赤ワイン
  Chateau Beau-Sejour Becot
Saint-Emilion Grand Cru 1989

  こちらのソムリエさんもとても勉強熱心。
  仏ワインのみにこだわっています。
  ワインペアリングで使用されている
  ワインも秀逸なものばかり。

2、シャテルドン


2回目というのは私の中で最もハードルが高いです。

なぜなら、1回目がものすごくよければよいほど、

その気持ちはいい記憶として美化されていくので、

2回目にそれを上回るのは並大抵ではありません。

が、長谷川シェフは、いとも簡単に、あっさりと

上回ってしまいました。

白子のタリオリーニをトップにもってくるのは、

反則に近いですね~~~。 

さて、今から3回目が楽しみで仕方がありません。


  • セッティング

  • 赤ワイン

  • 赤ワイン

  • 白子のタリオリーニ

  • 白子のタリオリーニ

  • 白子のタリオリーニ

  • しまあじの燻製

  • しまあじの燻製

  • しまあじの燻製

  • 献上柿

  • 献上柿

  • ワインペアリングの一品

  • 赤座えびのベニエ

  • 赤座えびのベニエ

  • 赤座えびのベニエ

  • 赤座えびのベニエ

  • シャトーブリアン

  • シャトーブリアン

  • シャトーブリアン

  • リゾットの器

  • リゾット

  • リゾット

  • 個室からキッチンを

  • 個室からキッチンを

  • イノシシと松阪豚

  • イノシシと松阪豚

  • イノシシと松阪豚

  • 生姜御飯

  • リンゴのデザート

  • リンゴのデザート

  • フォンダンショコラ

  • フォンダンショコラ

  • ほうじ茶

  • ショコラとマカロン

  • フィナンシェ

2019/02/08 更新

1回目

2018/09 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス4.4
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.3
    • | 酒・ドリンク4.4
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

「唸ります」を超えて、「絶句」しました

これだけ、日本はもとより、世界でおいしいものをいただいていますが、

心底驚きがあり、美味しいと思うものに出会うのは、年1度か2度です。

そして、今年も出会ってしまいました。

私が価値を見出す食事は、

*シェフが食と向き合う姿勢がどうか

*オリジナリティな要素がどれほどあるか

*私の想像を凌駕したか

*シンプルに「おいしい」と思えるか

といった点ですが、

こちらは、これをクリアしたたけではなく、

はるかに超えてくれました。

「素材と手間には人生を掛けている」とシェフ。

本当にそのとおりです。

長谷川稔シェフは、北海道、江別出身。

かの地でレストランをやっていましたが、ご縁あって、

今年から広尾へ。

北海道の素材はもちろん、全国の素材を探究し、

休日には、生産者に直接会って勉強しています。

その素材の良さを最大限に引き出すための

時間と手間、そして工夫のかけ方に驚かされます。

しかも、その方法論については、トライアルを重ねた

オリジナル。 いったい、どれだけの試行錯誤をしたら、

ここに行きつくのか、と考えさせられます。

ですから、シェフの料理は、仏でもない、伊でもない、

長谷川稔料理なのです。

こちらでの食事後、数日間、感動が止まらない、という満足感に浸っていました。

というわけで、ちょっと気合いを入れて書きますので、

長くなります。


ところは広尾駅から徒歩3分ほど。

「ブルディガラ」の隣りの黒い一軒家。

外観は、お店に見えないので、わからない人も続出とか・・。

一軒家らしく、「長谷川稔」と書かれた縦位置の表札が

出ています。

店内は、1Fに4名用の個室と2Fにカウンター席。

1Fからは、ガラスを隔てて調理場が見えます。

2Fカウンター席は6席ありますが、1F2F合わせて1度に4名しか

予約を受けません。

この日は、2Fカウンター席に。

ソムリエさん、パティシエさんがサービスに当たり、

どちらも、とても感じのよい対応。

コースは、1つのみです。

それでは、感動を再現してみたいと思います。

1、金目鯛
  
  シェフのスペシャリテです。
  いきなり、スペシャリテが登場するという構成も
  度胆をぬきます。

  神津島産2.4kg、船上神経〆された金目鯛。
  七輪で2時間火入れし、鱗をオリーブオイルで
  焼くのですが、このとき身に火が入りすぎない
  ように、身側に氷を当てながら焼くそうです。
  その後、炭火で。
  鱗のパリパリ感、身のしっとり感は極上そのもの。
  
  モッツァレラ、バルサミコを添え、
  上には、デトロイト、赤みずな、セロリーの葉、
  ロケット、ナスタチウム、青梗菜などが
  たっぷり。

2、雪の妖精

  というホワイトコーン。
  8本を蒸し焼きにして甘味を出し、
  2本を皮つきのままローストにして、香りを出します。
  そこに、ミルクと塩のみを足し、
  「ナチュラルな甘み」を楽しめる一品に。
  
  大皿に、スプーン1杯ほどが供されますが、
  その品のある甘味に感動。
  江別ではデセールとして出していた、というのも
  頷けます。

3、唐津の黒無花果

  黒無花果に3層のソースがかかっています。
  コントラストを楽しむ一品。
  ① 胡麻
  ② イタリア産ヘーゼルナッツ
  ③ マルカルポーネ

  3層とも滑らかの仕上がりですが、
  その風味の重層が次々押し寄せます。

4、松茸、のどぐろのベニエ

  長野県産松茸と、石巻ののどぐろを、
  ビールとイーストと卵白で作った衣で
  カラッと仕上げてあります。
  松茸には、キャビアを乗せ、海の塩味を。
  のどぐろには、からすみを。

5、パスタ

  出汁だけをからめたパスタです。
  愛媛今治の漁師、藤本さんの鱧、
  銚子 海の生簀で2日活け越し
  (断食のような状態)にした蛤。
  
  途方もなく、エレガントな出汁です。
  
  美しいうねりを持つガラスの皿は、
  北海道の作家さんのもの。

6、カツレツ
  
  土佐の赤牛のフィレ。
  牛の香りを感じる肉質です。
  サクっと揚がっていて、
  旨味が口中にあふれます。

  インカのメザメルージュを
  雪下熟成された甘いさやあかね(ジャガイモ)
  のマッシュで覆い、
  白糠のロビオーラと、トーマ・シラヌカの2種類の
  チーズを。

  ジャガイモとチーズに北海道ならでは、を感じます。

7、ご飯
  
  76℃で5時間炊いた鮑と
  リゾット風に仕上げたお米を合わせて。
  味噌で2晩脱水し、鰹節や干し椎茸の出汁に
  漬けたいくらが別に供され、
  ご飯と一緒に。
  至福そのもの。

8、サフォーク 仔羊

  茶路めん羊牧場の仔羊のTボーンです。
  骨を高温の炭火焼きにし、
  骨の余熱で火を入れています。
  骨の間にすいすいとナイフが入れられるほど、
  ナイフの刃が研ぎ澄まされています。
  キノコのマルサラソースと、
  舞茸と。

9、デセール 1
 
  南瓜プリン
  喜界島産無農薬無花果のジャム
  コーヒーアイス(豆をくだいて香りのみ)

  デセールは、女性パティシエが担当。
  目の前で仕上げていきます。

10、デセール 2 
  
  3種の葡萄のデセール
  シャインマスカット、翠峰、黒丸
  シャインマスカットを中央に。
  半分にカットした翠峰と黒丸の上には、
  長野パープルと紫蘇を合わせたエスプーマ、
  赤ワインとアニスのゼリー、
  甘酒のソルベを。
  紫のお花が咲いたようなかわいいデセール。
  味のマリアージュが考え抜かれています。

11、ミニャルディーズ

  *マカロン
   未熟小夏のマカロン
   中は、ホワイトチョコのガナッシュに
   小夏ジュースを合わせたもの。
  *チョコレート
   ドモーリのガナッシュに
   アラビアンジャスミンのシロップ
  *フィナンシェ
   焼き型のまま、供されます。
   プレーンとダージリン

12、フレッシュハーブティ

  レモンバーベナ、レモングラス、
  アップルミント、グレープフルーツミント
  などを、その場でちぎって、たっぷり。


お供は、赤ワインをグラスで。
Chateau Giscours Margaux 1996
品のいいコクとプラムのような風味。
素晴らしいバランスです。

お土産  スフレタイプのチーズケーキ
 
     家でいただきました。
     ソフトでクリーミー。
     やさしいチーズケーキです。


パスタが出る前のタイミングで、1Fの個室を

見せていただきました。

ガラス越しにシェフを見つめるも、

料理に集中しているシェフは、こちらに

気づきもしません。

天才というより、鬼才といったほうが

いいかもしれません。

この優しい風貌のどこに、ここまでの

徹底したこだわりと探究する強い意志の力が

秘められているのか。

ますます興味がわきました。

この日は、コースが15000円でしたが、

今後は当初予定されていた30000円に戻すとのこと。

それでも十分価値はあると思います。


  • 表札

  • 2Fカウンター

  • セッティング

  • セッティング

  • Gaivota 北海道の水

  • 赤ワイン

  • 金目鯛

  • 金目鯛

  • 金目鯛

  • 雪の妖精

  • 雪の妖精

  • 黒無花果

  • 黒無花果

  • 松茸とのどぐろのベニエ

  • 松茸とのどぐろのベニエ

  • 1F個室

  • キッチン

  • キッチン

  • 1F個室

  • パスタ

  • パスタ

  • カツレツ

  • カツレツ

  • カツレツ

  • ご飯

  • ご飯

  • いくら

  • ご飯

  • 肉用ナイフ

  • 仔羊

  • 仔羊

  • 仔羊

  • 舞茸

  • ハーブ

  • ハーブをちぎって

  • ハーブティ

  • デセールの容器

  • デセール

  • 葡萄のデセール

  • 葡萄のデセール

  • 葡萄のデセール

  • ハーブティ

  • マカロンとショコラ

  • フィナンシェ

  • お土産のチーズケーキ

2018/09/30 更新

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