『ポエシア 2回目のレビュー』酒野夢蔵さんの日記

酒野夢蔵の酒場放浪記

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日記詳細

ポエシアのレビュー文字数が満杯になったために,初回分と2回目のレビューをこちらに移動しました。

(2回目)
木津さんの夜の料理を食べたくなり,再訪しました。
夜でもほぼ満席ですね~。
今回はアラカルトのメニューから,いろいろと頼んでみます。

ワインはロワールの ドメーヌ ミッシェル・トマの サンセール です。蒸し暑い夜には酸を引っ張るワインにしました。ロワールのソーヴィニヨン種から造られた香り高く,かつ切れ味がスパッと切れていきます。

ラタトゥイユ半熟玉子のせ,普通はメインディッシュとかオードブルの皿で付け合わせ的に冷たい料理で提供しますが,温めて半熟玉子をのせています。具材はズッキーニ・かぼちゃ・茄子・パプリカ・トマト・椎茸です。温めて変化させているのも,面白いところです。

フォアグラのテリーヌ 桃のコンポート添え 赤ワインヴィネガーソースを添えて。フォアグラのテリーヌは半分ほど食べた後に写真アップしていますのであしからず・・・・・・・・・。

フォアグラのテリーヌも良い出来上がりです。桃のコンポートも上手に煮つけています。やっぱり,桃のコンポートと赤ワインヴィネガーとの相性は良いのは言うまでもありません。テリーヌに載せている泡状のものは,桃のジュースにレシチンを入れています。

ヒイカのパスタ ジョノヴェーゼ,烏賊はけっこう仕込みや火入れが難しい素材ですが,パスタの茹で加減を含め完璧に提供しています。オクラと鷹の爪も入っています。オリーブオイルとフレッシュバジルの香りが何とも良い感じです。鷹の爪がいいアクセントになっています。

パンは自家製のくるみとレーズンのパンです。

カンパチの香草バターソース,低温調理したカンパチを白ワイン・バター・エストラゴン・イタリアンパセリのヴァンブランソースで仕上げています。付け合わせはインカのめざめのじゃがいも・エリンギ・椎茸・ドライフルーツトマトです。これはクラッシクなラインのソースですが,酸味も感じるとてもいいソースです。低温調理でカンパチの旨みがとても引き立っています。

仔羊のロースト,仔羊はフレッシュですね~。付け合わせはかぶ・アスパラ・じゃがいも・かぼちゃのピューレ,ソースはフォンドヴォーとマルサラです。フレッシュなローズマリーも添えています。素材良い仔羊,徳島のイタリアンでフレッシュの仔羊が食べられることも,シェフも頑張っているんだなと思います。

カンパチ,仔羊,共に低温調理ですが,コンベックオーブンでしていると思います。
阿波尾鶏ときのこのカルボナーラリゾット,米の炊き上げ方も申し分ありません。

タルトタタンとヘーゼルナッツのアイスクリーム。タルトタタンはびっくりしました。スクラップアンドビルド的と申しましょうか。ヘーゼルナッツのアイスクリームも良いのですが,両方の合わせたハーモニーもいいと思います。ちなみにタルトタタンにのっている泡状はバルサミコです。ランチ時のデゼールよりいいですね~。

木津シェフは,スペインにあったエルブリや大阪市江戸堀のHajimeカンテサンスを意識したイノベーティブな料理を探索しているのだなと感じます。オステリアイマムラGAKUとは料理のラインが全く違います。

私はずっと昔のマキシムドパリやレジアンス(閉店),三田のコートドールペリニヨンシェイノのクラッシックな料理に慣れているところがありますが,カンテサンスなどが活躍している現在,これはこれで,シェフの求めている独自性があり,良いのではと感じます。

シェフはフレーム以前はフレンチ出身です。その良さもでているのかなと思います

彼の料理へのひたむきな熱意と客に美味しいと思うものを提供したいという心意気,さらに店主のサーヴィスも含め全力投球している姿には,さらに料理への将来性を感じるものがあります。

女性スタッフの接客も不慣れにもかかわらず,一生懸命頑張っているのが微笑ましいと思います。
木津シェフの料理は夜こそに本領発揮していくと思います。


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