17回
2022/04 訪問
[鐘ヶ淵]日本一の鳥京懐石は墨田区にある
2021〜22の鶏鍋シーズンも昨年11月の1度しか伺うことができず、あっという間に春になってしまいました。
今年に入っても1月21日以降は蔓延防止が出ていたので、鳥田中の鶏鍋がいただけたのは限られた人だけでしょうね。
気が早いけど今年の冬は2回は鶏鍋いただきたいものです。
ということで、今年初めての鳥田中は食べログのレビューアーさんの集まりです。
自分を含めて4人が奥の座敷に集合しました。
こうやって集まって話をしながら食事できるってやっぱりいいなあ・・・
前回残していった麦冠情ヶ嶋を出してもらおうとしたらなぜか中々になっていてびっくりw
あれ、前回一升瓶一本飲んじゃって別の焼酎を残していったんだっけかな。
いまいち記憶がはっきりしませんけどまあいいか。
では乾杯していつものようにコース開始。
紆余曲折を経て、現在の鳥田中はお任せコースのみになりました。
それでも焼鳥の追加、締めの炭水化物の追加は可能です。
以下、コースに沿っていただいたものを列挙します。
白湯粥 七谷地鶏の濃厚な白湯スープで南魚沼産こしひかりを炊いてあります シンプル&極上
冷製コンソメ 黒️薩摩地鶏の煮凍りに毛蟹と百合根、淡路の玉葱のソース 毛蟹が引き立ちます
木の芽味噌和え 合馬(おおま)の筍に熊野地鶏ムネ肉の含め煮と墨烏賊 六角形の昆布激ウマ
燻製盛り合わせ 旬の滑川産蛍烏賊を店で燻製 カマンベールと半熟鶉卵も燻製してあります
お造り 槍烏賊と4日ほど寝かせた間八 コリっとした弾力と計算され尽くした旨味に脱帽
椀物 トロトロ濃厚鶏スープは熊野地鶏の各部位を混ぜ込んだつくね入り 蕪と胡瓜が上品
窒息鴨ロースト 七谷鴨の甘味のあるモモとハツのロースト 鴨葱に粒マスタードと山葵最強
お新香 泉州の水茄子が春に味わえるなんて 津軽の林檎擦り下ろしが爽やかなアクセント
ホロホロ鳥叩き 昆布締めてから炙ってあります 皮と身の間の脂が超美味ですね
串:つくね 七谷鴨も入った濃厚な味わい 強い火入れでしっかり焼いてあります
串:ソリ 最近弟さんの火入れも安定していてムラがなくなりました とても美味しいです
串:ハツ元 これも火入れがお見事 優しくしっかり焼き上げてあって申し分なしです
串:ホワイトアスパラガス エシレバターで香ばしい春の味 サクッとした食感が好みです
レバーパテ 黒薩摩鶏を練った箸休めのパテは蜂蜜入りで甘めに仕上げてあります
串:せせり 熊野地鶏のせせりも攻めた火入れ 巻いた皮がパリッと焼き上がって大変美味
串:レバー 弟さん得意の串はタレの具合がちょうど良くて更に美味しくなっています
万願寺唐辛子肉詰 田中農場の卵に絡めて上品なつくね風に タレに一番合っていますね
串:手羽中振袖 骨を抜いた手羽中と肩周りを一串にしたスペシャリテ 皮が抜群に旨い
追加串:羽子板 丁寧な切り出しで均等に火が入ってます タレとよくマッチしてます
追加串:はらみはホロホロ鳥 珍しく塩で 脂の旨さは今日一番じゃないかと思います
追加串:背肝 鳥田中の真骨頂ともいえる串です 20羽くらい使っている贅沢な旨さ
そぼろ丼 上品な味わいに炊いたそぼろが抜群 これは鳥しきと甲乙つけ難い味ですね
焼きあご煮干し出汁鶏そば 食べずにいられない鳥田中の中華そばその1 満腹でも入る
濃厚白湯鶏そば 食べずに帰れない鳥田中の中華そばその2 腹がはち切れても食べますw
自家製プリン 田中農場の卵で作る濃厚プリンは甘いもの苦手でも美味しく感じます
本日も19時から3時間ちょっと、素晴らしい京懐石の技と七谷地鶏、熊野地鶏、七谷鴨、ホロホロ鳥、黒薩摩鶏などを使い分けた美味しい鳥料理&焼鳥の組み合わせを堪能しました。
締めの中華そばはこれだけで店を出しても長蛇の列になること請け合いの超ハイレベルですから、焼鳥を取り扱う飲食店として総合力日本一であると断言できます。
こんなに旨いものでお腹をいっぱいにできるなんて本当に幸せですw
これからはワクチン接種が進み病床使用率の逼迫もないことを前提に、緊急事態宣言なども極力発出しないそうですから、間を空けずに伺いたいものです。
楽しい飲み会で身も心も大満足です。
お付き合いいただきありがとうございます。
ご馳走様でした!!
2022/05/10 更新
2021/11 訪問
コロナで1年ぶりの鳥田中 トロットロスープの鳥鍋は絶品でした!
昨年からなぜか緊急事態宣言中に予約が入っていて、都度流れては再予約の繰り返し。
正確には予約が取れると緊急事態宣言が発出されてお店が休業になるの繰り返しですけど。
気がつけば昨年伺ってから1年ちょっとの月日が流れていました。
鳥田中に1年も行ってないなんて!
私の鳥人生wに空白ができてしまいました。
コロナめ〜!
ということで、今日はようやく1年越しの予約が通って友人と奥の座敷で鳥鍋です。
同席する友人とも1年以上会っていませんでしたから、コロナって日常生活を大きく変えてしまったんだなと実感します。
その友人もコロナの間に転職していましたし。
田中さんご家族とも1年ぶりの再会。
何だか親戚に久しぶりに会った気分で感激してしまいましたよ。
さあ、今日は美味しく楽しくこの1年の憂さを晴らしましょう。
先ずは再会を祝して特製レモンサワーで乾杯です。
以下、コースの内容を列挙します。
海老芋の唐揚げ 先付代わりの一品は軽い揚げ上がりでサクッと上品な甘味 つけ添えの銀杏が美味
雨後の月純米大吟醸斗瓶取り 友人が再会を祝そうと持ち込んだ酒 フレッシュで香りが素晴らしい
皮剥の肝巻き 肝和えではなくて肝を巻いていただきます こちらのほうが濃厚な甘味を味わえます
ホロホロ鳥の叩き ハツと砂肝です 田中農場の卵黄で和えて食べて悶絶しましたw
ホロホロ鳥の炙り ムネとモモです 野菜から煮出したタレを掛けると風味が引き立ちます
ホロホロ鳥の白レバー 塩っぱくない結晶塩が掛かっていてこれが濃厚なレバーをキュッと締めます
串:黒薩摩鶏のレバー ここで焼鳥登場!レバー続きでもタレの絶妙な照りが食欲を掻き立てます
串:熊野地鶏の振袖 火入れが強いですけど旨味もしっかり出ていて大変な旨さ これは絶品です
八丈島麦冠情け嶋 八丈島の麦焼酎です 一升瓶をもらって全部飲んじゃう計画ですw
串:黒薩摩鶏のハツ元 これで一体何羽分? 強烈な数のハツ元はジューシーで旨味たっぷりです
串:長芋 あっさり醤油味の甘辛長芋です ちょっと七味かけるととんでもなく旨いんだよね
串:つくね&金柑 七谷地鶏と鴨を叩いた贅沢な串 肉の旨味と金柑の甘味を同時に味わえます
ここで口直しのお新香が出てきて、田中さんが徐に鳥鍋の用意を開始、待ってました!
先ずは濃厚な鳥スープに少しお塩を足して飲みます。
メンバーからきゃー!とかうまー!とか口々に感嘆の声が上がります。
こういうのが食べる喜び&集う幸せだよねぇ・・・
サボイキャベツやら七谷地鶏のモモやらつくねやらが銅鍋の中でクツクツと炊けていくのを眺めながら、酒が進みます。
鍋が炊けるさまが既につまみですw
もちろん合間に弟さんが持ってきてくれた七谷地鶏のソリレスも素晴らしいつまみですけど。
では鳥鍋いただきます。
キャベツが甘い!えのき美味い!七谷地鶏のモモうまーい!つくね美味しくて泣きそう・・・
やっぱり自宅で鳥田中お取り寄せでいただくより、奥の座敷でいただくほうが何倍も美味しいです。
火入れの加減とか素材の鮮度とかよりも、気持ち&気分なんだろうなぁ。
お母さんの笑顔を見ながらいただいているので、一層美味しくなるのかもしれません。
鳥鍋に歓声をあげつつパクついている間にも、追加もお願いしたので串が焼き上がってきます。
串:七谷地鶏の手羽 小さめでも皮の炙り方がほぼ完璧で脂しっとり艶々 旨いとしか言い様がない
串:七谷地鶏の皮 やや焦げてしまっていますがこちらはカリカリ系にしっかり焼き上がっています
串:七谷地鶏のせせり 本日のNo.1か!熊野地鶏の振袖と甲乙つけ難い旨さです
串:七谷地鶏のあか こちらもモモの一部ですが特にコリっと盛り上がった美味しいところです
バゲット&七谷地鶏のレバーペースト 濃厚レバーペーストをレーズン入りのバゲットで
楽しい時間はあっという間に過ぎるもの、早くも締めの雑炊の時間になりました。
炊いたお米を水で洗い、表面の滑りを取ってから鍋に入れます。
田中農場の玉子も溶き入れて小葱を散らし、激ウマ保証つきの雑炊が完成しました。
またメンバーのわーっとかうおーっとか歓声を聞きつつ、ガツガツいただきました。
だって早くお代わりしないと取られちゃうんだもんw
銅鍋の中は程なく洗ったようにきれいになくなりました。
これで終わりにしてなるものか!?
1年以上もご無沙汰していたんですから、親子丼追加ですw
田中さんがまだ食べるんですかと笑ってますが、ここは食べる一手です。
本当は鳥白湯ラーメンも食べようとしたんですけど、ワイフにお願いだからやめてと言われ、泣く泣くやめました。
雑炊の混ざってないヴァージョンが親子丼だなと意味不明な感想を頭の中に浮かべつつ、甘くてコクがあって七谷地鶏の旨味が溢れた親子丼も、しっかりお腹に収めました。
やっぱりラーメン食べたかったなぁ・・・
デザートのプリンをいただいて本日の幸せな時間も終わりです。
美味しいというだけでなく、心も温まる楽しい時間でした。
幸いなことに10月以降新規感染者はあまり増加していませんでしたが、12月に入って少しずつ増えてきている様に感じます。
昨年も忘年会シーズンの12月に感染が広がり、年明け早々の緊急事態宣言につながりましたから、ここは油断大敵ですよね。
手洗い、漱、手指消毒にマスクくらいしかできることがありませんが、注意は怠らない様にしたいものです。
また鳥田中に来られなくなったらそれこそ悲劇です。
感染予防に留意して(徹底なんてことは感染症対策としてはあり得ませんから)また来ます。
ご馳走様でした!!
2021/12/17 更新
2021/02 訪問
奉行書で誰でも完璧に作れる鳥田中の鶏鍋 自宅でいただきました!
緊急事態宣言中は休業の鳥田中。
田中さんによると、宣言中も予約のキャンセルが全くなく、店の混み具合もスタッフ(ってご家族ですから)の健康にも留意しなければならないので已む無く休業の判断に至ったとのことです。
また予約が飛んでしまいましたが、それは仕方のないことですね。
ということで休業のお知らせをいただいた際に、準備が出来次第鶏鍋の通販を開始するとのことでしたので楽しみに待っていたところ、数日後にまたメッセージを頂戴しました。
では早速振り込みの手続きをしてお送りいただくのを待つことにしました。
あ、メニューは、
濃厚白湯鍋 11,000円(4人前相当)
すき焼き 11,000円(4人前相当)
両方のハーフ&ハーフ 12,000円(2人前ずつ)
白湯鶏そば 1,000円
焼きあご煮干しそば 1,000円
です。すべて税込です。
郵送希望の場合は、別途クール便の費用1,720円が着払いで発生します。
数日後の週末に、結構なサイズの箱で濃厚白湯鍋セットが到着。
今晩は鳥田中の鶏鍋だねぇ。嬉しいなっ!
箱を開けてみると、とても丁寧に包まれた鶏肉やスープ、契約養鶏場の玉子などなど、鍋のセットがどっさり入っています。
キャベツ、椎茸や今日聞くな、あれ京菊菜、長葱など鳥田中で使っている野菜まで一緒です。
利尻昆布までついてるよ。
すごい、受け取った人は鍋を用意するだけだ。
ん?トリセツと書かれた封筒も入ってますね。
直筆の手紙でも入っているのかと思ったら、詳細な図解入りの鶏鍋解説書でした(笑)。
是非写真を参照していただきたいですが、火が入りにくいものから入りやすいものをきちんと分けてパックしてあり、図にして一目瞭然にしてありますよ。
すごい、如何にも几帳面な田中さんらしい配慮が感じられます。
この解説書は家宝にしよう(笑)。
2枚めにはびっしりと鶏鍋の作り方が書いてあります。
堂々「奉行書」と書いてありますから、これは指南書ですな。
これも写真を是非参照していただきたいのですが、とても細かく&順番通りに鶏鍋の具材の入れ方などが記載されており、それでも最後に「※ 基本の召し上がり方はありますが、ご自身流、自由に召し上がっていただくのが一番です!」と書かれています。
じゃあこんなに細かく鍋奉行指南しなくてもとツッコミたくなりますけど、鍋を美味しく食べるには基本的なルールというものがありますから、これでいいんです。
指南に従いつつ、ところどころで好みの具材を足してみたりするのも楽しいですもんね。
では、鍋と酒を用意して、先づは鳥田中の鶏鍋とどこにでもある鶏鍋を決定的に分ける極上白湯スープを鍋に入れます。
冷凍されて固まっていた黄白色の濃厚そうなスープがじわじわと溶けていきます。
香りも徐々に立ってきて、もうこれだけで良いかっていうくらい室内が鶏鍋の香りで満たされます。
じゃあさ、猪口に少し入れて塩を数粒入れて飲んでみようよ。
うあはははは、うまーい!
笑うしかない美味さですなこれ。
もっと飲みたいけど、なくなっちゃうから我慢我慢、我慢です。
でももう一口だけ飲んじゃお(笑)。
さあ、スープも温まったことだし、奉行書に沿って鳥田中の鶏鍋いよいよ開始です。
利尻昆布を水で戻してスープに足し(いつ足すかは奉行書に書いてないけど)、最初にキャベツとつくねを投入。
一煮立ちしたら、モモ肉とムネ肉を入れます。
つくねは煮えると締まるので、それが食べ頃サインとのことです。
じゃあつくねだけ食べてみよう。
うあはははははははは、こりゃ鳥田中だ!
鳥田中の奥の座敷でいただくのも格別ですが、自宅で食べるのもいいですね〜。
つまり旨いもんは場所を選ばないってことです。
では腰を据えていただきます。
胸先、ささみ、振袖、すね肉などを順番に入れ、順次野菜も投入。
スープには肉と野菜の旨味が加わって、さらに甘味とコクが増し、美味しくなります。
若干薄まった感じはありますが、味の深みが増して激ウマです。
このままだと具材を食べ終わる前にスープ飲み切っちゃうかも(笑)。
ここも我慢だ&最後の雑炊まで辿り着かないとね。
もも、はらみ、縁側、せせり、首皮、ぼんぼち、ソリレスなどもいただきます。
焼鳥でいただくのとはまた違った肉の味わいが楽しみます。
焼いた鶏肉もいいけど、鍋でゆっくり炊いた鶏肉も旨いよねぇ。
歯を押し返すような弾力と柔らかさが同時に味わえるなんて、鍋って最高だ。
香ばしくはありませんが、優しい食欲を刺激する香りも好きです。
セットには鳥田中特製のポン酢にもみじおろし、小口切りにした葱も一緒に入っていますから、本当に購入した人は鍋を用意して食べるだけですね。
至れり尽くせりの鶏鍋です。
このポン酢がまた旨い。
これを少し足すと酢橘や橙の香りに鰹の旨味も加わって、一気に複雑系なスープに変身します。
野菜ではキャベツと椎茸がバカうま。
とても幸せな気分です。
自宅で鍋してるとあんまり呑まないんですけど、今日は悦 凱陣の興があるので、ぬる燗にしていただいてます。
鶏鍋と燗酒は冬に最高の組み合わせですね。
せせりを食べて燗酒を一口、椎茸を齧って燗酒をまた一口。
これは止められないわ。無限に続けられそうだ(笑)。
セットにはやわ胸、腰肉、胸皮、上腿なども切り分けられて入っているので、普段それほど意識しないで食べている部位も、一つ一つ味わいを確かめながらいただけます。
へえ、腰肉って味が濃いんですね。
上腿は筋がありますけど噛み応えがあって好きです。香りもいいし。
これはこれから焼鳥を食べる時にも役立つかもね(笑)。
さて、鶏鍋を堪能してちょっと一休み。
自宅だと、気兼ねなく鍋から離れてハイボール呑んでリセットできます。
しばらく火照った身体を冷やして、また鍋に向かいます。
今度は雑炊です。
コレも奉行書に書いてあった通り、予め炊いて少し冷ましておいたご飯を流水で洗い、水をよく切って用意しておきました。
奉行書には「ご飯をしっかりと洗い、良く水けを切って少し置いておくのが、美味しい雑炊を造るひとつの大事なポイントなのです。」(下線も含め原文まま)と書いてあるので、忠実に守りましたよ田中さん。
鶏スープはしっかり温度を上げました。
味加減を見て、塩をひとつまみ投入。これも奉行書の指示通りです。
蓋して短時間炊き、田中農場の卵を溶いて回し入れました。
弱火にしてしばらく蒸し、最後に小葱を投入して完成。
わーい、自分で作ったんじゃないみたいに完成度が高いです。
早速アツアツをいただきました。
まあ食べなくてもわかりますけど(笑)最高に美味いです。
鶏鍋4人前を夫婦2人で完食しているのに、2合炊いて用意した雑炊はサラサラと口から胃の中へとすんなり吸い込まれていきます。
もみじおろしやポン酢、用意したエシレバター(これが雑炊には最強なんです)、人吉の柚子胡椒(これも雑炊にぴったりです)で少し味変すると、これも無限に食べられそうな気がします。
あっという間に夫婦のお腹にきれいに収まりました。
鍋は洗う必要がないくらい(笑)何も残りませんでしたよ。
田中さんに感謝しつつ完食。
メールでお礼&感想をお伝えしたら、こちらの思い通りの食べ方でニンマリしたと返事がありました。
鍋奉行に遠隔操作されたようですね(笑)。
あ、雑炊の写真撮らないで食べちゃったよー!
もう一回注文しようかな・・・
ご馳走様でした!!!
2021/03/25 更新
2020/10 訪問
久しぶりの鳥田中は秋の味覚満載&絶品七谷地鶏づくし
今年はコロナ禍で店を一時休業していたこともあり、鳥田中にはなかなか行けていませんが、休業時の予約を振り替えていただくことができたので、久しぶりの訪問です。
平日の夜ですが、鐘ヶ淵駅から鳥田中に向かう細い路地は相変わらず人通りが少なくて寂しいです。
駅近くだと数軒の飲食店が営業しています。
奥に進むとお店はほぼ皆無ですから(途中に中華料理屋と蕎麦屋はあります)どんどん暗くなる細い路地を歩くのがスリリング。
怖いってことじゃなくて(さすがに慣れた)自転車率が極めて高くて&ほぼ無灯火なんで危ないんです。
何とかしてよ向島警察署交通課。
今日も無事に店先まで到着し、引き戸を開けていつものように田中さんご一家に挨拶。
お母さんお元気そうで何よりです。
とっても可愛いお母さんですけど、店主の田中さんがお腹にいた時でも飲酒していたそうで(笑)、私がお腹で飲ませたと楽しそうに話す明るい方です。
今日はそのお母さんに六代目百合の水割りを作っていただいてワイフ待ち。
つまみに自家製ちりめん山椒と丹波篠山の枝豆煮浸しを出していただきました。
ご配慮ありがとうございます。
この時季なんですよね、篠山の枝豆&黒豆は。
自宅にも先日まとめて届いたのでこれから日本一美味しい枝豆の季節到来です。
メニューを眺めていると、本日の献立というページが新設されていました。
これがあると何が出てくるかイメージできますけど、何が出てくるのか直前まで知らないほうが楽しいですから見ないでおこう(笑)。
使っている鶏の銘柄などの紹介ページを読んでいるとワイフが到着。
では早速コースのスタートです。
亀泉をお願いして、今日は淡路島の皮剥お造りから。
肝がたっぷり入ってますよ。
お造りは切りつけ方で味が大きく変わりますが、田中さんのお造りは繊細で舌触りが良くて毎回感心しきりです。
今日のお造りも申し分なし。皮剥の淡白なのに濃い旨味と肝の甘みを堪能しました。
お次は丹波篠山の海老芋です。
紅葉と愛知産の銀杏が添えられていて秋真っ盛りの一皿です。
目でも楽しむことができる鳥割烹、鳥田中の面目躍如ですね。
ほっこり上品な甘みのある海老芋と銀杏で、亀泉がすいすいと喉を通り抜けていきます。
お、今度は河豚のお造りが登場。
七尾の天然虎河豚だそうですよ。
橙ももちろん田中さんのお手製です。
皮と肝は別添えでたっぷりと供されますがこれも本当にヤヴァい。
ああ幸せ・・・いつも頭の二品くらいでノックアウトされちゃうんですけど、今日もそうでした。
井上尚弥は生粋のハードパンチャーですけど田中さんは焼鳥界のPound for poundです(意味不明)。
亀泉が早くも3合消えたので、今度は田酒に。
並びのお嬢さん、たざけじゃないよでんしゅだよ。
櫛羅とか悦 凱陣とか無風とか乾風が読めないのはわかるけど田酒は・・・
まあ赤兎馬をあかとばって読んでたから人のこと言えないけど(笑)。
三国志は子供の頃横山光輝の漫画を読んだだけなので。
田酒を楽しんでいると、ジュレ掛けの一皿が出てきました。
帆立貝柱と渡蟹だそうです。
帆立は噴火湾、渡蟹は小柴です。
この時季の小柴には水温が下がってきて身の味が良くなった渡蟹が揚がりますね。
高校生の時に小柴で釣ったものですが(漁師が採らないからOKでした)今はもちろんダメだろうな。
貝柱はとても甘いです。弾力があって噛みしめるたびに旨味が溢れてきます。
こういうのを食べるから帆立が他で出てきても全然感激がないんですよね(笑)。
ジュレに使われている出汁の旨さに痺れ、田酒をスイスイ呑んで6皿目をお腹に収めると、今度は弟さんがじっくり焼き上げた七谷鴨が出てきました。
これは最近鳥田中の定番になっていますが、とにかく抜群に旨い。
シャラン鴨も最上鴨も美味しいですけど、七谷鴨を窒息させて血を残して焼いた肉は本当にヤヴァいです。
湯引きと叩きの量を減らして焼き鴨を出してくれるようにしたのは田中さんの慧眼というべきでしょう。
本当に美味しいものしか出てこないから、息継ぐ暇もありませんよ。
酒呑もうっと・・・あれもうない。
田酒も3合呑んだので、こんどは奈良のみむろ杉です。
奈良県限定の露葉風という酒造好適米で造られた純米大吟醸です。
風の森が使い始めて知った米ですがすっきり甘口で適度な酸味と渋味もあり、複雑な味わいがするので和食にぴったりだと思います。
奈良の酒も最近はただ甘いだけじゃないものが増えてどんどん良くなってきてますね。
お次は椀物。
蓋を開けると大きいお団子が一つ入っていますね。
田中さんがうずらのつくねとトロ茄子を白味噌の椀に浮かべたと説明してくれました。
上品な甘みを感じる汁に、結構な肉々しさがある鶉のつくねというコントラストが楽しい。
オーソドックスな和食にこれでもかと盛り込まれた鶏肉料理が見事に融合しているところが鳥田中の凄いところです。
さて、前半の旨いものづくしがそろそろ終わり近くになりました。
焼き台では弟さんが串物を焼き始めています。
ちょっとファイヤーしても落ち着いて消火していますね(笑)。
作を飲みながら焼鳥に備えましょう。
焼鳥は七谷地鶏のももねぎまからスタート。
若干火入れが強めですが、とても美味しいです。
以前より炭火のコントロールが上手くなった気がします。
なんて言うとプロに失礼ですが。
お新香が出てきたのであとは焼鳥かな?と思ったら湯引きが出てきました。
そうそう、これをいただかないと鳥田中じゃないですよね。
最近は七谷地鶏の様々な部位をいただけてありがたいです。
ムネ肉の黄身醤油和えは変わらず別皿で出してくれ、そのあとは表面を炙った叩きも出てきました。
添えられている京壬生菜がまた旬の味を引き立ててくれますね。
七谷地鶏の旨さを徹底的に味わえます。
今日は七谷地鶏のハツとレバーにマメも脾臓も入ってますし。
滋味豊かで濃厚な旨味がある鶏肉を堪能できます。
後半は七谷地鶏づくしでしょうか、これは期待大です。
さて焼鳥は、鴨入りのつくね:七谷鴨が入ると肉の弾力と旨味が増して少し甘く濃くなったタレに合います
ハツ元のサビ焼き:これねぇ・・・旨過ぎて酒を作から写楽に替えました
巨大な大黒しめじ:プリンとしていてキノコの旨味たっぷりです しかも本当にデカい
黒さつま鶏のレバー:濃厚なレバーでした これは一旦焼いてバゲットに乗せても旨いだろうなぁ
と出てきて、ここでまた椀物が登場しました。
七谷地鶏のすき焼きです!ふふふ、松茸入りで香りが素晴らしい。
この蓋を開けた途端の香りが店に充満します。
今年は松茸が大豊作だそうで結構大胆に使えると田中さんも喜んでいました。
再び焼鳥に戻って、黒さつま鶏の内腿:このしっかりした肉の弾力が癖になります&絶対リクエストしたほうがいいです
七谷地鶏のせせり:これこそ旨味の塊ですね 脂も適度にあってあと10本は食べたい(笑)
追加のソリレス :あればラッキーのソリレス 狙って食べてます
追加のはらみ:なんじゃこれは!というはらみでした 七谷地鶏って本当に旨い鶏肉です 香りが抜群
追加の袖もと:写真撮影する冷静さを失う見た目で、あ!と思った時には食べてました(笑)自分的には満足です
追加の背肝:ふんわりした食感と脂が楽しめます 締めにふさわしい濃厚な一本でした
焼鳥は以上です、と弟さんに言われると寂しさが募ります・・・
すでに2時間ちょっと経過していますが、まだまだ食べたい気分です。
田中さんが、どうせまだ何か食べるんでしょ?とこちらを見てますね。
では、せめてそぼろ丼か鶏そばか食べて帰ろうと思い、どちらにするか迷って両方お願いしました。
いつものパターンです(笑)。
そぼろ丼、最高です!
鶏肉の甘味と旨味が出汁できれいにまとめられていてサクサクスイスイ食べられます。
お腹にしっかり収まってくれる感じ。
満足感と充実感がありますね(笑)。
あれ、鰹出汁醤油の鶏そばの写真がない・・・
また写真撮る前に食べちゃったんですね(笑)。
もちろんワイフが止めるのも聞かずにスープまで完食しました。
ああ、今日も大満足です。
デザートの八丁味噌アイスクリームとプリン(まで自家製なんてすごいよね)をいただいて、最後に麦茶で口の中がさっぱり。
これで最初の皮剥に戻れるけど、出してくれないよね。
これ以上粘っても何も出てこないので、諦めて帰ります。
次は鳥鍋食べたいなぁ・・・
ご馳走様でした!!!
これだけバラエティ豊富なコースをいただけて5,000円なんて本当に驚きです。
他の店では真似のできない技と旨い物ネットワークを駆使してます。
日本一の鳥割烹は、その座を他に譲ることはないと断言しておきましょう。
2020/11/30 更新
2020/07 訪問
コロナでも美味不変 日本一の鳥割烹です
コロナの影響で4〜5月と休業を余儀なくされていた鳥田中です。
4月の予約が7月に振り替えられましたが、その前に7月の予約を取っておりましたので7月は2回目の訪問になりました。
コロナの影響で4ヶ月も鳥田中に来られなかったのに、コロナの影響で今月2回目とはやや複雑な心境。
まあ素直に喜んでますけど(笑)。
どんよりと雲が重たく垂れ込めるUmido:高湿度の鐘ヶ淵の路地を歩いていつものように店に向かいます。
今日もお母さんにこれから伺いますのでよろしくお願いしますとメッセージをお送りしたら、入口で出迎えて下さいました。
お心遣いありがとうございます。
2週間前に伺ったばかりなので、料理の構成がどうなるのか楽しみです。
先づはお母さんが作ってくださるレモンサワー(氷が細かく砕いてあって大変美味しい)で喉を潤して、田中ご兄弟と挨拶。
今日は我々を含めて男女のカップルが3組だけです。
狭い店内ですが、ソーシャル・ディスタンスに配慮して予約数を限定しているようですね。
あ、メニューがまた変更されています。
トップにコースの流れが記されるようになりました。
時季の一品目、時季の二品目、窒息鴨のロースト、煮凝り、丸(すっぽん)のお椀と続いて、鳥料理と焼鳥、デザートといういつもの構成が書かれています。
これなら初めての人でも流れがわかりやすくて落ち着いて食事ができますね。
扱っている鶏の写真も増えました。
七谷地鶏、丹波地鶏、黒薩摩鶏に加えて京地鶏と奥久慈軍鶏の写真もありますね。
メインで使う素材は丹波地鶏から徐々に七谷地鶏&七谷鴨、黒薩摩鷄に移っているような気がします。
では時季の一品目。
車海老の海老真薯、群馬の玉蜀黍揚げ、京都山科の唐辛子揚げです。
山科唐辛子は京野菜ですね。獅子唐より厚みがあって香りが強く、味も濃いです。
群馬の玉蜀黍はとても糖度が高くて甘みの強い美味しい一品でした。
車海老の海老真薯には酢橘を軽く絞っていただきます。
これ、最初から激ウマ・・・こんなに美味しい海老真薯は初めてです。
身の旨さだけじゃなく香りといい食感といい、これまで食べた真薯とは別物だ。
弟さんが全て丁寧に揚げてくれますが、揚げ加減も絶妙です。
しかし改めて見るとこの厨房も狭いよね。
以前より厨房機器や調理道具や器が増えているので尚更そう感じるのかも知れませんね。
ここからマジックのように次々と美しくて美味しい料理が生まれ出てくるんですから本当に凄いです。
弘法筆を択ばずってことかな。
で、時季の二品目。
お酒を田酒に代えて竹岡の鮃と墨烏賊のお造りをいただきます。
この時季の竹岡産の鮃は築地、じゃなかった豊洲でも奪い合いですからこれだけ良いものを仕入れられる田中さんの信頼度もすごいですね。
墨烏賊も歯触り抜群、サクッと歯が入って甘みが広がる極上品でした。
いつも最初の二皿でやられてしまうんですけど、今日も簡単にワンツーを喰らってダウンです(笑)。
井上尚弥に70秒でK.O.されたファン・カルロス・パヤノみたい。
気持ち良い陶酔感です・・・
以下は最近の例に倣っていただいたものを列挙します。
◎七谷鴨のロースとハツ 窒息させて血を肉に留めたまま調理しますがこれがほんのり甘くて大変美味です
◎碗物:瀬戸内の鱧とじゅん菜 京味の定番の組み合わせでしたね
◎焼鳥:七谷地鶏のねぎま 弾力のあるモモ肉が素晴らしい美味しさです
◎七谷地鶏のお造り 今日はあずき(脾臓)が入ってます 鶏肉なのに甘くて濃厚です こりゃ堪らん
日本酒も良いのですが甘い酒が多いので、口当たりが良くてさっぱりした芋焼酎に切り替えることにしました。
いちき串木野白石酒造の天狗櫻と甑列島塩田酒造の六代目百合(どちらも大好きな焼酎です)があるので、どちらが合うか飲み比べることにしました。
続けて、
◎七谷地鶏のムネ肉黄身醤油和え この黄身醤油が毎回途轍もなく美味いので楽しみにしてます
◎焼鳥:七谷地鶏のつくね 今日は七谷鴨入りです いつにも増して旨味が濃いですよ 黄身醤油をつけて食べると激ウマ!
◎黒薩摩鶏のコンソメで作った煮凝り 前回はムラサキウニ(ノナ)でしたが今日はエゾバフンウニ(ガンゼ)です
○焼鳥:黒薩摩鶏レバー 前回より格段に旨い あっさりなのに絡みの良いタレがレバーの旨さを引き立ててくれます
○お新香 口直しのお新香です 今日はシャリシャリのかぼちゃが旨い こういう変化球もあるんですね
◎七谷地鶏のモモ炙り 新潟の熟成かんずりが添えてあって大変な美味しさ あら〜焼酎がスイスイ入っちゃう
◎七谷地鶏の鳥すき 前回のすき焼きとは変えてあって黄身がお椀の底に敷いてあります クレソンが効いています
○八丁味噌のアイスクリームと無花果 西さんが使っていた時季のキンコの話になりました 100gで3万円だったそうです
☆焼鳥:ハツ元 鳥田中の焼鳥はこのハツ元が基本の味なんじゃないかと密かに思ってます 抜群の美味しさでした
☆茄子の炊き合わせ とろまるというトロトロの茄子に胡麻味噌に枝豆とオクラが炊き合わせてあります 最高です!
◎焼鳥:はらみ はらみはタレで 横隔膜のクニャッとした食感が堪りません
○焼鳥:振袖 今日はあっさりな感じでした いつも葱を挟んであるんですが今日は何故かない(笑)
◎焼鳥:皮 タレでいただきました これは火入れが良くて美味しかった
◎焼鳥:背肝 ちょっと火入れが強いですが美味しかったです
◎焼鳥:せせり 首肉の弾力と旨味がたっぷり 抜群に旨い鶏肉です
○焼鳥:ソリレス これも皮はやや焦げていて好みではありませんが肉がとてもジューシーで美味しかった
◎締めのそぼろ丼 鶏肉は挽肉ではなく包丁で叩いているので旨味がたっぷり つゆだくで食べたい(笑)
あ、写真撮る前に食べちゃいました・・・
○プリン 卵とチーズの味が濃厚なプリンです 何故かカラメルが焼鳥のタレの味に感じます(笑)
○お茶 はいこれで終了!今日も満足しました
この店の凄いところは、素材を追求してより良いものを使おうとする姿勢です。
コストは当然上がりますが、家族経営で(アルバイトの募集も止めちゃったし)コストを抑えつつ美味しいもの、旬の食材を見事な技術で調理してくれます。
今日の車海老の海老真薯、山科唐辛子は大変印象的な旬の味わいでしたし、竹岡の鮃も唸るほど美味しかった。
とろまるという茄子も賀茂茄子とはまた違ったとろとろ食感で印象に残りました。
抜群に美味しい鶏料理に季節の美味しいものを合わせて出してもらえるなんて最高です。
これが普通の焼鳥屋とは一線を画す焼鳥割烹たる所以かなと。
もちろん家族経営の穏やかな雰囲気とお母さんの笑顔も人気の秘密ですけど。
今日も大満足です。
ご馳走様でした!!
いつも本当に美味しいものを出して下さってありがとうございます!!
2020/08/04 更新
2020/07 訪問
4ヶ月ぶりの訪問 焼鳥前がさらに凄いことに!
今日は待ちに待った鳥田中の日。
4月は初旬からコロナの影響で営業自体が休止になってしまい、5月も全休していましたので、6月に営業を再開してから4月の予約を振り替えてもらって7月になったという訳です。
まだ寒い時季に鶏鍋をいただいて以来ですから、4ヶ月と少々のご無沙汰でした。
やっと鐘ヶ淵詣での再開です!
移動を解禁してまた感染が拡大し始めています。
東京都の1日の新規感染判明者数が293人(7月17日)は明らかに多いですし、何よりPCR検査数を増やしているのに陽性率が6%に上昇しているのが大変リスキーです。
GoToキャンペーンなんて税金使ってやってる場合じゃないと思いますけど。
熊本ほか九州の被災地でボランティアの受け入れが県内限定などとしているのに、都県を跨いで旅行するなら補助金出しますって、政府はどうかしてます。
ボランティアの旅費&宿泊費こそ補助するべきです!
観光業に携わる方々が苦しんでいるというのはよくわかりますが、苦しいのは観光業だけじゃないですから。
おっと脱線した。
ということで(どういうこと?)、見慣れた鐘ヶ淵の路地を歩き、店の前に到着。
道すがらの飲食店は地元の人にしっかり支えられているようでどこも営業中でした。
あれ、いつもより自転車が多いですね。
ホールのスタッフが増えたのかな。
では感染再拡大でまたいつ食べられなくなるとも限りませんから、一期一会と思ってお店に入ります。
引き戸を開けるとお母さんが入口で出迎えてくださいました。
いつもにこやかでお顔を拝見するとそれだけで嬉しくなります。
お母さんとはSNSでメッセージをやりとりする仲♡です。
お目にかかれて大変嬉しいです!
ちなみにスタッフは増えていませんでした(笑)。
手指消毒してカウンター奥の席に着くと田中さんも弟さんも変わらずお元気のようで一安心。
ご挨拶して&お互いの無事を喜びつつ、本日のコースを始めていただきました。
先づは六代目百合の水割りとレモンサワーで喉を潤します。
お酒の品揃えもかなり充実しましたね。
メニューはお母さんの手書きではなくなって印刷物になりました。
程なくして最初に登場したのは、一週間寝かせた瀬戸内の九絵しゃぶ!
九条葱と賀茂茄子が炊き合わせてあって、いつも美味しい田中さん特製のポン酢が付いています。
初めから飛ばしますよね〜(笑)。
脂の乗った九絵は表面だけ霜降りで中はプルンと生ですが、味と香りが素晴らしい。
個人的には冬のフグより好きかな。
九条葱と賀茂茄子という京野菜と組み合わさって、上品ながらとても地味豊かな力強い一品です。
そのままいただいても出汁の旨味が堪能できますが、ポン酢で酸味を立たせても美味しくいただけます。
お次は明石の鯛のお造り。
さらに飛ばして来ますよ。
2ヶ月分食材が溜まってたのかな(笑)。
慌てて磯自慢の純米吟醸をお願いして鯛をいただきます。
数日寝かせただけとのことですが、いい塩梅に水分が抜けてねっとりと旨味が出ています。
醤油がなくても美味しくいただける極上品です。
ワイフが美味し過ぎて大喜びしてます。
畳み掛けるように、今度は鱧と蟹と内子の酢の物が出て来ました。
淡白な鱧と蟹身がお酢でさっぱり夏の一品です。
これも文句なく美味しい。きりっと冷えた磯自慢に鱧とは贅沢です。
それにしても田中さん、飛ばし過ぎですよ〜(笑)。
九絵に明石の鯛に鱧に蟹ですか、これで夏の雲丹でも出て来たらオールスター揃い踏みですね。
しかもしゃぶしゃぶにしたのは九絵で、鱧は酢の物に仕立てるという凝り様です。
料亭かと見紛うばかりの魚介のオンパレード。
ここは焼鳥屋の筈なんだけど・・・という錯覚はいつものことですね。
と思っていたら、七谷鴨のステーキがハツと味のしっかり沁みた飛騨なめこと一緒に登場。
やっと焼鳥屋の片鱗を見せてくれました、って普通の焼鳥屋で七谷鴨は絶対に出てこないけどさ。
味の濃いしっかりした肉質のそれはそれは美味しい鴨です。
こんなのいただいたら合鴨なんて食べられなくなります。
ああ、酒が進む。
で、案の定ノナ:紫雲丹が出て来ました(笑)。
黒さつま鶏のジュレ掛けだそうです。田中さん、完全にスピード違反です!
これで夏の魚介オールスターズが完成ですね。
いやすごい、怒涛の攻めです。
北島亭の名物、コンソメゼリー寄せを彷彿とさせる美しいジュレです。
コンソメと生クリームの組み合わせも美味しいですが、黒さつま鷄から取ったジュレが兎に角絶品。
これは恐れ入る旨さです。
伺う度に素材のクオリティが上がっていくんですが、コースの値段は5,000円のままなのが信じられません。
続いて椀物、スッポン汁が出て来ました。香りがすごいです。
こんなに芳醇で美味しそうな香りのするスープはなかなかないですね。
ここが料亭だったらご飯を木匙一杯くらいいただいてお凌ぎにするんですけど。
あまりの美味しさに唸るしかないお椀です。
ここは鳥田中、日本一の鳥割烹、鳥懐石の店ですからこうなります。
すでに磯自慢も4合空いてしまいました。
さて、毎度のようにこんな調子で一品一品レビューして旨かったと書いていたらアホなので(アホですが 笑)、この後は田中さんがスピードをやや緩めて巡航速度に戻ったこともあり、出て来た料理を以下列挙。
・焼鳥:七谷地鶏のねぎま ちょっと塩がきつい 弟さん2ヶ月休んで感が狂ったんでしょうか
・お酒:ハートラベルの黄金澤を2合 宮城の山廃純米です 後味スッキリの美味しい食中酒です
・七谷地鶏のお造り ハツ 砂肝 レバー このレバーはマイギネスでした!素晴らしく濃厚で旨味が強い&本当にヤヴァい
・七谷地鶏のムネ肉の漬け黄身醤油和え これを丼にして食べたら最高だろうなぁ
・焼鳥:肝を入れ込んだ七谷地鶏のつくね 残った黄身醤油に和えて食べてみたら・・・ヤヴァい旨さでした
・ムネ肉とモモ肉の叩きかんずり添え 表面を軽く炙った鳥田中の定番、叩きです 今日はかんずりと合わせていただきました
・お酒:みむろ杉を2合 口当たりはやや甘いですが喉越しスッキリなフルーティな酒です いま風かな
・お新香 これが出てくると中盤戦から終盤戦に突入です わかってはいるんですが寂しい気持ちに(笑)
・焼鳥:黑さつま鶏のレバー(タレ) 先ほどいただいた七谷地鶏のレバーがあまりに美味しくて少し霞んでしまいました
お、また椀物が出て来ましたよ。
どれどれ・・・蓋を開けると、なんと七谷地鶏のすき焼き!
鳥すきとはまた驚きです。
このタイミングでもう一度椀物とは普通の汁物じゃないなとは思いましたが、すき焼きとは意表を突かれました。
甘味があって七谷地鶏の旨味をとてもよく引き出しています。
これはこの後の焼鳥を考えても一升超えコース決定の旨さですよ。
・口直し:無花果と八丁味噌のアイスクリーム これも意表を突いています 西さんの定番でしたね
・焼鳥:黒さつま鶏のハツ元 これは文句なく旨い いつもの鳥田中クオリティです
・焼き野菜 玉蜀黍の裏漉しが添えられたズッキーニ トマト オクラ ヤングコーンの焼き物です 大変美味
・焼鳥:袖元 ちょっと焼きが強いですね 先ほどから度々藁焼き状態になっているので(笑)想定内です
・焼鳥:はらみ(タレ) これも火入れが強いというか表面の焦げが気になります
・焼鳥:背肝(タレ) これもやや火入れが強いですがタレと背肝の相性が抜群で美味しくいただきました
・焼鳥:ソリレス 相変わらず美味しい 鳥田中でソリレスはマストです
・焼鳥:手羽中 手羽の皮が焦げてしまっているのが残念でしたがまずまず美味しいです
・焼鳥:皮 皮もいつもより若干焦げ目が強い
・焼鳥:せせり せせりは火加減バッチリ いつもの美味しさでした
・締めの追加:稲庭うどん 夏は鳥そばメニューが一つ減って稲庭うどんになります 鶏出汁が最高です
・プリン あっさりとした甘さのプリン もちろん卵が良いから美味しいです
・お茶 はい終了
今日は久しぶりの鳥田中でとても楽しみにしていましたが、期待以上&飛ばしまくる焼鳥前に対して、若干焼鳥の火入れが強く前半が凄すぎた分、後半がやや残念でした。
焼き台は毎日焼いていないと火加減が難しくなると聞いたことがありますので、2ヶ月の休業は焼鳥の火入れに微妙な影響を及ぼしているのかも知れません。
次回はいつもの安定した火入れの焼鳥をいただけるものと思います。
それにしても九絵、鯛、鱧、蟹、雲丹と揃った焼鳥前の豪華さプラス繊細な包丁入れと出汁のひき方の見事さ、七谷地鶏&七谷鴨のエイジングされた肉の旨さ、黑さつま鶏と丹波地鶏の鮮度の良さに、今回も感激しっぱなしでした。
各人デザートなどを含めて15皿&焼鳥11本&酒一升(ワイフは6合)に芋焼酎の水割り2杯とレモンサワーをいただきました。
やはり日本一の鳥割烹の座は微動だにしませんでした。
ああ、美味しかった。
ご馳走様でした!!
2020/11/08 更新
2020/03 訪問
日本一の鳥割烹で鶏料理の満漢全席を味わいました
2017年7月オープン以来、2年半で日本中の焼鳥好き&鶏マニアにその名を知られるようになった鳥田中。
今日は遠方よりゲストをお招きして、奥の座敷で今季最後の鳥鍋を味わうことになりました。
私は初めて暖簾をくぐってから2年ほどですが、鳥田中は常に研鑽を重ねて進化し続けており、コース一本にしたことも丹波地鶏だけでなく七谷地鶏や黒薩摩鶏を使い分けることもその表れと認識しています。
しかも旬の上質な食材を取り入れた目にも鮮やかなコースは5,000円と相変わらず驚異的なコスパです。
さて店の入口でマスクを外し、いつものように田中ご兄弟とチャーミングなお母様にご挨拶して、今日は奥の座敷に上がらせていただきます。
こぢんまりした6畳ほどの和室です。
親しい友人の家で仲間と一緒に楽しく食事する雰囲気。
テーブルにはすでに銅鍋や野菜類が用意されており、準備万端整っているようです。
我々の胃袋も準備万端、こちらの座敷は何度伺ってもわくわくします。
ビールとハイボールで乾杯して本日の鍋コーススタート。
最初に出てきたのは季節の天麩羅でした。
楤の芽、空豆、ホワイトアスパラが薄衣を纏って登場です。
その食材の端正な美しさに見惚れます。
揚げたての素材の香気が立ち上がり、座敷は一瞬で春になりました。
楤の芽はほろ苦く、空豆はほんのり甘く、ホワイトアスパラはジューシーで爽やかな甘みが口に広がります。
とても薄い衣なのに火の通り加減は完璧で、名のある天麩羅屋にも勝るとも劣ることのない一品でした。
っていうか焼鳥屋でこのクオリティの天麩羅を出せる店って・・・他にないでしょう。
お次は鮃と烏賊のお造り。こちらも春です。
以前はこちらのお造りと言えば丹波地鶏のハツ、砂肝、レバーの鮮度抜群&切りつけ方最高の鳥刺しでしたが、鳥割烹になってからは魚介が先に出てきます。
それにしてもこの鮃は身が厚くて素晴らしい。
寝かせ具合も程よく、鮃のねっとりした旨味は堪りません。
鮃の刺身をいただいた者の特権、エンガワは脂のノリが激しいです。
烏賊には均等に完璧な隠し包丁が入り、口の中でパラパラとほぐれていきます。
和食の世界では切りつけ方一つで味が変わるといいますが、まさしくそれを体感しています。
塩味、甘味、山葵の辛味、そして旨味が渾然一体、いつものように最初からやられてます(笑)。
あ、もちろんとっくの昔に日本酒やら焼酎やらを各自が勝手に注文して一気に宴会モードです。
私は中々のボトルをお願いしてロックと和らぎを交互に飲みました。
舌を洗って次々と繰り出される料理にに備えないと。
続いて出てきたのは蛍烏賊と帆立の燻製です。
もちろん田中さんが自分で一斗缶(かどうかはわからないけど)に入れて燻してます。
当然ですけど燻されて香りが抜群。
生ではなく、火入れしているものとも違う独特の食感と味ですよね。
適度に脱水して旨味が増してる感じです。
烏賊は大好きなのに蛍烏賊が大嫌いなワイフでさえ、美味しいと食べてました。
ワイフは蛍烏賊の目がダメなんだそうです。案外繊細なんですよ(笑)。
燻製は山火事で死んだ鹿を食べたら美味しかったという偶然の産物らしいですけど、それを調理手法にした人は偉い。
ノーベル燻製賞を授与したい(笑)。
ここまで鳥料理が一つも出てこないのがまた鳥田中の凄いところですね。
田中さんは攻撃の手を休めません。
今度は七谷鴨のローストが出てきました。いよいよ鳥割烹の真髄が楽しめます。
鴨を窒息させて肉に血を残した状態で捌いて少し寝かせ、それを表面だけ火入れしたものだそうです。
話だけ聞くと可哀想な気もしますが、一口食べればその旨さに目を剥きます。唸ります。
鴨肉で作った腸詰じゃないブーダン・ノワールみたいなもんですよね。
鴨なので葱も付いてますが10年物くらいのアチェート・バルサミコと一緒に食べるともうヤヴァい。
焼酎飲んでる場合じゃありません。この皿用に即赤ワインをお願いします。
こちらには鴨肉向け?に足利ココ・ファーム「農民ロッソ」の用意があります。
勝沼のマスカットベリーをメインにしてメルローやカベルネ・ソーヴィニヨンを配合したバランスの良いワインですから、七谷鴨にもよく合います。
やっぱり鴨ローストには赤ワインですね。美味しさが倍増する感じです。
もちろんワインの力を借りずとも、この窒息鴨は絶品です。言葉を失う旨さでした。はぁ・・・
コース前半でいきなり大きなピークがやって来ました。
この後を考えると、ツール・ド・フランスの山岳コースみたいなピーキーな状態です。
続いて毎回いただいている丹波地鶏のハツ、砂肝、レバーのお造りが出てきて、ホッとします。
慣れ親しんだ味ですから興奮せずに普通に食べられるんですね(笑)。
毎回感激する味なのに今日はホッとするなんて、反対にびっくりです。
でも、このお造りも実はいつもと違いました。
なんと、カシスを食べさせて育成した七谷地鶏でした。
確かに香りも味も内臓の部位なのにほんのり柑橘系の爽やかさがあります。
何だかすごいことするなぁ。もともと癖のない肉質なのにカシスで香りづけするとは。
山葵と塩だけで、いつもの出汁醤油や塩を落とした胡麻油などが出てこないわけですね。
まるで160km超のフォーシームのあとに140kmのチェンジアップを投げてくるゲリット・コールみたい(笑)。
大谷君、今年はNYに移籍したコールを攻略してくださいね。
さてお次は・・・これも初めてです。黒薩摩鶏の唐揚げ?素揚げ?が登場です。
表面にうっすら粉をはたいて揚げてありますから唐揚げでしょうか。
自家製のタルタルソースが付いてきます。
唐揚げ自体は少し甘いタレに絡めてあり、白胡麻がふんわり香ります。
脂が滴ってはっきりした旨味があり、今度は骨付き鶏を咀嚼する喜びが味わえました。
タルタルは使っても使わなくてもいいかな。酒肴に取っとこう。
さっきまで肉の甘みと旨味が閉じ込めてある窒息鴨の極上ローストを食べたと思ったら、その直後にカシスを食べさせた七谷地鶏のお造りが出て来てびっくりし、今度は黒薩摩鷄の唐揚げに唸ってます。
今日はどうやら鶏&鴨の満漢全席のようですね(笑)。
コースの焼鳥も頃合いを見て焼き始めて下さっていたようで、弟さんが座敷に持ってきてくれます。
最初は黒薩摩鶏のせせりとレバー、ハツ元です。
せせりは塩で。丹波地鶏よりも少し大きめですね。
よく動いている首の肉ですから、しっかりした肉の弾力と適度な脂が旨味を引き立ててくれます。
そうだ、この店は焼鳥屋だったんだと(鳥割烹ですけど)ふと我に帰る感じ。
レバーは最近もう盤石の旨さです。
この店のタレはレバーに合わせてあるんじゃないかと思うくらい、タレとの馴染み方が素晴らしい。
柔らかくて鮮度が高くて旨味が強くて香りがいい。最高です。
コースじゃなかったら絶対5本は食べたい串ですよ。
あとでお腹に空きがあったら追加しよう・・・
黒薩摩鶏のハツ元も大きめですね。
ここのところ巨大なハツ元ばかり食べているので大きさでは驚きませんが、旨さに驚きました。
とてもジューシーで、口に入れると肉汁がジュワジュワ溢れてきますよ。
ハツ元はそもそも弾力があってジューシーですけど、ここまで脂の旨味を感じるのは初めてです。
素材のグレードがどんどん上がっている感じです。
何羽分のハツ元なんだろうか。
さて、黒薩薩摩鶏の黄身和えとお新香が出てきたので、そろそろコース前半が終わりに差し掛かったようです。
このムネ肉の黄身和えとも結構長い付き合いです。もちろんお新香とも。
でも毎回黄身の濃さが増してるような気もします・・・
使う食材全部をグレードアップさせていくのが鳥田中スタイルですね。
田中さんが鍋の仕度をしに座敷にやってきてくれました。
銅の鍋にスープを注ぎ入れてゆっくりと温めていきます。
まずはいつものようにスープを味わいましたが、明らかに前回より旨味が濃く深く感じます。
ポタージュ・リエのような濃度、トロトロですが、これは七谷地鶏になったからでしょうか。
具材を足していくと若干薄くなっていくので濃くしているようです。
それにしても旨いよなぁ。塩なんて不要の旨さです。
田中さんが鍋奉行してくれます。我々は出来上がるのを待つだけです。
七谷地鶏のつくね、ムネとモモは贅沢なことに2種類で、七谷地鶏と黒薩摩鶏です。
まずはつくねと七谷地鶏のモモ、それにキャベツだけのシンプルな鍋から。
何て旨そうな香りがしてくるんでしょう。
お預けを喰っている10分少々は、鍋が煮えるのを肴にして飲みました。
この香りだけで飲めます(笑)。
ではいただきます・・・言葉がありません。ただ只管美味しいというしか。
鶏肉ってこんなに香りが良くて美味しいものなんでしょうか。
ストレスなく健康的に放飼された地鶏とブロイラーって、焼くより炊いたほうが露骨に違いがわかるものなんですね。
全員無言で食べまくってます。蟹食べてるみたいです(笑)。
鍋は4人でつつくと案外早くなくなるもので、鶏肉に合わせる具材を変えて第2弾。
今度は黒薩摩どりのモモと芹、それと芹の根が入りました。キャベツに加えて長葱、青菜と豆腐も加わります。
あら、最初の一杯も強烈な美味しさでしたが、芹と芹の根が入ると別次元の旨さです。
特にスープの旨味を吸い込んだ芹の根は食べるほどに旨味が増します。
あんまり使いたくない言葉だけど、衝撃的な旨さっていうのはこういうことかな。
その後、芹を大量に敷いてその上で七谷地鶏のムネ肉を蒸し煮にしていただきました。
今度は芹の爽やかな苦味と香りが淡白なムネ肉と合わさって極上の一品料理に仕上がってます。
なんだか旨すぎてわけがわからない(笑)。
最後は田中さんが、この鍋は最後のこれを食べるためにあるんですよと仰る雑炊をしっかりいただきました。
合間には弟さんが背肝、おたふく、ソリ、皮を出してくれます。
とっても美味しいのに、残念なことに焼鳥の占めるウエイトが伺う度に少なくなるような気がします。
鍋だけでも堪らないのにこのレベルの素材と火入れの焼鳥と交互に食べられるなんて、やっぱり鶏料理の満漢全席なんでした。
七谷地鶏の串も希少部位を数本いただいたのですが、呆けていて写真撮りそびれました(笑)。
鍋もすっかり食べ尽くして(途中でスープを足してもらったほどです)本日のコース終了です。
この鍋は最初に七谷地鶏のモモとつくね、次に七谷鴨と芹、その後に七谷地鶏のムネ肉蒸しで最後が雑炊、1度に4〜5回異なる味を楽しめる美味しい鍋でした。
もう呆けそう(笑)。
でも、でもね、ここが我々鳥バカどもの悲しい&卑しい性なんですが、これだけ旨い鶏鍋をいただいておきながら、鳥白湯スープの中華そばとそぼろ丼を追加注文しちゃうわけです(笑)。
まさに屋上屋を重ねるとはこのことです。
田中さん、呆れないでくださいね。
鳥白湯は中華そば用に若干味を調整してあり、鍋とは少し違った味を楽しめます。
基本は同じでも、雑炊で締めた後に両方食べたい人が諦めきれずに注文するのが中華そばっていうことですね。
炭水化物でお腹を膨らませる罪悪感も美味しさを後押しします(笑)。
そぼろ丼は、焼鳥の延長線というか醤油系の出汁の味で、また食欲がそそられます。
これだけ食べているのにまだ食べたくなる&食べられちゃう味。
串焼きの獅子唐の辛味と温泉玉子の甘みが、そぼろの濃厚な味を引き立ててくれます。
美味しいものってお腹が膨れてきてもまだまだ入るものなんですね。
最後の最後に、エヴァグリオス・ポンティコスの「修行論」に記された七つの罪源のうちの一つ、貪食を実践してしまいました。
ごめんなさい、って誰に謝ってるんだか・・・
デザートに濃厚玉子プリンをいただいて、本日の鶏料理の満漢全席がついに終了しました。
18時に伺ってすでに4時間、天麩羅から始まってこれだけの鶏料理を提供してくださった田中ご兄弟&お母さんには感謝しかありません。
本当に美味しかったです。
ボキャ貧で美味しいしか言えないのが悔しい・・・滋味豊かって口語じゃないし・・・
それでも丁寧に育成された上質な鶏肉の素晴らしさと食材としての可能性を強く感じた鐘ヶ淵の夜でした。
店を出るとすっかり冷え込んでいましたが、心身ともにポッカポカ。
これほど幸せな時間はなかなかありません。
素材と料理とお酒と人が織りなす極上の時間を過ごさせてもらいました。
ご馳走様でした!!!!!
本当は最後の最後にレバーをタレで・・・やっぱりやめとこう。
2020/05/30 更新
2020/01 訪問
驚愕&興奮&超絶&極上の水炊き 天然虎河豚の唐揚げで始まり鶏そばで締める絶品の鳥割烹
新春の鳥田中です。
今日はふと思いついていつもの鐘ヶ淵からではなく手前の東向島から歩いてきましたが、下町風情が色濃く残る住宅地で、古い家も細い路地も昭和の風景でした。
友達と集まってはこんな感じの路地でゴロベースとかメンコとかべエゴマとかしたものですが、今の子供は外で遊ばないんでしょうね、ひっそりしています。
子供の歓声が懐かしく感じます。
線路沿いにうねうねと細い道を歩くこと10分弱、鳥田中に到着です。
あ、アルバイト募集の掲示がなくなっています。誰か入ったんでしょうか。
店頭にいつも置いてある自転車も健在です。田中さんが仕入れに使っているんでしょうね。
見慣れた佇まいがホッとします。
引き戸を開けて田中さんご一家に新年のご挨拶。
今年も美味しいもの食べさせて下さい、ってお願いしなくても美味しいもの出してくれるか。
今日は奥の座敷で久しぶりの水炊きコースをいただけることになっています。
昨年の10月から、鳥田中はコースのみ(追加の焼鳥&食事などはメニューから注文可)になりました。
現状では、
・丹波地鶏の串をメインにしたコース 3,500円
・七谷地鶏、七谷鴨、黒さつま鷄のコース 5,000円
・水炊き鍋、地鶏料理のコース 5,000円
となっています。当然ですが季節ごとに変わります。
さて、ビールやレモンサワーをアペリティーヴォにしてコースの始まりを待ちます。
するとお母さんが、これ自家製なんですけど良かったら、と塩辛を出してくれました。
これはビールやレモンサワーじゃ無理でしょうということで、すぐに日本酒にチェンジしました。
今日は新年ということで珍しく友人が酒を持ち込みましたので、早速いただきます。
深谷の東白菊の季節限定酒、無濾過の純米大吟醸でうっすら濁りがあり、華やかな甘みがあるのが如何にも新春っぽい。
塩辛はワタがたっぷり入れ込んであってほんの少し苦味があるのがまた堪りません。
唸るほど美味しいです。
田中さん、塩辛まで作っているんですね。
そのうち味噌とか醤油まで造り始めるんじゃなかろうか。
お酒と塩辛を楽しみながら年末年始の四方山話などをしていると、田中さんが最初の料理を持ってきてくれました。
天然虎河豚の唐揚げです。
大粒の銀杏と海老芋の天麩羅も添えられています。
おお、新春だ!お目出度い感じが料理から香りと一緒に立ち上ってきます。
一気にテンションが上がります。んなもう、美味しいに決まってるじゃん!
四方山話なんかそっちのけ、いきなり無言の食事会です(笑)。
美味しいものを食べるときはこんなもんです。
お次はお造り。今日は砂肝やレバーのお造りではなく、お魚のお刺身です。
瀬戸内海の平目と江戸前の墨烏賊とは嬉しい。新春のお造りですね。
日本一の鳥割烹で2品まで鳥が出てこないとは珍しいことですけど、素晴らしく美味しいです。
田中さんの仕入れルートはこれまで培った人脈の賜物なんでしょうね。ありがたいことです。
3品めは七谷鴨の炭焼きです!
鴨の肝焼きに茨城の赤葱、赤蕪も添えられていて彩りも華やかです。
とても繊細な火入れで弾力のある焼き上がり。
そのまま食べるだけで極上の味わいですが、辛子、山葵、バルサミコが添えてありますから少しつけて食べても抜群です。
シャラン鴨やバルバリー鴨、マグレカナール鴨よりも全然美味しいというか旨味の濃さが違いますね。
鴨肉ってこんなに美味しかったかなってしみじみ感じる旨さでした。
この水炊きコースには焼鳥も含まれていますので、一品料理と並行して弟さんが焼いて出してくれます。
焼鳥はもも正肉とハツ元からスタート。
本数は少ないので、追加メニューの中から予め食べたい部位を注文しておくとコースとは別にゲリラ的に(笑)出てくるのが楽しいです。
モモ肉は丹波地鶏でした。しっかりした肉質でやはり旨味が強いです。
よく運動している鶏なので、肉の弾力があって噛むほどに旨味が増す美味しい焼鳥です。
ハツ元も丹波地鶏。つなぎとか心残りっていう店もありますが、同じ部位ですよね。
独特の食感と脂がタレと絡んで抜群です。
座敷だと弟さんの焼きが見られないのが残念ですが、火入れがお見事で納得の美味しさです。
砂肝とハツのお造り、それと皮に火を入れたモモの叩きも登場。
これ、大好物なんですよ。
特にお造りは素材の鮮度や熟成加減が楽しめるだけでなく、田中さんの切りつけ方がそれはそれは見事で、もちろん味わいにも直接影響しています。
こんな風に薄くてよく切れる包丁でスパッと切りつけられれば、旨味が損なわれることなく口に運べます。
高い技術をお持ちの職人さんだからこその美味しい鶏肉のお造りだと思います。
叩きは皮目の香ばしさとモモ肉の旨味をポン酢がまとめてくれて、これも絶品。
伺う度に必ずいただいていますが、少しずつ変化があって同じものは出ません。
常に工夫というか素材を活かしたプレゼンテーションで楽しませてくれます。
今日は水炊きがメインだと自分に言い聞かせないと、料理を追加しまくって鍋に辿り着かない気がします。
叩きといつもセットで出てくるムネ肉の黄身和えは別皿で添えられていて、濃厚な黄身とあっさりしているのに噛むと旨味が溢れてくる鶏肉のコントラストが楽しめました。
鳥田中は何を食べても抜群に美味しいので、感覚が麻痺してしまいそうです。
これが普通になったら、普段の食事が喉を通らなくなっちゃうよ(笑)。
弟さんが焼鳥を持ってきてくれました。
一品料理と焼鳥の田中兄弟攻撃(笑)、今度はソリレスとアスパラ巻です。
ソリは周囲の肉を一緒に切り出して焼くのも美味しいですが、こうしてソリだけを楽しむのもいいです。
ぷるんとした塊とサクッとした皮の食感が堪りません。
鶏肉の軽くて上質な脂が口いっぱいに広がって悶絶。至福の時ですな。
アスパラ焼はこれまでいただいたことがありません。
ベーコンではなく七谷地鶏の皮で巻いてあります。贅沢な串ですねぇ。
皮の脂がアスパラに沁みていて、甘さがほんのり感じられる上品な焼鳥です。
豪速球だけでなくこんな変化球も投げ分けるなんて、ヤンキースに移籍したゲリット・コールみたいだ。
サイ・ヤング賞狙ってるのかな。
ここでお兄さんがお新香を。もう鍋タイムでしょうか。
ふと時計を見ると19時過ぎ、すでに2時間以上経過していますから潮時です。あっという間だ。
お新香をいただいて口の中をリセットしつつ、きれいな銅鍋に張られた鳥スープの温度が上がってくるのを待ちます。
ワクワクするなぁ・・・子供みたい(笑)。
まずは鳥スープを田中さんに汲んでいただいて一口。旨味の強いトロッとしたスープです。
ポタージュみたいな口当たりですが、これに野菜や肉が入るとちょうど良い塩梅になります。
骨から煮出す出汁も一種類ではありませんから、以前より複雑な味わいに感じます。
美味しいことに変わりはないんですけど。これに慣れちゃう自分が怖いです。
きちんと味の記憶を留めておきたいと思います。
鍋の煮えてくるクツクツというなんとも言えない良い音を聞いていると、弟さんがさらに焼鳥を持ってきてくれました。
お、追加でお願いした背肝と袖元ですね!
このちょっと濃いめの味と鍋の対比もまた楽しです。
背肝はやはりタレですよね。背肝ならではの味わいと食感がタレで膨らむ感じがします。
袖元は手羽元とムネ肉の間の内筋なので、あっさりさっぱりです。背肝とは好対照ですね。
と焼鳥を楽しんでいるといつの間にか目の前に鍋でいい感じに煮えたキャベツがすっと置かれました。
しまった、焼鳥に夢中で鍋の写真撮らなかったよ(笑)。
軽く炊けた感じのキャベツは鳥スープの香りを纏って如何にも美味しそうな艶があります。
これ、キャベツじゃないよ。鳥の旨味にキャベツの旨味が加わった別の食べ物だ。
ちょっと七味をふりかけると味のエッジが効いてさらに旨さが増します。
七谷地鶏の団子ももも肉も手羽先も絶品の美味しさ。
美味しすぎて言葉を失いました・・・が、鳥スープを従えて登場した芹根にはもう脱帽です、って帽子かぶってないけど。
芹の根っこはとても美味しいので自宅で鴨と芹の鍋をするときには必ずよく洗って使うようにしているんですが、何しろきれいに洗うのがとても大変で、洗いすぎると切れちゃうし、ほどほどだと泥の味が残っちゃう(それはそれで美味しいんですけど)ので、手間のかかる食材です。
こんなにきれいに泥を落として長くてたっぷりした芹根を食べさせていただけるなんて、ここは仙台か(笑)。
シャキッとした歯ざわりと若干の苦味、それに芹の独特の香りが鳥スープと一緒に味わえるんですからもう何も言うことはありません。感激です!
芹の葉も茎もその後いただきましたけど、根っこの滋味とインパクトには敵いません。
温度が上がってとろみがついた豆腐も絶品。鳥スープを全て吸い込んだ旨味爆弾です。
口に入れると旨さが大爆発します。美味しくて即死です。
この水炊きはこれまでマイギネスだった博多の長野を軽〜く超えてしまいました。
JリーグとUEFAチャンピオンズリーグくらい違います。
あ、誤解のないように言っておきますがどっちも好きですよ。違うって言いたいだけです(笑)。
さて、驚愕&興奮&超絶&極上の水炊きがほぼ胃の中に収まった頃、弟さんが追加の焼鳥を並べてくれました。
え〜、そんな頼んだっけ・・・まだ全然食べられます(笑)。
美味しいものならいくらでも入る便利な胃です。
皮、ボンペタ、長芋、トマト、レバー(写真撮り忘れました)、振袖、手羽先、つくね・・・ああ、幸せ。
振袖はコースに入れてあるんだそうですよ。なんて贅沢なコースなんでしょう。
そろそろコースも終わりかな&寂しいな・・・とぼんやり思っていると、田中さんがまだお腹は残してありますか?これから雑炊を作ります、お鍋は雑炊を食べるためにあると言いますからね、と座敷に来てくれました。
そうだ、このあと雑炊が控えてるんだった。
全員から溜息とも歓声ともつかない声が上がります。
私はもう一度お年玉もらった子供の気分に(笑)。
今更言うまでもありませんけど、マイギネスを更新した水炊きのスープで作った雑炊はギネスを超えました。
鳥スープに様々な素材の旨味が溶け込んでいて、それをお米が吸い込んで膨らみ、濃厚な卵ととても細く切りつけた青葱でしっかりまとめられて出てくるわけですからもうどうにでもなれって味です(ちょっと意味不明)。
こういう料理は困りますよね。
食べたい!けど食べるとなくなっちゃうから取っておきたい!けどやっぱり食べたい(笑)。
人間の食事に対するプリミティブな欲求を試されているような雑炊でした。
ああ、美味しかった。
田中さんが再び登場。
このあとはデザートですけど他にご注文は・・・とまるでサザビーズのオークショニアみたいな口調で小槌を今にも鳴らそうとしています。
当然、ここはレイズする一手です。
焼きあごの煮干し出汁の鶏そばと濃厚白湯醤油の鶏そば!とコール。これで落札だ(笑)。
大丈夫ですか?とのお声もいただきましたが、美味しいものならいくらでも入る便利な胃ですから大丈夫です。
女性陣は水炊きで討ち死にしてから久しいので、私と友人の男性で鶏そばをいただきました。
鶏そばのスープにはまだ別の味わいがあって、麺もスルスル入ります。
これだけ食べてもまだ食べたいと思わせる美味しさ。
この鶏そばをいただく度に思いますが、ランチで鶏そば専門店を出したら(無理なのは重々承知しています)ラーメンというか中華そばでも星がつく名店になると確信しています。
でもこの鶏そばを食べ終えると今日の鶏オークション、違った食事も終わり。
とても幸せな気分なのに寂しい気持ちもするのはこの幸せな時間が永遠ではないからです(馬鹿)。
締めの塩プリンをいただきながら、しみじみと今晩の食事を振り返ってしまいました。
ご挨拶してお店を出たのは22時過ぎでした。
またこの幸せな時間が持てますように。
ご馳走様でした!!!
帰りがけに、田中さんからお年賀ですと、小さい箱を渡されました。
中には山椒で炊いた縮緬雑魚が入っていました。
嬉しいです!
家宝にしたいけど(笑)食べないと悪くなっちゃうので、翌朝のご飯のおかず&翌晩の酒肴として楽しませていただきました。
私が鶏田中を日本一の鳥割烹だと思う所以は、素材の素晴らしさ、料理人としての卓越した技量もさることながら、そのお心遣いの細やかさとイマジネーションの豊かさにあります。
毎回お店にやってくるゲストをイメージしながらどの素材をどのように料理して喜んでもらうか、どうしたらもっと美味しくできるか、この料理はどこに入れてその次に何を出すか・・・などなど考えつく限りのことを考えて、切りつけ方ひとつにもこだわる人がここで料理を作ってくれています。
西健一郎という稀代の料理人の薫陶宜しきを得た多くの後進が、鐘ヶ淵だけでなく日本中に散らばってそのDNAを未来に繋げてくれていると思うと、そういう時代に日本でそれを味わい、体験することができて本当に幸運だと思うのです。
ありがとうございます。本当にありがとうございます。
2020/01/23 更新
2019/10 訪問
【完全禁煙】日本最高峰の鳥割烹 メニューに高坂鶏と七谷地鶏が加わりました
すでに予約が取りにくくなって幾星霜の鳥田中です。
本日は前回同席した友人が2時間電話かけまくって席をゲットしてくれました。
よく繋がったよねぇ。持つべきものは運の良い友です(笑)。
いつものように大好きなお母さんにご挨拶して、今日は10月とは思えないほど暑かったので瓶ビールで喉を潤します。
こういう時はキリンラガーか赤星ですが、こちらはラガーです。盤石の旨さと喉越しですね。
10月からコース一本になると前回伺った際に聞いていましたが、カウンターにはメニューが置いてあります。
開いてみるとコース料理の説明ではなく、追加でいただけるものと飲み物のメニューでした。
コースをいただく前から追加で何食べようかなと頭に思い描く私はただの食いしん坊(笑)。
高坂鶏に加えて七谷地鶏も使い始めましたと田中さんから説明がありました。
丹波地鶏に京鴨は以前から鳥田中を支える鉄板素材ですが、ここに高坂鶏と七谷地鶏が加わるなんて・・・軽く眩暈が(笑)。
前回、試験的に入れている高坂鶏をいただきましたが大変美味だったことを舌が記憶しています。
嬉しくて早くも臨戦態勢ですな。今日は掛かり気味です。
お通しは京都の紫頭巾という枝豆に、なんと小川の雲丹を乗せた茄子のシギ焼き、丹波地鶏の茹でハツ、さつま芋と京味噌の炊き合わせが一皿に美しく盛られて登場。
毎回お通しには驚かされますが、今日もしっかり驚きました(笑)。
このお通しにどれだけ手間がかかっているかを考えるとちょっと気が遠くなります。
あれ、体調悪いのか?(笑)興奮して血圧上がったんですね、きっと。
料亭であれば若い衆が手分けしてどんどん作れますが、ここは鐘ヶ淵のご兄弟で運営する焼鳥屋、手は4本しかありません。
本当に手間を惜しまず素晴らしい仕事をされます。
しかも小川の雲丹を求める寿司、料亭、割烹は数あれど、焼鳥屋ではまず聞きません。
美味しいかどうかなんて私ごときがどうこう言えるレベルではないので、ありがとうございます&ご馳走様ですと感謝していただきました。
お次は小柴で揚がった天然とらふぐの唐揚げ!盛り合わせの銀杏もキレイな色に揚がってます。
小柴といえば私が通った高校の近くですからよく知っています。
確かに小型のフグが勝手に引っかかっていたように思います。
小柴漁港では蛸や烏賊、江戸前の穴子、芝海老、銀宝も揚がるので、天婦羅屋、蕎麦屋、寿司屋で使いたがるところが多いなんて話をしながらフグを楽しみました。
身のついた骨をしゃぶりながら飲む酒が旨くて止まりません(笑)。
以前から方向性は見えていましたが、鳥田中は焼鳥をコースに組み入れたカウンター割烹というべきですね。
追加は可能ですが基本はコースになったので、より店の方向がはっきりしました。鳥割烹です。
レバーペーストが追加メニューからも消えていたのは残念ですけど。
お次は京鴨ロースの一枚焼き。これもじっくりやんわり火が通っていて絶品です。
切っても出てこない肉汁が噛むとじわじわ溢れ出てくるから堪りません。
食べるスープですね。美味しすぎて泣きたくなります(笑)。
紅葉の彩りも添えられて、目でも舌でも味わえるところがさらに素敵です。
始めの3品ですでにやられちゃってます。
口直しに先ほどのフグの皮を使ったポン酢和えが出た後(これも美味しかった)、丹波地鶏の煮凝りを纏った炊き物が目の前に。
こちらも彩りよく添えられた野菜の下から蒸し鮑やら丹波地鶏のモモ肉やら美味しいものがゴロゴロ出てきます。
冷やしてありますが室温で煮凝りが崩れるとジュレ掛けのようになって味わいが更に増します。
上に乗せてあるキャビアも良いアクセント、全く美味しい素材を組み合わせてさらに美味しくすることをよく知っている店です。
お次は焼いた七谷地鶏に鰹出汁を薄っすらと纏わせた焼き浸し。
七谷地鶏は、飼育スペースをブロイラーの150倍(!)も確保して、抗生物質と抗菌剤を入れていない配合飼料で120日間育成した京都亀岡産の地鶏です。
肉が締まっていて、噛めば噛むほど旨味が溢れ出してきます。美味過ぎです。
上品な出汁との相性も抜群で、少し柚子胡椒を乗せて食べても風味が増していいですね。
これ、この10倍食べたい(笑)。悶絶ものです。
焼鳥前の中締めはやはり湯引きお造りですね。
鮮度抜群で少しだけ温度を上げて良い香りを放つ丹波地鶏のハツ、レバー、砂肝ですから、鳥田中の定番中の定番です。
今回は出汁醤油の代わりに泡醤油を出してくれました。他はいつもの塩入り胡麻油とにんにく醤油です。
この泡醤油がまた素晴らしい風味で、これだけで酒肴になりますよ。
もちろんハツにつけてしゃりしゃりっと楽しんでも良いし、とにかく美味しいお造りです。
お造りをいただくと鳥田中だよなぁと実感します。今更ですけど(笑)。
ムネ肉の黄身和えも出してもらってプンクトを打ちました。
ここからは先に追加していた(笑)希少部位の焼鳥が弟さんの手で料理の合間に出てきました。
まずは振袖。手羽元とムネの間の羽を支えている筋肉です。
こちらの振袖はよく運動している地鶏ですから、脂はじんわり&肉の味が濃いです。
焼鳥のコースって普通は味の淡白なささみやムネ肉から始まることが多いですから、スタートから振袖からってすんごく贅沢ですけど、こちらはどの部位も美味しくいただけるので安心してかぶりつきます。最初からインパクト大ですね。
今度はお兄さんの手元からお椀が出てきました。蓋を開けると京の白味噌を使った鶏団子の炊き合わせがお出ましです。
これ、コース料理だから出てくるんですよね。
ア・ラ・カルトじゃこのタイミングでお願いしないよなぁ。
ほんのり甘い味噌に出汁の効いたお団子と野菜がちょうどいい塩梅に炊かれていて、もう言葉なし。
丹波地鶏の白湯で白味噌を溶いてあるんだそうで、濃厚なのにあっさりした味噌スープです。
只管集中して味わいました。
続いて七谷地鶏の叩き。ほんの少し表面を炙って葱と和えてあります。
これは2週間ほど寝かせてあるんだそうでお肉がねっとりしていて噛むほどに旨味が溢れ出します。
これはちょっとやばい旨さ。味爆弾です。
鶏肉ってここまで旨味が引き出せるものなんだと驚くばかり。
この後レバー、ムネ、お新香と追加のおつまみに泡醤油をもらって、大興奮の前半戦が終了。
まだ前半戦です(笑)。これから焼鳥いただいて、最後に締めの炭水化物が待っていると思うと、嬉しくて仕方ありません。
後半戦の最初に出てきたのは高坂鷄のお造りでした。
部位はモモとレバーです。何もつけずにそのまま召し上がってみてくださいと言われ、口に運びましたが、しばらく出汁に漬けたのかと勘違いするくらい濃厚な旨味です。七谷地鶏は表面だけ炙ってありましたが、高坂鷄は切りつけただけですから、やはり肉が持つ旨味の濃度が違うんでしょうか。
美味しすぎます。こんなの普通に食べてたら、他の鶏肉は食べられなくなってしまいます。
恐るべき鶏肉だ(笑)。
唸りつつ食べていると、今度は弟さんからつくねを供されました。
一つ一つの料理の旨さに浸る暇もないほど、美味しいもので攻めたてられてます。
つくねはタレの味が最もよくわかる逸品です。
玉子を肉に負けないよう濃いものに変えてからバランスも更に良くなりました。
串焼きですが立派に一品料理です。食べ応えも満足感もありますし、お酒にもよく合うユーティリティプレイヤーですね。
あ、レバーペーストが出てきた。
追加メニューにないからやめちゃったのかと思ったら、ちゃんと作っていましたよ。
お好きでしょ、と出してもらうと顔がにやけます(笑)。
口当たりはさっぱりしているのにバゲットと一緒に噛んでいると塩気がじわじわ増してきて、口の中がクセのない旨味だけのレバーで満たされます。こんなに美味しいレバーペーストはないです。
テイクアウトしたいです。これ、ウイスキーと合わせても素晴らしく美味しいでしょうね。
この後、近々開催されるイベントで出す予定のスペシャル串(お誘いいただいたんですけど予定があって・・・泣)、皮、ソリレス 、七谷地鶏のモモ&ムネ、おたふく、ハツ元、せせり、高坂鷄のモモなど怒涛の焼鳥攻撃を受け、写真を撮ることも忘れて食べ続けました。
スペシャル串は一本で食べ比べられるもので、頭にレモンをつけてイベント会場でも立ったまま食べられるように工夫してありました。
これをイベントで食べられる来場客は幸せです。
焼鳥食べまくって幸せな気分に浸っていましたが、そろそろお腹も膨れてきました。
今はまだ焼鳥食べたい気持ちが勝っていますが、数日経つとやっぱり中華そば食べとけば良かった、親子丼なんで食べなかったんだろう、鳥雑炊食べないなんて鳥田中行った意味がないじゃないか、と確実に後悔するので、焼鳥はここまでにして締めをお願いしました。
鳥雑炊はコースに含まれている締めの料理とのことなので、追加で濃厚白湯鳥そばと親子丼をお願いしました。
これで今日の鳥田中が終わりかと思うと残念な気持ちです。
もう一周したいですが、お腹に少ししか空きはありませんし(笑)。
丹波地鶏で取った出汁にこれまた味の濃い玉子を溶かし込んだ雑炊はとろっとろですが、これはお米でついた濃度じゃなくて白湯だと思います。
舌にしっかり残る旨味がゆっくり消えていくのを楽しみつつ雑炊を完食。
鳥そばと親子丼もがっつりしっかりいただきました。
美味しいものだけでお腹を一杯にするなんて、至福の時とはこういう時間のことを言うんですね。
日本に焼鳥屋は数多あれど、日本料理の技を駆使した鳥料理とともに味わえる店は限られます。
蘭奢待とか末げんとか鳥料理で名の通った店もありますが、個人的な印象としてはこちらはレベルが全然違うと言うか、コストパフォーマンスも含めて抜きん出ていると思います。
その意味では現在、日本最高峰の鳥割烹だと思っています。
佇まいは鐘ヶ淵にある庶民的な&気の置けない焼鳥屋ですが、出てくるものは高級割烹並みです。
●本日いただいたものまとめ(4名)
・お通し:紫頭巾枝豆、茄子シギ焼き雲丹乗せ、茹でハツ、さつま芋と京味噌炊き合わせ
・天然とらふぐの唐揚げ
・京鴨ロースの一枚焼き
・とらふぐ皮ポン酢和え
・鮑と鶏モモ肉の丹波地鶏煮凝りキャビア乗せ
・七谷地鶏焼き浸し
・湯引きお造り:丹波地鶏のハツ、レバー、砂肝
・ムネ肉の黄身和え
・焼鳥:振袖(塩)
・椀物:京白味噌の鶏団子と野菜炊き合わせ
・七谷地鶏の叩き
・焼鳥:レバー(タレ)
・焼鳥:ムネ(塩)
・お新香
・泡醤油
・高坂鷄お造り:モモ、レバー
・焼鳥:つくね黄身添え(タレ)
・バゲット レバーペースト乗せ
・焼鳥:スペシャル串
・焼鳥:皮(タレ)
・焼鳥:ソリレス(塩)
・焼鳥:七谷地鶏モモ(塩)
・焼鳥:七谷地鶏ムネ(塩)
・焼鳥:おたふく(タレ)
・焼鳥:ハツ元(タレ)
・焼鳥:高坂鷄モモ(塩)
・焼鳥:背肝(タレ)
・鳥雑炊
・濃厚白湯鳥そば
・丹波地鶏と濃厚玉子の親子丼
・甘味
・お酒:キリンラガー中瓶、レモンハイ、九代目、田酒、明るい農村、情ヶ島、謳歌、三岳、旭興ほかあと忘れた
これだけ飲んで食べて、一人1万円以下とは驚異的!
次回はいったいいつ伺うことができるのか・・・後ろ髪を引かれつつお店を後にしました。
年内にもう一度お母さんの顔見たいなぁ(笑)。
ご馳走様でした!!
2019/10/25 更新
2019/08 訪問
今秋10月より高坂鶏、始まります!鳥田中はどんどん進化しますよ〜
毎度お馴染み、鳥田中です。
最近は2ヶ月に1回取れるか取れないかくらいの厳しい競争率ですが、鐘ヶ淵にもすっかり通い慣れて、北千住まで行っちゃったりすることもなくなりましたし(笑)、事前に松浦寿輝の世界に踏み込む覚悟をする必要もなくなりました。
ということで、いつものように鐘ヶ淵駅から路地を歩いて来ました。
カウンター奥に座ってお母さんにご挨拶。
相変わらずお元気そうで何よりです。
もう1人、髪の毛がピンク色の接客業は素人な感じのアルバイトの女性がいらっしゃいました。
まだまだ覚束なくてこちらが気を遣っちゃう感じですけど、頑張って慣れてくださいね。
で、今日も暑いのでまずは冷たいビール・・・おっとここのタップはアサヒなので酎ハイにします。
お母さんがグラスにクラッシュアイスをたっぷり詰めて酎ハイを作ってくれました。
鐘ヶ淵から歩いてくるだけでうだるような暑さでしたから、冷たい酎ハイが胃の腑に沁みます。
冷たい飲み物って暑い時季に飲みすぎると却って夏バテの原因になるそうですが、やっぱり冷たくないと飲む気になりませんよね。
さて、例によって本日の希少部位の状況を確認して先にお願いできるものはお願いし、お通しが出るまでゆっくりと今日のメニューを考えます。
こちらはお通しを出していただいてから徐ろに食べたいものをお願いするのが暗黙の了解になっています。
弟さんがかなりの塊の鴨肉を焼き台で炙り始めました。ものすごく美味しそうな鴨肉です。
この時期の京鴨は脂が少ないものの肉の美味しさが堪能できるので個人的には好みです。
じっくり焼き上がった京鴨に目が釘付けですが、お兄さんがスパッと包丁を入れて我々の目の前においてくれました。これがお通しなんて…相変わらず人を驚かすのが好きな店です(笑)。
今日のお通しはこの京鴨と丹波地鶏のハツの煮つけ、それに鱧の鳥そぼろ和えです。
まあなんて豪華なんでしょうか。
お通しは350円から500円に引き上げられているそうですが、それでもどう考えても赤字ですよね。
赤字というよりは全くの採算度外視というべきでしょう。
田中さんのお通しにかける情熱は他の店の追随を許さない状態になってきました、って前からですけど。
芋焼酎の水割りをお供に、これらのお通しをゆっくりと味わいます。
どれも手が込んでいて味わい深くて素材が良くて、一品料理として立派に通用するレベルです。
美味しいなんてもんじゃないですね。
お通しでその店の実力を窺い知るとかよく言いますけど、その文脈で言うと鳥田中は高級割烹レベルです。
唸りながらいただきました。なんだか変態っぽいぞ(笑)。
で、お通しを堪能した後、いつものように叩きと湯引きをお願いします。
卵を深谷産のものに変えたそうで、黄身和えは舌に乗せるといつまでも残るような濃厚な味になっています。
後引きな味ですねぇ。これじゃあ美味しくていつまで経っても焼鳥に辿り着けないよ(笑)。
今日は締めに鶏そばをどれかと親子丼とそぼろ丼両方食べようと勝手に決めて来ているので、焼鳥前が美味しすぎると3時間コースになっちゃいます。
今回は強めに取った鰹出汁を固めてジュレにしてあるので、叩きをいただくと口の中がひんやりして夏にピッタリですね。
小技がたくさん効いていて、いつもと同じようでいてちょっと違うのが素晴らしい。
今日はバゲットにレバーパテをたっぷり乗せたものと白レバーをもらってちょっと口の中を違う感じにした後、焼鳥に行こうかなと。
こちらのレバーはもちろん串焼きとしていただく前提ですけど、いろいろ趣向を凝らしたものもいただけるのが良いですね。
レバーパテにも様々な工夫が施してありますし、付け合せの野菜も美味しいです。
一品一品の細部にこだわる料理を出してくれますから、何をいただいても本当に美味しいですね。
鳥料理、焼鳥屋というより鳥料理専門の割烹の趣です。
さていつものように怒涛の焼鳥タイムに突入。
今日は残念ことにお新香が出てきませんでした。プンクトが打てないとちょっと拍子抜けです。
まあいいか。
毎回飽きもせずによく食べるなと思いますが、美味しいんだから仕方がない(笑)。
今日も先にお願いしていた希少部位を中心にいただきました。
袖元、ソリレス 、えん側、おたふくをいただきながら、火入れの難しさについていろいろと伺いました。
炭火は常に不安定ですから火の加減と勢いをよく見て、火入れの具合を見定めるのがポイントなんだそうですが、言うは易し行うは難しで、何年焼いてもこれでいいということはないんだとか。
弟さんも焼き台を自分のものとして扱っているように見えるので本当に美味しくなったと思うんですが、ご本人はまだまだ全然と仰います。
こういう謙虚な姿勢がより美味しいものを生み出す原動力なのかもしれませんね。
で、ふと博多のとりらが移転した話をしたらもちろんご存知で、お兄さんから「うちも高坂鷄入れてもらえることになりました。今は試験期間で毎月2羽しかいただけないんですが、きっととりらさんがお休みだったからなんでしょうね、10月から本格的に使わせていただきます」とのお話がありました。もうびっくりです。
今はなき銀座のたて森で初めて食べて以来、その美味しさに食べる度に喫驚していた高坂鷄を鳥田中が入れるなんて!
「少しなら出せますけど食べますか?」へ?あるの?断るわけないでしょう!
冷蔵庫から2週間寝かせた(!)皮を出して軽く焼き、ポン酢でさっと和えてくれました。
即席の皮ポンです。美味しくて悶えてしまいます(笑)。
なんじゃこりゃ!です。
高坂鷄は無菌飼育なので丸で仕入れて部位ごとに捌き、1週間から10日、モノによっては2週間くらいは熟成させることができる鳥好き垂涎の鶏肉です。機会があったら是非召し上がってみてください。
焼鳥の&鶏肉の概念が変わります!!
鶏肉の美味しさってこれくらいというレベル感って人それぞれあるかと思いますが、その10倍は確実に旨いですよ。
鶏肉でエイジングが可能だというのが抑も衝撃的ですよね。
美味しくてつい興奮しちゃった。周りのお客さんごめんなさい。
お造りと黄身和えをもう一度お願いしました。
ちょっとすぐには焼鳥モードに戻れないです。
お酒もぐいっと飲んで落ち着いたので、ようやく焼鳥に戻ります。お母さん笑ってます。
きっと呆れてるんだろうな(笑)。
ハラミ、モモ、レバー、振袖、背肝、ささみ、つくね、ボンペタ、椎茸焼きとテンポ良くいただいて、間に茄子の焼き浸しを頂戴してようやく巡航速度に戻りました。
ジョン・ボーナムのドラムソロに負けない狂熱のライブが突然やってきたもんですから、鳥田中は全く油断も隙もない店です(笑)。
さて、お任せ7本に希少部位やら野菜串やらをお願いしたので、そろそろ本日のメインイベント、炭水化物タイムに突入!
でもちょっとその前に、新物の銀杏があるとのことなので(8月の銀杏ってどこのでしょうね)酒のアテにいただきました。
さあこれで準備万端、鶏そば食べよ〜!
と思ったら目の前に器が置かれ、「どうぞお試しください!」とお兄さんが出してくれたのは高坂鷄の煮付けでした。
え?うそ?なに?まじ?みたいなボキャ貧状態で、蓋を開けると高坂鷄のモモと胸がネギと一緒に炊かれて鎮座しています。
出汁は基本的に使わず、高坂鷄の旨味だけでネギと合わせて炊き、最後に出汁醤油を数滴と七味だけとのこと。
また、John Bonham Moby Dick! Dick! Dick! Dick!・・・です(笑)。
こちらも2週間寝かせてあるそうですが、とにかく香りが素晴らしい。
鶏肉の香りも凝縮されているというか立ち上る湯気から美味しいです。
食べるのがもったいない、けど食べます(笑)。食べないほうがよほどもったいない。
もう何言ってるのか自分でも良くわかりませんが。
またまたなんじゃこりゃあ!!ですよ。
またお母さん笑ってます・・・
食べ終わって落ち着くまでにまたしばしの時間が必要なくらい美味しかったです。
ワイフも絶賛してました。彼女は高坂鷄初めてなので熟成させた鶏肉ってなんのこと?でしたから驚きも如何許りかと思います。
偶然ですが貴重な体験をさせていただきました。
あ、そうだ。皮一本お願いします(笑)。
鶏そばは鰹出汁にしましたが、今日は京鴨出汁との合わせだそうです。素晴らしい。
私はその鶏そばに皮の焼鳥を乗せていただきます。
こうするとさらに鳥の脂が加わって好みの味になるんですよ。是非お試し下さい。
お酒にも確実に合います。
続いて親子丼とそぼろ丼。お母さんがまたびっくりです。
まだ食べるんですか?って・・・そりゃそうだ。
ワイフも完全にストップですから一人で食べ続けるわけですね。
もちろんその覚悟はできてます。
とろっとろの黄身を纏った丹波地鶏のモモがどっさり乗ってご飯の上にうやうやしく敷かれて出てきました。ついでそぼろ丼も登場。
まあ自分でも呆れますが、美味しいものはいくらでもお腹に入るもんですね。
案外あっさり&とても美味しく胃に収まりました。
こういう時は頑丈な体に産んでくれた両親に感謝です。
無駄遣いしているような気もしますけど(笑)。
鳥田中欠乏症を根治するべく大量摂取しましたが、今日は高坂鷄もいただけてもう何も言うことはありません。
でも高坂鳥が食べられるようになったらさらに競争率が上がってしまうかも・・・これ以上変わらないか(笑)。
さて、お酒もちょっと飲み過ぎたので、焼酎のオレンジ割りを飲んで(血迷ったんです)プリンを食べて本日は終了。
やっぱり3時間コースでした。と言っても18時からですからまだ21時過ぎです。
外はまだうだるような暑さですが、多少風が出てきたので何とか凌げるかなという気温です。
湿気が強いです。
お腹ごなしに浅草くらいまで歩こうかと思ったのですがあっさり断念しました(笑)。
次はいつかわかりませんが、兎に角美味しかった。
ご馳走様でした!!!
翌日、お母さんから友達申請が来ました。
今度はこっちがびっくり!もちろん即承認させていただきました。
ご夫婦でiPhoneにされたんだそうです。気がお若くて素晴らしい!
まだまだ暑い日が続きますから、お身体だけは気をつけていただきたいものです。
次回お目にかかるのを楽しみにしています。どうぞお元気で!
2019/08/28 更新
2019/03 訪問
相変わらず激旨で驚異的なコスパの鳥料理&焼鳥 鳥好きなら1度は鐘ヶ淵にくるべし!
東京焼鳥業界の勢力図を塗り替えた?と言われる鳥田中です。
(そもそも勢力図なんてあるのかな?)
昨年の春過ぎまでは伺う度に次回の予約をお願いして毎月1回程度通うことができたんですが、昨年の今頃は3.09だった食べログの点数が4点を超え、今では毎月一回の予約日に偶然電話が繋がらないとまず伺うことができない店になってしまいました。
次々と出てくる美味しい鳥料理&焼鳥はもちろんのこと、丁寧な仕事ぶり、何気ない会話で感じられるご家族のチームワークの良さや誠実さ、庶民的な敷居の低さや価格設定に至るまで、すべてに満足度の高い店ですからこれだけの人気店になるのも頷けます。
もちろん完全禁煙です。それはもう常識でしょう。
これまでこういう店は知る人ぞ知る&地元の人が贔屓にする店だったのに、ネットの恩恵?で名前は既に全国区ですよね。ネットの功罪相半ばと言ったところでしょうか。
お店にとっては繁盛すること間違いなしですからメリットは大きいですが、営業スタイルによっては迷惑ということもあり得るでしょうね。
御託はこれくらいにして、久しぶりの鳥田中!ワクワクします。
お母さんもお変わりなくお元気そうでとても嬉しいです。
いつ伺ってもご家族が仲良く和気藹々で仕事されていらっしゃるので、我々もとてもほんわかした気分で美味しい鳥料理をいただくことができます。
入口に掲げられた「アルバイト募集」はまだ出ていますね。
ここの賄いをいただけるなら、毎日会社を早退して是非アルバイトしたい。
早速レモンサワーをいただいて、今日は何をいただこうかなとメニューとにらめっこ。
毎回結果的にほぼ同じメニューで行っていますが、それは最初に出てくるお通しが焼鳥屋さんとしては日本一ではないかと思うくらいの凝り様&美味しい&季節感満載で、レギュラーメニューが美味しすぎるので、飽きないばかりか毎回同じものを同じクオリティでいただける喜びに浸っています。
今日のお通しは3品。
まずは京鴨のハツとロースのお造りです。なんて上品な鴨なんでしょう。
お造りは京鴨づくしのコースの先附として祇園でいただいたことがありますが、こんな風にお通しで出しちゃうなんてなかなかないことですよね。レモンサワーでは勿体無いです。
すぐに鳳凰美田の純米吟醸を冷やでいただいて合わせました。美味し過ぎます。
お次はローストビーフで包んだイイダコの卵。これは旨味の固まりでした。
その次は八女の早堀り筍と甘鯛の炊き合わせ。カウンター割烹ですよね。
この3品でお通し代350円って、やっぱりどうかしている(笑)。
烏賊と大根など根菜の炊き合わせもいただいてしまいました。
それからはマストの美味しい美味しい湯引きと叩きをそれぞれいただきます。
これは丹波地鶏の美味しさを味わうには一番良い食べ方なんじゃないかと思います。
ほんの少しだけ湯通しした爽やかな香りの湯引きと、火を通して薄切りで供される肉と脂の旨味が凝縮された叩きは酒肴としても最高の皿です。黄身和えも抜群に美味しいです。
いつもの様に丁寧な仕事ぶりで、それも味を引き立ててくれていると思います。
口当たりで味って確実に違いますから、日本料理の繊細な技は鳥料理でも遺憾なく発揮されている訳ですね。
さ、お新香をいただいて焼鳥モードに突入。今度は弟さんの出番です。
最近めきめきと腕を上げてきていて今日はどの様な焼きで楽しませてくれるのか、期待大です。
希少部位はセットと別に頼んでおきました。
まず袖元と背肝から。火入れの具合が丁度良くて香りも食感もいいです。
肉の旨味がしっかり引き出されていますね。とても美味しいです。
ハツ元、ソリレス、金針菜、ハラミ、銀杏、おたふく、京鴨サビ焼きと一気にいただきました。
ソリレスは毎回とても美味しいですが、今日は特におたふくと京鴨サビ焼きが気に入りました。
おたふくのジューシーさが堪りません。
怒涛の焼鳥攻撃でちょっと箸休めと思い、レバーペーストをいただきます。
ここのレバーパテ(リエットも)はとても丁寧に作ってあって、バゲットにつけていただくととても良いアクセントになります。
濃厚なのにあっさりしていて胡椒も適度に効いており、日本酒にちょっと飽きたらビールかレモンサワーで口直しするのにぴったりです。
さて、ではレバーパテを酒肴?に焼鳥再開。
手羽元、レバー、ももまでで希少部位5本と串7本セットが一通りです。
今日のレバーは串から落ちそうなくらいトロトロで美味でした。
追加で今日は長芋、皮、うずら、つくね、ポンペタ、ねぎ間をお願いします(あれ写真が…)。
これくらいにしとかないと締めが入らなくなりますからね。
今日の串は火入れが強めでとても美味しかったです。
何度も伺っていると、こちらの好みも心得て焼いて下さっているような気がします。
では締めのお食事メニューに。
こちらは締めが本当に美味しいので、焼鳥をいただいている最中でも締めのお腹を意識しています。最初と最後はお兄さん、中盤を焼鳥担当の弟さんにお願いするという分業制です。
ちなみにお母さんはお酒と洗い物担当です。チームワーク抜群ですね。
今日は鴨出汁のスープで八女の早堀筍をあしらった特製ラーメンを作っていただけるとのことなので、それは絶対にお願いして、親子丼と雑炊まで行っちゃいました!
いつも思うんですが、二毛作で昼間に鶏ガラベースのラーメン屋さんを開業したら鐘ヶ淵駅まで行列ができるのは間違いないです(笑)。それほどここのラーメンは美味しいです。
ラーメン屋さんにもぜひ召し上がっていただきたいですね。
親子丼はとにかく玉子が途轍もなく美味しくてトロットロで、締めに外せませんから必ず2品はいただくことになります。
雑炊も行っちゃったのは、勢い&次回いつ来れるかわからないからです(笑)。
プリンもいただいてお腹いっぱい。
本当はまだ焼鳥食べたいんですが、ワイフの目が怖いので帰ります(笑)。
ご馳走様でした!!
2019/05/27 更新
2018/12 訪問
祝!食べログアワード2019ブロンズ獲得! 鳥田中は何もかも美味い!
相変わらずコスパ最強&料理抜群&焼鳥美味しい&お母さんの笑顔最高、の鳥田中です。
つい先日、食べログアワードでブロンズを受賞しましたが、いやいや最低でもシルバーでしょ、と思った食べロガーは少なくないと思います。
大変幸運なことに、年末もマイレビューアーのkebi-ishiさんにお誘いいただいて鶏鍋コースを楽しみました。今シーズンの鶏鍋は前回で終わりと諦めていたので、感謝感謝です!
あの何日もかけて取る丹波地鶏のスープが味わえるなんて嬉しいなぁ。
いそいそとすっかり慣れた鐘ヶ淵からの小径を進んでお店に向かいます。
あれ、これまで目に入っていなかったのかこの小径にも何軒か飲食店がありますね。
鳥田中効果?で人通りが増えたはずですから、ある意味チャンスです。
目的が決まっているから振りの客は来ないかなぁ。
で、すっかり慣れた引き戸を開けていつものようにご家族とご挨拶。
本当にいつもにこやかで可愛らしいお母さんにお目にかかれて嬉しいです。
ビールで喉を潤しつつ、コースの、というより今日のお通しは何かなと待ち構えます。
毎回本当に驚かされるので、今日は驚かないぞとその時を待つのですが、今日は京鴨の治部煮とアメーラトマトの上に香箱ガニの内子をどーんと乗せた一皿が出てきてやっぱり驚いてしまいました。
京鴨がお通しなんてあり得ないです(笑)。
合わせてあるせりの切りつけ方がまた繊細で、食感が抜群、香りも立ちます。
アメーラトマトと内子も甘さと塩気のバランスが素晴らしく、京都の料亭で冬の味覚と料理の技を味わっている感覚になります。なんて贅沢で季節感があって美味しいお通しなんでしょう。
食べログお通しアワードがあれば第一位です!金賞です!Oscar goes to Toritanaka!です。
これをいただくためだけに鐘ヶ淵に来ても良いと(他も全部食べるけど)思います。
コースの最初はお造りと叩きです。
丹波地鶏の旨味が堪能できる素晴らしいスターターですね。
こんなに香りがあって弾力があって旨味の強い鶏肉を部位ごとに味わえるなんて、これも本当に贅沢ですね。お酒もスイスイ進んでしまいます。
レンゲに入った胸肉の黄身和えは何度食べても悶絶しますし。
全員で旨い旨いの合唱コンクールです(笑)。
焼鳥もコースに3本お任せで入っていますが、先に希少部位とかお好みで追加ができるので、本日は背肝(腎臓は胴骨から外すのが大変ですが美味しいです)、袖もと(肩の内側で胸肉との間にある小さい部位でひと串に3羽分は必要ですが美味しいです)、おたふく(弾力があって旨味のある胸腺ですもちろん美味しいです)、ソリレス(腸骨の背中側にある窪みにある丸い肉でぷるんとしていて美味しいです)をお願いしました。
コースの焼鳥はもも、レバー、皮の3本でしたが、最近ぐんぐん弟さんが腕を上げていて、来る度に火入れの加減が上手くなっています。
これまであと15秒、あと30秒焼き台に乗っていれば、あと20秒早くタレに浸けていればと思うことがありましたが、ここ数回はまずそういうことがありません。
店がお休みの日に都内の有名店を食べ歩いて勉強されているそうで、もっと美味しい焼鳥を出したいという向上心が素晴らしいですね。客にとっては良いことずくめです。
再び旨い旨いの合唱コンクール(笑)。
焼鳥はあと10本くらいはいただきたいですが、このあと鍋ですから我慢。みなさん大人ですね。
さて、宴もたけなわでは御座いますが、ここでメインの鶏鍋の登場です。
まずは銅鍋に張られた黄金色のスープに火を入れて、熱々の旨味を味わいます。
丹波地鶏を丸2日煮出して取ったコクがあって雑味がない飛び切り上等のスープです。
もうこれだけで十分、調味料を加える必要はありません。
胃の腑に沁み渡る旨さですね。はい合唱(笑)。
具材を入れていただくと、ベースのスープの旨さがさらに引き立つというか、具材はスープの引き立て役というか、どっちが主役かわかりませんが兎に角途轍もなく美味しいので、ガンガン食べ進めてしまいます。美味しいものってお腹にいくらでも入ります。鶏もも肉だけでなく水菜や椎茸、長葱なども田中さんが厳選した野菜ですから地味豊かで美味しいんですが、スープには敵いません。
このスープを残していただくのが締め第一弾のラーメンです。
こちらの締めのラーメンはこの時期鰹出汁、鶏白湯、煮干出汁の3種類ですが、鶏白湯ともまた違った締めの鍋ラーメンを出してくれます。
焼鳥を諦めてもこの鍋ラーメンは味わうべき逸品ですね。
東京都内で食べログに登録されている6643軒のラーメン屋のうち6640軒くらいのラーメンよりは間違いなく美味しいと思います。確かめてないけどさ。
そして締め第二弾はちょっとスープを足して雑炊です。
丹波地鶏の玉子を割り入れてトロトロのお雑炊をいただくと、ラーメンで満足しているはずのお腹と舌がまた前がかりに(笑)。
何でこんなに美味しいの!はい合唱(笑)。
鍋は締めをいただくためにあるとはよく言われることですが、まさにその言葉を実感しました。
あー美味しかった。
デザートの羊羹と塩プリンも田中さんのお手製です。
こんなにいろいろ仕込みをしているのによくデザートまで手が回るなと感心しますが、デザートまで美味しいんですよ。もう本当にびっくりです。
こんな焼鳥屋さん絶対他にはないですね。
田中さんは京料理の店で修行して独立して、そのあと丹波地鶏のルートを開拓して焼鳥屋さんに転身しましたから料理の引き出しはたくさんお持ちですが、甘味まで手がけるとは大したもんです。
客としては食べログアワードに選出されても当然だと思いますが、田中さんは励みにしてさらに頑張るとのこと、心意気まで素晴らしいです。
これからますます予約が取りにくくなっちゃうなぁ。
でも、一人でも多くの鳥好きにこちらの焼鳥&鳥料理の数々を味わっていただきたいと思います。
ご馳走様でした!!!
2019/02/07 更新
2018/11 訪問
喫驚のお通し&絶品の水炊きコース! 丹波地鶏を余すところなく味わい尽くせます!
今年も残すところあと僅か。
一年がものすごく早く感じるのは年齢のせいでしょうか。
小さいお子さん(例えばチコちゃん5歳)は一年は人生の5分の1を占めるとても長い時間なわけですが、そこら辺にいるおっさん(例えば私55歳)は一年が人生のわずか55分の1ですから一瞬です。
私の一年の長さは、感覚的にはチコちゃんの11分の1。
チコちゃんの一年は私の1ヶ月ちょっとです。こりゃ早いわけだわ。
でも、あっという間に今年が終わってしまっても困るので、今年最大の収穫である鳥田中で水炊きを食べよう会を開催しました。何と言っても私にとって今年一年を象徴する店ですから。
昨年は池袋のPIZZA BORSAでしたが、最近予約が取れなくてすっかりご無沙汰してます。
鳥田中も今やすっかり予約困難店ですから、これまで以上に心して一回一回の鶏料理を満喫したいと思います!
今日は厨房奥に設えられたお座敷でいただきます。
カウンターが好きなんですが、鍋だとやっぱりお座敷ですよね。
厨房との仕切りの暖簾をくぐって右奥の和室に入りますので、なんだか田中さんのご自宅に招かれた感があります。
本日は席だけでなく水炊きコースを予約していますからほぼお任せになりますが、焼鳥やアラカルトは追加できるそうですので、メンバーはすでにかかり気味です(笑)。
コースはそれなりの量が出てくるのでお腹の具合と相談して(いつも相談して注文しているつもりなんですけど)追加してくださいと田中さんに言われました。はい。
ビールで乾杯した後、お楽しみの突き出しです。
毎回驚かされるので今日は驚かないぞと思っていたんですが、いきなりせこがにが一杯お造りでポン酢と出汁のジュレを乗っけて出て来たものですからやっぱり今日も驚きました(笑)。
え、お通し400円でしょ。香箱って季節になると海外からも狙って食べにくる観光客が増えて最近値段が上がっていますから、小さめとはいえ一人に一杯出すなんて田中さん、気は確かですか?ちゃんと利益出てますか?と勝手に心配しちゃいます。
しかも突き出しはこれだけじゃなかったし。なんでこんなものが出てくるのと喜んで食べていたら(もちろんビールからお酒になってます)、カワハギのお造りが肝醤油と一緒に出て来ました。
2度びっくりです。焼鳥屋じゃなくて割烹と呼ぶべき鴨、あれ、かも(誤変換ママ)。
さて、突き出しで思いっきり驚かされた後は、いよいよ水炊きコースの始まりです。
湯引きのお造りと黄身醤油和え、モモの叩きの定番はコースなのでそれぞれミニサイズとのことですが、それでもそこそこなボリュームでした。
もうすっかりこの味に慣れているので美味しさにびっくりはしませんが、初めての友人は只管無言で食べ続けています。
で、「美味しいね〜こんなの食べたことない」と言ったと思ったら突然笑い出すし(笑)。
きっと鳥田中の強烈なジャブにやられて序盤でパンチドランカー状態なんだと思います。
焼鳥はコースにモモ、レバー、つくねと3本入っているいるそうですが、もちろんそれだけでは折角の鳥田中を堪能できないので、希少部位を中心に袖もと、はつもと、おたふく、振袖、ソリレスなどをお願いし、コースの合間に適宜出していただくようにしました。
まあなんて贅沢(笑)。
水炊きの前に友人はすでにお腹が膨れて来たと言い出しました。
こりゃいかん。夫婦揃って美味しいものはたくさん胃に収めるのが習慣なものですから(いやしい)、みんな美味しければガンガン食べるんだろうと思ったら思い違いでした(笑)。
それならばこちらでお引き受けしますね〜。
焼鳥ならいくらでも入ります。田酒も十四代も鳳凰美田も焼鳥の友です。
口直しのお新香と一緒に、鍋の具材が座敷に運ばれて来ました。
嬉しいなぁ。これからメインイベントです。
銅鍋が真ん中に設えられ、最初に丹波地鶏を丸ごと2日間炊き出した黄金色のスープが入ります。
もうこれだけで美味しいに決まってます。これに具材入れるんですからもう泣きそう。
温度を上げ、頃合いの良いところで三つ葉を浮かべたスープをいただきましたが、まあもう本当にこれよくできてます!旨味のかたまりです!もう唸るしかありません。
美味しいという言葉が陳腐です。ポタージュのようなとろみと口当たりなのに旨味がすっと消えてむしろ口の中がさっぱりします。塩加減は申し訳程度で、丹波地鶏の旨味だけでこの味が出てくるんだとか。これから入る具材との兼ね合いで調節するそうですが、このスープで酒一升飲めます(断言)。
名店と言われる博多の店でいただいた水炊きよりも、個人的にはどハマりしました。
ここに豆腐、冬子、千住ねぎの青い部分などが投入され、分厚いモモ肉が適宜泳がされていきます。
鶏団子も順次入ります。もうなんだか美味しすぎて笑うしかありません。
美味しくてイっちゃったおじさんとおばさんがニヤつきながら鍋を貪り食う図の完成です。
誰だお腹いっぱいとか言ってたの。
それで合間に皮ポン酢とか追加でお願いしていた焼鳥などをさらにいただいて、さすがにお腹は膨れて行きました。
鍋の具材って少し残して雑炊にしたほうが良いんだろうかなんて思っていたら、田中さんが「締めは中華そばをご用意しています」とのことで、鶏白湯でも醤油でもない鍋専用の締めラーメンをいただきました。
きゃあ!これやばい!まじやばい!その辺のラーメン屋全然敵わない!
ボキャ貧のバカなおっさんです。胃の腑に満ちて行く強烈な旨味と、久しぶりに締めにいただく炭水化物の満足度が一気にやって来て、もう抗うすべはありません。
只管丹波地鶏の出汁に感謝しつつ、咀嚼マシーンと化しました。
ああ、もう大満足。鍋はスープが全てですね。
鍋の様子を見に来た田中さんが「あれもう食べちゃったんですか?まさかもっと食べたいなんて言わないですよねぇ」と珍しく誘って来るので(笑)締めの締めってあるのか聞いたら、丹波地鶏の卵を入れた雑炊なんてどうですかと。
それは要らないと断る人がいたらお目にかかりたいです(笑)。
ということで鍋が一旦厨房に戻り、宴もたけなわでは御座いますがここで中締めで御座いますしばらくご歓談をお楽しみくださいタイムを過ごすこと10分ほど、黄色くお化粧したお雑炊ちゃんが登場しました。
はい、ご歓談終了。早速貪り食う図に逆戻りです。
鶏から出た旨味と香り、さらさらしたご飯の食感と卵の甘みだけでどんどん口に吸い込まれて行きます。全員無言で雑炊を啜り、時々その旨さ故に漏れる感嘆の溜息だけでお鍋がきれいになくなりました。
もう一回食べたいくらいですよ。
余韻を楽しんでいると、畳み掛けるようにデザートが。
りんごのコンポートなんて作ってる時間あるのかなと思いますが、自家製です。
軽い甘みとクリームの舌触りがこれまで堪能した丹波地鶏の旨味を消していきます。
もうちょっと余韻を楽しみたいけど、しっかり記憶に留めたのでこれで思い残すことはない・・・と思ったらいつもの塩プリンまで登場です。
あれ、デザートも2品出るんですか。
もう脱帽です。
満足感と高揚感と若干の疲労感(贅沢なことです)と気持ち良い酔いと共に座敷を辞しました。
同行の友人も強烈な体験だったらしく茫然としていました。
茫然の理由はですね、これだけのクオリティの水炊きコースが3,800円だったことです。
コースと追加の焼鳥や一品料理とお酒でも1人8,000円でお釣りが来ました。
最後にまた驚かされてしまいましたよ(笑)。
次回は既に3月です。
毎月伺いたいものですが、それは叶わぬこととなりました。
本当にすごい店です!
ご馳走様でした!!!
2018/12/12 更新
2018/10 訪問
【完全禁煙】日本料理の技が随所に光る鶏料理の数々 今日のお通しは天然とらふぐ!
なぜか鐘ケ淵に来る度に台風です。
今回も台風25号の影響で・・・と悪天候を覚悟していたら台風が少し逸れてくれて、初めて傘をささずに鐘ケ淵の細い路地を鳥田中に向かって歩きました。
雨も降っていないので、ご近所さんもあちこちで井戸端会議中です。
ですが我々が通ると話すのをやめてじっとこちらを見ています。
街のセーフティネットがきちんと機能していますね。でもそんな目で見なくても(笑)。
怪しいものではございません。これからもちょくちょく参りますのでお見知り置きを。
外様であることを意識しつつ、いつもの明かりが灯る店先へ。
店先には達筆のお母さんの手になる「丹波地鶏専門店 鳥田中」の小さな看板が出ています。
こんなのあったかな。台風の時には出していなかったのかも。
入口の引き戸には「本日はご予約様分の営業となっております」と柔らかい表現で、今日は予約客で満席であることを記した札が出ています。
こんなところにも細やかな配慮が感じられます。
現状では2ヶ月程度先まではほぼ埋まっているとのこと。
既に月一回ペースでは伺えそうにありません。
店内に入ると一番乗り。
今日も台風が来てるんで大丈夫かなって心配してたんですよ、逸れて良かったですねと優しい言葉で出迎えてくれました。
ありがとうございます。そんな言葉いただけたら喜んじゃいます。
前世は銀座のクラブのママだったんじゃ・・・違うか(笑)。
カウンターのいつもの席について先ずは生ビールをいただきました。
今日のお通しは何が出てくるんだろう・・・いつもお伺いする度に楽しみで仕方がありません。
こちらは注文はこのお通しが出てからというのが習わしですから、焦ってあれもこれもと思わず、先ずはじっくりメニューを眺めて井之頭五郎のように、どれどれ…まずは…いやまてよ…落ち着け俺は腹が減っているだけなんだ…とか心の中でつぶやきながら作戦を練ってください(笑)。
このお通しを待つ時間&メニューを眺める時間が一番ワクワクします。
もうドーパミン出まくっている感じです。
さて今日のお通しは・・・何と東京湾で揚がった天然とらふぐの唐揚げと湯引きのお造りです!
東京湾でもこの時期にはとらふぐが採れるんだそうで、修行時代からずっと仲良くしている同期の仕入先から小ぶりで料亭などに出ないものを安価に分けてもらっているんだとか。
同じ時期にこの世界で仕事を始めて、一方は店を構え、一方は仕入れ責任者になっていますから持つべきものは友ですね。
私の友人・知人もいつの間にか私以外は偉くなって(笑)、え、あの人とお知り合いなんですか?と驚かれることもありますが、それと同じようなものでしょうか。関係ないか(笑)。
それにしても、天然とらふぐの唐揚げとお造りがお通し&400円って・・・あり得ません。
では、今シーズン最初の天然とらふぐを有難くいただきます。
ビールなんか飲んでいる場合じゃないです。即、鳳凰美田で。
唐揚げはふっくら揚がっていて、一口噛むごとにじんわりと淡白な旨味が広がります。
骨周りの身が特に旨味が強いです。言うまでもなく美味しいです。
銀杏もほんのり甘みと苦みがあってふぐとの相性抜群、かぼすを絞ると味の輪郭がはっきりしてさらに美味しく感じられます。
お造りは青ねぎを巻いた軽い湯引きです。ポン酢はいろいろ入った合わせ酢で香りも単純ではありません。きっと小技をたくさん効かせているに違いないと思いましたが、聞くのは野暮というものです。
とらふぐの香りもとても良いです。養殖ではこんなに香りません。
口に放り込むと唐揚げと違ってしっかり弾力があるので、噛むと徐々に美味しくなる感じ。
ふぐって捉えどころのない旨味(笑)が持ち味ですけど、ポン酢が、ネギが、もみじおろしが、重ねて四角く切りつけた若布が、旨味をさらに引き立ててくれます。技が効いてます。唸ってしまいます。
ポン酢も残さずいただきましたが、お造りを先にいただくべきでした。
揚げたての唐揚げを熱いうちにと思ったのですが、ふぐを堪能するならお造りからでしたね。
それにしてもお通しから天然とらふぐとは、喩えるならオープニングラウンドの最初のワンツーでパヤノを瞬殺した井上尚弥級の衝撃です。まったく先週末は驚きの連続でした(笑)。
あの右ストレート!何度観ても鳥肌が立ちます。
試合が早く終わりすぎて、ラフファイトにどう対応するかとか、ラウンドが進んで打たれた時にどう攻めてどう守るとか、そういった課題を試すチャンスが失われたのが残念でしたが、まあ無い物ねだりです。これも強過ぎるが故のことです。
で、定番&絶対お勧めの湯引きと叩きです。
叩きは肉の表面を炭火で炙りますから、ちょっと遅れて出てきます。
鮮度ももちろんですが地鶏の美味しさがストレートに味わえる一皿だけに、素材の良さがほぼ全てです。
丹波地鶏のハツ、砂肝、レバーの湯引きに胸肉の黄身醤油和えの4点(黄身醤油和えは別皿です)がきれいに切りつけられて出てきますが、まあお見事としか言いようがありません。
鮮度も素材の良さも抜群で、にんにく醤油、塩を加えたごま油、出汁醤油でたっぷり楽しめます。
胸肉を和えてある黄身醤油に付けていただいても美味しいですし。
添えられているねぎやきゅうりもとてもきれいに切り揃えられていて、見た目も食感も素晴らしいです。
見て食べて楽しめる日本料理の本領発揮ですね。
もも肉と胸肉の表面を軽く炙って薄めに切りつけ、スライスした玉ねぎを敷いた皿に盛ってタレを回しかけた一皿は、焼鳥とはまた違った丹波地鶏の美味しさを教えてくれます。
毎回いただいているのに毎回その美味しさに驚くというのはなかなかない経験です。舌が馬鹿なのかな(笑)。
さて、今日は鳥田中の焼鳥を堪能するぞ!という集まりなので、焼鳥前はこれくらいにして希少部位を追加で織り交ぜていただきながら串焼き7本セットをお願いしました。
口直しのお新香をいただきながら磯自慢で人心地ついて焼鳥のスタート。
最初はささみサビ焼きです。
ちょっと塩の当たりが弱いかなと感じましたが、火入れは絶妙です。
表面を焼き過ぎずに中のレアを綺麗に包んでありますね。
食感も含めて出足上々です。
その後、ハツ、レバー(タレ)、金針菜、せせり、長芋、つくね、背肝(タレ)、振袖、ハツ元、ソリレス、おたふく(タレ)、鬼おろしポン酢をはさんで皮(珍しくタレ)、つくね(今度はタレ)、ボンペタ、手羽先まで16本、磯自慢とメニューには載っていませんでしたが一白水成を合わせて4合いただきました。
まさに怒涛の焼鳥ラッシュ!(笑)
えんがわと袖元は1本しかなかったので、目出度くゲストのお腹に収まりました。
今回は塩中心で出てきましたが、せせりとつくね、それとボンペタはほんの少しだけ塩が弱く、火から上げるのがちょっとだけ早かったかなと思いました。
それでもいただいていない焼鳥はねぎま、砂肝、もも、はらみだけですから鳥田中の焼鳥を堪能したと言って良いでしょう。
やっぱり残りの4本も食べれば良かったな(笑)。
で、毎回悩む締めのお時間です。
本日は3人なので、当初は中華そば3点シェア&制覇を目論んでいたのですが、ワイフがすでにギブアップでそれは持ち越しとなりました。
ならば親子丼・・・いやここはそぼろ丼(そぼろがフワフワなんですよ)も捨て難いので丼もの2種類シェアかとも思いましたが、結局一周回って鰹出汁と鳥白湯醤油の中華そばを一つずついただくことにしました。
ここの中華そばは、そんじょそこらのラーメン屋を完全に上回ってます。
昼に「中華そば 鳥田中」の看板を掲げて二毛作営業してもらいたいくらいのレベルの高さです。
鳥白湯醤油を前回いただいた時に、鰹出汁が個人的にはオススメですと田中さんが言っていたのが忘れられず、私は鰹出汁をメインにいただきましたが、これが途轍もなく美味しかった。
あっさりしているのに鰹出汁のコクが深くて、中華そばとスープの絡みも完璧です。
焼鳥で結構お腹が膨れているはずなのに、美味しいものはいくらでも胃に収まる感じがします。
頭の中で煮干し出汁も行っときゃ良かったと思いつつ、完食しました。
夏場は冷やし担々麺があったのに食べ損なったなとか、余計なことまで思い出します(笑)。
じゃあ煮干しも・・・と言いかけたら、すでにデザートの用意が。こりゃだめだ。
大人しく自家製羊羹をいただきながら談笑します。
いつの間にか店内は我々のみ。
お隣の予約客はまだお越しになっていないので、本当に来るのかいなと訝りつつ甘さ控えめで小豆の舌触りが残る(好みです)羊羹をいただきました。
クリームも3種類乗せてありますね。技を全く出し惜しみしない田中さんです。
これ、サービスなんですけど。
美(味)は細部に宿るとはこのことです。
11月からは鶏鍋&水炊きが始まるそうで、それも楽しみです。
これは大勢いたほうが楽しめるかも!今度は奥のお座敷で楽しむのも良いでしょうね。
と、期待を膨らませつつお店を後にしました。
今日は外に出ても妖気は感じませんでした(笑)。慣れたのかな。
では次回の鶏鍋を楽しみにしてます。
きっと締めの雑炊なんて泣くほど美味しいんだろうなぁ・・・
ご馳走様でした!!!
2018/10/23 更新
2018/09 訪問
料理も焼鳥も美味し過ぎ で、食べ過ぎ&飲み過ぎ
前回の素晴らしい鶏料理&焼鳥が忘れられず、再び鐘ケ淵に降り立ちました。
実は、2回目なのに電車を乗り間違えて北千住まで行っちゃうわ、鐘ケ淵に着いた途端の土砂降りだわ、知らないおばあさんに知り合いと間違えられるわ(やばい感じでした 笑)で、予定の時間から15分ほど遅れてやっとこさ駅に辿り着きました。
途中で遅れる旨お詫びの電話を差し上げたところ、ゆっくりお越しくださいとのこと、どうやらまだ焼鳥は飛び去ってはいないようです。良かった。
駅からの道程はやっぱりなんかいる感じです。
「陽炎座」で松田優作演じる松崎春狐が大楠道代演じる品子に誘われるままに彷徨い、闇の御伽噺に囚われていくさまが思い出されます。
みたびお逢ひして、よどめの逢瀬は恋です
死なねばなりません
それでもお逢ひしたいと思ふのです…
まだ18時過ぎだというのに真っ暗で誰も歩いていないし、風は生暖かいし。
さっきのお婆さんは、まさか鬼灯売りぢゃなゐよね・・・
やれやれ、漸く着いて店内に入ると、意外なことに先客なし。
この天気では皆さんなかなか辿り着けないようですね。そういえば前回も台風だったなぁ。
店主の田中さん(ってご家族ですから全員田中さんですけど)に聞いたら、東武線あるあるらしく、これまでお客さんも北千住まで行っちゃったり浅草まで行っちゃたりして、途中の鐘ケ淵ですんなり降りられないみたいです(笑)。
物理的な距離以上に精神的な距離が遠い感じもしますが、要は半蔵門線から乗り換える際に「急行」もしくは「準急」に乗らなければ鐘ケ淵には停車します。
乗り入れている半蔵門線が押上から先どのような運行になるのか、車内で耳を欹てましょう。
北千住方面からお越しの場合も同様です。
錦糸町からコミュニティバスを利用して近くまでアクセスできるみたいですけど、太川陽介みたいにマニアックな路線バスの旅をしても時間通りに着くかわからないし(笑)。
以上、アクセス情報でした。
ではまず焼酎ハイボールと生レモンサワーをいただきつつ、お通しを待ってメニューを眺めます。
あ、メニューが縦書き&右開きに変わっています。以前は横書きだったんですけど。
メニューが変わる度にお母さんが筆で認めているそうなんですが、やはり横書きは筆では難しいので最近縦書きに改めたんだとか。
男前のキリッとした文字が美味しそう、じゃなかった美しくて片っ端から注文したくなります。
お母さんの手書きというのがまた素晴らしい。
ご家族のチームワークの良さが窺われます。
さて、楽しみにしていた今日のお通しは、秋刀魚と小茄子の炊き合わせ、蛤の茶碗蒸し、それと丹波地鶏の胸肉とレバーの真空調理です。
今年の秋刀魚は豊漁とのことで、脂も乗っていてとても美味しいと聞いていますが今シーズン初めてです。
当然、西を向いて笑いました(笑)。
たっぷりのお出汁を含ませて炊いてあって歯にほとんど抵抗なく骨まで食べられます。
こりゃ美味しいです。
茄子との組み合わせは季節感があり、彩りも鮮やかです。
茶碗蒸しも蛤の出汁がドーンと出まくっていて、そこにちょこなんと乗せてある別に炊いた身がプリプリっとして食感のプリフワが楽しめます。
もちろんものすごく美味しいです。
鰹出汁って本当に旨味の固まりですよね。
日本人で良かったと心から思います。
でも、今日のお通しの白眉は真空調理でした。
胸肉とレバーを真空パックして低温(65度くらい)で湯煎したものですが、生のようなねっとりした食感とじっくり引き出された旨味が凄いです。
下処理に手間がかかる筈なんですが、出来上がりはお見事としか言いようがありません。
あん肝の食感に鶏肉のイノシン酸が乗っかってる感じ。
少し乗せた山葵と黒胡椒が良い味のアクセントになってます。
ああ、この10倍食べたい(笑)。
開始のゴングが鳴った途端にジャブ、フック、ストレートと矢継ぎ早に繰り出されて防戦一方、開始2分ですでにヘロヘロなので、すぐに日本酒をお願いしました。
こんなに美味しいもので連続攻撃されては、お酒もお摘みも頼みそびれてしまいそうです。
ということで、オーダー開始。
前回いただいて衝撃的だった地鶏の湯引きはマストとして、まだいただいていない地鶏のスモーク盛り合わせと地鶏のそぼろ豆腐をお願いしました。
お酒は貴と杉勇のくくみ酒が切れているとのことで、小左衛門さんにご登場いただきました。
あ、それと焼鳥の希少部位は先にお願いしておかないと売り切れ仕舞いになりますから、振袖、袖元、背肝にソリレス(はあるそうです)を先に注文しておきました。
さて、小左衛門の助けを借りて、更なる美味しいもの攻撃に備えます。
前回いただいて唸るしかない美味しさだった湯引きが登場。唸る準備します(笑)。
ほんの少し表面が霜降りですけど、鶏肉のお刺身ですね。
綺麗に並べられたレバー、はつ、砂肝は新鮮で丁寧に処理されています。
醤油、ごま油と塩、にんにく醤油の3種のタレで食べ比べますが、個人的には塩を落としたごま油が一番合っているように感じました。もちろんにんにく醤油も抜群です。
エッジが綺麗に立った切りつけ方と下処理の丁寧さが美味しさを引き出してくれています。
湯引きは一皿で終わりではなくて、胸肉の卵黄和えが小器に盛り付けられて出てきますが、これがもう絶品。
黙って咀嚼して、唸って酒を飲むの繰り返しです。
我ながらボキャ貧。本当に美味しいものは美味しいとしか言えません。
卵黄の甘さと胸肉の甘味、そしてほんの少しのお醤油が旨さをまとめてくれています。
噛むほどにじんわりと旨味が口の中に広がります。まさに絶品の味付け。
お母さん、お酒のおかわりお願いします、お手隙で。
この店の恐ろしいところ(笑)は美味しいものが目白押しだってことなんですが、燻製もそぼろ豆腐も本当にやばかったです。
スモークは胸肉、はつ、レバー、砂肝がいい感じに燻製されていて、うずらの玉子と沢庵(いぶりがっこですね)とカマンベールも一緒に出てきます。
プチトマトとクレソンが添えられていて食べ応えも十分。
香りが何より素晴らしいし、いぶりがっこや玉子が入っていて良いアクセントになります。
地鶏の部位ごとのスモークなので、適度に水分が抜けて味が濃くなっていますが、湯引きについていたタレを少し付けていただいても抜群です。
黙って咀嚼して、唸って酒を飲むの繰り返しです。
あれ、さっきと同じだ。
そぼろ豆腐はまたそぼろの概念が変わるほどの逸品でした。
出てくるまでは少し噛み応えのある肉々しいそぼろと繊細な豆腐のイメージだったんですけど、意外なことにそぼろが超ふわふわでした。
大量の生姜とじっくり炊き合わせてあっても鶏肉の旨味が溢れ出してきます。
挽肉も店で手挽きしているそうで、粒度の細かい挽肉にしているとか。
細かくしても鶏の旨味が全く落ちないどころか別の食材になったかのような美味しさでした。
お豆腐は水気を抜いてあって豆の甘味と香りがはっきり感じられる美味しい豆腐でしたが、一緒に食べるより別々に食べちゃうくらいそぼろが美味しかったのが印象的でした。
さて、お新香がすっと差し出されて、口の中をリセットしつつ焼鳥のお時間です。
もっと焼鳥前をいただこうかと思ったんですが、今日は焼鳥を堪能しに来たことを思い出して、ぐっと我慢です。
リエットもパテも次回に持ち越し。宿題があるのが嬉しいです(笑)。
しまった。希少部位をお願いした時にセットと組み合わせて貰えば良かった。
焼鳥は淡白なものから順番にいただきたかったんですが、私のオーダーミスです。
なので、改めてお任せ5本をお願いして希少部位先行で焼鳥開始。
振袖、背肝、ソリレス、袖元からとはなんとも贅沢な焼鳥ですね。
これはこれでいいな(笑)。
もう美味しすぎて焼鳥何本いっちゃうんだって感じです。
焼鳥前を抑えめにして正解だったかもしれません。
焼鳥に合わせてお願いしたセロリの土佐酢漬けは表面を軽く炙ってから土佐酢に漬け込んであって、軽い口当たりながら鰹出汁の旨味がしっかり出ていて、焼鳥を頬張った口の中がすっきりします。
美味しいままさっぱりするなんて最高。
焼鳥、セロリ、お酒の最強トリオはクリームかBB&Aです。いやARCだ。もう何でもいいや。
振袖のあっさり味と皮の脂は塩でこそ活きますね。間の長葱が皮の脂とベストマッチです。
ソリレスのぷるんとした食感も好きです。柔らかいのに弾力があり、まさにチキンオイスターと言われるだけのことはあります。ブロイラーだと全然食べる気がしない部位ですが、地鶏だとこんなに違うということが実感できます。
背肝はふんわりして舌の上でとろける感じ。タレと混ざってとてもクリーミです。
袖元は振袖の脂ですが、これはカリッと焼けていて香ばしくクニュクニュした食感とタレでいつまでも噛んでいたくなります。焼鳥ガムですね(笑)。
ここからはお任せ5本のセット。
最初につくねのおろしポン酢なんて洒落たものが出てきました。
ポン酢は別添えですから、つけずに食べてもいいのかな。
でもおろしにかけてつくねと一緒にいただくのも美味しいです。
つくねだけ、ポン酢つき、叩き梅で和えてと1本で3種類の味を楽しめます。
レバー、もも、銀杏、はつで一通りですが、銀杏は新物で、ピカピカの鮮やかなグリーンです。
水分もあって柔らかいのですが、銀杏独特の苦味が塩と合わさると、ああ秋だねぇと夏の終わりを惜しむことなく収穫の秋の喜びを一足先に楽しみました。
こちらのレバーは(もともとレバー好きなんですけど)、真空調理でも湯引きでもスモークでも大活躍ですが、やはりタレを纏って炭火で炙ってあると真打登場って感じですね。
美味しいオーラがバンバン出てます(笑)。
さて、これだけ美味しい焼鳥は追加でいただく気満々で、金針菜、皮、せせり、長葱、もも(あんまり美味しかったのでおかわり君)、はらみ、おたふくもまだあったのでお願いしました。
どうせこれだけ食べるんだったら、初めからメニューにある焼鳥全部!って言えば良かった(笑)。
今日は砂肝とねぎ間、ボンペタと手羽先をいただいていませんね。
ボンペタと手羽先は食べたかったなぁ。
でも〆に中華そばをいただきたかったので、我慢。
ワイフはここまででギブアップなので(よく食べますね〜と言われてました)私だけだと中華そばは1種類しか食べられません。迷いに迷って鶏白湯醤油の鶏そばをいただきました。
トロッとしたスープからいただきましたが、こんなにたっぷり旨みがあるスープは初めてです。
みじん切りの生玉ねぎがしゃりしゃりしてさっぱりしますから、スープがいくらでも飲めちゃう。
鶏ももの叉焼と青ネギと、一緒に炊かれたうずらの玉子もバランス良く味をまとめてくれています。
麺は中細のストレートですが、スープのとろみでよく絡みます。
生まれて初めて麺リフトの写真も撮りました(笑)。結構難しいな。
デザートの塩プリンをサービスでいただいて、もうお腹いっぱいです。
本当は鰹出汁の中華そばも食べたかったんですがこれも次回のお楽しみ。
店主からは鰹出汁の中華そばオススメなんですよ〜と言われて、店を出るまでずっと心がグラグラし続けました。
ワイフが冷たい目で見ていたのでやめましたが(笑)。
週中から週末にかけては予約がだんだん取れなくなってきているようですが、店主はマイペースで和かに礼儀正しく淡々とお仕事を続けられていますから、焦らずに予約されることをお勧めします。
すでに予約なしではほぼ入れないと思います。
フリで入ってきたお客様は悉く「ごめんなさい〜!」でしたから。
ワイフはさりげなく次回の予約を入れていました。
今度は締めの親子丼狙いだそうです。
二度目というのは初めての感激がないぶん印象が薄くなるものですが、こちらは全くの例外です。
大満足です。初めて以上の美味しい体験をさせていただきました。
次回も楽しみです。
ご馳走様でした!!!
2018/09/10 更新
2018/07 訪問
もののたはむれ・・・美味し過ぎる鶏料理&焼鳥 さらに進化の可能性も感じます
異例の進路を辿る台風12号が首都圏を東から西へと掠めて行った夜、初めて鐘ケ淵に降り立ちました。
目的は鳥田中。この前まで3.06だったのにいきなり3.90にジャンプアップ(7月下旬のことでした)したとマイレビューアーの安倍太郎さんから教えていただき、矢も盾もたまらず予約しました。
雨は結構じゃんじゃん降っていて、東武スカイツリーライン(ただの伊勢崎線です)は遅延しまくってるし、鐘ケ淵の駅前の踏切は30分以上開かないしで予定通り到着しませんでしたが、まあ台風ですから仕方ありませんね。
それにしても東武鉄道のオペレーションって酷いです(笑)。
鐘ケ淵駅前の開かずの踏切を雨漏りが酷い地下通路を使って何とかパスし、本降りの中を二項道路かと思うほど細い駅前の道をそろそろ進みます。
松浦寿輝の幻想奇譚「もののたはむれ」の世界です。
自分自身を相手に一人でチェスを指そうなんていうのは、結局、
自分の影を跳び越えようとするのと同じくらい逆説的なことなんですよ。
冒頭のツヴァイクの言葉が頭に響きます。
このままこの道ごと消えて戻ってこれないかも・・・
なんてことを思いながら強雨の中をしばらく進むと、右手にポツンと灯りが見えてきました。
やれ嬉しやと近づいたら「鳥田中」の小さい文字が見えました。
到着です。クエスト終了。ホッとします。
傘をバサバサと振って店内に入ると既に7名ほど先客があり、我々の席だけが空いておりました。
この天気でも満員です。って言ってもわずか10席ほどですから競争率はこれから高くなるものと思われます。
奥にもスペースがあるみたいですが、今日は使われていないようですね。
先ずは瓶ビールをお願いしてしばらくすると、お通しが出てきました。
店主は大変物腰の柔らかな方で、ドがつく下街ながら店内はどことなく洗練された和の雰囲気が感じられます。
ミニマルな空間なんですが、清潔感があって細部にまで目が届いている感じです。
で、お通しは3品。
本日のお通しは竹岡産太刀魚の炙りと鳴門産若布の土佐酢ジュレ掛け、和牛テールスープのミニ茶碗蒸し、それと自家製ぬか漬けの盛り合わせです。季節感がありますね。
早速いただくと、どれもきちんと人の手を経て作り出されたことが伝わってくる、沁みる品々でした。
ビールには軽く漬かったぬか漬けが合いますね。キュウリの酸味と上に乗せられた細切りの生姜が爽やかです。
テールスープはしっかり出ていて卵の甘みと合わさって結構濃いですね。これもビールに合います。
和牛テールスープのミニ茶碗蒸しはお猪口に入っています。こういう使い方もあるんですね。今度真似してみよう。
それにこの竹岡産の太刀魚!表面だけ軽く炙ってあって香ばしく弾力があり、若布の食感とも良くあって飲み込むのが惜しくなる美味しさでした。
さてこの美味しいお通しをいただきつつビールを飲みながらメニューを眺めます。
こういう瞬間が一番楽しいですね。これから始まる食事に対する期待感が弥が上にも高まります。
焼鳥屋さんらしく和牛のモツと鶏のはらみを一緒に煮込んだものや、湯引き、たたき、串焼きの種類の多さが目を引きます。
地鶏のスモークやレバーパテ、リエットまでありますよ。
女性客も意識したメニュー構成ですね。素晴らしい。
締めはラーメンですか。鳥好きのハート鷲掴みです(笑)。
湯引きとたたきをそれぞれ大盛りで、それとハムサラダ、地鶏の皮ポン酢葱和えをお願いします。
初めてですからどんなふうに丹波地鶏を扱うのか楽しみです。
お酒は小左衛門の特別純米から。ちょっと甘いのでたたきや湯引きには合う筈です。
もちろんお漬物に合いますから、パリパリしながらのんびり待ちます。
こういう時間が良いんですよね。
先ほどまで怪しげな世界にうっかり入り込んだような気がしたのですが、店内ではそんな気配は雲散霧消です。
外は大荒れ。鉢植えの枝が大きく揺れ、雨が叩きつけています。台風が近づいているようです。
さて、丁寧に盛り付けられた湯引きとたたきがほぼ一緒にやってきました。
あら、小左衛門お代わりで。お母さんが一升瓶から注いでくれます。お母さんと店主は瓜二つですから伺うまでもなく親子ですね。板場は店主が、焼き台の前はこれまた店主にそっくりな男性が担当しています。伺うまでもなく弟さんでしょう。ご家族3人でチームワークは完璧のようです。
一升瓶の蓋が開かない?どれ?ほら開いた。和気藹々で微笑ましい光景です。
湯引きはさっとお湯にくぐらせただけでほんの少し表面にアクセントがありますが、お刺身です。
レバー、はつ、砂肝はいずれも新鮮&綺麗に処理されているのが写真でもよくわかります。見るからに美味しそう。
醤油、ごま油に塩を落としたもの、出汁が付いているのでお好みで食べ比べます。
レバーはごま油、砂肝は出汁、はつは醤油とよく合いました。丁寧な切りつけと下処理が光ります。
さらに湯引きには胸肉の卵黄和えも付いてきます。
これはまたぬるりと柔らかく、噛むとじんわり旨味が広がる絶品の味付け。
これでまた一合がすぐ空に。酒呑みの天国です。
このまま放心して「黄のはなの・・・」とつぶやきながら朽ちてもいいかな(笑)。
たたきはモモとムネを皮目だけしっかり火を入れて細切りにし、下に玉ねぎ、上に青ネギのダブル葱でいただきます。
こちらは濃厚な湯引きと違ってサクッとあっさり健康的な味わいです。
火入れが上手なので皮と身の間の油が良いアクセントですね。美味しいです。
鶏肉とネギってどうしてこんなに仲が良いんでしょうね。テンションが上がります。
ハムサラダは意表をつく一品で、サラダ感は控えめです。
鶏の胸肉のハムがメインでタルタルソースに玉子といぶりがっこのドレッシングがかかっているので、どうみても立派な酒肴ですね。サラダなので野菜も盛り付けてありますが、あくまでハムが主役です。いや、いぶりがっこか?(笑)。
地鶏の皮ポン酢葱和えは食べやすく銘々皿に盛り付けて出してくれました。ちょっとした気遣いが嬉しいです。
こちらも変化球系で、皮よりもネギを押し出した感じの一品ですが、よく混ぜていただくとネギの辛味と皮の脂の甘味が程よく混ざり合ってとてもバランスの良い味になります。少し柚子胡椒を混ぜたり、七味を掛けたりしても美味しいのではないかと思います。
焼鳥前4品で既に日本酒は4合。バイ・ザ・グラスじゃあるまいし(笑)。
ワイフがこれ以上焼鳥前を続けると焼鳥に辿り着けないと言い出したので(珍しい)、では弟さんの出番です。お任せは5本セットと7本セットがありますね。
では私は7本、ワイフは5本でお願いします。違っても大丈夫なのがまたちょっと嬉しい。
客の顔をしっかり見て仕事されていますから、本当に安心して任せられます。これこそお任せ。
料理を出すタイミングといい、ちょっと話しかける間といい、10名ほどの客を相手にするからこその心配り気配りかなと。
有難いです。
焼鳥はささみサビ焼きから。ワイフの大好物です。
表面が綺麗に白くなって中はピンク色、山葵のグリーンで美味しくいただきます。
火入れと塩加減が絶妙です。最近、焼鳥屋では結局塩強めという店が増えているように思いますが、
その反対を行く焼鳥です。
塩は味付けというより素材の旨味を引き出すイメージですね。
素材の良さが前提の塩加減です。
ここは堪らず味のすっきりした黒龍の吟醸をいただいて、ささみを堪能しました。あ〜美味しい。
お次は塩ではつとズッキーニ、たれでつくねと長芋をいただき、手羽元は塩で、レバーをたれでいただいて一通りです。なんて美味しいんでしょう。
たれは比較的あっさりしていて、きめの細かい肉質の丹波地鶏と絡みます。
肉にコクがあるというか、噛みしめるほどに旨味が増すので、あまり手を加えずシンプルに火を入れる感じでしょうか。技ですね。
炭火の香りも相俟って、とても美味しくいただけました。
ワイフは既にお腹いっぱいとのこと。出掛けにマンゴーなんか食べるからだよ。
私は仙台の勝山酒造の献(けん)をいただきつつ追加で振袖、皮、大好物のソリレス、そして背肝をお願いしました。
振袖と皮は塩でいただきましたが、振袖の胸肉に近いあっさり加減と皮のしっかり主張する脂が同じ塩で上手に引き出されているのに感心しました。旨味が強い美味しい焼鳥です。
ソリレスと背肝はたれで。やっぱり丸鷄で仕入れて捌くので、こういう部位がきちんと取り出せるんですね。
ソリレスは別名チキンオイスターとも言われます。それだけ旨味が強いということでしょうけど、牡蠣の味はしません(笑)。その代わり脂が乗ったモモ肉のジューシーさを思いっきり味わえます。
背肝も新鮮で柔らかく、じわじわと旨味が口の中に染み出してきます。
食べ終わるのが惜しいくらいです。
献の甘みともよく合って、初めての鳥田中ワールドを一通り味わうことができました。
台風のせいか、今夜の客引けは早く&遅い時間の客もなく、我々が最後の客となりました。
鷄スープをいただきながら田中さんご一家との楽しいトークタイムです(笑)。
この地鶏を手に入れるのに京都に行って再三お願いしてやっと出荷してくれるようになったこと、恵比寿で日本料理の店を出していたが焼鳥の店を出したくて、しかも安くて美味しいのを食べてもらいたくて(!)家賃の安い鐘ケ淵を選んだこと、美味しいと聞く焼鳥屋を食べ歩いていてまだまだ上があると感じること、など様々なお話を伺いました。
焼鳥も鳥料理も素晴らしい水準ですが、料理人のご兄弟が大変謙虚でもっと美味しいものを出したいと、まだまだだと感じていらっしゃることが一番素晴らしいと思いました。
現状でも十分都内の名のある焼鳥屋を脅かす存在になり得ますが、これから更に進化する可能性もあります。しかもこの価格帯で工夫して美味しくする技量をお持ちなので、これは大変頼もしいですね。
あそこもあそこもうかうかしているとあっさり抜かれちゃうかも(笑)。
やはり日本料理の基礎がある店は強いです。
これからがますます楽しみです。
ワイフが小さいプリンをサービスでいただきながら(プリンは入るのかいっ!?)次の予約お願いしたいんですけどと切り出しました。こんなこと滅多に言わないので驚きましたが、次回の訪問も決定して、お店を後にしました。
これだけいただいてお酒も飲んで、二人で1万円ちょっとなんて俄かには信じられません。
思わず聞き返しましたが、料理人としての矜持を感じる心尽しのお通しは3品で何と400円、焼鳥は写真の通り希少部位でも1本200円程度、一品料理は600円から1000円以下ですからこんなもんです。
お店の心意気に触れました。
外に出ると既に雨は上がっていてムッとする空気の塊が我々を押してきます。
空気に抗いつつ、この店の都内焼鳥業界における特殊な立ち位置に思いを馳せます。
焼鳥屋さんは大抵どこの出身という縦のつながりがあって系譜が比較的容易に辿れるのですが、中にはこちらのように突然降って沸いたような名店が出現することがあります。
これからが本当に楽しみです。
ご馳走様でした!!!
次回はもっといろいろいただきたいと思います。
2018/09/03 更新
先日、田中さんからしばらく休業する旨のご連絡をいただきました。
2023年中の再開は可能性としてはあるようですが、時期は全く未定とのことです。
日本一の鳥割烹の休業は大変残念です。
再開のご連絡を心待ちにしています。
鶏鍋の販売は継続するそうなので、”鳥田中の味”はお取り寄せで楽しめるのが唯一の救いです。
ということで、休業前最後の鳥田中を心行くまで味わい尽くすことに決めてカウンターに着きます。
田中さんの準備がまだちょっとかかりそうとのことで、生姜の艶煮をポンと出してくれて、すみませんこれでちょっと飲んでお待ちくださいと。
有難い、こういうお心遣いが客のハートを鷲掴みにするんですよね。
西さんの薫陶宜しきを得ている人はやはり違います。
最初に八丈島の情ヶ島を水割りでいただいて、よく味の沁みた甘辛い生姜を摘むこと暫し、最初の料理が登場。
先附は七谷鴨のコンフィです。
秋田に行ったら欠かさず買ってくる三関の芹が添えられており、熊本の大長茄子と法蓮草を二色のピュレにして配置。
一つも隙のない完成度の高さにまず溜息です。
温度管理が絶妙で、案外固くなりがちな七谷鴨もふっくら柔らか、噛み締めると旨味が溢れ出して来ます。
最初からこういうKOパンチがジャブで繰り出されるから凄いですよね。
続いて蒸物は海老芋の蟹餡掛け。
城崎で揚った背子蟹を出汁で溶いた内子入りの餡がふっくらと炊かれた海老芋に掛かっていて大変美しい。
彩りには大きくて有名な藤九郎銀杏が乗っています。
これも隙のない逸品ですが、単にきれいなだけではなくとても美味しい。
目にも舌にも嬉しい料理です。
ご一緒した方のリクエストでワインをいただくことにして、ココファームの農民ドライを貰いました。
入ってないのに何故かゲビュルツ・トラミネールの味がするワインですw
ドライではありませんがすっきりした飲み口、ミネラル感も程良くあって焼鳥にも合います。
次はお造り。
淡路島産の真鯛を大変美しい切りつけで出してくれました。
刺身は包丁で味が変わるとよく言いますが、まさにそのお手本のような美しい断面を鑑賞しましたw
脂が適度に乗った白身は、いい感じに数日寝かされてあり、旨味が乗っています。
農民ドライにも不思議と合って、これは発見でした。
お凌ぎにお粥が出て来ました。
指宿産の黒薩摩鶏のスープに、三陸の牡蠣を合わせた白湯粥です。
前回もいただいて感激しましたが、なんとすっきりした旨味なんでしょう。
あっさりしているようでコクもあり、牡蠣の香りと旨味が白湯にきれいに移って米(は南魚沼産こしひかり)の甘味がまとめてくれます。
これがお凌ぎなら、何度でも凌ぎたいものですw
お椀は熊野地鶏の澄まし仕立てです。
大きく作った捏がゴロリと横たわり、金時人参としめじと法蓮草と柚子という香り付けと彩りは見事としか言い様がない。
完璧なお椀です。
焼鳥屋で味わえる最高峰のお澄ましだと断言します。
これは他の焼鳥屋では絶対に味わえないよ。
次にホロホロ鳥の叩きが出て来ました。
焼鳥に向けてのプロローグでしょうか。
モモ肉とムネ肉を炙って旨味を綴じ込め、果実の金柑と卵の金柑を遇らうとは素晴らしい。
洒脱で粋な佇まいの皿です。
鳥割烹の真髄ですね。
さらに七谷鴨の治部煮が登場。
所謂窒息鴨で血液を肉に残し、甘味と柔らかさを残して治部煮に炊いてあります。
京菊菜と山形赤葱を遇らう隙のなさw
もう美しくて美味しくて何も言葉がない。
これがしばらくいただけないなんて、鳥田中ロスになりそうです・・・
日本酒に切り替えて七本槍にしたところで、口直しの岩もずくのきのこ和えが置かれました。
そろそろ炭の温度も上がり、焼鳥タイムがまもなく始まります。
赤えのきとなめこを岩もずくに合わせて、さらりとした酸味で口直し。
このもずくの食感が心地良くて、しゃりしゃりと噛み締めてしまいます。
串は熊野地鶏のムネ、鴨を練り込んだ熊野地鶏の捏と鶉卵燻製グラナパダーノ掛けと云う凝ったものからスタート。
弟さんが担当する焼鳥も、どんどん進化&深化しています。
黒薩摩鶏の大きいハツが出て、アクセントにエリンギ焼を挟み、熊野地鶏のソリとレバーで焼鳥もピークを迎えます。
近火の強火で焼き上げ、焦げる寸前を狙った攻めの焼鳥です。
黒薩摩鶏の皮、熊野地鶏のぼんぼち、同じく黒薩摩鶏の内腿(おび)と続いて、集めるのに苦労したであろう背肝をいただいて感激。
羽子板は塩でいただいて焼鳥も一通りでした。
締めのご飯はそぼろ丼といただいて、デザートのプリンで本日も終了。
楽しくて美味しくて美しい料理の数々を今日も堪能させてもらいました。
この料理がしばらくいただけない&お母さんにもお目にかかれないのは本当に残念ですが、客の気持ちを痛いほど理解しつつ降した決断ですから、そのお気持ちを尊重し、本日の料理を記憶と舌に焼き付けて、ひたすらお待ちしようと思います。
既に首が伸びてますけどw
ご連絡お待ちしてます。
ご馳走様でした!!!