余脂坊さんが投稿した京都 吉兆 嵐山本店(京都/嵐山(京福))の口コミ詳細

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京都 吉兆 嵐山本店嵐山(京福)、トロッコ嵐山、嵐電嵯峨/日本料理

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  • 夜の点数:5.0

    • ¥100,000~ / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 5.0
1回目

2017/07 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥100,000~
    / 1人

京都吉兆から大堰川に舟を浮かべ鵜飼を…

梅雨明けも間近になると今年の夏のイベントはどうしよう、などと人生のやりたいことリストに想いを馳せる。例えば、日本の夏の風物詩と云えばやはり鵜飼い。三大鵜飼いなら長良川・肱川・三隅川だが誰かどれかに誘ってくれないかなぁ、などと思ってみたり。そんな時に業界の社長から京都の嵐山で舟遊びをしよう、とお誘いの連絡をただいた。

聞けば京都吉兆から渡月橋の大堰川に船を出して鵜飼いを見物、鮎は船の中で吉兆の料理人が塩焼きにする。吾らは嵐山に昇る月を愛でながら塩焼きの鮎を肴に呑んで酔うのみ、と云うのだから何ともうれしい限り。そんな京都吉兆 嵐山本店はミシュランの三つ星店、前身は嵯峨吉兆で1948年の創業と云う。

大堰川の鵜飼いについても少々調べてみた、ここの鵜飼いは平安時代の清和天皇や後宇多天皇も親しんだと云うから1100年以上の長い歴史がある。余計な話だが、この頃の史実に残る大事件は864年の貞観大噴火、富士山の噴火した文献記録では史上最大だ。

タクシーで京都吉兆嵐山本店に着いたのは午後6時ちょうど、竹木のややあせた門扉の佇まいから奥は鮮やかな新緑に包まれた別世界。蝉時雨に迎えられ奥へすすむと数寄屋造りの母屋から入り案内されたのは大広間、6人で過ごすには広過ぎるが庭がとても美しい。

全員が集まるととりあえず冷えた瓶ビールで乾杯。始めに出てきた料理は向附で硝子の器に車海老とジュンサイの冷菜、銀皿に氷を張りその器をのせ清涼感を演出。銀のスプーンで食べると冷えた酸味のある出汁味に車海老とジュンサイの食感がたまらない、このお味ならやっぱり日本酒を呑みたいとお願いするとお酒も銀の氷桶で冷やして出てきた。

しばらくするととあでやかな祇園芸子さんたちが3名でおでまし、冷えたお酒を注いでいただくとちょうど御椀がきた。蓋を空けると金箔の時絵の美しい夕顔の花模様、中身は鱧で大きい、鱧の旨味の濃い出汁とフワッと柔らかくなめらかな舌触りに驚くばかり。

続いてはお造りで鮪・ひらめ・たいら貝の3種盛り、大きくゆがんだ黄色っぽい器は何焼きなんだろうか?つける醤油は京都吉兆のための特製あつらえでつけ過ぎないのがコツ。さらにお造りがもう1つ、甘手鰈の薄造りでこちらはちり酢をすすめられた。

ここからしばし祇園芸子さんたちの踊りを拝聴させていただいた、すると途中から仲間の1人が俺もと云って小唄が始まる。普通の料理屋さんならここではカラオケあたりが妥当だろう、それなら一緒に参加したいところだが小唄は全く分からない。この際だから東京に帰ったら小唄の練習を始めてみようかな、などと盛り上がった。

一息つくと次の料理は大きな銀盆に氷を敷き詰め蓮の葉と蝋燭の灯りの八寸料理が並ぶ、その涼やかで彩豊かな美しさと大迫力に魅了されてしまう。盛り付けられていたのは車海老・栗・にこごり・玉蜀黍などで鮮やかな料理は何れも素晴らしい、だが京都吉兆のため作られたオリジナルの金縁バカラもキラキラと輝光を放ち負けてない。

そしていよいよその時がきた、京都吉兆から大堰川に舟を浮かべ鵜飼をする。京都吉兆の目の前は大堰川の嵐山通船北乗場でここから乗船、川舟にしてはかなり大きく店員15人ほどだろう。後日聞いた話によると渡月橋より川下が桂川で川上の保津狭までが大堰川、保津狭から上流は保津川と云うらしい。

吉兆舟に乗ったのは吾ら6人と芸子さん3人と吉兆の料理人と仲居さんと船頭さん、船にはすでに次の料理の雲丹が金縁バカラの器に鎮座していた、これが冷たくてとても甘い。ここで突然1人がお腹空いていないかと聞いてきた、今も食べているしもうすぐ鮎が焼けるのに。彼が船頭さんに合図して舟を堰に近づけるとそこには売店船がいる、何故かそこで団子や胡瓜の1本漬けを買い込んで船の中に並べた。

売店を離れお酒を呑みながらゆらゆら川面を行くと行き交う遊覧船の数がやけに多いことに気がつく、何気なしにカメラを向けるとその多くの舟からこちらにカメラが向けられていた、これはちょっと恥ずかしい。なるほど、日も暮れた大関川で料理人を配し祇園芸子とゆるり楽しんでいる舟はこの一隻だけ、鵜飼い観光船と云っても料理付きの舟も幾つかあるもののほとんどは缶ビール片手に呑んでいるぐらいだ。

舟の中で30分近くかけゆっくり焼いた鮎が青竹に並ベられた、長皿に移して出された鮎はまだ比較的小さめな魚体で独特のスイカっぽい香りに酒もすすむ。団子は1本しか食べなかったからまだ良かった、鮎の塩焼きは頭から丸ごと2本いただいた、ほっこりして柔らかく炭のこうばしい香りがたまらない。

鮎の次には京野菜の炊き合わせ、冬瓜・鷹峯唐辛子・小芋・南京で鰹節がのせてあり薄っすらと甘みもありやさしい味わい、ちょっぴり健康になったかも。食事は鰻ご飯、少なめでお願い。玉子と出汁でのばした山芋と香の物がセット、その出汁たっぷりの山芋を鰻ご飯に少々かけていただいたがまさに滋味豊だなぁなどと思う。

食事を終えても舟遊びはまだ終わらない、舟は少しづつ上流に向かいやがてすべての灯りを突然に消す。あたりは一瞬真っ暗になりちょっと戸惑うものの、上弦の月がかかる嵐山の幻想的なシチュエーション気づき心を奪われる。同時に祇園芸子さんが奏でる笛が闇夜に響きわたってゆく、まるで悠久の時を想わせるかの如く澄んだ音色で哀しげに。

余韻にひたっていると遠くの暗がりから篝火が近づいてきた、良く見るとそれは紛れもない鵜飼い船で烏帽子姿の鵜匠が巧みに鵜を操っている。わざわざこの船のためにだけ来てくれたと知ってただ驚くばかり、誘ってもらったことに改めて感謝だ。

舟が嵐山通船北乗場の接岸すると吉兆の部屋に戻った、水物はフルーツの盛り合せでメロン・西瓜・マンゴウ・葡萄の4種類に特製カスタードソースがついている。おいしいと評判の吉兆特製ソースだが甘くてカロリー今が更だがちょっと心配、もっとも何れのフルーツも最高級品でありソースの必要は感じない、格別に甘くみずみずしくておいしい。

デザートもこれで終わりではない、夏季限定で人気の名物デザートと云う宇治抹茶の金時かき氷が出てきた。何とも特異な宇治抹茶の香り、シャリシャリとした口どけの早いかき氷でビターな味わい、茶碗の底の方にはこし餡と白玉まであり飽きさせない。

  • 向附

  • お造り

  • 八寸

  • 雲丹

  • 船上焼きの鮎

  • 京野菜の炊き合わせ

  • うなぎご飯と

  • フルーツ

  • 抹茶氷

  • ビール

  • お酒

  • 到着

  • 佇まい

  • お部屋

  • お庭

  • 宴たけなわ

  • 出航

  • 鮎を船上焼きに

  • 売店船

  • 売店船で買い物

  • 鮎より団子

  • 帰船

  • 鵜飼い船が

  • 鮎を

  • 保津川に月が

2021/05/23 更新

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