3回
2015/05 訪問
月山山菜そば
先ず注意書きです。出羽屋には旅館部と蕎麦処の2つの食事施設が有ります。2015年は蕎麦処の方に立ち寄りました。理由は簡単で、旅館部が満室で予約が取れなかった為です。
蕎麦処はAM11時開店なので10分前に店に到着するとテーブル1卓を残して満席でした。私は偶然最後の1テーブルに着席しましたが、その後ぞくぞくと20-30人の行列。すっげ~~。GW初日とはいえ、食べログの点数って威力あるんすね。そりゃ悪徳業者とヤラセ口コミが蔓延る訳だ。。。哀
不運なのは待ち行列の客だけに限らず、接客のオバちゃんも被害者の1人。殺到する注文を1人で孤軍奮闘するも、伝票ミスや誤配膳で満身創痍で見ていてツライ。今後はGW期間中はメニューを絞りましょうね。>がんばれ!オバちゃん
さて料理の評価です。私の注文はシンプルな山菜そば。要は山形そばなんだけど、地元の人に云わせると月山そばと山形そばは別物との事。笑
私は、わしわし噛み砕きながら食べる田舎そば<=山形そば>が大好き。普段は冷盛りを注文するのですが、出羽屋に限っては鍋汁系を注文。これまた簡単な理由で、そばの量が異様に多いんだもの。。冷盛りだと恐らく蕎麦ツユが足りなくなるだろうし、あの量だと顎が疲れそう。
鶏ダシの効いた鍋汁に山形そばを絡めて、山菜と共に味わうって良いですね。美味しいし、いきなり〆料理でお腹一杯な点も素朴感あり。
あ~あ~、でも本当は旅館部で山菜料理のフルコースを食べたいなぁ。次回はもっと早めに予約しようっと。ご馳走さま!
---
月山山菜そば(\1,100)
---2010年4月の口コミ---
前々から行きたかった山菜料理の殿堂"出羽屋"に伺いました。南関東では桜花見もピークを越えたので、桜と山菜を求めて北上する今日この頃です。
予約無しの訪問でしたが、8畳ぐらいの個室に案内されました。山菜料理の種類は、\1,050~\9,240で10段階あります。事前予約すれば\10,000超も3段階あるそうです。仲居さんから、最初は\3,465や\4,620の山菜定食を勧められたので、「山菜を少量多品種で食べたいです。私と嫁がそれぞれ注文すると料理が重複するので、二人で一人前を注文してグレードを上げたいのですが、そんなリクエストは受け付けて貰えますか」と聞いてみたところ、仲居さんからニッコリと快諾のサイン。やったぁ!!
そうとなれば、予約無しで注文できる最高グレード(\9,240)を躊躇なくリクエスト。次から次へと山菜料理が出てきます。本当に山菜のフルコースです。ひゃあぁ~(嬉)。仲居さんの教育も行き届いています。全ての料理の素材と調理法を判りやすく教えてくれます。聞いていてヨダレが出てきます。
1点ショックだったのは、仲居さんから「この土地の地物山菜はゴールデンウィークを過ぎた頃が旬なんですよ。4月初旬だとチョットだけ早いんですよ」と真っ正直な告知を受けた事です。しまったぁ。北上し過ぎたぁ(泣)。。。でも、正直な仲居さんの済まなさそうな表情には、むしろ好感が持てました。接客評価として加点なので誤解なきよう。。。
さて、料理の中で私が気に入ったのは、"ほうき茸のぬたあえ"と"松茸の粕漬"と"むきそばの雑炊"の3品です。
【ほうき茸のぬたあえ】南関東で"ぬたあえ"といえば"酢味噌和え"を指すのが一般的ですが、山形では「枝豆を磨り潰した"ずんだ"を味付けして和える」ことを"ぬたあえ"と呼ぶそうです。文化圏の違いにワクワクします。
【松茸の粕漬】"粕漬"というと聞こえは良いですが、日本酒漬けと言っても過言では無いほどアルコールが濃いです。鹿児島名物の"酒寿し"に近いです。
【むきそばの雑炊】"むきそば"の食感も個性があります。舌で潰してモチモチ感を楽しみました。
褒め過ぎだとイカンので課題も記します。あゆ塩焼きは川魚臭さが抜けていませんでした。今時、スーパーで売っている養殖鮎は殆ど無臭なので、出羽屋の"あゆ"は天然物なのかもしれないけど、臭い抜きには時間を掛けて欲しいです。
食後に茶をすすりながら周囲を見回すと"出羽屋の山菜料理"という書籍が置かれています。手にとって見ると春夏秋冬ごとの山菜料理が写真,素材,料理法などつぶさに書かれています。今日食べた料理も載っていて生唾が再び出てきます。この本、旅の思い出に良いですね。
次回はゴールデンウィーク過ぎに再訪問します。今回は評価4.6ですが、久しぶりに評価5.0が出るかも知れない。と思うと、旅が楽しみになります。
---
山菜料理(\9,240):
山ぶどうのジュース,こくわ酒<さるなし>,またたび酒
さわもだし<雑きのこ>,山うどのくるみ味噌和え,行者にんにくの酢醤油和え,こごみの黒胡麻和え
御浸し<しどけ/わらび/うるい/葉わさび/べに花からし醤油和え>
◎ほうき茸のぬた和え,◎松茸の粕漬,舞茸の粕漬,菊と木耳の酢ぐるみ和え,あわび茸
天麩羅<こごみ/タラの芽/うこぎ/蕗の薹/山うど/筍/舞茸/椎茸>
あゆ塩焼き
六浄豆腐のお吸い物,◎むきそばの雑炊
山菜なべ<うるい/せり/…many…/凍み豆腐>
五段お重<山ふき/蕗の薹味噌/みずこぶの山ぶどう漬/葉わさびの粕漬/舞茸の煮物/赤こごみの煮物>
月山そば
全23皿36料理のフルコース
2020/06/06 更新
2010/04 訪問
2017/04/23 更新
初回訪問は2010年。始めに注意書きです。出羽屋には旅館部と蕎麦処の2つの食事施設が有ります。 私が評価4.6を付けているのは旅館部の山菜フルコースに対してです。旅館部と蕎麦処は全く別の料理と接客なので混同なきようご注意ください。
満を持しての出羽屋再訪なのできっちり旅館部を予約しました。若女将に「2人で訪問します。\5,500コースx2人前だと食べ切れないので、\11,000コースx1人前でお願い出来ますか。量は少なくて構わないので沢山の種類の山菜を食べたいのです」と相談し快諾いただきました。有難うございます。
店に到着すると緊急事態宣言の解除で間もない為か、私達も含め客は2組の様子です。若女将に導かれた部屋は一番奥の麗峰という離れの部屋。やばい。これって最もグレード高い部屋な気がするる。中庭も広く眺められるし、私と嫁の1組で16畳の部屋って贅沢過ぎるぅ。
仲居さんが先ずお浸し5点盛りを配膳してくれます。
私 :山菜に詳しくないので、名前を1つ1つ教えて貰えますか
仲居:はい。上から順に、あいこ/みず/しどけ/くわだい/赤こごみになります。
うひょひょおぅ。全部お浸しだよ。食べ比べだよ。見てよこの鮮度。こんな贅沢が出来る店が日本に何軒あるっちゅうの。みず/赤こごみは一目瞭然だけど、あいこ/しどけ/くわだいは見た目に山菜名を当てられないのが私の浅学。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥です。
視覚と味覚をリンクさせましょう。その為の食べ比べです。
私 :食べれば"あいこ"は判別できます。しどけ/くわだいは味も似てます。どうやって見分けるのですか。
仲居:くわだいの方がザラついた食感なのですよ。
私 :なるほど。くわだいの方が毛羽だってますね。そこで見分けるんだ。
1皿目のお浸し5点盛りだけでも唸らされましたが、それを皮切りに怒涛の山菜フルコース。山菜料理が13皿もの小鉢で提供されます。どの料理も珍しく美味しいものばかりでしたが、敢えて選ぶなら、幻の山菜シオデを初めて食べたのが貴重な経験でした。まさにアスパラのような甘みです。
他にも、二輪草からし和えの清涼な辛み、カジカの唐揚に添えられてた山菜味噌のえも言われぬ甘さと苦み、タラの芽きりあいで焼き味噌と細かく刻んだタラの芽の相乗的な甘み、が印象的です。山菜料理って非日常でいいねぇ。
そしていよいよ真打ち"月山筍の網焼き"の登場です。若女将自らが私達の前で時間を掛けて炭火でじっくり焼いてくれます。筍の皮を剥いて栗のような香りと筍の身の柔らかさと甘みを味わいます。
"しどけの焼き豆腐"や"山うどの熊脂肉包み焼き"などの珍味を食べながら、若女将と西川町の山菜の旬の話などを交えて、調度の整った座敷から庭を眺めながらゆっくりゆっくり食事を楽しみます。至福です。
なべに入ってる山菜の種類を数えて喜んでる所までは良かったのですが、仲居さんが釜めしを運んで来るに到って状況が一変。ご厚意で筍釜めしを2人前焚いてくださったとのこと。具がみっちり敷き詰められた釜めしが嬉しいよ~♪ でも既にお腹一杯だよう。
食べ切れない旨を伝えると持ち帰りの容器を用意してくださり、ホッとして食事再開。釜めしは筍以外にも椎茸/油揚げ/糸コンが潤沢に散りばめられてて旨み強し。オコゲの甘みも充分です。最後はデザート。メロンはフツーだったけど羊羹は竹の香りが感じられて甘みに清爽感が加わって美味しいです。
食後に16畳の個室でまったり休憩した後は、若女将、大女将に見送られて退店。2020年の山菜シーズンは新型コロナウイルスのせいで短くなっちゃったけど、それを補って余るほど素敵な時間をいただきました。ご馳走様でした。また寄らせてください。
---
御振る舞い料理(\12,100):
お浸し<あいこ/みず/しどけ/くわだい/赤こごみ>
こごみの黒胡麻和え,筍お浸し,六浄豆腐の吸い物
二輪草からし和え,山うどのくるみ味噌和え
カジカの唐揚-山菜味噌,五段お重<わらびお浸し/シオデお浸し/筍味噌煮/棒ダラ煮/タラの芽きりあい>
月山筍の炭火焼き
よもぎとしどけの焼き豆腐,菊と木耳の酢ぐるみ和え,山うどのラルド
山菜なべ<筍/わらび/ぜんまい/うるい/…many…/舞茸/しめじ/鶏肉>
天麩羅<蕗の薹/こしあぶら/筍/タラの芽/山うど/くわだいの葉>
筍釜めし,味噌汁
メロン,クロモジ羊羹
全21皿31料理のフルコース