2回
2011/11 訪問
本場と同じ(!?)美味しい水餃子とジンワリ沁みる中国酒で、身も心もとろける庶民の名店!
(2011年12月記載)
2011年の年末は、30日まで。2012年の新年は、2日から営業しています。
掲示を、画像に貼っておきますので、どうぞご参考に・・・
(2011年11月記載)
再訪、数え切れず・・・
夫婦で立石に行けば、ほぼ必ず、〆におうかがいしております。
香菜大好きの我が家では、香菜麺はおろか、絶品の水餃子にもタップリと香菜をかけて、
香酢でいただいているんです(だいたい、少なくとも、3~4人前は・・・)
そして、お燗した紹興酒を手始めに、
実に香り高い老龍口(42度あります・・(笑)を、ストレートで数杯・・・
いやぁ、この取り合わせが素晴らしくて、もう言葉が出ません・・・(感嘆!)
お母さんはじめ、お店の皆さんにも、顔を覚えていただいておりまして、
「この間は、あれだけ老龍口を何杯も飲んでいたけど、無事に帰れたの?」と、
恥ずかしながら、心配していただいたりしております・・・(汗)
(なんでも、駅のベンチで、朝まで寝込んでしまう常連さんもいらっしゃるそうで・・・)
もっとも、私は、本当にキチンと寝過ごさずに帰っております。カミさんを揺り起こして・・・(大笑)
そのかわり、家に帰ったらグッスリですけどね・・・(笑)
(2010年5月記載)
(皆様、長い前段ですみません、しばしお付き合いしてやって下さいね・・・)
しろくま家の夫婦二人の共通の趣味のひとつが、“読書”なんですね・・
夫婦ともに、浅田次郎「蒼穹の昴」が大好きでして、出版されてすぐに読んで以来、大ファンなんです。
(この作品で直木賞に落選した時は怒り心頭でした・・・)
そこで、清朝の乾隆帝の治世期、帝が着たという龍包(ロンパオ)の実物と、
帝お抱えの絵師であったイタリア人イエズス会士・郎世寧(ジュゼッペ・カスティリオーネ)の
神技とも言うべき素晴らしい絵画の数々を、じっくりと見たくって、
台湾・台北の、故宮博物院をうかがったことがありました。
数百年の時を経て、なお色あせず、当時の血色を留めるが如き名画・佳品や、
蒋介石が、台湾に逃げた際持ってきた文物や宝玉の数々(・・豚肉や白菜(笑)
も素晴らしかったのですが、
我々の胸を打ったのは、それだけではありませんでした。
台北の下町の小店や、夜市の屋台などで売られる、
出来立ての小籠包や、水餃子・焼餃子(鍋貼)などの点心は、
小麦の旨味と、豚肉に代表される素材の味を、最大限に引き出し、
渾然一体と融合させ、ほとんど瞬間芸とも言えるような、
刹那にして深遠、豊潤にして幽玄、変幻自在な美味の世界を、
眼前に現出させていたのです。
以前から水餃子が好きだった私は、限られた日程ではありましたが、
名店と目される店をはじめとして、何店か食べ歩いてみました。
さすがは本場。いずれも劣らぬ名品ばかりでした。
ただ、ビルを構えた、当地を代表する超有名な高級店よりも、
市場のそばの、地元の皆さんで混雑する大衆店の方が、
なんだか、実際に美味しく感じましたし、私にはしっくり来ましたね・・(笑)
今回おうかがいしたこちらのお店、蘭州さんも、
いわゆる都心ではない、下町の庶民の街で、
美麗とは言えない、大きからざる店構えで、
お母さんを中心として、家族みんなで懸命に頑張っていらっしゃいます。
お世辞にも造作にはお金はかけてはいませんが、
出てくる品は、実質本位の庶民の美味。
いつも出来たてピカピカですね・・・
経験則上、アジアの中華街でも台北でも、中華系のお店は、
何か一つ、飛びぬけてハイレベルな料理や分野があって、
他は、そこまでのレベルではない場合もあるように、感じます。
当店では、全体的にはとても美味しい中、特に、水餃子はピカイチでした。
注文を受けてから、冷蔵庫に寝かしてある棒状のタネから切り出し、
ひとつひとつ麺棒で伸ばして厚めの皮にします。
アッと言う間に具を詰めて餃子にしたと思ったら、
次の瞬間には、煮えたぎる鍋の湯の中へ・・・・
造り置きしたら美味しくない、この手順でないとベストの水餃子はできないって、
その伝統と、永い経験上、よくわかっていらっしゃるんでしょうね・・・
湯から揚げられた水餃子は、一口サイズでプルプル。
私は、当店では、だいたい、まずは二人前を注文して、
タレ無しで、そのままいただきます。
その方が、水餃子本来の香りや食感が、よりシンプルにわかると思いますし、
一人前では、とっても足りないんです・・・(汗)
口の中に入れると、五感が喜びの声をあげているのがわかりそうなくらい美味しい(笑)
この作り方など、記憶の中の台北の美味しいお店とほぼ一緒だと思います。
そして、肝っ玉お母さんが司令塔として、焼餃子担当の旦那さんや、
接客担当の息子さんに、中国語でガンガン指示しながら、
水餃子作りまくりつつ、注文は全て頭の中に間違いなく入っている・・・
こんな所まで、本場そっくりなのは、感心しながら思わず笑ってしまいました・・・
他にも、日本ではあまりお目にかかれないメニューが・・・
・香菜麺(コリアンダーがたっぷり・家内も私も大好物)や、
・牛スジ(八角の香りでしょうか、ボールで温めた紹興酒(笑)によく合う)
・烏龍茶卵(これも八角?ほどよい塩気もあって美味ですね)
比較的夜が早い立石の街で、深夜まで営業してますし、
月曜定休なので、土日もやっています。
そう言った意味でも、使い勝手の良いお店だと思いますね・・・
2012/03/17 更新
去る2018年12月下旬より、
店主さん(お父さん)の腰痛治療のため、
三か月あまり休業されていた蘭州さんは、
この4月2日より、営業を再開されました!(拍手!)
あわせて、この4月8日で開店31周年だとか・・
当時、わずか8席のお店から始められて、
開店日は大雪の中、朝4時まで営業されたそうです・・
ご夫婦で大変な歴史を歩んでこられたのですね・・
私も、今まで数えられないほど、
こちらにおうかがいしているのに、
前回のレビューから、
なんと8年が経過しておりました・・
これは反省ですね・・(大汗)
ちなみに、今回の再開に伴い
一部のメニューと価格が変更になっております。
(メニューの画像をご高覧下さいね・・)
それにしても、
「牛スジ」がメニューから無くなったのは残念ですね・・
老龍口(43度の白酒!)とあわせると
これは、もう最高だったんですがね・・
この日は、
18時の開店を口開け待ちしていると、
近隣から、お子さま連れのご家族ですとか、
ご婦人のグループさんですとか、
列に並ばれていて、口々に、
お店の再開を喜ばれておられます・・
お味も素晴らしいお店ですが、
地元の皆さんからも、
深く愛されていることが如実にわかり、
思わず胸が熱くなってしまいましたね・・
そして、久しぶりにいただいた、
香菜をトッピングした水餃子は、
以前と変わらない素晴らしさ!
美味を堪能させていただきました。
京成線の高架化工事などに伴い、
近い将来には移転をされるのでしょうが、
あの8席のお店から始められた不屈の歴史は、
これからも、脈々と受け継がれていくのでしょう。
ますますのご盛業をお祈りいたしますね♪
ありがとうございました。