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日本に久し振りに帰国する際には、家人とあれこれ外食をするのが愉しみで色々予約をしておくことも多い。今回は年末年始故、多くの店が既に休暇に入ることからこうした際はホテルダイニングが良かろうとのことで、リッツ・カールトンのフレンチを予約しておいた。12月30日のランチである。
数々のホテルチェーンが有り、冠してある名前が異なっても同じホテルチェーンであることも多く、まるで不案内である。
時計で言えばスウォッチとブレゲが同じグループだとかそういうことと同意である。それを知悉してまで覚える程の利用でもないので、まあどうでも良いのだが、そうしたチェーンの中で、世界中で展開をしているホテルでは、勿論、数少ない利用の中ではリッツ・カールトンが一番好きである。重厚感というか落ち着きがあるからである。東京はそうでもない感じだが・・・ これまでに香港、バリ、上海、シドニーと宿泊は４つのみだが、いずれも非常に寛げたというのがその理由。
この大阪も、部屋数は少ない感じだが、外観とは打って変わり、中はウッディで非常に落ち付いた感じがある。僕は近代的なスタイリッシュな装飾は好まぬ。ホテルには寛ぎに行くのだ。メカメカしいのは勘弁願いたい。
事前に予約しておいたのは、9,500円の「エレガンテ」。これにサービス料が15%付いて、シャンパンは「ボランジェ」のハーフ（12,000円）を頼み。締めての会計は38,500円程。エレベーターを降りて、些か暗い絨毯の敷いてある通路を遠り、店内に入ると、華美ではないけどグランメゾンという感じでやはり豪華である。奥には暖炉で火がこうこうと燃え上がっている。全体の大きさはそうでもないが・・・
食べた後に、家人と確認しあったのは「久し振りにフレンチらしいフレンチをしっかり食べたね！」といういこと。その通りである。小さなアミューズから始まり、帆立貝柱のタルタル カブのマリネ は何だかほんの少し「和」の優しさもあったし、パンが木箱に入った状態で供され、冷めにくい工夫がされている他、それに付けるバターも海藻が練り込まれたものなど、物珍しいものもあった。色々と細部に気が利いている。
魚は、もう種類は忘れたが白身魚。しっかりとした脂がのっており、皮目も香ばしくてうまかった。これに鮑の肝ソースを纏わせたものだったか・・・
肉は「鹿」を選ぶ。冬にフレンチを食べる程度しか口にしないが、こうした、普段は食べず且つ野趣のあるジビエを食べるのはフレンチの季節の愉しみと言えよう。独特の濃い色合いだが、如何にも肉という感じでその火入れも抜群。最後まで硬いだとかそういうことを感じずに楽しんだ。
デザートは、デコポンとフレッシュチーズのを組み合わせたもの。柑橘が爽やかである。
この後、小菓子を楽しんでいると、何だか緑色のマーブルの地球の様な模様をしたチョコレートのサービスもあった。勿論、最初からそういう構成にあった訳だが・・・・
うむ、日本に居た際は、クリスティアンでは無いしギフトの交換も今はしないが、家人と何か華やかな料理をクリスマスにするが、それは今は物理的に不可能。晦日の昼間だが、何でも良い。二人で仲良く時間と「食」の喜びを享受するということが大切なのだ。それは勿論、家人が作る家庭料理でも同じことだが。
名門ホテルのメインダイニング。成程、そういう感じだった。でも堅苦しさを感じないのも良い。ランチは手頃である。サービス料がもう5%安ければ尚良い。丁寧な給仕だが15%取る程でもないかな。