2回
2011/05 訪問
名店のパン 咀嚼する楽しみがあった。
朝は基本的に、惣菜パンが多い。この日は買い物帰りに、三越のここで求めた。フォートナム&メイソンといえば、英国の老舗だが、紅茶は有名。比較的容易に手に入るので、日本の中での高級な紅茶としては、フォションとかと並んで名前の挙がる代名詞だと思う。
日本橋界隈は、百貨店の中に入っているパン屋を除くと、非常に残念なことに、大したパン屋が無いのである。ちょっとしたものを作れば、たちどころに儲かる気がするのだが・・・
で、この日買ったのは、バルサミコソーセージ。覚えやすい名前で宜しい。最近のパンは何だか名前がややこしくて殆ど頭に入らないものが多すぎる。フランス語を使ってるものが多すぎる気がする。大学の第二外国語でフランス語は選択したけど、まあ、選択して単位はかろうじて取得したという事実だけが残り、体得したものは何もないので、ちんぷんかんぷんである。もっと、判りやすい名前にしてくれい!
翌日の朝食で、牛乳とヨーグルトと食したのだが、美味いのである。このパン、一見したところでは、かなり硬いハードなやつを想像していたのだが、確かにそうなのだが、決してSOLIDな感じではなく、一たび噛み付いた後に引き裂く際に、かなりの弾力があり、もち~ としているのである。後、咀嚼する度にパンの味が濃くなる様な、そんなしっかりした生地である。バルサミコ酢をかけたソーセージも何だか燻された様な感じであり、パンと合うのは言うまでもない。惣菜パンは揚げたものが多くて、少し気になる場合もあるのだが、これは、くどくもなく充分に楽しめた。朝食は、深酒や睡眠時間で、相当に体調が日々異なるので、美味いと感じる正確な判断基準が損なわれていることも多いが、このパンは、僕の嗜好に極めて合致した。
2011/05/28 更新
家人と麻布十番で天ぷらを楽しんだその夜は、再び、小さな寮の部屋で家人と過ごす。3日目の朝食として前日に三越日本橋のフォートナム&メイソンでパンを求めた。その昔、日本橋の中州に住んでいた折に、この界隈のパン屋の乏しさに慨嘆したのだが、此処まで出向けば勿論パンは求めることが出来た訳だが、この店も幾度も利用した。英国の代表的な紅茶の有名店で、本国でパンを供するか迄は知らぬが、紅茶も高いが数度求めた。
特段、此処で求めることを事前に決めていた訳でもない。鍋焼きうどんを食べた後に、三越を冷やかした際に、家人が明日のパンを買おうかと言ったので、そうだなと肯んじて此処なら間違いはあるまいと寄ったのだ。
当方が求めたのは、パンチェッタとオリーブのフランスパン。ずっしりと重く、生地がモチモチと粘る様なもので腹持ちも良さそうな重厚感のあるもので、その昔にも求めた筈だ。とても美味い。
家人も似た様なものを求め、茶室の様な小さな侘び住まいで、紅茶を入れて二人でしみじみと食べた。日本橋に住んでいた際にその折の部屋で食べた時の其れとは大違いで、よもや、海外駐在をした後、こうして東京の別の場所でこの様な感じで利用して食べるということは、想像もしなかったが、何だか懐かしい感じもしたし、こうして二人で一緒に食べることが出来るのは、細やかな往時のよすがに浸る様で、何やら、小さな幸せであった。