Nearco(ITY)さんのマイ★ベストレストラン 2009

ねあるこのひとりランチ

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Nearco(ITY) (40代後半・男性・神奈川県) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

コメント

2009年度の訪問店数約360軒。1日平均1軒も行ったのかと自分で驚く。

何より自分で自分に驚いたのがフランス料理店への訪問がエスカレートしたこと。
前年度は鮨や天ぷらなどへも行ったのに今年度はフランス料理ばかりとなった。しかも同じ店への再訪が重なる。
自分の好きな店というものが自分の中で明確になってきたのかもしれない。
好きな店を掘り下げる事は新たな店を探す以上の喜びを与えてくれる。

今年度新たな喜びを与えてくれた《ベストレストラン》は次の通り

『キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ』
私にとって迷うことなき今年度最高のレストラン
目の覚めるような感覚を何度も味わわせてくれるシェフの料理
その料理の魅力を余すことなく伝えることの出来るサービス
何度伺っても飽きるどころか新鮮な感動を味わっている

『フロリレージュ』
今年開店した店だが既に3回訪問している
料理は試行錯誤しているがこと肉料理に関しては安定して素晴らしい
そして力みの無いサービスついつい通ってしまう

『カンテサンス』
今年も何とか予約が取れた
どの料理も輪郭のはっきりした明確な旨さ
特にデザートの素晴らしさにはハッとさせられる

『レ セゾン』
老壮青揃ったサービスは老舗の安心感
シェフの創意溢れる料理は驚きを秘めながらも
食べる悦びの本質を正面から真っ直ぐに貫いている

『アピシウス』
上質な空間、華やかなるワイン
食べることを愉しもうとする客を裏切らないレストラン
コースはお手軽だが是非アラカルトでワインと共にをたっぷりと

『Maison d'H』
食べログでは有名な埼玉の名店
こだわりの食材を詰め込んだ皿は異彩を放つ
遠くからでも駆けつけたくなるお店

『ボンヌマン』
地元のフレンチレストラン
地方店では考えられないようなワインの品揃え
ベーシックながら旬の食材を貪欲に取り入れる姿勢が素晴しい

『レ・コントアール・ド・ラ・トゥールダルジャン』
この夏、急な閉店を迎えた店
素直に美味しいと思えるワインを味わうことが出来る素敵な店だった
ワイン以上に素敵なお店の方々は新たな活躍を始めているようだ

『ビオディナミコ』
イタリア料理店として再訪したいと思えた店
「洗練された素朴さ」を感じる料理はまた食べたいと思い起こさせる
昼夜通し営業と言う点も嬉しいところ

『インペリアルラウンジ アクア』
老舗ホテルのラウンジが醸し出す上質な大人の空間
ふらりと立ち寄りそのまま生演奏が三巡するまで居座ってしまった
また泊まる時は是非とも伺いたい場所

2009年度強く印象に残った料理
尚★はその中でも更に優れた一皿、そしてそれを抜き出した「2009年のベストコース」

《アミューズ》
★【四角いグリーンオリーブ】・・・フロリレージュ
 出来立てのフレンチトーストのようなフワットした食感と温かさが心地よい
★【塩とオリーブ油が主役 山羊乳のバヴァロワ】・・・カンテサンス
 塩とオリーブ油の風味の細部まで味わう事が出来る一皿に感覚が研ぎ澄まされる

《冷前菜》
☆【季節の野菜 庭園風】・・・タテルヨシノ銀座
 数え切れない野菜そのものの味わいをシンプルに楽しめる一皿
☆【春の野菜の庭】・・・トロワグロ
 こちらは色々な調理をされた野菜を楽しめる、酸味の扱いが見事
☆【宮城産牡蠣の冷製 海水と柑橘のジュレ 岩海苔風味】・・・コウジシモムラ
 海を感じる一品
★【三陸の帆立貝 雲丹とワカメのフィーヌ・メルバ】・・・トロワグロ
 味わい香り食感どれを取っても見事な完成形を見せる一皿

《温前菜》
☆【北海道阿寒湖産エクルビスのビスク野付産天然帆立のソテー添え】・・・メゾンドアッシュ
 濃い甲殻類の風味を楽しめる一皿
★【万願寺唐辛子 旬の鱧詰め】・・・フロリレージュ
 唐辛子の風味と鱧の滑らかな食感が実に印象的な一品
☆【牡蠣の温製 オゼイユとクミン アーモンドのロースト】・・・トロワグロ
 シンプルに牡蠣の味わいを楽しめる一品

《魚料理》
☆【昆布の折り紙仕立て 一本釣りのフランス産鱸のオーヴン焼き】・・・レセゾン
 昆布で包まれた鱸、その見事なプレゼンテーションに脱帽
☆【真鱈のオーヴン焼き 海の香りいっぱいのソースで インカの目覚めのエクラゼと一緒に】・・・レセゾン
 しっとりとした鱈にインカの目覚めの甘さが絡みつく楽しく幸せな一皿
☆【鮟鱇のロティ リュバーブ マスタード風味のジュ】・・・トロワグロ
 粘りつくような鮟鱇の身、抜群のソースと一緒になると肉料理をも凌駕する存在になる
★【鱈のパヴェ“コシヒカリ”日本の想い】・・・トロワグロ
 米を使った料理和風の出汁の風味を聞かせながらも見事なフレンチの一皿に仕上げている驚きと感動に満ちた珠玉の一皿

《口直し》
★【豆腐のラヴィオリ】・・・トロワグロ
 中のソースでその顔をガラッとかえる一品、特に黒トリュフバージョンは幸せな気持ちになる

《肉料理》
☆【和歌山県産豚の3時間ロースト】・・・カンテサンス
 いくらでも食べられるとそう思えるシンプルに豚の旨味を感じさせてくれる
☆【リードヴォー赤ワインのリゾット添え】・・・ルプティブドン
 粘りつくようなリードヴォーの食感が実に素晴らしかった
★【雛鳩のロースト】・・・フロリレージュ
☆【和牛の心臓のロースト】・・・フロリレージュ
☆【乳飲豚のロティ】・・・フロリレージュ
 フロリレージュの肉料理はどれも目の覚めるような旨さ、
 豚はカリカリとした表面が印象的、和牛の心臓はコリコリとした食感が楽しい
 しかし珠玉は生後10日の鳩のロースト、筆舌に尽くし難い旨さだった。

《アヴァンデセール》
★【トリュフのムース】・・・トロワグロ
 トリュフの香り軽い食感ほのかな甘味、実に優れたバランス感覚の一品
☆【山形産 旬の桃フレッシュとソルベ】・・・フロリレージュ
 桃のそのストレートな旨さを感じさせてくれる一品

《デセール》
☆【生クリームを使わないカカオのガナッシュ】・・・コウジシモムラ
 不思議で楽しいカカオのデザート、特にカカオウォーターの旨さは強く印象に残る
★【液体のバナナタルト】・・・カンテサンス
 この店のデザートはどれも素晴らしい液体でありながらあの香ばしさは驚きとしか言いようが無い
☆【桃のスフレ】・・・レセゾン
 桃の香り、スフレの食感。幸せの一時
☆【マルサラ酒のサバイヨン エスプレッソのアイスクリーム】・・・トロワグロ
 ふわっと口の中で軽く溶けていくサバイヨンオレンジの香り周りを包む生地のサクッとした食感と見事な構成
★【リュバーブとココナッツクルスティアン カレーの香り】・・・トロワグロ
 カレーの香りをデザートに昇華させた感動的な一皿、食べないことにはこの感動は味わえない

《小菓子》
★【トロワグロの小菓子】
☆【レ・セゾンの小菓子】
どちらも口に放り込む度に違う悦びを味わわせてくれる。

《ワイン》
【アピシウスのグラスワイン】
素晴らしいワインを意外なほどに手軽な価格で楽しませてくれる。

《サービス》
【トロワグロのあの方】と【フロリレージュのあの方】
レストランにおける理想のサービスとは・・・それは客それぞれなのである。
私にとって理想のサービスとは、料理の魅力を伝えられるサービスになる。
このお二人のサービスの特徴はあまり料理の説明をしない。
それでいて料理の魅力、料理人の言葉を過不足無く伝える事ができる。
ダイニングにいながらも厨房と繋がっていると感じさせてくれるそんな楽しさがいつもある。
だからこそこの二店には定期的に通っているのでもある。


再訪の年となった2009年度。
来年は新しい店、特に和食系のジャンルにも手を広げたいとは思っているものの
気に入った店には写真が載せられなくなるくらい再訪したいとも思っている。

「愛すもの 愛すべき今 愛さねば 愛そうとても 愛せなくなる」



マイ★ベストレストラン

1位

キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ (都庁前、西新宿、西新宿五丁目 / フレンチ、レストラン)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.7
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 ¥15,000~¥19,999

2013/06訪問 2013/06/11

⑳久々だけど久々に感じない居心地よさ《No.0242》

随分と久しぶりの訪問になってしまった。
1年とちょっと空いた内に変わったこともあるし変わらない事もある。

料理に関して言えば、
やはり「トロワグロ」であり
やはり、シェフが変わったと感じさせる。一年前とは違った個性を放っている。

ランチコースの料理を一度味わっただけではどこが新しいシェフの個性なのかを厳密に選別することは出来ないのだけれど
全体的な印象からすればフルーツや酢の酸味を活かした料理はこの店らしくある点は共通項。


印象に残った料理は前菜前に出てきた"イカとマンゴー“のシンプルな一品
イカとマンゴーの食感がクニャッとしていて、儚くも両者の味わいが溶け合っていく楽しさは飽きがこない。

フォワグラの前菜はフォワグラに存在感がある所がなによりいい。
パイナップルとの組み合わせはそれ自体は良いけれどうしても缶詰の印象が拭えないのが庶民舌のなせる業。
柚子胡椒の出過ぎない塩梅が程よい。

鯵の一皿は魚料理と言うよりは野菜の前菜で主菜にこれだけを選ぶと少々物足りないかもしれない。
それぞれの野菜がそれぞれに楽しいけれど飲まない人には少し味付けが強いのかなとも感じた。

牛肉は最近好きなので自分的にタイムリー。
アンチョビとバジルのペーストが効果的で印象的。

デザートはどちらも初夏のランチとすれば爽やかで良いのだけれど個人的な好みを言えば
デザート2皿目はやはり爽やかさよりも力強さを求めてしまうのは飽くまで好み。


システムとして変わっていた大きなポイントとして「パン」の事がある。
パンが料理の邪魔をしないシンプルなパンのみになっていた。

パンを選べる楽しみと捉えるか、
パンを料理に対する脇役と捉えるかは
飽くまで店とシェフの哲学によるものでどちらが良いと言う事は無い。

ちなみにバターはあの一輪挿しだけれど緩めだったような気がした。


久しぶりだけど久しぶりに感じられない居心地よさ
やはり魅力的な店だと思う。


初めての出会い,一年振りの再会,夏の鮟鱇,初フロマージュ,鴨一羽喰い,おっきな平目,トリュフの香り,ランチコース+,三年目のはじまり,ブルゴーニュの夜,l'amitie,おかえりダミアン,外食初め,四年目のはじまりありがとう楽しいランチ81年の歴史五周年,ご立派トリッパ

  • エントランス
  • 初めの品
  • パン1

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2位

フロリレージュ (外苑前、表参道、乃木坂 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.7
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.7
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 ¥8,000~¥9,999

2012/05訪問 2015/03/27

⑯《No.0666》

いつものように不揃いの階段を登る、店の入口にはリースがかかっていた。
店の中、見慣れた風景も大きく異なる点がひとつ。

それは、店内男だらけ・・・


オープン当初、マネージャーの近藤さんとその他に女性二名によるサービス陣で始まったフロリレージュ。
一年目を過ぎた頃に女性の内一人が自らの店を持つ為に抜けた、ちなみにその店が二子玉川のエクイリブリオ
二面目を過ぎた頃に新しく入った若い女性が店を去りその代りに若い男性スタッフが入ったのも束の間、
オープン当初からいたもう一人の女性が店を去ったのがこの夏。
その穴を埋めたのが今回初めてお目にかかる男性スタッフ(実は他の店で会ったことがあるらしい)
と言うことで男三人体制の新生フロリレージュへの初訪問になった。

男だらけのダイニングはやはり今までと雰囲気が違う。
少し大人びた雰囲気とでも言おうか、少なくとも今後女性客の評判が良くなるであろう事は容易に想像できる。


入口側の席、いつものようにシャンパーニュで始まるランチはこれまたいつものように夜同様のおまかせコース。
個人的理由でワインはいつもに比べて控えめでお願いしたのだけれど結局美味しくすすんでしまった気がする。
我ながら自制心の無さに呆れるのだがそれはまた別の話。


アミューズの一品はシェフがこだわっている(らしい)キャビアを使った一品
私個人は「キャビアなんてちょっと食べたって何がなんだかわからんからやめときゃいいのに」とずっと思っていたのだけれど
ここ最近段々とキャビアのある意味を感じるようになってきているから、ちょっと悔しい。

この日のアミューズは白く冷たいカリフラワーのムースの底に牡蠣が潜んでいる。そして白の上に黒の点々でキャビアが乗る。
最初少し冷たさが過ぎるけれど慣れてくると牡蠣の風味と旨味がしっかりと広がる。その牡蠣を受け止めるのがキャビア。
旨味にアクセントを与え風味を更に高めてくれる。
なるほどキャビアに意味がある。大きな声では言わないけれど・・・

四角いグリーンオリーブ
ずっと変わらない見た目、少しずつ微妙に変わる味わいもここ最近は落ち着いているように感じる。安心できる味わい。

アワビクリームコロッケ
料理名は私の独断と偏見によるものなのでご了承を、
黒い衣をまとった塊、その黒さはトランペット茸によるものだそうで中にアワビのムースとスライスされたアワビ。
サックリとした衣の中からトロリとたれる白いクリームには旨味が濃縮されその中にクニャリとしたアワビの食感が心地よい
ソースもまた黒くやはりトランペット茸から、立派なキクラゲまた他の愉しみを与えてくれる。
そして黄色い銀杏の粒、表面の塩気、そして匂い。

食材の魅力を、全く形を変えながらも引き出している意欲的な一皿と
幸運な事に高い完成度に仕上がった時に出会う事ができた。


熊とフォアグラのバロティーヌ
いつかは行ってみたい大雪山、しかしそこでは絶対に出会いたくないヒグマ。
出会うのがフロリレージュの皿の上なら大歓迎!

ヒグマの様々な部位を食感を残る程度にミンチ状にしたものでフォアグラを包んでいる。
熊の脂は強烈ながら嫌味なところはない、フォアグラと相まって中々にパンチのある一皿。
添えられた野菜がその脂を幾分制御しようとするもののそれを跳ね返す程の強さ、
ワインが無ければきっと重すぎる一皿をワインと一緒に美味しく頂く。
この一皿をまとめてハンバーガーにしたらなんて妄想、きっと旨いが他の料理は食べられなくなるなきっと。

スッポン
魚料理は魚らしくない料理との事、スッポン・・・確かに魚類ではない。
スッポンは小さなハンバーグのような感じと言えばいいのだろうか
トマト、マグロ、トリュフのスライスが添えられ、卓上でスッポンのスープが注がれる。

滋味深いスッポンのスープにほどけるスッポンの身、添えられたトマトとマグロが思いもしないほどに全体と調和している。
特にトマトは見た目何もしていないのかと心配になったけれど口に入れて意外な風味に驚かされた。
マグロもまたマグロである必然性を感じさせてくれる、スッポンとトマトをつなぐ様な存在。

このスッポン料理にはおまけがつく。

近藤さんが差し出した黒い皿の上にはリボンで結ばれた甲羅と頭部の骨。
ある意味悪趣味だけれど笑えるプレゼンテーション。
その皿の上に乗るのがブーダンノワールのどら焼き
“スッポン”と言えば“血”
“血”と言えば“ブーダンノワール”という実に分かりやすい展開から
その場にあったらしい“どら焼き”に発展した一品はもっと“血”を感じさせても良いのかなとは思ったものの
まぁ小ネタなのでこれで良いのかなとも思う。

コルベール
「なんでコルベール?」と聞いたら「状態が良かったから」と明快なお答え。
と言うわけでエクイリブリオに続いて今シーズン二羽目のコルベール。
こちらの仕上がりは実にシンプル、ここまで仕掛けの込んだ料理で魅せておきながらフッと抜くようにシンプルに出してくる巧みさは心憎い。
火入れの見事さは今更クドクド言う事もないと思う、添えられた辛味のある野菜が心地よく皿の奥にある栗のペーストが好みでコクと甘さを添えてくれる。

肉料理の二皿目はコルベールの腿肉を使った一品、シューの中に柔らかく煮込まれた腿肉が入っている。
せっかくの腿肉を随分と贅沢に!とは思ったけれどなるほど噛むほどに滲み出る旨味。

二皿とも実に巧みに仕上げられた肉料理、ただシンプルさで押すには弱さも感じた。贅沢な愚痴。


プレデセール
ガラスの器に赤紫の滑らかな泡状、「ファンタグレープ」だそうだ。
確かに泡部分は微発砲している、しかしこの微発砲がその方が良いかと言われるとそのあたりは微妙なところ。
中に入った巨砲のサックリとした食感が印象的。
そしてこのデセールに使った貴腐ワインの貴腐葡萄を見せていただいたがこちらもまた印象的。

アップルパイ
春巻きみたいな見た目。
焼いたリンゴを苦手な人には苦手だろうなという焼いたリンゴそのままの食感、
私は苦手ではないけれどそれでも食感が大きすぎると感じる。
なぜこういう仕上がりになったのか意図が見えなかった。


苺のパートドフリュイを紅茶と一緒に。


今年は3回しか伺う事ができなかったけれど、伺う度の感動は回を重ねる毎に大きくなる。
新体制になってフロリレージュはどれだけ魅力的な店になっていくのか追いかけられる内は追いかけ続けて行きたいと思う。


ちなみにこの後、アルコールはひいたとは言え産院へ。
まだ名前も決まっていない君、伯父さんをゆるしてね!
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十五回目(昼)→http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/70700/
十四回目(昼)→http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/63330/
十三回目(昼)→http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/57846/
十二回目(夜)→http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/53288/
十一回目(昼)→http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/48625/
十回目(夜)→http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/40893/
九回目(昼)→http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/39900/
八回目(昼)→http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/36267/
七回目(昼)→http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/33250/
六回目(昼)→http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/31340/
五回目(昼)→http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/28675/
四回目(夜)→http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/24798/
三回目(夜)→http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/23448/
二回目(昼)→http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/19798/
初回(夜)→http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/18962/

  • ふきのとうのアミューズ
  • 四角いグリーンオリーブ
  • 筍、鮑

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3位

カンテサンス (白金台、目黒 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.7
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.7
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 ¥10,000~¥14,999

2011/11訪問 2011/12/02

⑨カンテサンスは変わった?《No.0200》

今年3月以来の訪問になった。
今年はこの前回と今回の二回だけ、間に一度キャンセルを入れているので予約が取れたのは三回。
相変わらず席を確保する事には苦労する。

この半年と少しの期間の間に、と言うよりも前回の訪問直後にシェフがオーナーシェフになった。
つまりはシェフが独立されたのだが、少なくとも外見からはそのままこれまでのお店を継承されたという事は
それだけ「カンテサンス」「岸田周三」という名前が大きくなった証明のように思う。

きっと円満独立だったのだろう前回の訪問から大きく変わった印象はほとんど無い。
ただひとつ、受付の女性が代わっているであろう事は予約の電話の声の変化で気づいていた。
彼女はどちらへ行かれたのだろうか?その点は少し残念ではある。


エントランスから奥の個室へ案内された今回もありがたい、座る席はなぜかいつも同じになる。

席に付き、シャンパーニュでの乾杯のあと“白紙のメニュー”


そしてランチコースが始まる。
一品目はスープ。
【ガルビュール ジャポネーズ】
グラスに入った温かなスープは肉の旨味が過ぎることなく綺麗に抽出されている。
中に入れられた賽の目の野菜の存在感を感じるような食感がとても心地よい一品。

この後は定番。
【塩とオリーブ油が主役 山羊乳のバヴァロワ】
何度味わってもこの美味さは新鮮だ、体全体に染み渡るような清らかな美味さ。

前菜三品目は
【ポロ葱とエビ】
粗く刻まれたボタンエビの下にポロ葱、
ポロ葱は筋が取られていて麺のようになっている。
上には“えびせん”のような香ばしさのオレンジのサクサクとしたものが乗る。
例えがチープだけれどそんなスナック感がある、カリカリに焼いた桜海老だそうだ
歯に跳ね返るような弾力のボタンエビにはネットリとした舌触りもある。
エビと一緒に食べると葱の筋が取られている意味が良く分かる。
エビのタルタルの食感と葱のネットリとした食感が調和する、麺状だから味がよくからむ。
香ばしい甲殻類の香りにはっきりとした味付け、チープになりそうな寸前できっちりこらえる細緻な仕上がり。
誰にでもおいしいと感じられるだろう一皿。


魚料理はグジ。
【甘鯛 ヴェントデスターテソース】
いつもの事ながら堂々と手前に向けられた皮は見るからに香ばしそうに茶色い焦げ色が付いている。
鱗をそのままにサックリと焼かれている。
ナイフを入れると手に伝わってくる感触は魚料理と言うよりパイ料理のようで新鮮。
それでいて身には火が通り過ぎることなくしっとりと旨味に溢れている。
つけあわせのキャベツは甘味がありこれまたグジに良く合う。

肉料理は蝦夷鹿
【蝦夷鹿の3時間ロースト 香茸ソース】
見るからに分厚い鹿肉は全体を3時間ローストしてから周辺の硬化した部分をそぎ落とし
その後で表面に焼き目をつけるという手間のかかりよう。
分厚い肉をその厚さのまま切り出して口に放り込むと程よい抵抗感のある弾力を持ちながらそれでいて歯切れ良く噛み切れる。
一口目のおいしさを最後までしっかりと感じさせてくれるさすがの仕上がり。
付け合せのレンズ豆がまたソースと良く合っている。

デザート一品目は柿
【柿と蜜柑 ミラベル風味のサバイヨン】
お酒のしっかりと利いた柿はとても良い香りを漂わせる。
柿にはサバイヨンソースがかけられている。
しっかりとした甘味を感じさせながら爽やかな仕上がり。

デザート二品目は栗
【丹波産 栗のガレット】
刻んだ栗のたっぷりと入ったアイスクリームが乗るその下は
スプーンで切り取ろうとするとスフレのようなふわふわとした柔らかな仕上がり
このキメ細やかさはさすがの一言。


いつもの事ながらどの皿も素直に美味しいと感じさせてくれる。
分かりやすく美味しくてそれでいながら質の高さを感じさせてくれる。
今回は全体的にちょっと地味かな?とは思いもした分かりやすいのは良いのだけれどその傾向が大きすぎるのかなというところが
素晴しいランチコースの中でなんとなく物足りなさを感じた部分かもしれない。
「なにこれ?」と不安になる事もコースの中にあってもいいのかなと、かなり贅沢な事を言っているけれど。

食べている時や、こうやってレビューを書いていると確かに素晴しい料理ばかりなのだけれど
ボーっと振り返ってみた時に印象に強く残るようなモノが今回は無かったようにように思う。
食材が良いのはよく分かる、味付けの絶妙さも感じる、火入れの素晴しさは言うまでもない。
けれどなんか問答無用な感じが無かった、興奮とでも言うのだろうか。
もしかしたら私自身の問題なのかもしれないのだけれど・・・

しかし、それでもこれらの料理は唯一無二、シェフの創り出す世界なのだと思う。

そして料理だけでなくレストランとして食べる事を楽しませてくれる場所だとつくづく思う。
だから、どんなに苦労しても予約を取ってしまうのだ。

来年もまた伺いたい。

2011年  3月・夜
2010年 11月・昼
2010年 10月・昼
2010年  7月・昼
2010年  4月・夜
2009年  12月・夜
2009年   8月・昼
2008年   3月・夜

  • 2009年12月撮影分
  • ガルビュール ジャポネーズ
  • 塩とオリーブ油が主役 山羊乳のバヴァロワ

もっと見る

4位

レ セゾン (日比谷、内幸町、銀座 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.7
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.7
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2011/02訪問 2011/03/01

⑥この店だからこそのものをいつも感じさせてくれる《No.0275》

帝国ホテル本館中二階(MF)へ降りてきた。
18時の予約、六回目にして始めてとなる夜の訪問。

ランデブーラウンジを見下ろせる入口からレストランへ入る。
帝国ホテル120周年記念の3割引券を渡し奥へ案内される。

この日の席は奥の個室、個室といっても個室に4卓を入れてメインダイニングスペースの延長としての扱いになる。

席に着き飲み物の注文。
こちらの店はシャンパーニュを4種類から選ぶことができる。
ハウス、ブランドブラン、プレステージ、ロゼ。

この日のプレステージシャンパーニュは《Louis Roederer Cristal Brut2004》(\4800)
グラスワインとして中々のお値段だけれど3割引なので注文してみた。

グラスへたっぷりと注がれたクリスタル。美味い!久々に余韻にひきずられついついグラスの進むシャンパーニュ。
バゲットとインカの目覚めのチップス、串に差された小さなフォアグラをつまみながら次は料理の注文。

通常のコース料理をフルで注文。

小さなグラスに入ったアミューズはいつものスタイル。
クリスタルと共に愉しむ。

前菜一皿目
【赤座海老 : エピスを効かせたベニエ アンディーヴのヴルテ タルタル仕立てと鶏肉のティラミス】
右手側にフォーク、スプーン、小さなスプーンが並べられたので「おやっ?」と思ったが皿が三つ運ばれてきた。
手前に大きな皿で赤座海老のベニエ、右奥に小さい皿でティラミス、左奥には更に小さな皿でタルタル。

赤座海老を三種の皿で愉しませる趣向。
ベニエは軽く揚がっていて火を通した海老のプリッとした食感と旨味がしっかりと感じられる。
一方でティラミスと名付けられた一皿はゆずの風味が印象的でまるで茶碗蒸しのような仕上がりで面白い。
タルタルの生の海老の美味さがある。
最初の一皿として実に心躍る一皿
★4.0

シャンパーニュが美味すぎてこの時点で空になったのでグラスで白ワイン
《ルバイヤート 甲州 樽貯蔵 2008(\1600)》
クリスタルの後にまたこの後の赤ワインを考えるとなぜこれ?という選択ではあるが
単に甲州を飲みたかったのだ!
当初は実に地味だったが段々と香りが広がってくる、渋みを感じる味わいは料理と一緒のワインとして申し分無かった。

前菜二皿目は
【フォワグラのポワレに牡蠣を添えて 酸味を加えたエシャロット レモンコンフィ ビーツの雲】
赤いビーツの泡を雲に見立てその雲に浮かぶフォアグラのポワレ、その上に刻まれた牡蠣とエシャロット等。
フォアグラ自体は脂がしたたるような仕上がりではないが全体の構成として実にキレイに纏め上げられている。
フォアグラと牡蠣という“濃厚同士”の組み合わせは好きだし、ビーツの泡の淡い甘味との取り合わせもまたいい。
鮮やかな見た目とは逆で地味に感心させられるフォアグラの一皿
★4.5

ここで再びワインリストを開く、自分の生まれ年のシャトーラトゥールの値段にびっくりしながら選んだワインは
《2002 Chambertin Henri Rebourseau 》
ハーフボトルだったこともあり手の出る値段だった、何より3割引が心強い!!

このなんとなく選んだ“シャンベルタン”がなんとも素晴しい味わいだった。
グラスに鼻を近づけて感じる鼻腔を擽る香り、口に含んだ瞬間に広がる熟成された華やかな薫り。そして舌に感じる若々しさ。
このワインの持つ魅力が実に立体的に感じられた。

沢山の同席者がいたとしたらその一人一人の席までいって
「このシャンベルタンを選んだのは私です!褒めてください!」
とアピールしたくなる程に素敵な一本だった。

【オレンジ風味のコック貝とバターソースで光沢を出したフランス産平目 京人参とジュヌボワーズソースを添えて】
濃厚な赤ワインのソースの上に平目の白い身がコンガリとした黄色い焼き目をつけられて乗る、付け合せは赤橙の京人参と剥き身のコック貝。
なぜここで?と思わせるような濃厚な赤ワインのソースが気になる、
主役の平目自体にこのソースが特別あっているとも思えないし
コースの流れとして肉料理の前にこれだけ濃厚なソースを持ってくくる意図も感じ取れなかった。
★3.5

肉料理
【仔鳩とフォワグラのバロティーヌのトリュフ風味 葱のピュレに重ねて 緑をまぶした腿肉の小さなパテ】
淡いピンクの仔鳩が白と黒の点が作り出す縞模様でクリーム色のフォアグラと一緒に包まれている。
その下に明るい緑が目に飛び込んでくる葱のピュレ、そしてブラウンのソース。
皿の渕には「毬藻ではございません」と紹介された緑の塊、緑の内実は腿肉のパテ。
魚料理のソースに比べてこちらの方が香り華やかで軽やかな味わい
だからこそ「なぜ?」となったのだがそれはあちらの話なので置いておいて

こちらの料理は素晴しい、鳩自体から感じられる旨味を野菜などが引き立てている。
腿肉の“毬藻”からはまた違った味わいを愉しむことが出来てキレイにまとまった一皿。
★4.5

【フランス産チーズ】
久しぶりにワゴンから選ぶチーズ。8種類のチーズから5種類を少しずつ皿に切り分けて頂いた。
しっかりと熟成されたチーズをしっかりと堪能した。

過去何度か訪れた時はここで小さな焼き菓子が数個、他の店で言うところの“プチフール”のようなお菓子が出てきたのだが今回は初めて一皿のデセールとして出てきた。
【アヴァンデセール】
スプーンの上にのった鶯色の艶やかな丸いもの、白玉だそうで中に溶けたチョコレートが入っている。
一口でそれを口に含むともっちりとした白玉の中から温かなチョコレートがとろけだしてくる。
一方はマンゴーのソルベ、爽やかなマンゴーの香りとさらっとした酸味が心地よい。
小さな二品が対照的で面白い。
★4.5

【エキゾチックフルーツのごく軽いタルトとカレーのグラス  ブルーノさんに教わったとおりに】
白い皿の上に淡い彩のデセール。茶色の薄いタルト生地の上にふんわりとした食感のメレンゲ、その上にカレーのアイスが乗る、アイスの下の部分のメレンゲは丸くくりぬかれていてソースが隠れる。
このデセール口にすると淡い見た目を裏切る程に華やかに香る。
エキゾチックフルーツのスパイスのバニラのそれぞれの香りが邪魔することなく暴れそして調和している。
なんとも楽しいデセール。
食感が軽やかでありながら、印象弱く流れてしまうことも無く
このコースの締めとしての存在感もある見事なデセールと思う。
★5.0

自家製ショコラ をつまみながらハーブティーを頂いた。

気づけば22時を迎えようかとしていた、料理の出が悪かったということもあるが楽しい時間になった。

料理について言えば、疑問に思う皿が無いではなかったがグランメゾンらしい華やかさがあり
一皿の上での構成力にはいつもの事ながら目を見張る面があり、来た甲斐を感じさせてくれる。

サービス面について言えば、やはりこの店らしさというより帝国ホテルらしさを感じさせてくれる。
品があり格調高くありながら実に程よい距離感で客に接してくるこのサービスは実に心地よく
サービス業をしているわけでもこれから目指そうとしているわけでもない私ですら「勉強になるなぁ~」と思う。
このサービスを受ける為だけでも訪れる価値があると思う。

店を出てエレベーターに乗る。
レ・セゾンでの初めての夜が終わり、帝国ホテルでの二度目の夜が始まる。

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五訪目レビューは↓
http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/42411/
四訪目レビューは↓
http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/29844/
三訪目レビューは↓
http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/21602/
二訪目レビューは↓
http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/19846/
一訪目レビューは↓
http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/14252/

  • 帝国ホテル東京 中2階
  • おつまみ
  • アミューズ

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5位

アピシウス (日比谷、有楽町、銀座 / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.7
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥20,000~¥29,999

2009/06訪問 2009/06/21

①「なんだか幸せだ」 そう感じられた休日《No.0643》

梅雨の中休み、強い日差しが日比谷公園の緑を照らす。

ザ・ペニンシュラ東京を晴海通りに沿いに裏手へまわり、蚕糸会館。
交差点から直接外階段を地下へ降りる。

予約を入れたのは前日。
「ここは一人では」と勝手に思い込んでいた、
その背中をポンッと押されて。

階段を降りて左手にエントランス。
奥に入り予約の名前を告げる、すぐに奥へ案内される。
左へ右へ左へ?案外長い。沢山のスタッフと挨拶を交わす。
このエントランスからの道のりが期待を膨らませる。

奥へ長い長方形のダイニングのコーナーの席に座る。
ダイニングの入口には大きな林檎?
壁にかかる絵画、そういう目で見るからか?実に鮮やか。

ソムリエさんが現れ飲み物を聞かれる。

前日夜、HPでワインリストとメニューを見て作戦を練っていた。
飲んでみたいそんなワインがあったので「赤のハーフで」と答える。

「それならば先に料理を決めますか?」その通りにする。

大きな食事のメニューを頂く。
これも大体決めていた、暫くして料理の注文を告げる。この日の担当の方
アラカルトでの注文、予定通りアミューズ代わりに「殻付きのバフン雲丹(900円/個)」の注文を告げる。
ここで、予定外のお話。
「雲丹を注文するなら一緒に岩牡蠣はいかがですか?」
この日の夜の客に食べたいと言う方がいてこの日入荷したばかりだそうだ。
2730円/個という値段を聞いてちょっとビックリしたが、随分と強く勧められたので
バフン雲丹と岩牡蠣を盛り合わせで注文した、その分注文予定の前菜を一皿減らした。
その他の料理の注文を終えたあとに飲み物の注文。
再びソムリエさんの登場、料理の注文を受けて「ハーフより料理に合わせてグラスでは?」との提案。
確かに牡蠣で赤じゃ無理があるかなと納得、料理に合わせてグラスで頂く事におまかせした。

注文が終わり、小さな皿でアミューズが出てくる。
「黒鯛のテリーヌ」と言っていたか、あっさりとした蒲鉾っぽい感じのテリーヌ。
また、オリーブが小皿に山盛りで出される。

ワインがグラスに注がれる。
《2005 Pouilly-Fume Chatelain Prestige》そして
【岩牡蠣とバフン雲丹の盛り合わせ(\3630)】
テーブルの上は予定外の賑わい。
氷の上に岩牡蠣と雲丹が乗り脇に海苔のパン、牡蠣用のビネガーが並び皿にはフィンガーボール。
初めに雲丹から、濃厚な甘さ上質な雲丹の味わいそして意外にも中のスープがこれまた美味い。

そして、岩牡蠣。
初めにそのままで一口、檸檬を絞ってまた一口、更にエシャロットの入ったビネガーをかける。
そのままでも塩味、濃厚な牡蠣の味わい素晴らしいが酸味が加わると味に奥深さが出る。
特製のビネガーとの相性が抜群。
綺麗に食べようと思えば一口で食べられない事も無いのだが、
さすがにそんな勿体無い事は出来ない。一口ずつ味わいながら頂く。
そしてこちらも殻に残ったスープを、殻を両手に口をつけて。
ここまで全て担当の方のご指導の下に。
ミネラル感のある白ワインとよく合う。
★4.5

なんでも限られた入荷の中の初めの一個だったらしく。
メニューには無く、おそらく翌週には残っていないだろう岩牡蠣。
素敵なめぐりあわせだった。

この後、パンを選ぶ全部で6種類はあったかその内2種類選ぶ。
一個あたりが大きめなのでこれだけで最後まで追加はしなかった。

《2004 Chassagne-Montrachet 1er Cru La Rocquemaure》と
【ブルターニュ産オマール海老とブレス産仔鳩のメダイヨンのサラダ仕立て(S)(\4100)】
シンプルにオマール海老を楽しめる一皿。
フォアグラやピスタチオなどを仔鳩で包んだメダイヨンは少しスパイシー
黒トリュフのスライスと一緒に食べると華やぐ
酸味のある付け合せの野菜も良く調和している。
食べるごとに美味しくなり飽きのこない一皿

ふくよかな印象のシャサーニュ=モンラシェとの相性も良い
★4.0

《2002 Volnay Taillepieds》
【ロニョンとリ・ド・ヴォのコンビネーション クミンの香り(S)(\3420)】
ロニョン(腎臓)とリ・ド・ヴォ(胸腺)がそれぞれ衣を付けて揚げられている。
食感と風味の異なる二つの内臓に程よく火が入っている。
地味だがしっかりと旨い、そして飽きがこずに段々と旨くなってくるそんな一皿。
腎臓だけにそら豆が添えられているのもちょっと楽しい。
★4.0

もちろんこの後、フロマージュ。
流石の種類、選んでも良かったがおまかせする。

《1999 Ch. Coutet》と一緒に。
【フロマージュ(\2000)】
ブルー2種、シェーブル2種、ウォッシュ1種。
量はたっぷり、皿には栗の蜂蜜、籠にたっぷりの乾燥イチジク、パンも付く。
種類・質が素晴らしいのは勿論フロマージュを楽しませる術も優れている。
色々な組み合わせを試しながら満喫した。
★5.0
そしてクーテ美味い!
ちなみにグラスには「A」の文字が入ったバカラの特製だそうだ。
「特別なお客様に」と少しおだてられ有頂天。

デザート前。
テーブルが綺麗にされ、新しい皿とナプキン、そして金色のカトラリー。
ワゴンデザート、ホールで目の前にやってくる6種類のデザートを目の前にするとさすがに心動くが
レストランではやはりその時調理されたデザートを食べたいので
時間がかかること承知の上でデザートメニューから注文する。

【チェリーとピスタチオをパータフィローで包み、野薔薇のアイスクリーム添え(\2100)】
パータフィローの包みの中には温かなピスタチオとチェリーの甘さが心地よい。
野薔薇のアイスクリームは薔薇っぽさは良く分からなかったものの爽やかで美味しい。
待ったかいがあったと思える一皿。
★4.0
きっとワゴンのデザートも美味しいと思うのだが
温度を感じるデザートはお店でないと味わえない。

沢山のミニャルディーズとエスプレッソ(\800)
ミニャルディーズ、どれも美味しかったがゼリーが特に印象的だった。
酸味が爽やかで食感も良い。

エスプレッソをお替りしてお会計。

グラスワインは全体でまとめて9450円。
覚悟していた値段より下でちょっと嬉しい。
ワイン単体としても美味しいが、料理との相性も良く。
おまかせしてよかったと素直に思えた。

「「料理」安心して楽しめる。
「サービス」安心して任せられる。
「空間」食事を楽しませる雰囲気に溢れている。

当初、注文しようと考えていた赤のハーフボトルの件はソムリエさんにも話した。
次回はそのワインに合わせて料理を注文する事をお願いして階段を上がる。

梅雨の中休み、午後の日差しが再び眩しく照りつける。
日中である事を思い出させるように。

軽く寄った足取りでペニンシュラの脇を抜け日比谷公園沿いを帝国ホテルへ向かう。
途中、日比谷パティオ。ゴスペルが聞こえてきて足を止める。
過剰とも思えるような笑顔でゴスペルを熱唱する女性達。
人工芝の椅子の上。
束の間の陽光を浴び、ビルの間を吹き抜ける心地よい風に吹かれながらボーっとその姿を眺める。

笑顔で駆け回る男の子、転んで泣き出す。
ゴスペルの列から歌いながらママが出てきて男の子を抱え列に戻る。
男の子はすぐに笑顔を取り戻す。

普段の何が変わったわけではないけれど、
「なんだか幸せだ」そう感じられた休日。

  • 蚕糸会館地下1F
  • 階段の下
  • テーブルの上

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6位

メゾン ドゥ アッシュ (北上尾 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.3
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.3 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.3
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.3 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 ¥2,000~¥2,999

2009/08訪問 2009/08/07

④一人貸切(状態)にて《No.0115》

JR高崎線、北上尾駅。
電車を降りようとすると窓が濡れている事に気付く。
外もアスファルトの地面が黒く濡れている。
大宮あたりでも降っていなかったので通り雨でもあったのだろう。

外へ出ると恐ろしいほどの湿気に襲われる。

約一年ぶりの訪問。
夜の訪問としては3度目になるのだが
この3度共に私的な変化のあるときと重なっている。

そういう時だからこそ行ったと言うこともあるし
そういう時だからこそ行けたと言うこともある。

夜初めて訪問したときは6年程暮らした埼玉を離れるとき。
それから前回と今回は職場が変わり時間に余裕が出来たとき。

この日は私一人の貸切状態となった。
知らない店では緊張この上ないシチュエーションだが、そういう心配も無い。

メニューの説明を受け料理を選ぶ。
グラスで白ワイン(\700)も注文する。

いつものようにオリーブ、豚のリエット、バターそしてパンが出る。

そして、暫くして【アミューズ】がやってくる。
相変わらずアミューズと言うよりは立派に前菜の一皿。
アボカドをサーモンで包んだものを中心に瑞々しい野菜の付け合せ。
このアミューズですら充実の野菜達だがそれは最後にメインで暴走する。
言わずもがなではあるのだが主たるアボカドとサーモンの取り合わせも主役の座を譲らぬ美味しさ。

【北海道阿寒湖産エクルビスのビスク野付産天然帆立のソテー添え】
リゾットの上に帆立のソテー、泡で隠れたスープの中にエクルビスの身が潜んでいる。
濃厚で甲殻類らしさ一杯のスープが旨い、
甲殻類が苦手だときついかなと思える程に個性がはっきりとしているが
それでいてエグイという事も無い、当然ながらザリガニ臭などというものは皆無。
エクルビスの身自体はとても小さくそれがゴロゴロ入っているのだから
身を取り出す手間はかなりかかっている。
リゾットは芯をあまり残していないが代わりに枝豆のコリコリとした食感が心地よい。
表面の香ばしい帆立も旨い。

【魚料理】
真鯛とアサリとホワイトアスパラ。どれが主役とも言いかねる一皿。
味わい的にはアサリの出汁がかなり濃くしっかりと出ているので
そのスープで鯛とホワイトアスパラを頂くようなイメージ。
しっかりと塩気の利いたスープを淡白な鯛が吸って美味いが
より印象に残ったのがホワイトアスパラ。
5月くらいに立て続けにホワイトアスパラばかり食べた事があったのだが
そのどの店で食べたホワイトアスパラより際立って美味かった。
恐らくアサリの出汁の塩味というシンプルな味付けが
ホワイトアスパラの瑞々しさを引き立てているのだろう。

そして、肉料理。あわせてグラス赤ワイン(\700)を注文する。
今まで注文した品の関係でかなりおとなしい皿が続いたが今までの分も含めてか?
【仏産ホロホロ鶏胸肉のポッシェ】
付け合せの野菜が皿の2/3を占めるほど、これが目当てでもあったので正直嬉しい。
勿論主役のホロホロ鳥の存在感はしっかりある。
しっとりとした身、包んだフォアグラのとろりとした食感、濃厚なソースと相まって
肉料理を食べていると感じさせてくれる一皿。
それに把握しきれない数と量の付け合せの野菜がつく。

「肉と野菜とソースとパンと赤ワイン」

人より食べるのが早いと思っている自分でもかなり時間をかけていただいた。
「食べている」という実感があふれ出す。求めていた一皿、他では味わえない。

デザート、コーヒー、小菓子(ソルベとサブレ)を美味しく頂く。
申し訳ないがこのあたり記憶が薄い、どれも美味しかったのだが。

貸切状態なもので食事中はマダムと食後はシェフも交えて
料理の話、ワインの話、レストランの話などでとても充実した時間を過ごしたため
細かいところをレビューにかけるほど確かに覚えていない。

話は本当に充実したものだった。
とりあえず結論としては私のオススメした店にお二人で行っていただき。
刺激を受けて帰ってきて尖がった料理をつくってもらいそれを私が食べに行く。

そんな約束はしていないのだが、そうなる事を期待したい。

いくらか蒸し暑さの和らいだ外、お二人に見送られて駅へ向かう。
帰り道、ほろ酔い加減も心地よい。


前回レビュー
http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/18387/

  • 約一年ぶり
  • アミューズ
  • 北海道阿寒湖産エクルビスのビスク野付産天然帆立のソテー添え

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7位

ボンヌマン (海老名 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.3
    • | 雰囲気 4.7
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.3
    • | 雰囲気 4.7
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 ¥10,000~¥14,999

2009/05訪問 2009/05/23

②4名を巻き添えに美味い料理と美味いワインを楽しんだ!! 《No.0138》

1年半振りの訪問。

再訪を願いながらその理由付けができずにいたのだが
良い事を思いついた・・・

神奈川県県央プチオフ会。
それを名目にこちらへ再訪。

約一ヶ月前に思い立ち、声をかけ、そしてその日を迎える。

海老名駅での集合、時間通りに今回の巻き添えになった4名の方が無事集まる。
2台のタクシーでランチの場所へ向かう。
タクシー会社には伝えておいたのだがすんなりとは行かなかった。
ランチの場所は国分寺台の住宅街の中、知らないと中々たどり着けない。
タクシーのカーナビを私がセットして無事到着。

住宅街の一軒家、緑と花に囲まれた先に玄関がある。

初めに私が扉を開ける、中には一組の先客がいて
マダムが既に接客についている、玄関で靴を脱ぎスリッパに履き替えてダイニングへ入る。
道連れの4名を迎えて席に着く。

テーブルには、正面に丸い皿、その上にたたまれたナプキン、左右に4組のカトラリー
そしてこの日のメニューが右に置かれる。

ほぼ初対面の5人、それでも話初めてとは思われない程に話は弾む。

瓶を抱えてスッと登場したのがシェフ。
瓶の中には黒い塊、シェフはすぐに説明を始める。
この日の前菜に使われるサマートリュフ。
香りはまだ物足りないが豊作で大ぶりだそうだ。
初めて見る塊のトリュフにみんなでシャッターを切るのがレビュアーの性か?
シェフは「ブログにでも乗せてください」と今度は緑の束を持ってくる。
今度は「野生のアスパラガス」だそうだ、メニューの中に名前を見つけていたのだが
こんなモノとは思いもよらなかった、いきなり始まった季節の食材の説明に一気に心奪われる。

この後、簡単な肉料理の説明がありそれぞれ肉料理を選ぶ。
注文は予約時に伝えてある、5000円のコース。
コースは前菜2皿に魚料理、肉料理そしてデセールのコース、肉料理だけ3種類から選ぶ。

料理を選んでから今度はワインを選ぶ。
リストを見せてもらう、カタカナで書かれたワインの名前は読みづらいが
このリスト実に見事、地方の一軒家レストランでよくもこれだけ集めたと関心と言うより驚嘆する品揃え
建物の中にはいたるところにワインセラーがありこのほかにも倉庫に500本のストックがあるそうだ。
こうなると都内の星付きレストランでも驚きの品揃え、
フランスワインが充実しているがフランスばかりでもないようだ。

こちらでワインを注文する時は予算と好みを伝えるといい。
そうするとソムリエでもあるシェフがオススメのワインを数本並べて説明してくれる。
店の至る箇所にストックされているのでリストから注文すると探すのが大変なようだ。

ワインの注文は独断で《2001Meursault Francois Mikulski(\14500)》
ムルソーの村名ワインながら満足の白ワイン。
強過ぎないほど良い樽の香りにミネラル感、のびのある余韻。

一皿目【鵞鳥のフォアグラ詰め鴨胸肉の燻製と鴨のフォアグラのポワレ サマートリュフ添え】
滑らかで濃厚な鵞鳥のフォアグラを詰めた鴨を薄くスライスしている。
鴨肉の風味とフォアグラの風味が溶け合う。
一方でサマートリュフで包まれたのがフォアグラのポワレ。
シェフの仰るとおりサマートリュフはまだ香りに乏しいもののまぶされるほどかけられると実に華やか
正直5000円で料理4皿のコースの一皿目でこんな料理が出てくるとは思わなかった。
★4.0

同時に温められたパンが出る、一種類だがそれだけでも香ばしくて美味しく飽きの来ないパン。
更にソースを付けていただくによく合うパンで一種類だけならこれしかないと思えるパン。

二皿目【鮑と帆立貝のグリエ、ナッツ風味】
前回も似た料理を頂いたと思う、鮑も帆立も少し火が入りすぎかなとは感じるが
表面が香ばしくてそれもあまり気にならない、何より数種類のナッツの風味が料理とよく合っている。
地味ながらこれもまたこの店のスペシャリテと言えるかもしれない。
★4.0

三皿目【真鯛のポワレ、野生のアスパラガス添え】
ここで登場!野生アスパラ!!
真鯛のポワレ自体は小さめでカリッと火が通っている。
バターのソースとはよく合うしソース自体もバター主体だが決して重くはない
オーソドックスながら質は高い。
だが、やはり主役は野生のアスパラ。
食感は意外にも噛むとぬるっとしている、不思議で始めての野菜だが実に美味い。
追加料金でもいいからもっと沢山食べたかった。
数週間だけしか出していない食材だそうで偶然だがラッキーだった。
この食材に出会えただけでも来た甲斐があったと思える一皿
★4.5

ここで赤ワインを選ぶ、再びご主人の登場。
ボルドーの1万円台、ここで出てきたのが《2004 Pavillon rouge du Chateau Margaux》
シャトーマルゴーのセカンドワイン、お値段14,500円は驚き価格。
甘い香り、程よいタンニン滑らかな喉越し、そして長居余韻。
爆発的な香りこそ無いものの食事とあわせて頂くには丁度良い一本。

肉料理【鴨胸肉のロースト】
酸味の程よく利いたソースに皮がカリッとローストされた鴨。
誰も選ばなかったので選んだ一皿、とりわけと言うほどの皿ではないが上々
★3.5
一口だけ頂いた【イベリコ豚肩ロース肉のソテー】は甘い脂身が美味かった。
しかしこの店のスペシャリテは【和牛頬肉の煮込み】
ナイフがいらないほどに柔らかく煮込まれた頬肉、
柔らかいがパサツク事無くしっとりとして噛むと旨味が溢れる。
濃厚だが決してしつこくないソースはパンで拭って最後まで飽きない。
肉料理に迷ったら是非これを選ぼう!
★4.5

デザート【フォンダンショコラ】
ナイフを入れると温かいチョコレートが流れ出てくる。
苺、メロン、スイカ、オレンジ。
フルーツの赤、緑、オレンジが鮮やか。
品の良いチョコレートの甘さがフルーツの酸味と程よく溶け合う。
チョコレートと酸味の組み合わせで失敗している例をよく見かけるのだが
見事に溶け合っている。シンプルながら嫌、シンプルだからこそ素晴らしいデセール。
★4.5

コーヒーを頂き、酔い覚ましに水を飲み会計を終える。
一人当たり13,000円の支払い、4名を巻き添えに美味い料理と美味いワインを思う存分楽しんだ!

タクシーを呼び、帰りも2台で帰る、すんなり帰れれば海老名駅まで1000円程度。

私の企みは期待以上の成果を収めた。

シェフの食材に対するこだわり、
クラシカルでブレの無い料理。
値段以上に楽しめるコース。

そして、以上とも思えるワインの品揃え。

また、行きたい。

巻き添え希望者、募集中!!

初回訪問2007年11月↓
http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/16312/

  • 玄関
  • テーブルの上
  • サマートリュフ

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8位

レ・コントアール・ド・ラ・トゥールダルジャン (代官山、中目黒、神泉 / チョコレート、ワインバー)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.3
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.3
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 ¥3,000~¥3,999

2009/07訪問 2009/07/25

⑭きっとまたどこかで!《No.0280》

今月の初めだったか、この店のソムリエールさんが退職される事を知ったと思ったら
中頃を過ぎ今月末でのサロンの休止を聞く。

あらためて数えてみると昨年の5月にこちらへ伺ってから
13回伺っているようだ、サロンは酔い覚ましのエビアンを飲んだ程度
サロンの最後にしっかりと楽しもうと伺った。

私事だがつまらない事で怪我をしたために歩くのが少々苦痛ではあったが家を出る。
雨上がりの重たい風、青い空。
涼やかな店の中に入る。

変わらない笑顔で迎えてくれる若い男性のスタッフとソムリエールさん。
変わるのは賑わっているところ?
ソムリエールさんから「シャンパンにしますか?ニュースにしますか?」と笑顔で質問。
サロンの休止に伴いシャンパーニュがグラスで1杯サービスされるらしい事は知っていたが
今回それは無視して上からボトルでワインを選ぼうと思っていたこともあり、“ニュース”から。

紙が一枚。
なんとなく分かっていたような気がして驚かなかった。

「閉店のお知らせ」

前もって知っていたサロンの休止で止まらず、
今月末で急遽店自体が閉店になるというお知らせ。

私の予定は変わらず2階へ上がる。
ひんやりとしたワインカーヴ、ソムリエさんとマネージャーさん。
閉店に関して「残念ですね」と少しだけ言葉を交わした後は随分と静かにワインを選ぶ。

何と無くシャンパーニュと言う考えがあり、手頃な値段でかつハーフボトルがあったので
《Ruinart Blanc de Blancs》
ソムリエさんから「ルイナールならサインの入ったものがありますよ」と教えてくれる。
フルボトルだったが“記念に”とサイン入りを選ぶ。

ワインをソムリエさんに任せて下へ降りる。

サロンの席に戻り食事の注文。
【イベリコハム、パンにのせたトマトのコンフィ、リコッタとピストゥ(\1800)】
【鴨とフォアグラのテリーヌセット(\1500)】
・イベリコ
分厚い生ハム。サラダにかかるビネガーの心地よさトマトの旨味。
シンプルながら素直に美味しくそして何より食べ応えがある。

・テリーヌ
アラカルトで注文したが、こちらは後のコーヒーと合わせてセット料金にしていただいたようだ。
テリーヌの風味を塩と胡椒が引き立てる。

どちらも上質。
レストランの前菜と言うにはシンプルすぎるがこれだけの皿を出す店はそうそう無い。
ルイナールも進む。

店は賑わっている。
サロンの最後を知り駆けつけた客が多いようだ。
ワインのテイスティングイベントで同席した方とも再会した。
皆、明るく閉店を惜しむ。
終わりを知ってゆかりの人々が集まる。

デザートを2種類注文。
【レーズン風味のデザート・ババ風味のマドレーヌ(\1500)】
【ガレット・ブルトンヌ、ジンジャー・レモンのクリーム(\1200)】
どちらもグラスに入れて出される。
マドレーヌの方がしっとりとしていてどちらかと言うと好み。
デザートまでの注文はあまりなかったらしい、ん~勿体無い。

外出していたソムリエさんも戻ってきた。
オススメしてくれたアピシウスへ行った事を伝えられた。
女性のスタッフがオススメしてくれたグランドハイアットのお店の名前も確認できた。
会えなかった方もいたが、皆さんと笑顔で言葉を交わせた。

食べログで知り、昨年の5月に初めて伺った。
その時はチョコレートを買っただけだったのだが
再訪時にプレゼント用にワインをこの店で選ぶ。

この店へ本格的にはまりだしたのは「ワインテイスティングイベント」へ参加し始めてから。
この「ワインテイスティングイベント」のおかげで私のレストランでのワイン代の比率が高くなった。

ワインの魅力を教えていただいた。
高価なワインも味わったが、お手軽なワインも楽しんだ。
こちらでワインを頂くとフレンチレストランへ行って
そのワインになかなか満足できなくなる、そんな事もあった。

1周年記念のパーティーで頂いたマロングラッセ、美味しかったなぁ~
ワインが美味しいのは勿論、意外と言っては失礼だが食べ物も美味しい。
1月に頂いた「ガレット・デ・ロワ」の美味しさは素敵な思い出も含めて忘れ難い。

何より、ここで働く皆さん。
洗練されたサーヴィスに心地よい接客。
一人二人そういうスタッフがいる店ですら多くないのに
皆さんにそう感じるのは私が店に馴染みすぎたからかもしれない
“帰ってきた”と思える数少ない場所だった。
・・・名残惜しい。


最後にワインカーヴの写真を撮影させてもらった。

階段を下り、空のワインボトルをお土産に頂く。
中身は半分置いてきた。

ワインのボトルとありがたい言葉を頂き店を出る。

蒸し暑い風、夕方も近いが鮮やかな青空。

お別れだが不思議と寂しさはあまり感じない。
大人になって“別れ”に慣れただけではない
店は無くなるが、皆さんにはまたきっとどこかで会えるだろうと思うから。

皆さん、きっとバラバラになってしまうのだろうが
皆さん、きっとそれぞれの新天地で活躍されるのだろう。
寂しさよりむしろその新たな出会いが楽しみでならない。

きっとまたどこかで!

・・・過去レビュー・・・
6月テイスティングイベント【ビオワイン】&5月のふらっと
http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/17928/
新宿伊勢丹「フランス展」
http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/15577/
3月テイスティングイベント【SAKURA~お花見ワイン~】
http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/15528/
2月テイスティングイベント【ワインとチョコのマリアージュ編】
http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/14035/
1月テイスティングイベント【ローヌ編】
http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/13350/
番外編【ティアラはプリンセスに・・・】
http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/12983/
12月【一周年記念パーティー】
http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/12939/
12月テイスティングイベント【プレステージシャンパーニュ編】
http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/12245/
11月テイスティングイベント【ボルドー編】
http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/12462/
10月テイスティングイベント【ブルゴーニュ編】
http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/12244/

  • Ruinartとお店と夏空と
  • ワインカーヴ
  • イベリコハム、パンにのせたトマトのコンフィ、リコッタとピストゥ(\1800)

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9位

ビオディナミコ (渋谷、明治神宮前、神泉 / イタリアン)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.7
    • | 雰囲気 4.7
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.7 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.7
    • | 雰囲気 4.7
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.7 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 ¥8,000~¥9,999

2010/11訪問 2010/11/16

③顔見世のランチコース《No.0716》

平日休みに渋谷へ・・・ちょっとした届け物。

パルコ前の交差点を渡り路地に入り店の前。

外階段を上がり青い扉の前、あちら側から扉は開く。
店の中へ招き入れられ、窓側の席に座る。

目の前、白いナプキンの上には飲み物のリスト。
勿論ビオワインを頂くことにする。

ランチコースは一種類で3800円。

コースの始まりは前菜の盛り合わせから。

ガラスの皿に小さな品が並ぶ。
マグロやフォアグラのテリーヌ、チーズのムース等。
パッと目立つような品はフォアグラのテリーヌくらいだが、どの品も繊細に仕上がっている。

次はスープ
レンズ豆のスープ、表面にクルトンとオリーブオイルが浮かぶ。
黄土色の見た目そのままに実に地味な味わい、しかしこの地味さに段々とはまってくる旨さ。
何か他にアクセントとなるものがあってもいいかなとも思うがこれがこの店の料理の良さでもある。


パスタは二皿。
一皿目はキターラ

前回も頂いた、
まずパスタが秀逸。食感の絶妙さと風味の豊かさ。
そのパスタにイカの旨味がよく絡む。そして添えられたディルの香りが実に効果的、ディルの量も丁度良い。


パスタ二皿目は、リボリータ
一度は味わってみたいと思ったビオディナミコを代表する料理。

煮詰められた様々な野菜をパンでつないでいる。野菜は形を失いつつあるものの味わいが大雑把になる事無く緻密に仕上がっている。
素朴な料理なのに実に上質。
大衆の味をリストランテの味に昇華させた一皿はまさにビオディナミコの料理を体現した一皿。


メインはコテキーノ
初訪問時にも頂いた一皿。こりこりっとした食感は食べていて楽しくなる程。
焼いたチーズが添えられている点が変わったところ。このチーズとバルサミコの甘いソースがシンプルなコテキーノに料理の幅を与える。

スパゲッティ・ポモドーロを好きな量で
相談の結果、100グラムお願いする。

こんもりと出てきた真っ赤なポモドーロ。
トマトの風味を直接的に正面から伝えるパスタ。
100グラムは私には丁度よい量だった。食べようと思えば倍は食べられるが・・・

ドルチェは小さく二品。
頂いた事のあるオレンジのセミフレッドが旨かったのは勿論だが、米のタルトがまた素晴らしい。
思った以上に米らしさをしっかりと感じさせる。その米の風味が素敵なドルチェ。

エスプレッソを頂き食事を終える。


三度目の訪問になる。
あらためてこの店の料理が好きだ。
実にストイックで無駄が無い料理は素朴な味わいでありながら実に緻密に仕上げられている。
そして、このストイックな姿勢がブレない点もまた素晴らしい。

ランチコースについてはポモドーロの存在がコースの流れの中で異質に感じるが他の料理からは店の個性をビシビシと感じ取れる。
それでいてどれも少量(私には)なので「もっと食べたい」と思わされてしまう。

パスタも!リボリータも!コテキーノも!ドルチェも!

ビオディナミコを本気で楽しもうと思えばやはりアラカルトでしっかりと一皿の魅力を掘り下げたい。

2010年6月・夜 細密な白
2009年9月・昼 田舎料理に潜む洗練

  • 勤労福祉会館前交差点を北へ
  • デニーズの手前を右折
  • 路地に入って二つ目を左折

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10位

インペリアルラウンジ アクア (日比谷、内幸町、銀座 / カフェ、バー)

1回

  • 夜の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.7
    • | 雰囲気 4.7
    • | CP 4.3
    • | 酒・ドリンク 4.7 ]
  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 ¥3,000~¥3,999

2011/02訪問 2011/03/02

③やっぱ夜だね!《No.0498》

本当は夜に訪れたかったのだが、ディナーの終わりが22時。
なんだかんだしている内にタイミングを逃してしまった。

遮光カーテンに勘違いして起きたのが9時頃朝食も食べそびれランチ場所にこちらを選んだ。
この日は東京マラソン開催日、17階から東京マラソンの様子でも見れたらとただそれだけの理由で選んだ

日曜日でほぼ満席の状態だが時間限定で用意していただいた席は皇居を見渡す窓際。
椅子に座ったままとは行かないまでも窓近くまで寄れば眼下を小さなランナー達が駆け抜ける。

しかし、ここはランチの場所としては正解では無かった。

ランチはビュッフェになる、このほかにアフタヌーンティーがある。
夜の落ち着いた雰囲気とは打って変わってがやがやとしたビュッフェの雰囲気の中アフタヌーンティーを選ぶ。

三段のプレート、下段がサンドイッチ等、中段がスコーン、上段がデザート類。
どれも味に不満は無いもののランチとしては不適当でやはり1Fのパークサイドダイナーにしておけば・・・と思った。
ただ、このアフタヌーンティー自体はちゃんとアフタヌーンにやってくれば十分満足できるアフタヌーンティーだと思う。

まぁそれでも眺めはいい。
春を感じさせる水分を含んだ空気のきらめきを感じながらのんびりとコーヒーばかり4杯飲んだ。
眼下の風景からランナーの姿が消え隣の席ではゼッケンを付けた年配の男性がパスタを啜っている。

バイキング目当ての客で溢れるロビーを抜けてエレベーターを降りる。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
最初に訪れたのが2年前の夜の様子

http://u.tabelog.com/00042089/diarydtl/43485/

  • 入口
  • テーブルの上に開いたメニュー
  • モエ・エ・シャンドン ロゼ(\2205)

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