2回
2023/04 訪問
焼津の鮮魚を至高の料理に昇華させる最高レストラン
焼津市に凄いレストランがあると周囲からの評判を聞いていた。皆が絶賛するのでいつか訪問したいと憧れていた「馳走 西健一」
念願叶って初訪問する事が出来ました。
日本家屋の中に入れば幻想的な空間に引き込まれます。
木の温もりを感じ、天井は神秘的なトルコブルー、目の前の壁は真っ白な世界地図を配した壁が凛とした荘厳な空間を醸し出している。
内装は海底深くに居るイメージ、天井の陰影は魚の影をイメージしているそうだ。焼津の鮮魚を「西健一」さんの魔法で最高の料理に昇華させる世界観は先鋭的で非日常感が居心地良くさせてくれる。
【本日のコース】
⚫︎鰆の切身(味見)
2時間前迄泳いでいた朝採れの鰆の切身を味見で戴く。
モチモチした身の弾力と脂溶けの良さは今まで食べてきた刺身との違いが歴然に違う。
⚫︎花鯛のフリット
活かしの花鯛を生地で揚げたフリット(ベニエ)。
自家製カラスミを振りかけて薫りと塩味を纏わせた仕上げ。淡雪塩を添えて、カラスミのほんのり塩味を調整。身にはたっぷりエキスを蓄えてふわっと仕上げられた極上な逸品。
⚫︎榊山牛の生ハム
榊山牛は広島県で飼育され ているブランド牛。まだ5年程前から始まって月に10頭程しか流通していない希少な牛。32ヶ月長期熟成肥育牛で通常の牛より1年弱は長く育てられる。脂溶けの融点が16.4度で国内トップレベル。
口に入れた時に薫る生ハムの薫りが非常に豊かで融点の低い脂はスーッと溶け出して甘味と生ハムの塩気が口内を拡がり至福の感動をもたらす。
⚫︎鯵のカルパッチョ
朝採れの新鮮な鯵。レッドオニオンのマリネソースと蕪のマリネを付け合わせで戴く。新鮮な鯵の刺身は敢えて大きな切り身にして、ナイフとフォークで好みのサイズに切り分けて身の弾力感と食べ応えを愉しむ。
⚫︎鰆のコンフィ
活かし鰆を30度のオイルでじっくりと火入れしてコンフィに仕上げる。添え合わせは芽キャベツ&トマトのオーブン焼き。荏胡麻マスタードソースにニンニクのパウダーを掛けて仕上げる。
生で味見をした鰆からコンフィにされたことで半生仕立ての身はもっちりした舌触りは保ちながら脂の甘さが更に際立たされている。
⚫︎自家製パン
焼きたて熱々のフランスパンと海藻を練り込んだフランス産バター。外カリカリの仕上がりがとても美味しい。
備長炭で敢えて燻しながら焼き上げたクロムツ。クロムツの燻された芳ばしい薫りに、身のぷりぷり感、そして、キャベツのシャキシャキ食感とが食べているうちに色々な出来事が口の中で通り過ぎる愉しさ。
春キャベツを添えてシェリービネガーソースの酸味と春キャベツの甘みがクロムツの脂の乗った身をさっぱりさせてくれる。
⚫︎生しらすのパイ包み焼き
「馳走西健一」のスペシャリティはパイ包み。朝採れ生のしらすと玉ねぎのソテーを饅頭のように塊にして大葉で包んでパイ包みに仕上げる調理工程は、見ているだけで楽しい料理。
ブールブランに鰯の魚醤をアクセントで垂らしたクリームソースで濃厚なクリームソースとほっこり蒸し焼き状態になったしらすとパイ生地が絡んでとても美味しい逸品。
⚫︎榊山牛のサーロイン
赤身が綺麗なサーロインステーキは、脂の重さを感じる事なく肉質の柔らかさも素晴らしい。ソースも上品な仕上げでサラッとしたソースなのが榊山牛のステーキに非常にマッチしていた。
⚫︎桜海老のリゾット
もち麦と玄米のリゾットに新鮮な桜海老を素揚げにして振りかけられた一品。桜海老の芳ばしい薫りが春らしい磯の息吹を連れてくる一皿。カリカリ食感の桜海老と玄米を噛み締めながら味が増幅するリゾット。
❶デザート
パッションフルーツ、せとか、あま夏、
❷デザート
ピスタチオのジェラート
広島で「馳走2924」として営業されていた頃から、焼津市のサスエ前田魚店の魚に惚れ込んで焼津へ移転しての営業との由来を聞き、魚の質の良さとその料理を更に昇華させる技とセンスの良さに感動。
予約困難な理由が十二分に解る素晴らしいレストラン。
また来たいと食べている時からジワジワ感じる心地良さ。
ご馳走様でした‼︎‼︎
それではまた次回まで「ご機嫌好う♪」
2023/05/22 更新
静岡県焼津市の超有名鮮魚店「サスエ前田魚店 西小川店」のすぐ近くに、イノベーティブ・フレンチレストラン「馳走 西健一」があります。
広島出身の西シェフは、サスエさんの魚に惚れ込み、もともと広島でサスエさんの魚を使用していましたが、より鮮度の高い魚を求めて焼津への移転。
店内はカウンター8席と中庭のある贅沢な空間で、ブルーの天井に白い壁、カウンター正面には印象的な世界地図が掲げられて、独自が提唱する「駿河キュイジーヌ」を焼津から世界へ発信したいとの熱い情熱を持ちながら、日々美味しい料理を提供されている。
2023年春に初訪問して、魚の鮮度がズバ抜けてどの料理も感動させられる強烈なインパクトに次回訪問を予約、永らく待ち侘びての再訪となる。
今回も「馳走 西健一」が手掛ける素晴らしい「駿河キュイジーヌ」を堪能して行きたいと思います。
【本日の御料理】
●玉取茸と魚介コンソメ
藤枝市岡部町の北部(玉取地区)の山中で栽培された椎茸は肉厚でボリューム感ある椎茸。椎茸の芳醇な薫りと魚介のコンソメが優しくカラダに染み入る温かみに包まれた一品。
●えぼ鯛
薄めの衣でサクッとした仕上がりにしたえぼ鯛のフリット。淡白な白身のえぼ鯛はフリットにされて蒸された状態で身がほわっと柔らかく身離れが良い食感。淡白な魚にカラスミを纏わせることでギュッとしまった濃厚さを纏わせて、食べた時の薫りの良さに風味も加わり軽い食べ応えを感じる。
●鯵、金時草
朝11時迄に水揚げされる泳がせの鯵は身の反発力と噛み締めた時に溢れ出す旨みの強さが素晴らしい。レッドオニオンを酸味の強いビネガードレッシングでさっと酢〆感覚に戴くスペシャリティ的存在の一皿。
●メジマグロ
柵の状態で「この魚何かわかりますか?」と聞かれて鰹だと思ってしまった活け〆のメジマグロ。海底の深い場所で獲れるイメージのまぐろを活〆で戴く事が出来るのは漁場からの近さと仕入れルートの凄さの証し。極みの食材が物語る西健一の世界観!メジマグロはモチッとした舌触りで歯切れの良い身の弾力。
●鯖
大振りの鯖は1kg超えの王様サイズ。炭火ブースで焔を上げながら皮面をさっと芳ばしく炙り、炭火の薫りを軽くスモーク状に纏わせながら、中はもっちりとレアな仕上がりは絶妙の技を感じる。焼き茄子が豊かな風味で鯖の旨みに変化をもたらす。
●白甘鯛のビスク風ソース
しろあま鯛は鱗焼きに仕上げてサクサク感が楽しめる。強めの塩味で下味をつけられてビスク風ソースがフレンチらしさを醸し出すクリーミーな口当たり。
●太刀魚のパイ包み
西健一スペシャリテはなんと言ってもパイ包み。春はしらすのパイ包みだったが今回のメイン食材は太刀魚。パサつき感が出やすい太刀魚も炒めた玉ねぎと大葉で包んで蒸し焼き状態に仕立てる。クリーミーのソースがパイ生地との相性抜群で、太刀魚の美味しさも際立たせる。
●沼本カットのお肉料理
山口県東部・岩国市周東町の自然豊かな山間部の牧場で育てられた黒毛和種を沼本氏が創り出した独自技術で筋繊維を傷つけることなく、筋膜だけを取り除くカットにより長時間経っても肉のドリップが出ず、旨味も増し、変色も少なくなる肉を、和牛が育つ時に食べていた飼育用グラスを炭火台で燻しながら焼き上げたステーキ。ステーキらしくマッシュポテトとソースをふんだんに塗りつけて戴くき、塩漬け胡椒もアクセントで戴けば感動の美味しさ。
●伊勢海老のリゾット
伊勢海老(焼津産)をソテー、海老味噌は裏漉してソースにし、もち麦と玄米をリゾットに仕上げた逸品。
伊勢海老の風味が怒濤のように口の中で暴れ出す力強いリゾット。
●無花果のコンポート
無花果を赤ワインでコンポート状に仕上げ、上からミルクシャーベットを掛けたデザート。酸味とクリーミーさが融合しながらさっぱりとした味。
●栗のアイス
栗のまったりした味が非常に美味しい秋を感じる栗のアイス。
素材に拘り、それぞれの特徴を究極に引き出すために考えられた料理方法や調理の仕方は唸るほど美味しかった。魚は冬になれば脂を蓄えて旬を迎えるものが多くなるため、冬の「馳走 西健一」の方が印象に残る料理が多かった気がする。
ご馳走様でした‼︎‼︎
それではまた次回まで「ご機嫌好う♪」