13回
2023/02 訪問
後世に残したい全国級無化調ラーメン⑤王道の中でも絶えず進化を繰り返す名店
<はじめに>
様々な雑誌やランキングで日本一を獲得する機会が多いこちら北陸の雄、神楽さん。
15年以上通い続けており、かつてラーメン屋を経営していた頃も、最も憧れ、手本にしていたお店であります。
過去のレビューで書きたいことはほぼ書き尽くしてしまったので、あまり語るところは無いかもしれませんが、無化調にして、どれだけの自然な旨味を表現できるかを、人生をかけて挑戦し続けておられる店主宮本さんのラーメン人生にエールを贈りたい。
試行錯誤を繰り返される中で、自分の理想形の麺にたどり着かず、一時手打ちうどん屋になり、手打ちの醍醐味を習得し、ラーメンの麺も手打ち麺で提供されていた時代も。今は体力的な限界から、手打ち麺からは離れられている。ただ、麺に対するこだわりは強く、スープと共に、不出来と感じられる日はお店を休まれるほどであります。
<燻製鴨チャーシュー>(期間・数量限定)
神楽さんのラーメンはどれも完成度が高いですが、特に年間を通してお勧めなのが鴨でしょうか。
「紀州備長炭で焼いた国産カタロースと鴨を燻製にした鴨チャーシュー盛りでスープは鴨肉と丸鳥で合わせる醤油は天然醸造三年物2種ブレンド」と、どこからどう考えても旨味成分MAX超?と思うようなこだわりですが、ただ、しらじらしい旨味成分のオンパレードという訳ではなく、それぞれ出過ぎず、それぞれの味のバランスが素晴らしい!
以前のレビューでも書きましたが、基本料理は数学の得意な方が上手なように思います。
単に仕入れを上手にして、利益を出すということだけでなく、その日の温度、湿度、その他の条件をパラメータ化して頭の中で計算して、微調整に微調整を加え、何とも統一感のある一杯が誕生する訳であります。
全国に神楽クラスのお店が何店舗か存在しますが、私の知る限り、ラーメンだけでなく、超が付くほど料理上手な店主がほとんどですね。
<総括>
全国のラーメン店の中で、神楽の名前を知らない人はモグリとも言えるほど今は有名なお店ですが、個人的には10年前の手打ち時代のシンプルなスープがより好みだったようにも感じますが、今は今で、無化調でどこまでの旨味を表現できるのか、日々追求し続ける姿勢は、さすがだと感心致します。
長年の中華料理の哲人として、うどん屋までして麺を追求した向上心、日本一のラーメンを目指して、これからもどうぞ頑張って頂きたいものです。無化調で魂をこめて料理を作る店主は、魂をこめすぎて、早期リタイアされるケースが多く、どうぞお身体だけには気を付けて頂いたいものです。
2023/03/04 更新
2021/09 訪問
これはいくら何でもチート級です!美味しくない訳がない!燻製鴨ラーメン
<はじめに>
北海道にいる時から、足しげく通ったこちら神楽さん。最近は限定メニューが多く、可能な限り網羅しようと、往復130キロの道のりを参りますが、その中でもこちらの「鴨」系は本当におすすめです。
鴨の使い方がお上手というか、鴨の旨味を最大限引き出されるというか、とにかくチート級と言えるくらい美味しいのです。
今回はそんな鴨に加えて、松茸までトッピングできるという。
<燻製鴨ラーメン>(1650円)+松茸トッピング(700円増し)
鴨出しブレンドスープ
フランス産鴨チャーシュー5枚入り
トリフオイル入り
もう、この見出しで全てを物語っている感じですが、とにかくこの内容で美味しくない訳がありません。
特に今回の鴨は、昨年までの鴨よりも、グレードが違うというか、調理法もあるんだろうが、本当に美味しい。
一流フレンチで鴨肉のローストを頂くよりも美味しく感じます。この食感、最高です。
そして、トリフオイルを何とも上手に使っておられるというか、トリフの芳醇な香りが、スープ全体に更なる旨味を増し加え、絶妙にバランスを保っている感じなんです。
たまに、トリフ入りのラーメンを頂くことがあるんですが、トリフの香りがスープに負けてしまっているというか、あまりトリフ感を感じ得ない場合が多いのですが、鴨とトリフのコンビネーションが素晴らしい。
そして、今回は更に贅沢にも松茸トッピングを試みたのだが、鴨の奥深い旨味に、トリフの芳醇な香り、それに松茸の上品な後味が加わり、もう旨味の大オーケストラ!と叫びたくなるくらい、上手に多重的な旨味を演出されています。
定番のラーメン3杯分くらいのお値段にはなりますが、もはやラーメンという相場で考えるのではなく、フレンチやイタリアン的な価格設定で考えれば、かなり安い方だと思います。
今回の燻製鴨ラーメン、9月中旬くらいまではあるようですが、鴨好きな方は、是非お早目に行かれてください。
いやはや、これは再度鴨肉増しができるのであれば、鴨増しで頂きたいものです。
お見事な一杯でありました。
2021/09/05 更新
2021/05 訪問
圧巻の真鯛塩ラーメン!!(超期間限定)
<はじめに>
某ラーメンSNSサイトを観ていて、店主の宮本さんが釣ってこられた真鯛をベースにしたラーメンが期間限定で食べられると知る。期間は今日まで。これは行くしかない。たまたま金沢に行く用事もあり店主さんに確認したところ、まだ在庫はあるという。
さて、釣り好きな店主さん自らが釣り上げた真鯛のスープに真鯛の切り身を添えた一品いかなるものか。
<真鯛塩ラーメン>
さて、丁寧な仕上げを経てラーメンが出て参ります。
今回は、切り身の方は、真鯛の美味しさをそのまま頂戴するということで、別皿でセパレート。
まずはスープから。
なるほど、通常の塩スープよりも、コクがあり、少し味にアクセントがある感じです。
鯛の旨味が出ていますが、あくまでも美味しく頂けるように、かなり工夫がされている感じであります。バランスの取れた、喉越しの良いスープですね。
食後、旨味成分が持続するような、後味も素晴らしかったです。
別皿の真鯛の切り身の方も、生ではなく、時間をかけて処理されており、大変食べやすかったです。プラス料金で切り身の方を大盛にしても良かったと少し後悔します。
たまに出てくる、期間限定の超レアなラーメン。
鯛出汁ラーメンは数々頂いて参りましたが、大抵は小鯛を焼いたものを出汁に使っているところが多い中、立派な鯛を丸々使われており、何とも贅沢な一杯でありました。通常仕入れだったら、あとプラス500円くらいはするだろうか。。。。
また、次なる限定を楽しみにしております。
2021/05/13 更新
2021/04 訪問
唯一無二のハマグリラーメン
<はじめに>
季節のメニューで、そろそろ終わる頃と思い、急いで書かせて頂きました。
様々なラーメン分野でのコンテスト等で日本一に輝いているお店だけに、あまりこれ以上語ることはないのですが、季節限定のハマグリラーメンを是非ご紹介したいと思います。
<ハマグリラーメン 塩 温麺>
通常は、醤油の方がメインで、塩が出せないことも多いようですが、この日は事前に連絡をして、2種頂く気満々でお伺いします。最初に頂いたのは、塩の温かい方であります。
ハマグリラーメンと言えば、私の中では、桑名のらぁめん登里勝さんがマイベストであり、地域的な有利性もありますが、神楽がプロデュースするハマグリラーメン、かなり気になるところでありました。
さて、最初に頂いた塩ですが、これは、かなりハマグリの旨味成分が感じられる一杯であります。あえて、味のトーンは抑えられており、塩気が欲しい方には、少し大人しいテイストでありますが、ハマグリの旨味を極限まで味わいたいのであれば、やはりこのくらいの味のトーンがベストバランスですね。
ハマグリも大きいものが3つも入っており、これで1480円という価格設定は、かなりCP高めかと思います。
<ハマグリラーメン 醤油 冷>
さて、続けて、ハマグリラーメンの醤油の方を冷たいので頂くことに。
なるほど~。同じハマグリラーメンでも、塩と醤油では、かなり別格となりますね。
正直、大衆受けするのは、味のインパクトがあり、全体的な旨味成分が効いている醤油の方でしょうか。
個人的には、醤油の方も美味しいのですが、やはり煮干しの旨味成分にハマグリが負けてしまっているところがあり、塩ほどには、ハマグリのテイストを感じることができませんでした。
まあ、かなり好みの問題だと思われるのですが、ハマグリのテイストはそれほどに繊細で、表現が難しいのだと思います。
まあ、年季の入った食べロガーさんでなければ、醤油の方をお勧めしますが、ハマグリのテイストをしっかり味わいたいのであれば、塩の方をお勧めします。
更に、まだ食べていませんが、塩の冷たいのがあれば、それが一番ハマグリを感じやすいのではと思ったりします。
もう季節的にギリギリのタイミングですが、是非次回、塩の冷たいのを頂いてみたいものです。
2021/05/04 更新
2020/11 訪問
蟹塩ラーメン&丸鶏ラーメンの巻
<はじめに>
神楽さんに通いはじめてもう12年以上の歳月が流れるでしょうか。。。私がはるか昔にラーメン店をやっていた時代には、こちらの自家製ラー油を仕入れさせて頂いていたり、本当に個人的に大先生と言えるほどに、こちらの神楽さんは敬愛し、尊敬しております。
全国、麺類のお店を色々と食べ歩いた感想でいうと、理系の人って、美味しいスープや麺を作るのが得意な方が多いように思います。数学的思考ができる方って、温度、湿度を含め、素材の個体差に至るまで、微調整がとても上手で、様々なパラメーターを瞬時で頭の中で計算して、料理の設計図ができてしまわれる方が多いように思います。
北海道の風遊斎やそば切り なかむらなど、理系というか元建築士であられた訳なんですが、やはり、頭の中で料理の図面を描ける方って、美味しい料理を作られるとつくづく思います。
こちらの神楽の店主さんも、数学が大の得意な理系人間の方であります。
そう理系の方は、料理が上手なだけでなく、価格設定においても、大変上手にやりくりされるお店が多いように思います。
いかに良い食材を安くで仕入れ、素材の良さを200%以上引き出すかという点において、大変長けておられるように感じます。
今回頂いたのは、いずれも限定メニューの蟹塩ラーメンと丸鶏ラーメンであります。1人で2杯頂いて、かなりお腹が苦しかったですが、胸やけは全くありませんでした。それでは、以下レビュー致します。
<蟹塩ラーメン>
最初に頂いたのは、こちら蟹塩ラーメンであります。
若い店員さん達が一生懸命蟹足の身を取り出しておられる姿が印象的であります。予め剥くこともできるのでしょうが、頂く直前にむいて下さるのは有り難いですね。
色々と試された結果、蟹の殻やみそは入れない方が良いという結論になられ、シンプルに塩スープと贅沢な蟹の身が並びます。もう、神楽の塩は、10年以上神楽のスープを頂いてきて、最も味が革命的に進化したように思います。
10年前はどちらかというと、少し玄人というか、ラオタの中でも、淡麗好きな強烈なマニアックな中華そばを頂けるお店という印象が強かったのですが、「味が薄い」とか「ものたりない」とかいう、悲しい印象を持つ方も一定の割合でおられたように思います。
そこで、店主さん、無化調の限界というか、無化調でどこまで旨味成分を引き出せるかということを、持ち前の数学的思考で日々改善に改善を重ね、今のスープに至ったと言われる。
このスープは、確かに好みを超えて、美味しく感じますね。。。。もう、こだわりが凝縮された塩スープに身の引き締まった蟹が何ともマッチして、極上の幸せを頂戴しました。
<丸鶏ラーメン>
そして、二杯目はこちらの丸鶏ラーメン。
ここで、私は大きなミスをおかしてしまいます。
はい、食べる順番を間違えてしまいました。
塩ラーメン、決してスープが濃いわけではないのですが、旨味成分が前面に出ているため、何ともデリケートで優しい丸鶏のスープを後にすると、最初舌が塩ラーメンモードになってしまっており、適格に味を感じるのに、少し時間がかかりました。
既にお腹は一杯なので、いくらでもグビグビ飲めてしまうこのスープ、おそるべしです。
丸鶏って、意外に難しく、スープが甘くなり過ぎたり、少しくどくなってしまったりと、もったいないな~と思うお店も多くあるのですが、こちらのスープ、方程式が完璧なのか、もう寸分狂わぬ絶妙な味のバランスですね。
現在の塩ラーメンのスープが好きな方からすると、少し大人しく感じられるかもしれませんが、この奥行きのある、のど奥を優しく撫でていくような味わいは、もう淡麗好きにはたまらない一杯と言えます。
さすがに、麺と具材を完食して、かなりお腹が苦しくなりましたが、そこで店主さん、この丸鶏スープにご飯いれたら美味しくなるんだよね~と一言。そして、ご飯が投入されます。
まじですか、もう50を過ぎた胃袋にはきついな~と思いつつ食べてみると、これがまた美味しい。
結局、ご飯も平らげ、スープも飲み干してしまいました。
最近、ここまでの量を食べると、お腹をこわすことが多いのですが、不思議と、お腹の調子は翌日にかけても、全く問題なかったですね。無化調というだけでなく、食材にもこだわり、本当に体にやさしく、美味しいラーメンって、あるんだな~としみじみ感じ入りました。
次の限定がまた楽しみです。京都から車を飛ばし、営業時間ギリギリに滑り込めて良かったです!!
2020/11/05 更新
2020/09 訪問
極みに極めた松茸塩ラーメン
<はじめに>
Twitterなどで松茸塩ラーメンの噂を耳にして、お伺いしたいという気持ちが高まるも、なかなか最近金沢に行く機会が減り、指をくわえて機会をうかがっておりました。
お伺いした日は、仕事の締め切りで徹夜明け。金沢中央郵便局から郵送してギリギリ間に合うかどうかというところ。
白川郷より車を飛ばし、何とか営業時間内にお店に到着するも、既に暖簾が下がっております。
これは、ダメもとでお店に入って嘆願すると、何とか1杯分頂けることに。
歓喜であります。この日忙しくて、朝も抜いていたことから、期待が高まります。
<松茸塩ラーメン>※チャーシュー2枚追加トッピング
一応限定メニューは一通り頂きたいもので、未食であった松茸塩ラーメンを迷わずオーダーであります。
程なく、松茸塩ラーメン登場であります。
おおお~、松茸のルックスもいいですが、今回はチャーシューがまた特に美味しそうですね。
まず、スープから。。。
う~ん、これは、かなり美味しいですね。無化調でここまで旨味成分出せるんだな~と感心する程です。
私は、もともとは醤油派で、神楽さんも醤油フアンだったものの、コロナ渦に入って、塩が劇的にグレードアップしている感じです。
何でも、コロナ渦でお休みしている間にスープに改良を重ね、より広い層に受けるテイストに改良されたという。
確かに10年前の塩は、かなり薄味で、玄人好みする味でした。濃い味に慣れている人からすれば、「味が足りない」など結構勝手なことを書かれておられましたが、さすがに今のテイストですと、玄人レベルから、若者層まで、かなり広い層に受ける味でしょうね。
そして、チャーシュー。。。これも、コロナ渦を境に、旨味成分が倍増したように思います。
正直、チャーシューの旨味成分が出過ぎていて、松茸の味がかすむようなところもあり、トッピングで付けない方が良かったかもしれません。それほどまでに、このチャーシュー激うまです。おそらく、全国チャーシュー対決しても、トップをいく美味しさかと。
<総括>
もう、スープとチャーシューのレベルが上がり過ぎていて、松茸云々のレビューがあまりできなかったのですが、松茸もCP的にはかなり高いかと思います。中国の大洪水で、あまりいい松茸が日本に入ってこなくなったこともありますが、その中では、いいものを厳選して出されており、平均的なラーメン10杯分の価値はあるかと。
神楽さんの塩は、どこまで上り詰めるのだろうか。もはや、これに追随するのは不可能と思えるレベルまで来ておられますが、まだまだ上を目指されるんでしょうね~。次の限定メニューがまた楽しみです!!
2020/09/13 更新
2020/08 訪問
東海・北陸エリアの冷やしラーメン④ その2
2020年8月8日訪問
京都で仕事を終えて、白川郷に戻る際に金沢に立ち寄り、念願でした神楽さんの期間限定メニュー「燻製鴨冷やし」を頂くことに。人気メニューにつき、早目に売り切れてしまうこともあり、事前にお電話をして確認。何とか、19:00までに入店できれば確保できるということで、急いで車を走らせます。
ところが、北陸道がまさかの火災による通行止め。武生IC~鯖江IC間が通行止めになり、高速で1時間以上、下道も渋滞して合計して2時間以上の遅れ。鴨冷やし諦めようと思いましたが、何とか後半急いで19:00ぎりぎりに入店できました。
この日は、四女も一緒だったこともあり、鴨冷やしを2つオーダーするも、店主さんが、小さい子供には、鴨よりも裏メニューの塩冷やしの方がいいのでは?ということで、塩冷やしを頂くことに。
ちなみに、塩ラーメンの冷やしはメニューになく、通常は出さないメニューのようなのですが、特別に作って頂くことに。こちらもかなり期待できます。
<燻製鴨冷やし>1400円+トッピング(煮卵、焼豚)
さて、1シーズンだけで、3回ほど冷やしのメニューが変わる感じですが、おそらくその目玉であるこちらの鴨冷やし。常連さんの多くが既に訪問されており、何度か訪問を試みるも、売り切れに何度もあってしまい、ようやくありつける感じです。
ほどなく、鴨冷やしの登場です。
おおおお~。思ったよりもボリューム感があります。
トッピングで焼豚や煮卵も入れて頂いたこともありますが、大盛的な感じですね。
●鴨チャーシュー
鴨好きで、フレンチから和蕎麦の鴨せいろを含め、数ある鴨を試して参りましたが、ラーメン屋さんでこのレベルの鴨を出してくるか~と思わず嬉しいため息が出てまいります。鴨の旨味や若干の獣臭もあえて残しておられる感じで、鴨通の方にはたまらない肉質・食感なんではないでしょうか。もともと、長年燻製技術を研究されてこられているだけあって、その完成度は今まで頂いた鴨肉の中でも一番美味しかったでしょうか。。。。素晴らしい
●スープ
その鴨出汁がこれでもか!!とブレンドされたスープが、これまたかなり高級なたまり醤油で仕上げてあります。フランス産の鴨肉の中でもかなりいいものが入っていることもありますが、濃厚で喉越しの良い独特な旨味成分が、グイグイと喉の奥まで届きます。
これで無化調というのだから、恐れ入ります。
神楽さんのスープは、10年前に比べると、より若い世代の方にも受け入れられるように、少し濃い目に進化してきておりますが、正直、無化調でここまでの旨味成分が出せるお店は、全国でもかなり少ないのではないかと思います。
●麺
そして、このスープに抜群の相性の麺であります。若干細麺でエッジの効いた麺は、加水率はそれほど多くないものの、何ともしっかりとした噛み応えで、コシがあって、かつスープともよく絡みます。いやはや、もうコンビネーションというか、トータルな完成度でいうと、全国の冷やしラーメンの中でも、かなり突出しているかと思われます。
<冷やし塩ラーメン(裏メニュー)>
そして、今回幸運にも頂けた塩ラーメンの冷やし版。
実は、結構作るのに手間暇がかかり、かつスープにコストもかかることから、通常は出しておられないという。一応、10年以上通っていることから、ご無理をして頂いたのだと思いますが、この塩冷やし、かなり美味しいです。シンプルながら、旨味成分が濃縮されたスープにコシのある麺のバランス。鴨も最高に美味しかったが、この塩のインパクトが意外に大きく、何とか通常メニューで今後も頂きたいものです。
ある意味、ラーメン通の方は、こちらの塩冷やし、かなり受けるのではないでしょうか。
<総括>
冷やしラーメンシリーズの記事で、唯一2回訪問した神楽さんでありました。
最近忙しく、なかなかメニューのアップデートに間に合わず、今回は久方ぶりで急いで記事を書きました。書いた頃にメニューが終わっていては残念ですので(笑)。
まあ、美味しい冷やしラーメンが出せるお店って、冷やしだけでなく温かいラーメンも間違いなく美味しいと思う今日この頃ですが、全国トップクラスの冷やしラーメンが頂けることは間違いないと思います。美味しいだけでなく、無化調。さらに鴨肉は、一流のフレンチやビストロでもなかなかいただけないレベルの上質で完成度の高い仕上がり。
もう、評価点5の中に納まらないハイレベルなものかと思われます。
本当に美味しかったです。ご馳走様でした!
2020/08/11 更新
2020/06 訪問
東海・北陸エリアの冷やしラーメン④
2020年6月11日訪問
訪問日より1ヵ月半以上が過ぎ去り、冷やしラーメンのメニューも既に変わってしまったようです。
現在は、燻製鴨冷やしになっているようですが、こちらも限定のようで、結構メニューが刷新されます。最新の情報はツイッター等で検索できますので、ご確認下さい。
<冷やしラーメン1050円>(2020年6月11日現在)
※7月29日現在では、こちらのメニューの提供はされておられません。
ということで、既に期間限定につき、提供が終わってしまったレビューで申し訳ないですが、とても美味しかったので書かせて頂きます。
こちらの冷やしラーメン、やはりというか、やはり全国トップクラスに美味しいです。
もう、スキがないというか、ここまでよくこだわれるというか、王道を極めた一杯であります。
メニューには、以下のようにありました。
●釜焼きチャーシュー
●人参のムース入り
●味は塩スープとうるめ出しのブレンドです。
もう、塩スープが絶好調の神楽さんですが、それにうるめのまろやかさや甘味が加わり、何とも奥深いテイストに仕上がっておりました。上品にして、旨味成分もたっぷりといった感じで、年齢、性別を問わず、幅広く受け入れられる完成度でありました。
重ねて、今年の提供は今のところ終わってしまいましたが、また来年お目にかかれることを願っております。
<中華塩味>
神楽はもともと醤油の方が好みだったのですが、繊細にしてダイナミックな旨味成分の広がりのある塩が最近の好みになりつつあります。この日も、良い出汁が取れたということでお誘いを受けお伺い致しました。
いや~、もうここまでくると芸術レベルというか、評価すらするのが難しいレベルですね。
ただ、店主さん、スープを作る過程で、大切な要素が1つ抜けていたということで、その日の内にお詫びが参ります。
SNSでも公開されておられたのですが、正直、全く分かりませんでした。。。
もう、匠級になると、我々が分からないレベルであっても、かなり気になるところなんでしょうね。。。。
今度は、店主さんご自身が満点を付けられるスープの出来の際に、お伺いしてみたいです。
余談ですが、店主さん、スープの出来がイマイチだった日は、お店を臨時休業にされます。
おそらく、99%のお客さんは分からないレベルだと思いますが、そのこだわり方は神レベルですね。
また、次回訪問が楽しみです。
2020/07/29 更新
2020/02 訪問
限定メニューも洗練されています。もう外れが全く見当たらない。
<はじめに>
食べログをはじめて、すぐの頃にお邪魔して以来、もうこちらのラーメンの数々に感銘と感動を覚え、今に至っています。もちろん、ラーメンも好みの世界なので、無化調の神楽の味が分かりにくい方もおられるかもしれませんが、やはり何年食べても毎回何かしらの発見があります。
最近は、フレンチ出身の親友が金沢でラーメン店(ラ~メン ちゅるちゅる)を出したこともあり、そちらにお伺いする機会が多くなったものの、やはり本能的に1ヵ月に1回は無性に食べたくなりますね。
今回は、限定メニュー2つを食べ比べてみることに。反抗期でお父さん嫌いの三女が珍しく金沢に一緒してくれ、それぞれシェアすることに。
<煮干しラーメン(限定)>
白口煮干しと羅臼昆布、薄口醤油仕立(低加水麺)
※価格、具は塩ラーメンと同じ。
確か、半年くらい前も煮干しラーメンが限定であったと思うのですが、その際よりも、更に進化を遂げている感じです。
煮干しラーメンと聴くと、だいたいこんな感じかな?という先入観があるのですが、こちらの煮干しラーメン、本当によくできています。無化調というのが信じられないほどに、十分な旨味成分が詰まっており、マイルドにして、奥深く、後味のよい絶妙なスープと言えます。食材、かなりいいものを使っておられるようですが、羅臼昆布の値上がりなど、結構コストかかっていて大変なように思いますが。。煮干し系が好きな方はもちろん、苦手な方も美味しく頂けるかと思います。
<坦々まぜそば(限定)>
今回2つの限定メニューを頂きましたが、どちらかというと、こちらの坦々まぜそばのインパクトがとにかくすごかったです。個人的に淡麗派であり、あまりまぜそば系を頂く機会が少なく、ましてや坦々まぜそばとなると、かなり濃厚でクドいイメージがあるのですが、こちらの坦々まぜそばは全くクドさがなく、大変食べやすい。
香辛料もかなり複数種類入っており、タイ料理を頂く際のような何とも言えないシャープなピリ辛さがあります。
シェアした三女は、辛すぎたようですが、私は丁度良い感じで、後味もすこぶるいいですね。
実際、この日は、ラーメンの連食が続いており、消化器系がかなり弱っており、あまり食欲もなかったのですが、不思議とスープも飲み干せ、胸やけどころか、ラーメンを食べた後の後味は、まるでそうめんでも食べた後の感覚に近かったです。
<総括>
もともと北陸でトップをいく中華料理屋を営んでおられた宮本オーナーさん。すべてのメニューを無化調で提供することは難しく、ラーメンに絞った無化調料理を提供されてきたわけですが、デフォのメニューはもちろん、限定メニューも素晴らしいですね。10年前は、より玄人向けなラーメンが多かったですが、最近では旨味成分を増して、より幅広い層に理解できるように味を進化させておられるように感じる今日この頃です。
2020/02/25 更新
2018/02 訪問
幻の神楽の中華コースと比内鶏の鶏出し醤油ラーメンを堪能!
<はじめに>
年始より、行こう行こうと思いつつ、なかなかお伺いできなかった神楽さん。
そうこうしている時に、どんどん美味しそうな新メニューが登場してきます。
もう、我慢の限界!と思っている時に、娘の学校の交換研修プログラムの一環で、沖縄から我が家にホームステイにくる女の子がいて、その子が大のラーメン好きという。
これは、日本のトップレベルのラーメンを食べさせてあげなければということで、家族で神楽に参ることに。また、できれば以前やっておられた中華ディナーを何とか食べられないものかと相談したところ、土曜日の忙しい日にも関わらず、訪問3時間前の電話にして、エビチリ、特製シュウマイ、蟹豆腐などのメニューも出して下さるということ。
後でお伺いしたところ、わざわざ私たちのために、昼の営業が終わってから買い出しに行って下さったそうで、本当に申し訳ない限りであります。
<中華コース(イレギュラー)>
以前から本当に食べたいと思っていただけに、本当に感激です。
いわゆる、無化調ラーメンというのは、全国でも結構良く目にしますが(本当に無化調かどうかは別として)、中華料理全般で無化調というのは、全国でも数えるほどしか存在しません。
コスト的な問題や、相当手間暇がかかることから、正直商売にならないことが多いらしく、その意味では、全国でも、唯一無二の無化調中華を頂きます。
いや~、どのメニューも本当に美味しく、かつ食後の後味がすこぶるいいです!!
特に感動したのは、蟹豆腐です。無化調ということもありますが、とにかく大人しい静かな味付けで、音楽でいうと、ピアニシモシモくらいのレベル。それなのに、味の広がりというか、旨みの広がりは、爆発的というか、思わずニヤリとほほ笑んでしまうレベルであります。
久しぶり、超グルメハイ状態に!!!食後手足がポカポカしてきて、血の流れが良くなっていることに気が付きます。
<比内鶏の鶏出し醤油らーめん>
中華コースを頂いたあと、何と店主さんが出して下さったのは、期間限定、また1日20食限定の比内鶏の鶏出し醤油です。あれっ、売り切れごめんなのでは!と思っていましたら、特別に残して下さったとか・・。本当に申し訳ない限りであります。
比内鶏の丸鶏は、大変高価な食材だけに、相当工夫をして仕入れと仕込みをされておられるとお伺いしていたので、かなり期待できます。
そして、念願の比内鶏醤油が出て参ります。
もう、ルックスからして、どう見ても私好みであります。
お味の方は・・・。
おおおお~、かなり淡麗にして、鶏の旨みが深~く、深~く喉奥からしみわたって参ります。
やばいですね~。淡麗系でこの右に出てくるラーメンがあるのだろうかと思うほどに、究極の淡麗と言えそうな出来栄えです。
旨み調理料に頼らず、砂糖やみりんをはじめ、味のアクセントになるようなものがほとんど入っていないにも関わらず、この鶏の旨みの存在感は、堂々たるものです。
いや~、もうアートレベルの作品でありますね。濃い味付けに慣れておられる方は、物足りなく感じるかもしれませんが、淡麗系がお好きな方には、遠方より交通費をかけてお伺いしても損は無いと思います!
本当にお忙しい中、色々とご無理を申し上げました店主様には心よりお詫びを申し上げ、感謝の気持ちで一杯であります!久方ぶりの超グルメハイ状態になれて、本当に嬉しかったです!
2018/02/26 更新
2017/09 訪問
念願のフカヒレ姿煮ラーメンを頂きました。ラーメン界の最高峰に君臨する風格!
<はじめに>
10年前から神楽さんの大フアンとなり、全国各地の美味しいラーメン屋さんを回りましたが、やはり、神楽さんは、今も昔も、私の中では、日本で一番美味しいと思えるラーメン屋さんです。
そのこだわりを語りだすと止まりませんが、もともと金沢でも有名な中華料理屋をされており、その後、無化調で勝負できる美味しい中華そば屋をやりたいということで、中華料理からラーメン店に。そして、その後、うどん屋にも転身されるも、やはりスープの保存の問題で再度ラーメン屋に返り咲き、今に至っておられます。
最近では、夜の時間帯で、予約のみで中華料理も復活されているのだが、どの料理も無化調で勝負されておられるという。中華料理で完全無化調と言われるお店は、本当に数少なく、コストと手間暇を考えれば、なかなかできる代物ではない。
そんな中で、最近、創作ラーメンを多く作り出しておられるのだが、その中でも、特に感心が高かったのが、こちらのフカヒレ姿煮ラーメンでありました。本日、突然の予約にも関わらず、快く提供して下さることになり、いざ金沢に参ってきました。
<フカヒレ姿煮ラーメン>
13:30以降だったらOKということでお伺いしましたが、13:30以降も結構お客さん多いですね~。忙しい時に申し訳ない気持ちがありましたが、店主である宮本さんは、早くもフカヒレモードに突入であります。眼光鋭く、味見に味見を重ねる姿は、10年前から全く変わりませんね~。本当に美味しいラーメンを出されるお店って、必ず味見を繰り返されるのですが、味見のし過ぎで身体を壊される料理人の方も本当に多いくらいに、美味しい料理には、味見がとても大切であると、最近つくづく感じております。
さて、程なく、フカヒレ姿煮ラーメンの登場であります。
今回は、久しぶりに一眼レフを持参して、レンズを交換しながら、何枚か撮ります。何といっても、頻繁に食べられるラーメンではなく、写真も心を籠めて撮らせて頂きます。
それにしても、姿煮というだけあって、とにかくフカヒレの存在感が大きいです。
フカヒレは、香港などに出張の際に、何度となく頂きましたが、こちらのフカヒレ、かなりの上物です!!とにかく、分厚いです。ここまでフカヒレを堪能できる料理は、なかなかお目にかかれないくらいで、ラーメンと切り離しても、日本でもトップクラスのフカヒレを堪能できるのではないかと思います。
とにかく、店主さんいわく、フカヒレの調理は難しいという。ラーメン屋さんが、思いつきでフカヒレを入れれば、必ず失敗すると言っても過言でないほど、フカヒレの調理は、専門的な知識を要すると言う。そこは、もともと中華料理の一流シェフでもあった店主さんならではの腕の見せ所なのであるが、軟らかぎず、固すぎず、何とも絶妙な姿煮であり、スープにも麺にも、これ以上ないくらいにマッチしております。
塩味のスープがベースになっているものの、通常の塩に加えて、比内鶏の丸鶏のエキスが、これでもか!というほど入っており、味を引き立てています。
いわゆる、トッピングのみ、フカヒレを入れたような、なんちゃってフカヒレスープではなく、フカヒレの調理はもちろん、スープ、麺ともに、このフカヒレを最大限に引き立てるために、様々な工夫が凝らしてあります。
もう、ここまでくると、ラーメンの域を超えているというか、無化調の創作中華の最高峰レベルの味を堪能できるというか、もう、脱帽というか、思わず美味しくてニヤニヤしてしまい、人目を気にせず、旨いを連発してしまう味ですね。
<総括>
3800円という値段を高いと言われる方もおられるかもしれませんが、フカヒレ料理をある程度食べられた方だったら、逆に必ず安いと思わせるくらいの、最高級なフカヒレ料理と言っても過言でないと思います。このフカヒレを最大限演出するために、考え抜かれたスープ。もう、芸術レベルと言っていいかもしれません。この10年間で、最もおいしいと思える一杯となりました!
あまりにも美味しかったので、勝手にこちらのラーメンのポスターまで作ってしまいました。是非、宮本さん、採用して下さい(笑)。
2017/09/15 更新
2015/12 訪問
超こだわりのお店シリーズ⑥やはり、ここのスープは日本一です。
<はじめに>
こだわりシリーズの最後は、こちらの神楽さんです。食べログを初めて、程なくこちらのお店に出会い、それ以後、ずっと私の中では、不動のダントツNo1のお店であります。思えば、東日本大震災の際に新潟経由で福島に入る時に立ち寄ったのが最後で、実に4年ぶりの訪問になります。
金沢に下の子供2人を連れて訪問致しました。意外に我が家から金沢は近く、車で1時間以内に行けてしまう。こんなに近かったんだということで、今後も金沢遠征をしようと思いますが、久方ぶりの神楽で気になっていたのは、一日20杯限定の鴨ねぎラーメンであります。ルックスも何とも美味しそうで、こちらの鴨ねぎに、オーソドックスな醤油と塩を1つずつオーダーし、それぞれ、少しずつ頂くことに(といっても、下の子は3歳なので、私がほとんど食べることになるのですが)。
<鴨ねぎラーメン>
夜の営業時間を一番乗りで来た甲斐があり、程なく鴨ねぎが搭乗して参ります。おおお~これは美味しそうです。
テイスト的には、醤油よりもかなりパンチがあり、鴨の旨み成分も加わって、かなりコクのある一杯に仕上がっております。やばいですね~これは結構クセになりそうです。鴨も実に美味しいです。
<塩、醤油>
インパクトの強い鴨ねぎの方を先に食べてしまったもので、塩と醤油の味が分かりにくくなるかと思いきや、しっかりとこの2つのおいしさも健在であります。正直、こちらの塩と醤油が物足りないと思われる方は、鴨ねぎの方をお勧めしたいですが、やはりラーメンがお好き方なら、こちらの塩か醤油を最初に試されることをお勧めしたいですね。
特にこの塩は、やはり美味しい!!私は醤油派であるものの、ここまで美味しい塩だったら、毎日でもこの塩を食らいたいものであります。ここまで、端麗でいて、ここまで味わい深く、塩辛くないのに、旨みの感覚がずっと余韻として口の中に留まる感じなんです。それに、食後も喉が渇きにくく、もうお見事なスープであります。
<麺>
今回、一番驚いたのは、麺が4年前から比べて大幅に変わっていたことであります。まあ、4年も過ぎれば麺も変わっていても当然なのですが、以前のチュルチュル、プルンプルンの手打ち間溢れるウェーブのかかった中細麺から一転して、コシのある、むっちりとした中太麺に変貌を遂げていました。
う~ん、新しくなった麺も大変美味しいのですが、どうしても以前の麺を知っていることから、そちらが懐かしくなりますね・・・。もちろん、好みの問題でもございますが、1日20杯限定でもいいので、昔の麺がまた食べてみたいですね~。
まあ、いずれにしても、こだわり抜いたラーメンであることは間違いなく、スープも飲み干してしまう程であります。
今年は、こちらのレビューが最後になるかもしれませんが、時間ができましがら、また気まぐれで書かせてもらうかもしれませんが、皆様、少し、いやかなり早いですが、良いお年をお迎えください!!
------------------------------------
(再訪)こだわり抜いた究極のラーメン!~被災地でも喜ばれたチャーシューと餃子~
<2011年3月24日>
3月11日の東日本大震災で被災された母子の一時疎開のために関西から新潟経由で車で東北に入ることになり、食料等の支援物資を車に可能な限り詰め込み北陸道を新潟方面に走る。新潟までは食料・ガソリンとも手に入るということだったが、早めに金沢で食パン、ソーセージ等の福島、宮城では入手困難な支援物資を調達する。
金沢と言えば、どうしても立ち寄りたいのが、こちらの神楽である。私の中ではラーメンを含め全部門でダントツと言っても良い評価のお店であるが、肉に飢えている東北の方に、ここのチャーシューを届けたく、無理を言って、普段をお分けされないチャーシューを購入し、東北に持っていくことに。
ただ、せっかく立ち寄ったということもあり、遅い昼食として久方ぶりにラーメンをいただくことに。
以前訪問した際にお伺いしていた、魚介系のみのスープでつくる新作ラーメンの構想はボツになったようで(美味しかったのですが)、代わりに今月からマイナーチェンジしたばかりの新作しょうゆラーメンをいただくことに。
麺に使われる小麦粉が仕入先のご都合で若干変わったようで、それに伴い水の配合割合も若干調整されたという。
また、スープも、麺の食感の変化に伴い、これまで入れておられたエビを無くし、その分煮干の割合を若干多くされたそうである。
結果的に、煮干の味が前面に出ることはないのですが、エビの甘みが若干抑えられ、その分煮干の深みとコクが増したことにより、より私好みのスープになっておりました。また、麺も、よりスープとからむようになり、若干であるがコシも増した感じで(店主はコシそのものは変わっておられないとおっしゃっておられましたが)、スープと麺をすすった時の喉越しは、常識ハズレの美味しさと言える。コッテリ系がお好きな方には、依然淡白に思われてしまうかもしれませんが、私の中では、かなり偉大なマイナーチェンジと言えると思います。
また、以前に参りました際には無かった無添加餃子も頂きました。最初若干淡白に思えたのですが、これは、ラーメンの味を壊さないために、最大限の配慮をなされたということでした。あくまでも、ラーメンを美味しくいただくことが、最優先であり、ラーメンをより美味しくいただくための餃子と言えます。ニンニク類がほとんど入っていないようで、口臭が気にならず、女性の方にもお奨めです。飽きのこない、かなりのこだわり餃子であり、餃子嫌いな方にもお奨めしたい一品であります。
最終的にチャーシューの他、餃子も8人分ほど購入して東北に持っていくことに。車の中は餃子の臭いで一杯になったが、特に肉類が流通していなかった福島では、かなり喜ばれました。
神楽でお腹を満たすことができたので、東北にいる2日間は断食しようと思っていたのですが、食料物資をお渡ししたほとんどのご家庭で、なけなしの食料ストックの中からおにぎりなどを作って、手渡され(お断りしたのですが)、本当に被災してまでも他人を思いやれる東北人の心意気を強く感じました。
---------------------
(再訪問)
<2010年7月29日>
今回の日本列島半周旅行で最も楽しみにしていたお店である神楽さん。当初は、お隣の富山県で、富山ブラックを頂いてからお伺いするつもりでしたが、今回は新作ラーメンも試食させていただけるとのことで、富山ブラックは見送り、神楽のラーメンに気持ちを集中させることに。
今回は新作を頂く前に、前回の訪問で頂けなかった「塩味」と「味噌味」をいただくことに。
<塩味>
神楽=醤油と思っていた私でありますが、この塩を頂いて、その概念が覆させられました。
深~い、深~い味わい。決して塩辛すぎず、薄すぎず、淡白なようで、喉の奥を通る際に、独特の旨みをこだましながら、体の奥底に流れ込むようなイメージ。。。すみません、この味は私の表現力では表現しきれません。塩ラーメン部門ではダントツでしょうか(伊達屋の塩も捨てがたいですが)。
<新作・醤油(試食)> [※いつリリースされるかは、分かりません]
塩を食べた後、味噌を注文しようとすると、店主の方が、味噌の前に新作の醤油を食べ、その後、現行の醤油、味噌の順で食べていただきたいとのこと。なるほど、食べる順番によって、味覚が変わって参りますので、次に新作をいただくことに。程無く、新作の醤油が参りました。おおおおぉぉぉ!!見た目も美しい。もともと、透き通るような美しいスープの神楽の醤油でしたが、今回の新作は、更に透明度が増し、見た目から美しい。動物性の脂を一切いれずに、魚会系のスープオンリーになったというスープは、動物性(鶏がら等)の脂が入った現行のスープよりも、さらにまろやかで、かつしっかりとした旨み成分を感じ取ることができる。動物性の脂を一切いれずに、ここまでのコクとはっきりとした旨みを出せるというのは、想像を絶する職人技が隠されているのではないかと考えます。
<味噌味>
最後に頂いたのが、味噌です。この味噌味、大変珍しい味噌で、かなりあっさりタイプの味噌であります。札幌のすみれさんの対極をいく、この味噌は、あっさり系みそがお好きな方にはたまらないかと思います。実は私も、ラードタップリの味噌は苦手なところから、大変貴重な味噌ラーメンかと感じました。
<まとめ>
家族5人、会津の蕎麦屋さん以来の、全会一致の5の評価。洗練されたコクがあって、かつ後味の良いスープは非の打ち所がありません。家内は、以前うどん屋さんもされていたことを知ると、是非そのうどんも食べてみたいとのことでした(笑)。私も食べてみたいですが。新作の醤油をリリースすると、他のメニューは無くし、醤油に一本化されるかもしれないとお伺いしたのですが、できれば、塩だけは残して頂きたいものです。
どのラーメンも美味しいですが、家族全体での評価は、以下の通りでした。
新作≧塩>醤油>味噌
長女が、あまりにもこの店のラーメンに感動を覚え、夏休みの自由研究として、究極のラーメンの作り方という題名で提出するようです。もしかすると、娘からインタビューの連絡させていただくかもしれませんが、その際は宜しくお願い致します(笑)。本当に美味しかったです。有り難うございます。
(初訪)
小松での営業を終え、そのまま関西に入るつもりが、どうしても以前から気になっていた、金沢の神楽に行きたくなり、関西とは逆方向ではあったのですが、遠回りしてお伺いすることになりました。小松からは普通電車で35分程度でしたが、私は乗車ホームを間違えてしまい、1時間ほど駅で待つことに。
西金沢で下車して、北鉄石川線に乗り換え「野町」まで行くはずが、乗り換え時間が30分以上あるので、やむなくタクシーを拾い直行することに。タクシーで約13分(1500円前後)くらいで、それでも、金沢駅から来るよりかは、近かったようです。
さて、前置きが長くなったのですが、神楽は有名雑誌でも、全国ランキングで第1位に輝くほどのお店で、それらの雑誌を読んでいても、私の好みに近いようで、是非是非行ってみたかったお店である。本来、店内の混雑を避けるために、開店の11時にあわせてお伺いするはずが、電車を2本も乗り過ごしたこともあり、既に午前11:50分を回っていた。かなり、行列が出来ているのでは、と心配しておりましたら、意外に空いている。座席数の半分は空いており、かなりラッキーだったようである。後で聞いたが、土日のこの時間帯だと、かなり待たなければならないようである。
西金沢でロッカーに荷物を預けるはずが、駅にはロッカーがなく、結局両手に重い荷物をかついで、店内に入りました。いかにも遠くからやってきました~!!という感じであったが、「北海道からです」というと、こちらの奥様のお姉さんも北海道にお住まいのようで話しが盛り上がります。
早速、お奨めのメニューをお伺いすると、店主おすすめの「神楽そば(1050円)」を薦めていただき、そちらをお願いすることに。こちらは、醤油ベースのスープに炭火焼チャーシュー2枚、半熟味玉、手打ちワンタン3個が入っています。
カウンターに座っていましたので、作業工程を観ておりますと、実に丁寧な仕事ぶりである。麺を茹でるスタイルも、全てが普通のお店と違う、何とも言えないこだわりを感じさせます。味見の回数も、普通のお店の3倍くらいはされている感じである。こちらの店主の方のこだわりは、大変有名なようで、自分の思うような味が出せない場合は、お店を閉められるそうで、3年前にはラーメン店を閉め、うどん屋に鞍替えされたとまで聞いています。そして、うどんも夏場は、なかなか美味しいうどんが出せないということで、再度うどん屋のノウハウも生かしたラーメン屋が復活したというわけです。
丁寧に丁寧に仕上がってきたラーメンが、出来上がって参りました。待ち遠しいー!!写真を撮る時間がもったいない。と思いつつも、20枚くらいパシャパシャと人目も気にせず撮影。もちろん、お店の方にはお断りを入れました。
<麺>
普通、ラーメンはスープから食べる方が多いのですが、私はまず麺から頂きます。少しでもスープの味が浸透しない内に麺そのものの味や弾力性を知りたいからです。
「これはっ!!!!!!」うまいなんてものでない。「こんな麺をずっと探していました」といっても過言ではない。うどん屋さん時代のノウハウがかなり活かされているようで、自家製手打ち麺でかつ、何度も何度も、そして何時間も足踏みして作られたコシのある麺
は、想像をはるかに絶する美味しさでありました。ラーメンの麺というよりも、讃岐うどんのコシのある手打ち細めんといったイメージだろうか。ただ、やはり、うどんのノウハウはあると言っても、やはり列記としたラーメンの麺である。
また、同じコシがあるといっても、サッポロラーメンのように、かん水をたくさん使ったシコシコ麺でなく、あくまでも、小麦の風味が十分楽しめるようになっている。また、この麺大変密度が高く、見た目以上に相当ボリュームがある。一杯食べるとかなり満腹感を覚えるのである。また、この麺の特徴として、小麦の密度が高いせいか、水を吸いにくく、伸びにくい。ですので、ラーメンの食べ始めと食べ終わりでほとんどスープの濃度が変わらないのである。このような麺は本当にはじめてである。これは、やはりうどん屋さんで手打ちうどんを作っておられなければ、なかなかこのような麺は作れないものと思います。本当にうまいの一言です。
<スープ>
麺でかなり語ってしまいましたが、スープもこれまた素晴らしい!正直、こちらもラーメンスープというよりは、かつお出汁たっぷりのうどんのスープをラーメン風にした感じで、香りよく、また風味が素晴らしい。いわゆる、コッテリ系、ラードたっぷり系がお好きな方には物足りなく感じるかもしれないが、本当のラーメン通なら、この味は絶賛に値するものと言える。といっても、ラーメンの好みは人それぞれですが・・・。
少なくとも、讃岐うどんが好きな方なら、こちらのラーメンは毎日でも食べたくなるラーメンでしょうね。もちろん、スープも完食いたしました。
<炭火焼チャーシュー>
このお店は、全てにおいてこだわり抜いているが、この炭火焼チャーシューも半端ではない。単に炭火焼で作っているのではなく、燻製ではないかと思うほどの、独特の香ばしさと旨みが凝縮されている。「う~~~ん」とうなってしまうほどの、深くて、何とも言えぬ美味しさに、「来て良かった~!」とニヤニヤしてしまうほどのHAPPYモードに。これは、5の評価以外にありません。
極上のラーメンを頂いて、至福の時を過ごしていましたが、どうしても「せっかく遠路はるばるやってきたのだから」という欲が出て参り、もう1杯オーダーすることに。昨晩に続き、お腹はかなりキンキン状態であるが、次にお奨めのメニューをお伺いしてみた。
いわゆる、ラーメン通の方は、結構塩味も頼まれるようなのですが、私も塩をお願いしようとしていると、店主の方が、「醤油を食べた後で塩を食べるのは、醤油の味が勝ってしまう」ということで、代わりに、坦々味の冷やしラーメンでお願いすることになりました。
<坦々味 冷やしラーメン>
坦々麺を待っている間に、先ほど食べたラーメンの麺が胃の中で膨らんできているようで、益々満腹感が増してきました。果たして、こんなに満腹な状態で、もう1杯食べられるだろうか、と心配をしておりましたら、早々に坦々麺が到着!
冷やし坦々麺自体はじめていただくのですが、こちらのスープも、生まれてはじめての感覚です。あっさりなのですが、コクと風味があり、何とも食欲をそそられる味であります。
また、この冷やしラーメンのメリットとしては、チャーシューの本来の味を楽しめることと、麺もまったくのびずに、よりシコシコとコシのある食感を楽しめるということです。
特にチャーシューは、先ほどの温かいラーメンを頂いた際も、店主が「チャーシューは先に食べてください」と言われるほどで、あまりスープにつけておくのは、もったいないチャーシューである。
いやーかなり長めのレビューとなってしまいましたが、本当にこのお店のこだわりは相当なものである。まだまだ、私自身、店主のこだわりの半分も理解できていないかもしれないが、本当にお伺いして良かったです。私の中で伝説のラーメン屋が1つ増えました。
ここで、終わるつもりが、もう1つ続きがあります。両手に旅行カバンを持って店を出ましたら、何とお客さんのお一人が、金沢駅まで送ってくれるというではないか!!何と親切な方だろうか・・・。金沢って本当にいいところだな~としみじみと思っていましたら、途中で、「どーーん」と大きな音が。何と後ろから衝突されたのである。その衝突された場所が、人骨延命地蔵で有名な大円寺の前である。私は今年は厄年だったので、これはきっと厄払いになったに違いないとポジティブに想像しています。
そして、ご親切にも、私を駅まで乗せて下さって、おかまを掘られた桜井さん。あなたにもきっといいことありますよ!この方とは偶然誕生日も同じでした!!事故のお陰で、寺町の様々なお寺も見学することもでき、日記でアップしましたので、またご覧ください。
是非、有名なお寺というわけではないですが、こういった寺町の歴史を知りながら、奥の深いラーメンを食べるというのも、いいものですよ。観光で金沢にお越しになられましたら、是非こちらの人骨延命地蔵にお参りをして、神楽のラーメン食べていって下さい。「神が楽しむ神楽ラーメン」いいですね~!!ご利益ご利益(笑)
2015/12/02 更新
<はじめに>
SNSで店主の宮本さんから1日限定のフグ冷やしがある旨知り及びます。
丁度、北陸道経由で関西方面から自宅に戻る途中だったので、予定を変更してお伺いすることに。
自釣りの新鮮なフグらしく、1日限定とは何ともハードルが高い!まあ、こういった鮮魚系はレアなので、何とかお伺いできて良かったです。
7月18日(火)の夜はまだあると思いますが、遠方よりお伺いされる場合は、事前にお店にご連絡をされた方が宜しいかと。
<能登フグ冷やし>
さて、程なく能登フグ冷やしが出て参ります。
おお~。フグが見るからに美味しそうです。少し焼きも入っているのですが、何とも楽しみです。
お味の方は。。。。
結構、九州や山口にお伺いした際には、フグ料理を頂くのですが、このフグ、信じられないほど美味しいですね。店主の宮本さん、大の釣り好きだけに、どうしたら魚が一番美味しくなるかをよくよく理解されておられますね。
正直、今回はデフォでなく、フグ増し増しでお願いしたかったくらいでした。
スープは、冷やしでは定番になりつつある、引き締まった塩加減と、優しい旨味成分が調和した何ともバランスのいいスープであります。少しエッジが強く効いているようにも感じるのですが、全体的なバランスはよく、磯の自然な塩味が、フグの旨味を不思議と引き出してくれてる感じですね。
何とも貴重なフグ冷やし、頂戴できてラッキーでした。
最近は本当に金沢にお伺いする機会が激減し、神楽をはじめ、多くのお店が恋しい今日この頃であります。素晴らしい一杯に感謝申し上げます。