KQさんが投稿した弁慶(石川/金沢)の口コミ詳細

KQのほぼお魚,お菓子,ときどきカフェ

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弁慶北鉄金沢、金沢、七ツ屋/日本料理、寿司、郷土料理

1

  • 夜の点数:4.0

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.2
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 3.7
      • |CP 3.6
      • |酒・ドリンク 3.7
  • 昼の点数:4.0

    • ¥8,000~¥9,999 / 1人
      • 料理・味 4.2
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 3.5
      • |酒・ドリンク 3.7
1回目

2014/04 訪問

  • 夜の点数:4.0

    • [ 料理・味4.2
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気3.7
    • | CP3.6
    • | 酒・ドリンク3.7
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人
  • 昼の点数:4.0

    • [ 料理・味4.2
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク3.7
    ¥8,000~¥9,999
    / 1人

会席料理のほか,庭向きカウンターで太平寿しの創作も楽しめる好立地のお店

ホテルの和食店としては高評価のお店で,それだけ特徴あるお店といえます。理由の一つは,自前の会席料理だけでなく,評価の高い鮨店に任せた鮨カウンターがあることでしょう。さらに,高層ビルの6階でありながら中庭を整え,鮨カウンターも含めて各所から,庭を眺めて食事ができる売りもあります。

過去のレビューも,何を食べられたかで多様ですが,鮨カウンター,テーブルと,和室の個室利用での会席料理と法事での利用まで,これまで一通り経験しましたので,整理してあげておきます。写真は,はじめの4枚に特徴的なものを挙げて,後は,鮨カウンターの何度かの利用を整理したものと,会席で鮨の盛り合わせを一品加えた「太平寿司御膳」の順です。

1.会席料理と鮨の複合店

予約時に会席料理か鮨かを聞かれます。予約なしの場合は入店時に,鮨のカウンターか和食のテーブル席かを聞かれます。軽く答えてしまいますが,この店では大事な選択です。

鮨カウンターは,食べログでも評価が高く,すでに全国区ともいえる野々市市の太平寿しさんに業務委託され,独立した鮨店のように握られています。メニュー写真のように,価格に応じたおまかせがあり,さらに一貫ずつの注文はもちろん,つまみの細かな相談も大丈夫です。

一方,会席料理は中庭を囲む部分があるテーブル席と,接待や宴席のための掘りごたつ式の和室の個室もあるつくり。予約がなければテーブル席です。現在のホテル側の料理長さんは,ホテル日航大阪の弁慶から着任された徳島県出身の方とのこと。どちらかといえば関西で好まれる,昆布だしをきちんと効かせる淡口の仕立てです。

会席のテーブル席でも,写真の「太平寿司御膳」のように,鮨を組み込んだコースがありますが,この部分だけ太平寿しの職人さんがつくり,他の料理同様に仲居さんが運ばれます。テーブル席でも鮨の盛り合わせや一貫ずつの注文は受けられますが,伝言なので,今日入っているネタの確認や,塩かツメかといった好みを通すのが難しく,つまみの細かな相談は無理です。つまみも含め鮨にこだわりがあるなら鮨カウンターを,会席料理を食べたいときや,鮨は盛り合わせで十分ならテーブル席と,決めてから行った方がこの店の売りを楽しめます。

2.鮨カウンターは太平寿しに業務委託していて,その仕入れと仕事が期待できる。

何年か前から,この鮨カウンターは太平寿しさんに任せていて,仕入れも太平寿しと同様,職人さんも太平寿しから派遣されており,仕込んだものも,一部は行き来されておられるそうです。現在仕切られている職人さんは,すでに独立された八やさんと同時期に,太平寿しで仕事をしておられた方で,その独創の品を何点も用意されています。

こちらの独創の代表は,すでに太平寿しさんでレビューしたような,のどぐろの蒸し寿司をはじめ,穴子の蒸し寿司など。蒸すことで脂身が融けて,白身や穴子の淡泊な旨みとともに,敷かれた昆布からでるだしや,しゃりの酸味と絡まる忘れられない味。懐石の蒸し物としてもよい水準の品です。写真のこの時期では,さよりの細い身を渦巻き!とする細工や,白魚の出し方など,ビジュアル的に凝った創作も,太平寿しの考え方が反映されています。

しゃりの味は,酢がきつくないが甘くもない仕上がり。しゃりの堅さや握り加減も真ん中ぐらいです。鯵や小鰭の酢締めもきつくなく,新鮮な素材を活かす趣向も同様です。野々市のお店と違うところは,ネタの幅と量は仕方がないこととして,他のホテルの鮨店同様に,二枚貝等はボイルしたものになることと,お酒の充実度が,ホテルが在庫をもつために,限られることでしょうか。

鮨店には,外食でもとりわけ高い専門性があるので,内部での人事異動を前提とするホテルでは,自前の調理部門では抱えきれず,テナントの鮨店に任せるのが現代的です。こちらでも委託されてからの方が,お客さんの評価は高いようで,この運営はひとまず成功のようです。太平さんとしても,県内でもっとも立地がよく,眺めも楽しめるカウンター鮨店を運営できるわけで,野々市までのタクシー代が助かる客も含めて,三方よしの関係といえます。

3. 会席は個室か庭側の窓際が雰囲気よく,一部だけ鮨のメニューや,予約で大人数や子供連れにも対応できる。

会席料理は,昼は2000円台のお弁当風の構成から,一品ごと運ばれる6000円の会席までです。夜は特別なプランがなければ,10000円からでしょうか。一品料理もありますが,それはコースに追加する性格のもので,単品で食事を済ませるのは難しいお店です。以前書いた,会席料理と割烹の差として,仲居さんが和服かどうかという冗談ですが,こちらは皆様,昼も夜も和服です。

写真のように,テーブル席で少人数でも,空いていれば庭側が天地ガラスとなった開放感あるテーブルに通されますが,混んでくると昭和大通り側で,対面は競合する航空系高層ホテルになります。窓側でも席によって眺めは大きく違いますから,事前に予約したいところです。

さらにゆっくりしたいのなら,予約で個室をとった方がよく,そうすると,鮨カウンターの写真の左手奥に障子が見える部屋に通されます。大部屋を除き,障子の外は庭と雰囲気はよく,和室は掘りごたつ式で長居できる現代の仕様です。以前和室を法事で利用したときは,赤ちゃんのためにふとんが敷かれていて,ありがたかったのですが,そういうホテルの和食の個室だけの便利さもあります。赤ちゃんのいる遠出には,こういうスタイルのお店は貴重です。

料理は,昼3800円の「太平寿司御膳」で写真のような構成。先付などは料亭の凝り方には及ばないとはいえ,この価格帯では十分に満足できるつくり。単品でいえば,天ぷらのうち,食べる機会が減っていた,ふきのとうのえぐみなどが記憶に残る味です。全国でも特別もちもちした蓮根と言われる,市内の「小坂の蓮根」を使われた穴子の蓮蒸しも,その通りのもっちり感で具材が包まれ,つゆもこくがありながら淡味でおいしくいただけました。

このスタイルの会席の使い勝手の良さは,和食と鮨を両方食べたいというグループに対応できることでしょう。つまみからはじめて,とことん魚を食べたい層は,もともとの鮨好きか酒好きに限られているので,多人数ほど全員が鮨でまとまらない場合は多いものです。旅先で数食かしか自由な機会のない観光の方ほど,揚げ物や焼き物も含めて凝った和食も食べてみたいはず。昼または夜の一食だけで,和食と鮨の要望をともに高水準で満たせる店はほとんどなく,それがこのお店の存在価値の一つといえるでしょう。

ホテルの和食と鮨の複合店の隠れたメリットは,子連れの旅行で,大人の一部は本格的な鮨を食べたい場合です。それには,事前の予約で,テーブル席や個室には子ども用の食事を出せたり,個室なら子ども用の対応もできる,ホテルのこのスタイルのお店しかありません。その場合も,テーブル席や個室ともに,お皿への盛り合わせですが,おきまりの鮨と追加注文ができます。一品料理とお酒はそれなりにありますから,飲みたい人だけ残るのも可です。

4.庭向きのカウンター鮨として貴重なお店

ホテルの和食,しかも6階ということで,それだけでビルのテナントかと選択肢から外す人は多いと思います。しかし,わかってしまえば,ちゃんと土を入れて庭木を整えた庭を眺められるつくり。写真の何枚かのように,意外とこの雰囲気が,リピートしたくなる一因です。冬には雪吊りを施していて,屋内の庭ではないので雪は降って積もりますから,風情もあります。でありながら,雪の時期も,金沢駅から地下通路経由,それと地下駐車場から雨・雪にさらされず入れるのも便利なところ。

とくに,庭をカウンター越しに眺めて鮨を食べられるお店としては,他にあまりない存在です。葉がそよぐ自然の木々に,生魚の美しい色合い,しかし粗野ではなく繊細,このあたりがつぼにはまります。さらに雪がしんしんと降ると,ここにしかない風景です。たとえば東京では,すでにレビューした槐樹さんなどを思いつきますが,鮨専門店ではなく,一貫ずつの注文ができません。そういう店構えにしなくても,大都市でまともな鮨店なら予約で一杯になるからでしょう。もっとも,県内では,このホテル開業後に移転改築された七尾の信寿しさんが,広いお庭をカウンター越しに眺められるということで,一度訪ねたいと思っています。

  • 鮪・漬けと庭

  • 太平寿しの看板・のどぐろの蒸し寿司

  • 太平寿し御膳(鮪赤身,真鯛,甘海老,すみいか,鯖の棒寿司)

  • 太平寿し御膳・車海老と頭,ふきのとうの天ぷら

  • 歯応えのよい岩もずく

  • ほたるいか

  • 車鯛・昆布締め

  • しろがれい

  • 真鯛・昆布締めと庭

  • やりいかは軽く炙って

  • さより

  • さよりに,驚きの渦巻き細工も

  • かじきまぐろ

  • 白魚の握りを梅肉で

  • 小鰭と庭

  • 鮪・漬け

  • 鮪・中トロ

  • ばい貝

  • ばい貝を巻くようにもできる

  • 鮪のトロの炙りを手巻きで

  • がす海老

  • 甘海老

  • 甘海老と庭,左手障子が会席の個室

  • 鯵は三枚重ねて細工

  • 味噌仕立てのあら汁(この日は運よく,のどぐろ)

  • 玉子

  • 前菜・筍の木の芽和え,ほたるいかの山椒煮,蓬豆腐赤玉味噌

  • 太平寿し御膳の食事・氷見うどん

  • 太平寿し御膳・穴子の蓮蒸し

  • 太平寿し御膳・甘味(加賀棒茶ゼリー,白玉添え,金箔を散らして)

  • 会席の窓際テーブル席から,中庭の雪吊りを眺められる

  • 予約制の茶室・仙禽亭

  • 店舗入口はホテル日航金沢の6階だが,内屋根と床の間をしつらえる

  • 寿司カウンターの昼メニュー

  • 2014年3月の太平寿司御膳

  • 2014年4月の太平寿司御膳

2014/05/15 更新

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