『パナソニック 汐留ミュージアムの新たな試み』コロコロさんの日記

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今年の春、若冲展が5時間待ちという、とんでもないブームとなりました。
そのきっかけとなったのは、2000年の若冲展で、
インターネット上の投稿に若い世代が呼応したと東大生が卒論で分析したそうです。

それから時代は移り変わり、世の中はSNSによってブームが作られると言われています。
最近は、美術館もその波に乗るべく、様々な試みをしながら、
ツイートによるブームを狙っているのを感じます。

ブロガー内覧会しかり、東京都では美術館の写真撮影OKの検討に入ったり。

最近では、こんな試みも行われているようです。

パナソニック 汐留ミュージアムでは、
「モードとインテリアの20世紀展 ―ポワレからシャネル、サンローランまで―」
が開催されていますが、この催しをより多くの人に知らせるべく、
ハッシュタグキャンペーンなるものを実施するのだそうです。

その概要は下記の通り
【ハッシュタグキャンペーンの概要】
目的:来館者の皆様に、展覧会の感動や思い出を多くの人と共有していただきたい。
   そのため、会場内に写真撮影可能なエリアを設けてあるので、
   写真撮影を、ハッシュタグ「#パナソニックでモードとインテリア」
   をつけて、ツイートして欲しいな・・・・というもの。


期限:11月10日(木)(会期は11月23日まで)

プレセント:パナソニック 汐留ミュージアム特製便箋「ジョルジュ・ルオー《マドレーヌ》1956年」
      ツイートした人の中から抽選で10名様に

  ⇒詳細はこちら  ハッシュタグキャンペーンのお知らせ
    プレゼント商品なども、上記にてわかります。


■キャンペーンに関する私見
いまや、SNSの効果は美術館でも、見逃すことはできず、
広報の手段として一目置いているようで、あの手この手で、
来場を促す試みがされています。

個人的に感じたのですが、このプレゼント内容で、
じゃあ、ツイートしようかなと思うのでしょうか?
というのが本音です(笑)

どうせなら、人数を減らしてもいいので、
3名、次回の美術館のチケットプレゼントにした方が
何かつぶやこうという気になるように思うのです。(私なら)

あるいは、プレゼントは、クリアーファイルの方がいいと
思ってしまうのは、私の個人的な好みですが・・・・
便箋(一筆箋)というのは、相手に送るもので、
自分の好みが強く反映されるものだと思うのです。
気に入ったものを選びたいと、自分の好みではないものは、
タダでもいらないと思ってしまうのは私だけでしょうか?(笑)
せめて、いくつかの候補から選べるとか・・・・
クリアーファイルなら、たとえ好みでなくても、実用として使えます。
(中にはそれすらもイヤという方もいるかもしれません・・・)

試みとしては面白いと思うのですが、今回の企画は、
ファッションがテーマということもあり、
このテーマに関心がある方というのは、自分の好みを、
明確に持っているのではないかと想像されます。

そんな人の心情的なことを考慮したら、プレゼントのセレクトも変わってくるのでは?
人の心をつかむことも必要ではないでしょうか?(笑)
もらえるならなんでもいいわけでは決してないと思います。


そして、ツイートで集客を目指したいというのわかりますが、
提灯ツイートばかりを見せられては、見ている人はすぐに見抜いて、
興ざめし冷ややかに見ているだけとなってしまうと思います。


食べログも、今、問題となっていますが、
本音が聞ける口コミということで、支持され大きくなってきました。
が、お店に都合の悪い口コミは、修正依頼がきたり、
評価も都合よく変えられているらしいということがささやかれてしまっては、
人は離れてしまいます。

某美術館の内覧会で、ちょっと厳しい意見が寄せられていました。
そのブログについては、美術館側からの掲載告知はされませんでした。
その気持ちはわかりますが、美術館のSNSも硬軟あってこそ、
意味があると思います。
内覧会のレポ―トは、否定的なことを書かない方がよい
という考え方もあると思うのですが、みんなが口をそろえて、
よかった、よかったと言っていても、面白くありません。
いろいろな意見に耳を傾ける美術館側の懐の深さ、
度量を見せてほしいと思ってしまいます。

美術側の対応から、美術館のもの考え方、姿勢のようなものを
利用は静かに見ていて、判断していたりします。
ご招待されたからと言って、かばん持ちになる必要はないと思うのです。

どういう人を招待するかというのは、美術館側の選択にゆだねられており、
美術館側が望むようなことを察して書いたレポートばかりが連なる
内覧会レポートを見た人は、行きたいと思うのかなと
常々、思っていたことでした。


また、ツイッターなどもテーマを設けてつのり、
「あなたの一押しの一枚」と「その理由」・・・・
というようにテーマ設定すれば、人はどういう絵を好み、
どんなふうに絵を見ているのか。
絵を見る様々なポイントが上がってきて面白くなると思うのです。

あるいは、
「あなたがみつけたこんな秘密」「見どころポイント」 といった感じで、
ツイートを集めれば、絵の見方の発見もいろいろできそうです。
これらは、内容により優劣をつけてもいいと思うので、豪華賞品進呈。
半年優待パスポートとか・・・・

というように、ただハッシュタグをつけてツイートしてください。
よりも建設的なコメントが集まるのではないかなと、
今回の「キャンペーン」に関連して思ったのでした。
同じキャンぺーンをするなら、見てるだけの人も、楽しくなる
魅力的なキャンペーンってできるのではないかと思ってしまいました。

条件を付けると集まりにくくなるのかもしれませんが、
数が集まればいいという考え方を変えた方がいいのでは・・・とも。

以上、あれこれ、忌憚なく書いてしまいましたが、
実はこの企画、そして、「パナソニック汐留ミュージアム」にとても興味を持っていました。


■「モードとインテリアの20世紀展
     ―ポワレからシャネル、サンローランまで―」
           公式サイトは ⇒こちら  

絵画というのは、その時代の世相を反映しています。
ファッションもその一つ。

これまでも、美術展でファッションが扱われた企画をいくつか見てきました。

○橋本コレクション 指輪 神々の時代から現代まで ― 時を超える輝き(国立西洋美術館)
○Modern Beauty フランスの絵画と化粧道具,ファッションにみる美の近代( ポーラ美術館)

が、今一つ、ファッションへの興味にはつながりませんでした。
しかし、3回目ともなれば、なにがしかの共通点などもあると考えられます。


絵画を通して、いろいろなジャンルへ興味が広がるのですが、
今回のファッションは、同時代の主要なインテリアと共に展示されているそうです。
アールヌーボー、アールデコも、室内装飾、インテリア、室内家具などに影響を与えました。
アーツ&クラフトも、室内装飾に影響を与えています。

今回の展示は、ベルエポック、ジャズエイジ、世界恐慌と大戦を経て
ミッドセンチュリーを過ぎるまでの20世紀のインテリアも俯瞰できるのは
興味深いところです。


そして、かねてからパナソニック美術館で興味を持っていたのは照明です。
この美術館の照明は、ぜひ一度、見てみたいとずっと思っていました。
最近の美術館の鑑賞法として照明と作品の関係を探るということが加わっています。


パナソニックは、まさに照明が本業の美術館
どんな照明を使ってインテリアを演出し、
ファッションを通して、その時代に光をあててくれるのか興味深いです。


 ◆パナソニックの美術館の照明技術について
   ○山種美術館 | LIGHTING STYLE Vol.5 | パナソニック照明設計
     山種美術館への照明技術をパナソニックが提供しています。
     自社の(?)美術館照明となれば、さぞや素晴らしい照明技術が・・・と期待。

   ○美術館・博物館向けLED照明「シューティングスポットライト」発売
       ~スマホの簡単操作で照射方向や範囲の調整を実現
     「パナソニック汐留ミュージアム」を通して、
     美術品や展示の知見とノウハウを蓄積し、照明器具の開発に生かす。
     美術館・博物館向けの製品を展開し、展示物の趣きを変えることなく、
     質の高い快適なあかり空間を実現するための提案をしていきます。

   ○パナソニック 汐留ミュージアム学芸員照明研究会
     さすが照明の会社の美術館だけあって、他館の学芸員さんたちにも、
     作品にいかに照明をあてていくかという
     「展示における光の扱い―そのツールとしての最新の照明」
     という知識の啓蒙や技術指導をされています。


◆ライティングに注目して鑑賞する面白さ
そんなわけで、作品と照明という点に気をつけながら鑑賞すると
いろいろな発見があったり、ライティング技術は生活の面でも応用ができて
とても面白いのです。

オルセー美術館特別協力 生誕170周年 エミール・ガレ展:ライティングの秘密 

山種美術館:照明の秘密 からのつながり (2016/01/19)
山種美術館:照明の秘密 (2016/01/17)

モネ展:(4)2つの《睡蓮》 「赤く染まる深淵な池」&「画面に浮かぶ睡蓮」 (2015/12/12)
モネ展:(3)「サンラザール駅」の煙ってすごいの? 離れて見ないとわからない (2015/12/12)



■島根県立石見美術館から出品
今回の出品は、国内屈指のモードコレクションを収蔵する
島根県立石見美術館からだそうです。

館長さんが話されたという言葉をみつけました。
 (⇒不毛から毛が生えるまでの日記より)

「どうか手技を忘れないでほしい。
  いつの時代も人の手で作られ、新しいものが生み出されている 。」

含蓄のあるお言葉だと思います。
口コミの創出も手をぬかずに、人の手をかけることが大事だと思います。

主催側が自ら動く・・・・・
それによって回りも動かされていく・・・・・
と感じた、ツイートがこちら ⇒国吉プロジェクト


【参考】『小さなお店のツイッター繁盛論』
   自ら、汗水流してしかるべき発信をして共感を得る努力をしなくては
   やっぱりダメだと思います。

前出の国吉康夫展のプロデューサーの方は、美術館に何度も何度も
足を運ばれていて、館内にいらっしゃり鑑賞者と会話をかわしているのをお見掛けしました。
プロジェクトスタッフの方も常駐し質問などに答えられていました。
また状況に応じて、予定のなかったギャラリートークを突発的に開催したり・・・
店主が、直接客席に出向き挨拶をるのと同じものを感じさせれました。

それと、人の心情として「プレゼント欲しさに、ツイートしている人」
そんなレッテルを張られたくないという心理もあるのではないでしょうか?

アンバサダーマーケティングという手法を耳にして久しいですが、
その肝は、アンバサダーに見返りを求めさせず自発的に口コミを促す。
なんてことが書かれているのを見たことがあります。

口コミする方も、見返り欲しさにしているわけじゃない。
そんなささやかなプライドみたいなものがあると思うのです。

そういう利用者の心理も理解しながら、SNSの活用を考えていく必要が
あるのではないかと思うのでした。

「わけもなく、ここのツイートをしたくなる」そんな土壌づくりが大切。
地道な努力なくして、プレゼントでたくさんの人にツイートしてもらおう・・・・
というのは、ちょっと虫がよすぎるんじゃないかな?
だったら、プレゼント、もっと奮発せい! 
というのが利用者心理だと思います(笑)


『小さなお店のツイッター繁盛論』を書かれた方がこんなことを言われています。

 ○成功している飲食店経営者に共通すること
この提言に乗じて、思っていたことを言ってしまいますが・・・・

    2)お客様との心理戦に長けている
       やっぱり・・・・
       同じ文章をコピペしたみたいなツイートが、
       一気に流れてきたら・・・・・
       見る側だってあれ? って思ってしまいます。
       
       某所の口コミですが、テンプレートみたいな紹介文が、
       一気にアップされます。ああ、商品、ばらまいたんだなって
       見る側は思いながら見ています。

       どこかでやっていたキャンペーンの応募は、
       「いいね」をした上で、ツイートすることが条件でした。
       なんだか、あざといなと思いながら見ていました。

       というように見ている側はいろいろに思っているわけです。


    1)とにかくひたすら考えている
       最近は、あちこちで写真OKの美術館が増えています。
       うちもOKにしようか・・・・

       ⇒撮影についてはすでにシャッター音がうるさくて
        迷惑だという声が上がってます。
        じゃあ、どうるする? ちゃんと対策を立てないと・・・ 
        撮影マナーも喚起する必要もあるし・・・

       内覧会のレポとして上がってくる写真
       参加していない人は、それをどういうふうに見ているのでしょうか・・・

       何時間も行列して、人ごみの中をかき分けて、
       数点だけしか鑑賞できなかった京都の琳派展。
       戻ってみたら、内覧会と称して、写真撮影までして
       優雅に見てる人たちがいたことを知りました。
       プレスに開放するなら理解できますが、
       ブロガーという一般の人が、悠々と見学。
       私たちは、1時間、2時間待ち・・・
       しかも国宝まで撮影? 
       その写真は映り込みがあったり人が入っていて・・・
       これじゃ、国宝が泣いちゃう・・・・
       こんなに軽々しく撮影されたら、国宝の価値、下っちゃったわよね・・・・
       と、ツイッターもブログもしていない美術好きの友人との間で、
       交わしていました。
       
       これが、内覧会に参加する前に思っていたことです。
       これまで写真撮影禁止だったのに、素人ブロガーに開放・・・・
       さらに今度は、一般にまで撮影の開放を検討するといいます。
       では、これまでの撮影禁止はいったい何だったのか・・・・
       SNSにそうまでしてあやかりたいのか・・・
       なんだか調子がよすぎない?

       素人の撮影した写真を、見せられてもと思うこともありました。
       それは、単独撮影はダメ、会場の風景写真としてなら撮影可というしばりが・・・
       そんな写真は、ありがたみも感じません。
       だったら、ネットの画像を探して貼り付けてもらった方がいいと思っていました。
       そしてこれまで、写真撮影は、内覧会参加者の特典でしたが
       今後は、一気に解放される方向にすすみそうです。
       そうしたら、内覧会の特典としての写真撮影の位置づけを
       どうするのか・・・・とか

       あそこもここもfacebookやtwitterはじめたから、
       写真撮影許可し始めたから・・・・
       内覧会やってるからうちもしようか・・・
       ルーチン化しつつあるような気がしています。

       それじゃあやっぱりダメだよねと思うのでした(笑)
       とにかくひたすら考えて、利用者の心理についても
       いろんな人がいろんな受け止め方をしているという
       現状を認識しておかないと・・・
       想像力を働かせ、いろんなパターンを想定して、
       どう対応したらいいかを考えていく。
       それが大事だと思います。


>人間はそう簡単には自分の立場を離れて考えられないんですよね。
>どうしても自分の視点や先入観が入ってしまって、
>純粋にお客様の立場になって考えられない人が大多数

SNS活用を考えるなら、それを見ている人たちがどういう視線で見ているのか。
何を思っているのか・・・・
プレゼントを用意すれば、つぶやいてくれるだろうはやはり甘い・・・
魅力あるプレゼントも大事だけど、それがなくてもつぶやきたくなる。
それを引き出すのは、主催者の手のかけ方だと思うのでした。

ちなみに私は、ツイッターはしていません。
そんな私でも、思わずつぶやきたいと思わせてくれた美術展が国吉展でした。
SNS活用の好事例でないかと思っています。

利用していない立場から見た、昨今の美術界のSNS利用。
はたから見ていて感じている心理でした。(笑)

これがすべてではありませんが、
人の心理を上手に読んで、これからの心理戦に長けて
美術界のSNS活用の道を切り開いて欲しいと思うのでした。


【参考】
マスコミが広報に望むこと
>マスコミの方に「広報に望むこと」について意見を求めると、
>日頃からのコミュニケーションの重要性を多くの方が説かれていることに
>気がつきます。記者の業務は人と会って話を聞くということが基本なので、
>”face to face”を前提とした関係作りを求める


みんな言っていることは同じ。「人」対「人」の関係が大事。
美術館と来場者の関係も、同様なのではないかと思います。


   「新しいものは、人の手から生まれる」


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ブログやSNSメディアのコミュニケーションスタイルを理解せず、トラフィック数やコンバージョン率だけしか見ないマーケティングキャンペーンって、もったいないと思うんですよ。
製品に対する想いとか、情熱とか、そういう開発のストーリーを共有して、それを一人一人が自分の声で発信する。そしてそこから、またファンが増えていく。リアルなストーリーテリングのメディアとして、ブログなりSNSを通じて広がっていくということ。これは、テレビや新聞雑誌、バナーや検索広告などとは違う、ブログやソーシャルの特徴だと思うのです。
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見ている側が思うほど、送り手の思いは強くないのかも・・・・
と感じてきた(笑)
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