『建仁寺:③風神雷神 どんな光があてられている? 宗達より素晴らしい絵師たち  』コロコロさんの日記

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この記事はコロコロのアート見て歩記&調べ歩記にリライトして移動しました。

  ⇒ ■建仁寺:《風神雷神図屏風》あるべき場所・環境で見る(どんな光?)

写真なども加え追記しておりますので合わせて御覧いただけましたら幸いです)
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建仁寺の風神雷神図屏風をわざわざ見に来た理由は、他にもあります。
本来飾られていたお寺では、どのような光の中に設置されているのか


■屏風はどう飾られるものなの?
屏風というものが、イマイチ、
どういう状況で飾られているものなのかがわかりません。

そもそもは、間仕切りです。
屏風という名は、「風を屏ぐ(ふせぐ)」という意味で、
実用的な家具?のようなもの。

ところが、屏風絵と言われるように調度品として、芸術品としての役割や、
城郭に置かれ地位、権力、財力の象徴として使われる屏風。
屏風には機能面と、美術性、権力の象徴など、
それぞれの目的によっても、部屋のどの位置にどのように飾り、
どんな光を受けて飾られたかが、違っていそうです。



■作成される時代による変化
時代とともに、夜の光源は蝋燭の火から電球へ変化します。
電球が発明された頃から、普及するまでの過渡期に屏風を描いた画家は、
どんな光の中で見ることを想定して描いているのでしょうか・・・・

エジソンが電球を発明した時を境に、(1879年(明治12年))
屏風の飾られ方も変化しているのかも・・・・
ということを、大観の屏風を見た時に考えていました。

  ②「めでたい大観」:「竹」・・・・竹林に迷い混む (2016/01/14) 
 

電球のない古い時代の屏風を飾る時、光は当時の光を意識して飾るのか、
今に合わせるのか・・・・など、まだまだわからないことばかり。

「外光を畳で反射させて屏風にあてる」という話や
「玄関に入って、正面に屏風があり、見る人の背から光があたる」
という話・・・

建仁寺では風神雷神は、どんな光の中に存在しているのか・・・・
畳が反射する外光の光。そこに浮かぶ屏風というものが、
どのように見えるのかに、大きな興味を抱いていました。
畳で反射させる光は、どこから入ってくるどんな光なのか・・・
もし障子戸の光だとしたら、障子で弱まった光が反射すると
どんな光になるのか・・・

そして、背後からあたる光の中に浮かぶ屏風。
建仁寺はそんな設置がされているらしいと予測されるので、
どういう状態なのか・・・・



■建仁寺の設置状況
いきなり屏風は登場をしました。
しかし玄関入ってすぐの正面でなく、
蹴上をあがってからすぐ横の部屋の中でした。

飾られた場所は、部屋の奥に
ちょっと高さのあるステージのようなものが設けられていて、
これは展示のためにこのような構造が作られたのか、
もともと、このようなスペースとして備えつけられていたものなのか・・・
よくわかりませんでした。

しかし展示方法は、本来、飾られているという状況ではなく、
あくまで展示として飾られているという感じです。



■光は?
そして屏風をサイドから見ると、はっきりどのように光をあてているかが見てとれました。
風神、雷神にスポットがあてられています。
さらに、下からもアッパーライトが・・・・
自然光の中で見る、風神雷神を見たかったのですが、かないませんでした。



■左右の間隔は?
左隻、右隻を飾る時の間隔というのも気になっていました。
建仁寺ではどれくらい離して飾るのかも知りたかったのです。

京都国立博物館の展示は、意図的に屏風を離して飾っているように感じられました。

  京都:③「風神雷神屏風図」えっ?これが? 屏風の大きさ・配置の謎 (2015/11/06)

他の2作品とは別格、特別、差別化をしたいという意図の現れ?・・・・
なんて思っていました。

建仁寺は、どのように飾るのか・・・・
それを確認することも、もう一つの目的。

なのに、こちらは、くっつけてしまって
1枚の絵のようになってしまっていたのでした。



■屏風の折がないのは?
屏風状態にできないのは、陶板だからでしょうか?
屏風の状態にして固定させてしまえばいいのに・・・と
思ったのですが、陶板でその状態にすると
折りたためないため、しまうスペースをとってしまうから?(笑)



屏風でなかったことに加え、飾られる状態、光、
左右の隻の間隔の確認など、がっかりポイントが、さらに増えてしまったのですが、
なるほどポイントもありました。



■子供たちの風神雷神
子供たちが風神雷神の絵を鑑賞したあとに、
1時間半ぐらいで風神雷神を描くというテーマで、
描かれた絵が展示されていました。

この発想が、本当にユニーク。
風神、雷神がじゃんけんをしていたり、
宇宙までジャンプしていたり、
赤鬼、青鬼に転じていたり・・・・

中学生の鑑賞会では、ゲームになぞらえてバトルをしているという声が多くありました。
小学生は、じゃんけんをしているところと表現している絵が多かった気がします。
おそらく、一人がそう発言したことで、それに引っ張られている様子が、
見てとれる気がしました。

中には描写力にすぐれていて、忠実に模写していて、
雷神だけで終わっている子もいました。
小学生の描写力、すごいです。

「こっちの小学生の絵の方が面白いなぁ・・・・」と言って
通りすぎていく人もいました。

建仁寺内は、撮影は全面的にOKです。
しかし、さすがに名前入りのこの絵を撮影したらまずいでしょ・・・
と思って自粛。ところが、あとで確認したらこちらもOKとのことでした。

しかしそれがわかったときには、充電切れ。
撮影できなくなってしまいました。

【参考】風神雷神:①対話式鑑賞  俵屋宗達 風神雷神図屏風 (2015/11/10)

   風神雷神図屏風を対話式鑑賞する中学生のレポートを見ていたので、
   小学生の描いた展示はとても興味深いものがありました。




■風神雷神図屏風の解説
陶板の屏風に添えられた解説・・・・・
これまで「風神雷神図屏風」に関する解説で
ネット内の主要なものは、大体、目にしているつもりでした。

ところが、ここに掲載された解説は、初めて見るものでした。
雷神を白く描いた理由について、いろいろ調べてきたのですが、
「白」の表現について、初めて見る見解。

これ、こちらのお寺の見解なのかしら?
それとも、どなたが言ってるのかしら?

この解説のリーフレットがないか、確認したのですが、ご用意はされていないそう。
全体を見てから、最後に書き写すことに・・・



風神雷神図の横では、解説ビデオが上映されています。
こうした説明ビデオは見ないでまずは見てみる。
ビデオは後回し・・・・


まずは、何にも知らない状態で見る。
ということに徹することにしました。


【付記】写真を整理してみて
写真からライトがどのようにあてられているかを確認していて気づいたこと。
風神に光がより強くあたっています。
それによって、目は風神をより見るように誘導されていたのだな・・・と思いました。

どちらかというと、私は風神よりも雷神の方に興味を持っていました。
なぜ、雷神が白で描かれていたのか・・・・

  風神雷神:⑥宗達の雷神 白いのはなぜ? (2015/11/18)

なのに、目はなぜか、風神に引き込まれていることを感じていました。
解説も「白」で描かれた部分のことに触れられているのに、
なぜか、目は風神の方へ・・・・
今の自分は、風神が心に何かを投げかけてくるのかなと思いながらも、
何でなんだろう・・・・と思っていました。

写真を見て、興味を持っている対象物があっても、
そこにより強い光があてられているものがあると、
気をひかせる効果があることがわかりました。


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この記事はコロコロのアート見て歩記&調べ歩記にリライトして移動しました。

  ⇒ ■建仁寺:《風神雷神図屏風》あるべき場所・環境で見る(どんな光?)

写真なども加え追記しておりますので合わせて御覧いただけましたら幸いです)
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