ノバンディさんが投稿したまき村(東京/大森)の口コミ詳細

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まき村大森海岸、大森、立会川/日本料理

20

  • 夜の点数:5.0

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 4.0
20回目

2023/12 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

ぶり大根革命

再訪。20回目。
飽きっぽい僕がもう彼是7年も通い続けている。
その理由は、まき村さんの料理の味の方向性が
僕の味覚のツボにドンピシャに合っているからなんだけど、
もうひとつ理由があって、それは、常に新しい驚きがあることだ。

この日の驚きは、ぶり大根。
普通のぶり大根じゃない。これは革命と言っていいほどの衝撃のぶり大根だった。

まず、ぶり。少し薄めにカットされたぶりは、
ぶりの旨みをタプタプに備えて、その表面には軽く焦げ目がつけられて、照り焼き風。
この焦げ目がとても素晴らしく、所謂メイラード反応がドンピシャにコントロールされており
この旨みがマックス。計算し尽くしたかのようなメイラード反応。ただただ凄い。
これ以上やっては苦味が出るし、これ以下ではぶり臭さが残る。その変化の丁度中間点。
こんな味が出せるのかよ、って言うくらいの衝撃度。

そして、これに寄り添うのが大根。
ぶりだけでも満足なので、ここに大根って不要だよなぁと最初思ったんだけど、
いやいやなんの、大根がこれまた素晴らしい出来栄え。
まき村さんならではのお出汁の旨さが光るし、大根臭さをまったく感じさせず、
それでいて大根の旨みをきっちりと感じる。

そしてだよ。この大根をぶりと一緒に頂くと、最高の旨みが生まれる。
ぶりに欲しかったのは、この大根の味。
大根に欲しかったのは、このぶりの味。
単独でも美味しいのに、合わさるともっと美味しくなる。

ぶり大根の革命。

  • ぶり大根

2024/03/17 更新

19回目

2023/03 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

松葉蟹しんじょうのお椀

再訪。19回目。

まき村さんと言えばやっぱり椀だ。
特に、しんじょうの椀はいつも素晴らしい出来栄え。
僕は、まき村さんのコースの中で最も好きな料理が、この椀。
毎回毎回楽しみでしょうがない。
期待度のハードルはかなり高いのに、毎回毎回それを遥かに超える椀が出てくる。

この日は、「松葉蟹しんじょうの椀」。

お出汁が身体に染み渡る。
淡く、円やかで、柔らかな旨み。淡いのに、全包囲網の旨み。
何かが突出するわけでもなく、すべてが円く収まった黄金バランス。
味覚を研ぎ澄ませる必要もないし、味覚を弱める必要もなく、
ただただ自分の味覚をお出汁の旨みに漂流させれば、
味覚は脱力状態になりお出汁に素晴らしく馴染んでくれる。

永遠に飲み続けていられる。

そして、この日の松葉蟹のしんじょうは、過去最高級の出来栄え。
旨みたっぷりの松葉蟹が淡いお出汁に対して程よいアクセントになり、
お椀の中に旨みの濃淡が生まれる。
このため、お出汁と蟹を往復することで、より双方の旨みをしっかりと感じられる。

この日も素晴らしかったです。

2023/12/31 更新

18回目

2021/10 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

旨み凝縮の旧コシヒカリ

再訪。18回目。

書くことがなくなってきているので、今回は、まき村さんのご飯について。

まき村さんで使われているお米は、魚沼産の旧コシヒカリ。
農家さん限定生産の希少米。
粒は小さめ。旨み凝縮。香り凝縮。
粒が壊れない炊き加減とも相俟って、一粒一粒がしっかり。
それでいて、旨みがしっかり活性化。
咀嚼すると、お米ならではの旨みが強烈に広がる。
一般的なコシヒカリとは若干異なり、華やかさはあまりないけれど、
逆にそれだからこそ、鯛茶漬けにしたときに鯛やお出汁の味を邪魔しない。
また、炊き込みご飯にしたときも、具の旨みをお米がしっかりと受け止めてくれる。
なので、まき村さんのコースの食事メニューは毎々とても楽しみだ。

ちなみに、我が家でも旧コシヒカリを使用しているのだが、
農家さんが違うからか、炊き方が違うからか、どういう訳か、まき村さんと同じようにならない。
だから、まき村さんに通い続けている訳だけれど。

2023/04/01 更新

17回目

2021/07 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

最高の鮎ごはん

再訪。17回目。
7月某日。

これだけ通っていると、季節ごとの料理の違いや素材の違いが徐々に分かってくる。
僕の個人的な味覚のツボにズッポリ嵌るのは、7月かもしれない。
季節の変わり目なので、素材は淡い味わいから強い味わいへと変化する過程にあり、
その危ういバランスが調理によって綺麗に表現される。

素材の味わいの本質だけが残されて、
そこに淡いお出汁や軽く爽やかな酸味があの手この手で付加されて、
咀嚼する度に口内調理が為されることにより素材の味わいと強い味わいとが絡み合い、
お出汁や酸味とが更にそのカオス的な味わいを広げてくれる。

この日は、お造りがとても良かった。
素材も美味しかったのだが、醤油も美味しかった。
醤油が異様とも思えるほどに素材の良さを引き出していたので、尋ねてみたら、
お造り用の醤油を変えられたとのこと。
いつもはポン酢の方を使う僕が、この日は醤油の方ばっかり使っていた。

さて。
この日の出色の出来栄えの料理は、鮎ご飯。
一夜干しした鮎は、綺麗に水分が抜けており、水っぽくならず旨みが凝縮。
ご飯の方にもしっかりと鮎の旨みが移っており、味も香りもとても良い。
お米は、旧コシヒカリ。若干小粒でこちらも繊維質や旨みがギュッと凝縮しており、
水っぽくならず、鮎との相性が抜群にいい。
僕の自宅でも旧コシヒカリを使っているのだが、炊き込みご飯とかにすると
他の品種との違いが如実に分かるくらい更に美味しくなる。

この日も、幸せ。

2023/04/01 更新

16回目

2021/03 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

これは反則技wと思わず微笑んでしまう蟹ご飯

再訪。16回目。

今回のハイライトは、最後の蟹ご飯。
蟹のお出汁がご飯全体を覆い尽くし、
蟹の身もこれでもかというくらいにたっぷりで、
それに追い討ちをかけるように蟹ミソ。
もう反則技www
この手の蟹ご飯は他のお店でもたまに出るけれど、蟹の臭みがどうしても残る。
ところが、まき村さんのこの蟹ご飯は、蟹の臭みなんて微塵も無い。
蟹の美味しいところだけ。とても綺麗でクリア。それでいて旨みたっぷり。
最高の調理技術。そして恐らくものすごい手間隙がかかっているはず。
高級食材をこれ見よがしにドーンと出せばそりゃ簡単だろうけれど、
まき村さんは、そこに更にひと手間もふた手間も、いやそれ以上の手間をかけて
最高の状態に仕上げてくださる。

ご飯、ピカピカ。しっかり粒が立って、最高に旨い。
蟹も旨いが、やっぱり、ご飯。ご飯が主役。
脇役の働きで、主役が最高に輝く。

こんな蟹ご飯を出してくれるお店は、恐らくまき村さんだけではないか。

何の迷いも無く★5です。

2023/04/01 更新

15回目

2021/01 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

冬の旨みと甘みと酸味

再訪。15回目。

僕の味覚が保守的になった訳ではないのだけれど、
まき村さんを訪れると、あぁこれこれ、やっぱりこれ、と思ってしまう。

何かの味が突出する訳でなく全体が綺麗にまとまり、
塩分に過不足がなくピタッといいところに合わせてくれて、
お出汁というか水分量を丁度いいところに留めてくれる。

だから、素材の味がビシッと決まる。
素材は高級だけれど、高級感を感じさせない。
素材の力で有無を言わせるのではなく、
調理の力で違う次元に連れて行ってくれる。

冬のまき村さんの素材は、冬らしい力強さがある。
それを、きっちりと形ある味に整形され、そこに力強さを凝縮させる。
そこに詰まった冬の旨みと甘みに、お出汁などの仄かな酸味が加わり、
全体が綺麗にまとまった味わいになる。
きっと僕は、まき村さんの酸味の使い方が好きなんだと思う。
特に、お出汁の仄かな酸味が。

2021/05/09 更新

14回目

2020/07 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

温かな幸せ

再訪。14回目。

その季節季節の素材の味わいに合わせて季節季節の調理が為され、
常に何かしらの変化がある。

素材に対する丁寧なお仕事は常に一貫している。

しみじみと美味しい。

この素材に対して何故この調理なのか。
何故この味付けなのか。
何故この組合せなのか。
自分が素材になった気持ちになって、そんなことを考えながら頂いていると、
とても温かい気持ちなる。

温かな幸せ。

この日も、どの料理も美味しかった。
特に、鰹のお造りが素晴らしかった(思わず、写真撮り忘れ)。

2020/07/26 更新

13回目

2020/06 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

さりげない一仕事が、料理の味を引き上げる

再訪。13回目。
大森にある日本料理店。

訪れるたびに、まき村さんの味が好きになっていく。
「まき村さんの味」と言っても、明確な味があるわけではない。
まき村さんならではの、味の引き出し方、と言った表現の方が合っているかもしれない。
調理の始めに素材に対して何らかの一仕事が為されており、
料理として完成したときに、素材の良さが更にグイッと際立つ。
素材の潜在力が最大限引き出されているので、思わず嬉しくなってしまう。

例えば、とうもろこしのかき揚げ。
他店のものとは、一味も二味も違う。
予め綺麗に水分が抜かれて甘みが引き出された状態で油で揚げるので、
旨みが更に凝縮されている。
とうもろこしは元々水分が多い食材だが、予め綺麗に水分が抜かれているので、
かき揚げを咀嚼したときにブシューッと弾けたりせず、
咀嚼の圧力に合わせて旨みが綺麗に広がってくれる。
また、とうもろこしは元々糖度が高い食材だが、予め綺麗に甘みが引き出されているので、
かき揚げを咀嚼したときに、茹でとうもろこし的な甘みだけでなく、
より糖度の高い、焼きとうもろこし的な甘みが綺麗に広がってくれる。
このとうもろこしのかき揚げは、まき村さんの傑作品です。

また例えば、鮎ごはん。
鮎は一夜干しにされ(更に少し発酵され)、鮎の旨みを凝縮して更に別の旨みも生じさせ、
それを土鍋でご飯と共に炊き上げられて、最高においしい鮎ごはん。
長時間炊き上げても、鮎から味が全然抜けていない。
いや、ご飯にいい出汁が沢山移っているだろうけど、
それを全く感じさせないほど鮎に旨みが残っている。
しかも、水分がいい感じに抜けていてご飯のお供にピッタリ。
茶漬けにしても美味。更に鮎の出汁が出てくる。

今回、6月下旬の訪問。
蒸し暑くなる季節に合わせて、身体が欲する淡い酸味でコース全体を一貫して微調整。
こうしたさりげない一仕事で、料理が更においしく感じられる。

2020/07/24 更新

12回目

2019/12 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

思わず目が丸くなる白子

再訪。12回目。

今回の出色の一品は、虎河豚の白子のみぞれ椀。
白子がキュッと凝縮してほわほわな仕上がり。
どうやったらこんな食感に仕上がるのか。
そしてどうやったらこんな幸せな味わいになるのか。
見た目はとてもシンプルな料理だけれど
この味を出すために様々な手間がかかっていることは容易に想像がつく。
ミシュラン3つ星に相応しい料理だ。

今回のコースは、訪問12回の中で過去最高レベルだった。

2019/12/31 更新

11回目

2019/11 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気3.5
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク3.5
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

そこに揚げる意味がある

再訪。11回目。
大森にある日本料理店。

今回の出色の一品は、「墨烏賊のおかき揚げ」。
まき村の揚げ物は、種の素材の本質的な味わいを
ピンポイントでぐいっと引き出してくれるところに凄さがある。
墨烏賊の甘みが存分に引き出されるちょうどいい火の通り具合。
小さな一口サイズだから揚げ加減は難しい筈だが。
そして心地よい弾力と共におかきの衣のさくっとした食感も心地いい。
そして咀嚼するたびに香るおかきの衣。

こうした味わいは、揚げることで墨烏賊の水分が綺麗に抜き、
更にドライな衣をまとわせることで、
食べる人の唾液を存分に引き出させ、衣や墨烏賊に染み込ませ、
食味を一体化させる意図に依るもの。

見事な逸品。

2019/12/30 更新

10回目

2019/06 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気3.5
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク3.5
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

吸い込まれるような見事なお出汁

再訪。10回目。
大森にある日本料理店。

こちらのお店の魅力のひとつは、椀の素晴らしさ。
この日のお出汁も見事だった。
吸い込まれ、引き込まれるような味わい。
だけど、それに抵抗する必要はなく、ただただ身を委ねて、
そのお出汁の中に漂っていたい。そのお出汁と自分が一体化したい。
なんて優しいお出汁なんだろう。

2019/12/29 更新

9回目

2019/05 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気3.5
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク3.5
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

お椀のお出汁の凄み

再訪。9回目。
大森にある日本料理店。

今回は比較的オーソドックスな内容。
その中にあって、ホタテ真薯(しんじょ)お椀が突出して素晴らしかった。
ホタテ真薯も素晴らしかったが、特にお出汁が素晴らしかった。
ホタテの味わいをいろいろな方向から引き出し、
それらを足し合わせて組み合わせて、重厚な旨みを見事に作り上げたお椀。

2019/08/18 更新

8回目

2019/02 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気3.5
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク3.5
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

トラフグ三昧

再訪。8回目。
大森にある日本料理店。

今回は2月訪問ということで、メイン食材はトラフグ。
あの手この手でトラフグのいろいろな部位を楽しむことができた。
特に今回は、トラフグのお出汁をたっぷりと楽しむことができた。

2019/08/18 更新

7回目

2018/10 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気3.5
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク3.5
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

まき村の松茸ご飯の幸せ

再訪。7回目。
時期的に松茸は難しいかと思っていたが、
2018年は松茸が豊作だったとのことで、
コースに松茸をところどころ組み込んで下さった。

この日の主役は、最後の松茸ご飯。
素晴らしく美味しい。
松茸の味と香りが十二分に引き出され、
それが移ったご飯はぴかぴかでとても良い状態。
水分が上手くコントロールされているから、
松茸の香りがご飯の香りと共に立ち上り、
松茸の旨みもご飯の表面に綺麗に乗っかってくれる。

2019/01/05 更新

6回目

2018/06 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気3.5
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク3.5
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

アワビのお椀に唸る

再訪。6回目。

出来ることなら一生お付き合いしたいお店。
ご主人の調理技巧の引き出しを、すべて受け止めたい。
季節を変えれば味も変わる。その変化を、ご主人の調理技法と共に、すべて受け止めたい。
そのくらい、僕の味覚のツボにズッポリ嵌まった料理が毎回出てくる。
ご主人の意図が、僕の中でストンと落ちてくるくらいに分かり易いのだ。
それと、自分の味覚の現在の能力と将来の可能性を最大限に引き出してくれる。
この歳になると、自分の味覚の限界をときに感じてしまうのだけれど、
ご主人の料理を頂いていると、限界を感じるどころか、眠りかけていた味覚が覚醒されるし、
更に言えば、今までに思ってもみなかった味覚が新たに生まれてくるのだ。
この歳で、だよ。

この日は、アワビのお椀に唸った。
アワビって、美味しい食材なので基本的にどう調理しても美味しくなるけれど、
料理の仕方によって美味しさの振れ幅は大きく変わる。
この日のアワビの椀は、美味しさが最大限に振れた出色の出来栄え。
少し濁りを出したお出汁が、アワビの身とお出汁とを調和させる。
アワビはアワビ、お出汁はお出汁、といった感じです独立させない。
同じ椀に中に入っているんだもの、やはり一体化させたい、という意図が伝わってくるような料理だった。
見事です。

この日のコース内容:
(1)鱧落とし
(2)とうもろこしのかき揚げ
(3)アワビのお椀
(4)カサゴのお造り
(5)ヤリイカ、マグロのお造り
(6)サザエのつぼ焼き、ウニ乗せ
(7)焼き鮎の鮨
(8)焼き甘鯛、ホワイトアスパラのすり流し
(9)ローストビーフ
(10)穴子ご飯
(11)和風ブランマンジェ

  • 鱧落とし

  • とうもろこしのかき揚げ

  • あわびのお椀

  • かさごのお造り

  • 穴子ご飯

  • 水菓子

  • ブランマンジェ

2018/08/20 更新

5回目

2018/02 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気3.5
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク3.5
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

あらゆる要素を兼ね備え、あらゆる要素ががっちり噛み合った日本料理店

再訪。5回目。
改めてながら、まき村さんの凄さを再認識させられた。
素晴らしい料理だった。

まき村さんの料理は各々の素材の本質部分をきちんと見極められ、
それを(それらを)足し合わせたり掛け合わせたりする料理。
もう少し分かりやすく言うと、
各々の素材の本質部分がクッキリと浮かび上がるように下拵えされ、
そういった素材と素材や、素材と調味料を上手く重ね合わせて、
旨みと旨みを重ね合わせて幅や奥行きを出したり、
旨みと旨みとを掛け合わせることによって新たな旨みを作り出したり。
そんな、計算づくの料理。必然性に満ち溢れた料理。

素晴らしいです。

この日の料理は、とらふぐ中心の組み立て。
とらふぐで強めのアクセントを出しながら、
その間を、弱めのアクセントで埋めていきながらも、
その間間の料理もしっかりとした内容で全く落胆させず、
結果的に、コースを通して強弱をつけながら全く淀みの無い流れ。

久々に唸りました。
参りました、という感じ。

この日の内容は、こんな感じ。
(1)白和え
(2)とらふぐの白子のお椀
(3)とらふぐのお造り、あん肝ポン酢
(4)まぐろのお造り
(5)ぶりの照り焼きと大根
(6)八寸(3種)
(7)とらふぐの唐揚げ
(8)若竹煮
(9)鯛茶漬け、香の物
(10)水菓子

(1)白和えは、お豆などの旬の食材が使用されており、
各々の食材の個性を感じながら、
白和え用のソースで全体に味わいの一貫性を感じる。
この料理だけでも相当な手間がかかっている筈だ。

(2)お椀(とらふぐの白子使用)は、圧巻のお味。
2品目でこんな力強い椀を持ってこられたことで、
気持ちがグイッと引き寄せられた。
白子も美味しいが、少し濁りを入れたお出汁であるがゆえに、
白子と絶妙に馴染んで、全体に一体感がある。
からすみのコクと塩分で、白子とお出汁の一体感が更に増す。
このからすみの使い方は絶妙だ。

(3)とらふぐのお造りは、とらふぐ自体の味わいもとてもいい。
更に、あん肝ポン酢が更にいい。
まき村さんのポン酢って、もともと素晴らしいけれど、
とらふぐのような食材で更にその威力が発揮される。
そこに、更にあん肝が加わり、味わい的に更に格上げ。
というか、このあん肝ポン酢だけで、最高のお酒のアテになる。
やばいゎ、これ。

(4)まぐろのお造りは、まぐろの綺麗な酸味がきちんと感じられる品。
鮨屋で出される高級マグロも良いけれど、こうしてツマミとして、
その素材の魅力を存分に楽しめる形で出されるのも、すごくいい。

(5)ぶりの照り焼きのぶりは、少し薄めにスライスされており、
照り焼きのタレがぶりの身の全体に充分に染み渡り、
ぶり臭さを全く感じさせない上品な味わい。
脂の状態も丁度いい塩梅に落ち着いている。
そこに、ぶりとの相性の良い大根。
これも小振りで、大根の青臭さを全く感じさせず、甘く蕩ける味わい。

(6)八寸(3種)は、圧巻。
これこそ、まき村さんの技巧をギュッと凝縮したかのような出来栄え。
(6-1)数の子にイクラの組み合わせはよくあるけれど、
そこにマッシュポテトを組み合わせるなんて。
これが、炭水化物の甘さを加えると共に、
イクラの卵臭さを綺麗に吸い取ってくれる効果があり、全体が綺麗にまとまる。
(6-2)また、車海老の刺身にかけられた梅肉のジュレは、酸味と醤油の加減が絶妙で、
車海老の刺身にドンピシャの味わいで馴染んでくれる。これはすごいです。
(6-3)また、タラコを茹でたものにお出汁のジュレがかかり、
タラコのツブツブの間にそのジュレが入り込み、
タラコのツブツブの舌触りの悪さや、卵臭さを綺麗に覆い隠してくれる。
そしてクラッシュアーモンドが、ジュレのぐじゅぐじゅな食感に対する意識を
硬い食感の方に向かせてくれて、程よい効果。
そして、菜の花の落ち着いた味わいが加わり、全体がシットリとした味わいに。

(7)とらふぐの唐揚げは、圧巻。とらふぐも美味しいが、唐揚げ粉がやばい。
いや、日本料理店で、コースのメインが唐揚げというのもすごく大胆な構成だけれど、
この唐揚げなら納得も納得。素晴らしい逸品です。

(8)若竹煮は、唐揚げの油っこさを綺麗に洗い流してくれる。
筍はとても柔らかく、そしてココナッツのような甘い香りが漂い、上質。
お出汁はスッキリ。とても綺麗。それを吸ったワカメも素晴らしく美味しい。

(9)鯛茶漬けは、まき村さんの定番中の定番。
久々に頂いたが、やっぱりこの鯛茶漬けは美味しい。

(10)水菓子は、シンプルに果物中心ではあるものの、
ソースやジュレで若干の味の変化がつけられ、コースの締めとして綺麗にフィニッシュ。

いや~、大満足。

この日は、2名利用で、
お酒少々とコース料理で、50,000円ちょっと。
約25,000円/人で、このレベルの日本料理を毎回確実に頂けるのであれば、
他店と比べてとてもお安く感じてしまう。

  • 白和え

  • お椀

  • とらふぐのお造り

  • とらふぐのお造り

  • 鮪のお造り

  • ぶりの照り焼きと大根

  • 八寸

  • 八寸

  • 八寸

  • 八寸

  • とらふぐの唐揚げ

  • 若竹煮

  • 鯛茶漬け

  • 香の物

  • 鯛茶漬け用のご飯

  • 鯛茶漬け用のご飯

  • 鯛茶漬け

  • 鯛茶漬け

  • 水菓子

  • 食前酒

2018/03/06 更新

4回目

2017/10 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気3.5
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク3.5
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

訪れる度にしっくり馴染んでいく

再訪。4回目。
初のカウンター席。2名利用。
個室はアットホーム感あり、カウンターは特別感あり。

18,000円のコースに松茸追加でプラス2,000円。
これに、ビール・日本酒代と、税サをプラスして会計は1人26,000円ほど。

この日のコース内容はこんな感じ。
(1)茄子といくら
(2)蒸し鮑とボタン海老
(3)松茸の茶碗蒸し
(4)お造り(剣先イカ、しめ鯖、平目、鮪)
(5)松茸コロッケ、サヨリ、栗
(6)牡蠣の味噌焼き
(7)牛のすき焼き風
(8)松茸ご飯、食事
(9)シャインマスカット、洋梨

いつもに比べて、品数少なめ。
その分、1皿の量は多め、そして食材は高級。
やはりなんと言っても松茸でしょう。
今年の松茸は近年稀にみる不作で、
この日も良いものを手に入れるのが困難だった模様。
そんな中、山形産の貴重な松茸をふんだんに使って下さった。
(3)松茸の茶碗蒸し:薄くスライスされた松茸が香る香る。しかも華やかに。
もちろん素材も良いのだろうが、松茸の香りを引き出す調理技術が大変素晴らしい。
(5)松茸コロッケ:コロッケの中に軽く忍ばせた松茸が香る香る。
コロッケの中のジャガイモがふんわりとしており、
そんなエアー感のある食感の中に松茸の香りがふわ〜って広がる。
これはかなりの傑作です。
(8)松茸ご飯:何か変化をつけたりしていない、
真っ直ぐな松茸ご飯。王道の味。王道の香り。
こういう真っ向勝負の松茸ご飯が、きっちりと美味しい。
まき村の調理技術の真髄をみた印象。

その他、頂いた中では、(2)蒸し鮑とボタン海老が特に秀逸。
酸味を効かせたジュレの、少し強めの酸味の具合が蒸し鮑とボタン海老に
素晴らしくマッチしている。

全体を通して、魚介の質の高さも光る。
日本料理店では、やっぱり質の高い魚介を頂きたいし、
それを最高の技術で更に美味しくしたものを頂きたい。
まき村ではそれを叶えてくれる。

まき村では毎回料理は変わるけれど、
日本料理店はこうあって欲しいよね、といつも思えるので幸せ感がいっぱい。
訪れる度に自分が料理にしっくり馴染んでいく印象。
また訪問します。次回は河豚の季節。

  • 茄子といくら

  • 蒸し鮑とボタン海老

  • 松茸の茶碗蒸し

  • お造り(剣先イカ、しめ鯖、平目、鮪)

  • 松茸コロッケ、サヨリ、栗

  • 牡蠣の味噌焼き

  • 牛のすき焼き風

  • 松茸ご飯

  • 食事

  • 松茸ご飯

  • シャインマスカット、洋梨

2017/10/28 更新

3回目

2017/06 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気3.5
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク3.5
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

季節季節の素材の良さ

再訪。3回目。
定期的に訪れるお店となった。
幾つか理由があるが、最大の理由は、
素材の個性をとても大切にされ全て計算づくでその個性を引き出してまとめ上げられる職人技が、
(違う分野ではあるが)僕の職人気質を大いに揺り動かしてくれるから。
もっと触れたい。もっと感じたい。この意図をもっと知りたい。そんな気にさせられるのだ。

今回の料理も、そんな方向。
素材の良さそのものを大上段に振りかざすのではなく、
素材のその季節季節の良さを綺麗に引き出されていらっしゃる。
そんなところに感銘を受けるのだ。

頂いたのは
「夜懐石」(18,000円)
それと、日本酒「天青」(700円)、「五凛」(1,200円)
これに、サービス料10%と消費税8%がついて会計は23,641円。

内容は以下の通り。
(1)先付
・酢の物(赤ピーマン、南瓜、長芋、オクラ、ワカメ、ジュン菜)
・胡麻クリーム和え(椎茸、蓮、インゲン、きゅうり)
・トウモロコシ手毬揚げ
(2)千枚アワビの薄口仕立て
(3)活け鱧 焼き霜造り
(4)お造り(気仙沼カツオ、舞鶴剣先イカ)
(5)蒸しアワビ 生ウニ 鮑の肝 出汁ジュレ
(6)江戸前羽田沖穴子 炙り寿司
(7)銚子金目鯛 炙り寿司
(8)広島マナガツオ 漬け焼き
(9)佐賀牛ザブトンのローストビーフ 焼き茄子
(10)長良川鮎 炊き込みご飯 赤出汁 香の物
(11)クリームチーズのムース マンゴー ワインゼリー

これらの中で、特に良かったのは、終盤の(8)、(9)、(10)。
序盤から中盤にかけては、初夏の暑さを忘れさせてくれる料理が流れる。
とても落ち着いた味わい。それでいてスッキリとした味わい。
しかし単調ではなく、あの手この手で楽しませてくれる。
ただそろそろ盛り上がりが欲しいなと思っていた頃の終盤に大きな山場が訪れる。
それが(8)、(9)、(10)。

(8)広島マナガツオ 漬け焼き:
マナガツオの旨味を少しも残さず全部含ませたかのような完璧な仕上がり。
マナガツオ特有のぱさつき感は漬けにすることで上手く回避。
マナガツオの魅力が存分に楽しめる。こんなに美味しいマナガツオは初めてだ。

(9)佐賀牛ザブトンのローストビーフ 焼き茄子:
ローストビーフを出す日本料理店が最近増えたが、その中でもこれはズバ抜けて美味しい。
ロースの旨味と脂の旨味が綺麗に重なり、
更に平面状に入ったサシの効果により口の中で綺麗に解ける。
そこに出汁の旨味と薄口の醤油の旨味ととろみの甘みが加わり、
ローストビーフ自体の旨味を更に広げる。そして、和芥子が全体をビシッと引き締める。
そして、下に敷かれた焼き茄子の滋味が加わり大人の味わいのローストビーフに。
これがあることで、ローストビーフが日本料理として成り立っている。
最高に旨いです。

(10)長良川鮎 炊き込みご飯:
鮎の若い旨味が全体を包み込む炊き込みご飯。
軽く炙った鮎の香りもほんのりと全体を包み込む。
幸せになれる鮎ご飯だ。
おこげも最高に美味しい。

いや~、今回も美味しかった。大満足。

  • 酢の物

  • 胡麻クリーム和え

  • トウモロコシ手毬揚げ

  • 先付

  • 千枚アワビの薄口仕立て

  • 活け鱧 焼き霜造り

  • お造り(気仙沼カツオ、舞鶴剣先イカ)

  • 蒸しアワビ 生ウニ 鮑の肝 出汁ジュレ

  • 江戸前羽田沖穴子 炙り寿司

  • 銚子金目鯛 炙り寿司

  • 広島マナガツオ 漬け焼き

  • 佐賀牛ザブトンのローストビーフ 焼き茄子

  • 長良川鮎 炊き込みご飯

  • 長良川鮎 炊き込みご飯

  • 長良川鮎 炊き込みご飯

  • 香の物

  • 赤出汁

  • 食事

  • クリームチーズのムース マンゴー ワインゼリー

  • 食前酒

  • 天青

  • 五凛

2017/07/08 更新

2回目

2017/02 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気3.5
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク3.5
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

素材を活かす技巧と素材を組み合わせる技巧

再訪。2回目。
前回も良かったが、今回は更に良かった。
何もかもが完璧で、感銘を受けた。
素材の良さを活かす技巧が素晴らしい。
そしてその素材を組み合わせる技巧が素晴らしい。
前者だけでも美味しいのだと思うけれど、
後者のように、洗練された良いものと良いものを意図的に合わせて、
突き抜けるような旨みが生み出されると、
もう参りましたと言うしかない。

今回頂いたもの。
(1)さより昆布〆梅肉和え
(2)フォアグラゼリー、厚焼き卵、河豚のにこごり、牡蠣の海苔巻き、空豆、小梅
(3)鹿児島の車海老と卵豆腐の椀
(4)豊後水道天然トラフグ
(5)長崎壱岐の本鮪
(6)山口甘鯛若狭焼き、タラの芽の天ぷら
(7)八寸(根室産バフンウニと生湯葉の出汁ジュレ、噴火湾産甘海老と芋茎梅肉添え、アオリイカのおかき揚げ、法蓮草ともやしの共和え、冬茹椎茸の白和え、浅蜊と蕗の薹のマリネ)
(8)豊後水道天然トラフグの焼き白子
(9)宮崎牛A5サーロインすきしゃぶ仕立て
(10)鯛茶漬(淡路の真鯛)
(11)せとか、苺、マンゴーのワインゼリーとヨーグルトムース

これらの中で、突出していると思ったのは、(6)と(8)と(10)の3品。

(6)「山口甘鯛若狭焼き、タラの芽の天ぷら」は、まず甘鯛の若狭焼きが実に見事。
衣の香ばしさ、皮の凝縮された旨み、身にたっぷりと包含された旨みがギリギリのラインで美味しさを蓄えている。
そしてそこに添えられるタラの芽の天ぷらの滋味が、甘鯛の若狭焼きをビシッと引き締める。
この味は初めてだわ。

(8)「豊後水道天然トラフグの焼き白子」は、まき村にしては珍しく1点集中での美味しさの追求。
余計な味は加えず、トラフグの白子そのものの味を最大限引き出す。
シンプルではあるが、そこには素材を大切にされるまき村の技術が凝縮。旨みも凝縮。

(10)「鯛茶漬け」は、さすが看板料理とあって、素晴らしい美味しさ。
個人的にこの日一番と感じた料理。
他店だと、鯛を茶漬けにしても美味しくなるわけじゃないのになっていつも思うんだけど、
まき村の鯛茶漬けは、鯛を茶漬けにすることで鯛が更に美味しくなって、
しかもご飯も出汁も更に美味しくなって素晴らしい相乗効果があり、
鯛を茶漬けにする必然性を感じるもの。
前回も美味しかったけれど、今回はそれを遥かに凌駕。

いや〜。最初から最後まで、様々な技巧が凝らされ、素材が活き活きと輝いている。
お酒代まで入れて約23,000円とそれなりの価格帯ではあるが、
素材の良さと調理にかける手間を考えると喜んでお支払いできる。
見た目に手間をかけるのではなく、調理に手間をかけているところが好き。

2017/06/30 更新

1回目

2016/11 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気3.5
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク3.5
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

味の引き出し方に悶絶しました

大森海岸駅の近く。大森駅からでも徒歩圏内の場所にある日本料理店。
後で知ったことだが(あんまり興味ないので)、ここはミシュラン三ツ星。

頂いたのは、「夜懐石」16,000円(税サ別)。
それと、日本酒「獺祭スパークリング」、「加賀鳶」。
これで21,000円ちょっと。この手の日本料理店の中では安めな方。

全体を通して、各々の食材の味の本質だけを残し、その良さを最大限に引き出されている印象。
余計なものは削ぎ落とされ、旨さだけが残り、それを必要最低限の出汁や調味料で調理される。
一品一品の調理がとても丁寧。手抜きと思われるものは一切なし。
むしろ、これでもかと言うくらいに技を凝らして完璧とも思える味を作り出される。
しかも、微塵のぶれもない、計算し尽くされた味の組み立て。
シンプルに見える料理でさえも、きっちりと一手間二手間三手間かけられている。

いや~、僕の味覚のツボにズッポシ嵌りました。
ドンピシャ。
こういう、奇を衒わず、正統派の技巧を凝らして素材の味を引き出すお店は大好き。

この日の料理と寸評:
・柿の胡麻和え
  拍子切りされた野菜の中に、拍子切りされた柿が混ぜ込まれ、野菜の味の組み立ての中に、
  柿の甘味が加えられ、胡桃ダレで全体が纏め上げられている。非常に面白い味の組み立て。
・車海老の椀
  感じるか感じないかのギリギリの線のお出汁。美味い。好きな傾向のお出汁。
  車海老のしんじょうは、車海老のけばけばしさは抑えられ大人しい味わい。出汁に馴染む。
・お造り(鮪、クエ)
  大間の鮪は、赤身特有の仄かな酸味があり、さすが貫禄の味。
  クエも、まだ脂が乗り切っていない分、逆に旨味が強調され、深い深い味わい。
・松葉蟹
  ぷりっぷりのはちきれそうな蟹身。元気いっぱいに育ち、かつ栄養たっぷりの蟹だ。
  ただ、ちょっと温度が低く、正直、温度はもう少し高めの方が好み。
  脚の身よりも、脚の根元の身の方が美味。
・鰆の幽庵焼き、茸のディップ、イカの塩辛
  鰆の幽庵焼きは、もう完璧。これ以上はないと断言できそうな、凝縮された鰆の旨味がすごい。
  こんなに美味しい鰆の幽庵焼きは初めてだ。
  茸のディップも悶絶もの。どうやったらこんな味が引き出せるのか。こんな味は初めて。
  イカの塩辛も、今までに味わったことのない味わい。
・帆立の煎餅揚げ、里芋の揚げ出し
  僕個人的には、本日の最高の逸品。ホタテに煎餅をまぶして衣にして揚げたこの品は、
  煎餅の香ばしさとホタテの甘みが見事に融合。そして、里芋も揚げることによって
  表面に衣的なものが出来上がり、この香ばしさと里芋の甘みが見事に融合。
  そう、ホタテと里芋という別々の素材を使いながらも味を似せてその対比を楽しませる。
・松坂牛のシャトーブリアン
  素材への火入れが完璧。表面には水分が綺麗に抜けた薄い焼き目。これが全体をガード。
  中は、たっぷりと生っぽい赤身。中まで火を通しつつ、表面にきっちりと焼き目。
  普通なら中まで硬くなってしまいそうだが、全然そうじゃない。
・真鯛の茶漬
  ただ、ただ、旨い。ご飯も美味しいけれど、お出汁も美味しい。鯛も美味しい。
  他店だと、ご飯と出汁と鯛とがバラバラの味わいになってしまっている鯛茶漬けによく出会うが、
  ここ「まき村」は、各々が完璧で、かつ全体がちょうどいい塩梅に馴染む。
・越後姫とラ・フランス
  昔懐かしい露地栽培のイチゴの味を彷彿とさせる味わい。
  ラ・フランスのサッパリとした味わいも心地いい。

いや~、良かった。美味しかった。

僕の舌は、高級店に行っても、どこがどう美味しいのかサッパリ分からないような馬鹿舌なので、
最近はこの手のちゃんとした日本料理店に行くことは滅多になくなってしまったが、
今回ここ「まき村」を訪れてみて、あぁやっぱり高級日本料理店はいいなぁと思えた。
また行きます。

  • 柿の胡麻和え

  • 車海老の椀

  • 鮪、クエ

  • 松葉蟹

  • 鰆の幽庵焼き、茸のディップ、イカの塩辛

  • 帆立の煎餅揚げ、里芋の揚げ出し

  • 松坂牛のシャトーブリアン

  • 真鯛の茶漬

  • 真鯛の茶漬

  • ご飯

  • おこげ

  • 越後姫とラ・フランス

  • 加賀鳶

  • 食前酒

2016/12/04 更新

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