2回
2014/06 訪問
羊蹄山の湧き水で打った美しい翡翠色の蕎麦・・・珠玉の粗挽き蕎麦デス☆ 北海道 真狩村/手びき石うす「いし豆」
目にも美しい鶯色の蕎麦に、彩とりどりに散る 赤・翡翠色・乳白の星。
口に含んだ瞬間に弾ける芳醇な蕎麦の風味、後からじわり染み出す蕎麦の甘み。
滋味というのは、こういうことか・・とうっとりします。
瑞々しさと適度なもっちり感を併せ持った、素晴らしい蕎麦。
洗練された蕎麦ではありません。
山間の村で打たれる素朴な蕎麦。
ですが、その蕎麦は、ご主人の感性によって極限まで研ぎすまされた極上の粗挽き・・☆
北海道、粗挽き蕎麦というジャンルにおいて、現時点で「最高峰」の蕎麦屋だと思います♪
『 そば屋 いし豆 』
羊蹄山の麓、真狩村。
日本百名山にも選定されている標高1,898mの美しい山「羊蹄山」の麓にあり、水も美味しい土地です。
国道66号線沿いの、草原の中にぽつんと建つ、一軒屋。 一度気がつかずに通り過ぎてしまいました。
蕎麦は、道南 黒松内産の奈川在来種と開田在来種、道東 美幌町のキタワセのブレンド、外一、つなぎに使う小麦も北海道産。
黒松内の落合ファームで栽培される蕎麦は無農薬、「浦臼のぼたん種」も幻と言われ蕎麦好きには人気の高い蕎麦ですが、
「黒松内の奈川在来」も現在ではブランド化しているともいえる人気品種。
いまでは札幌市内〜札幌近郊を含めて数店舗で取り扱う蕎麦屋さんを見かけますが、黒松内奈川在来の人気は、このお店から
全道へ広まったという印象があります。
いし豆さんで修行して蕎麦屋を開いた、というお店の蕎麦も大好き^^
飛んだ決まったさんが「奈川三銃士」と命名している小樽、きむら、札幌南区の此花(このはな)、さん。(いし豆さんと合わせて三銃士☆)
それと、こちらで修行されたそうですが少し独自路線を行く札幌豊平区のけん豆さんの蕎麦も、とても好きです。
今回とても久しぶりにこちらの蕎麦をいただいたのですが、開田在来種という種の蕎麦も使っているとお品書きに表記あり。
後からウェブで検索してみると、奈川在来同様、長野県由来の在来種なんですね。
地図で見てみると開田高原という駒ヶ岳・御獄山・乗鞍岳、という3つの山に囲まれた高地というロケーションでした。
玄そばで仕入れ、毎日使う分だけを自家製粉。 手挽きの石臼と電動の石臼で挽き分けたオリジナルブレンド。
そこに合わせるのは羊蹄山の湧き水、羊蹄の湧水は100年という時を経て湧いてくる、と言われていますが、
100年前の冬に積もった真っ白な雪が、じわり・じわりと地中に吸い込まれ、今吹き出しているというその水を
こんなに美味しい蕎麦でいただけるなんて・・・・なんとも贅沢な蕎麦!
ー ー ー
2008年8月 初訪問時レビュー
『手びき石うす「いし豆」 』
手打ちのおいしいおそば屋さんがある、ということで行ったのが 真狩村にある いし豆 というおそば屋さん。
開店15分前にお店の前に到着。
午前11時に、のれんが上がるのと同時に中へ。
そしたら次々と人がやってきて10分もしないうちに満席+待っている方達状態!これは大変だ。
こんなに人気店なんですねー^^ 開店時間に入ってよかった♪
冷たいお蕎麦を熱々の汁に付けていただく鶏せいろを注文。
●鶏せいろ
おそばは、玄蕎麦を石臼で粗く挽いた、手挽き×手打ちの蕎麦。
この辺りは羊蹄山の麓、水もいいですからね、なんだかとっても美味しそう♪
そして、粗挽きのこういうお蕎麦は・・・私、はじめていただきます!
一風、変わったお蕎麦。
甘皮ごと臼でひいているのか、黄色みかかった赤い星や緑の粒々が、蕎麦の中にころころ入ってる。
香りがいい♪ しっとりと吸い付くような蕎麦の中に、甘さもしっかりと感じます。
蕎麦自身が持っている香味が、直に舌の上で感じられるような感覚で・・・
噛むたび香り、のどを通り過ぎるときにもう一度鼻の奥の方にふわぁっと、優しく香る。
そばは、黒松内産の奈川在来種を玄蕎麦で仕入れ、こちらで石臼で挽いているそうです。
つぶつぶの粗挽き感は、ご自分で挽き加減が調整できるからなのですね♪
こういう素朴な粗さが持ち味のお蕎麦は、初体験でしたが、すごくすごくすごくすごく美味しいです! !
つゆはやや濃口。 ざっくりとした蕎麦粉自身の風味が強いおそばには、ちょうどよいのかも♪
出汁の香りも美味しいデス☆
これはまた食べに行きたい・・・ 心に残る蕎麦でした☆
ー ー ー
2014年6月
蕎麦の中でも粗挽き蕎麦も大好きなんですが、その美味しさを「初めて知った」のがいし豆さんでした。
初めてうかがったのは・・・6年前!驚
本当に久しぶりに訪問です♪
初めて食べた時の感動たるや、その美味しさに震えるくらいだったんですが(笑) 嗚呼美味しかった!という
記憶は、その年月とともに美化されて、再び訪問した時にどう感じるだろう・・とやや思いつつ訪問。
しかしそんな杞憂なぞあっさりと払拭されるほど、素晴らしい蕎麦でした!
保管状況も素晴らしいのでしょうが、仕入れる玄蕎麦も特別だと聞きます。
この美しい翡翠色・・・!
思わず季節を忘れてしまいますね。
●そばがき 値段忘れた
まぁるくふんわりと成形された、粗挽きのそばがき。
口当たりふわっとしつつ適度に粘りがあって、蕎麦の身の香りがワイルドにやってきます。
岩塩・とこれは・・・醤油に近いような濃い濃い返し? 旨味を感じる美味しいお醤油!
ワサビも瑞々しく甘い♪ ものすごい美味しいです!
●もりそば 800円
冒頭で褒めちぎってしまいましたが、ほんとうに、美しい、美味しい蕎麦。
つゆにつけずに食べても、蕎麦本来の香りが襲うようにやってきて、とっても美味しい!
つゆにつけて食べると、嗚呼もっともっと美味しい!
蕎麦はこういった本格手打ち蕎麦屋と考えると盛りも良く、手間を考えるとCPも素晴らしいです。
水切りやや甘めでしたが歯ざわりキュっとタイトな蕎麦にはこれくらいがちょうどいいかも♪
蕎麦の美味しさもそうですが、1本1本の蕎麦から、水の美味しさまでをも感じられる上質な蕎麦でした。
翡翠石のように透明感のある美しい翠色、ぜひ、現地で味わってみてください・・・♪
ー ー ー
2008年の訪問時、うかがう前に見た真狩村の商工会が紹介している「村内のグルメ」では
真狩村で栽培された蕎麦を使用している、と表記されていました。
(2006年12月の記事:http://www18.ocn.ne.jp/~makkari/mogumogu/isimame.pdf)
真狩の蕎麦から黒松内の奈川在来へ、そして美幌のキタワセブレンドに、現在では開田在来も。
その年の蕎麦に合わせているのかもしれませんが、変化・深化もまた楽しみなお店。
札幌から気軽に行ける場所ではありませんが、またすぐにでも食べたい♡ 大好きな蕎麦です♪
2017/03/28 更新
羊蹄山の麓、真狩村。
水が美味しいこの土地だからこそ、出せる蕎麦がある。
『 いし豆 』
久々の訪問でした。
黒松内の落合さんの奈川在来という素材の素晴らしさ、そしてその美味しさを十二分に引き出すそば打ちの技、そこに、羊蹄の美味しい湧き水。
きっとこの土地には、美味しい蕎麦に必要なたくさんのピースが揃ってるんだと思います・・・☆
●もりそば たしか850円
美しい翡翠色の蕎麦。
まるで新そばの時期のように初々しい、透明感のある翡翠色に白と赤の星が散る。
粗挽き蕎麦ですが、粉の中には微粉も混ざっているのか、吸い付くようなしっとりさと、歯切れの良さの絶妙なバランス。
口に含んだ時に、ふわぁっと鼻に抜ける爽やかな蕎麦の香り。
蕎麦だけで食べても本当に美味しい!
つゆも極上。出汁、旨味、のバランスが整った濃口つゆ。
するすると箸さばきもいい、どちらかというとほんの気持ちだけ水切りは緩めの蕎麦ですが、水が美味しいからかそれもいい方に作用する。
最後まで、蕎麦の香りを楽しめる、極上の蕎麦!
前回訪問時は800円でもう少し量が少なかったような気がするんですが、
今回訪問したら、蕎麦の量がたっぷり!に増えていました。
もりそばだけでしっかりとおなかいっぱいになるボリューム。
こういうお店では、ボリューム少な目なお店も少なくない。
それに比べ、これくらいしっかりボリュームがあると、嬉しいです(^^)
たまにしか来れないし、せっかくならたっぷり楽しみたい(*´∀`)♪
●花巻蕎麦 1080円
冬季限定、だそうです。
温かい蕎麦はここでは初めていただきました。
びっくりなのが、海苔が強く香っても、蕎麦の香りが負けていないこと。
これも美味しい(^^)
汁はくっきりと輪郭を感じる濃いめ汁。
こちらの花巻は厚手の岩海苔で、磯の香りが結構強めでワイルドな感じでした。
個人的には蕎麦を主役に楽しみたいので、海苔はもう少し上品でも、、それと最後までしっかりと汁に溶けない海苔でしたが、ほんとは最後の方は溶け出して汁と混ざり合う、そんな花巻が好きなので、そこはちょっと好みとは違ったかもです。
でも、すごく、美味しいです(^^)
やはり、ここの蕎麦は、桁違いに美味しい。
なかなか頻繁にこれる場所ではありませんが、できれば毎月通いたいくらいの、素晴らしい蕎麦です☆