「先ほど、心臓が止まりました」
「そうですか…」
前の日に会いに行ったとき、虚ろな目で空間を見つめていた、あなた。
最後の時が迫っていました。
点滴をして貰っており、痛みも和らいでるようで苦しんでいなかった。
動物病院に、引き続き入院をお願いしました。
翌日、獣医さんから貰った携帯への電話。
着歴の番号ですぐに察しはつきました…
見舞ったときと変わらず、やすらかに逝けたようです。
人も動物も老化は同じ。
2年くらい前からトイレが近くなり、夜中に起こしに来るようになりました。
それも待てなくて、そそうが始まり。
同時進行で、腎臓の腫瘍は大きくなっていっているようでした。
4種類の薬を、朝と夕方に。
車への自力乗り込みが出来なくなり、階段の上り下りも難しくなっていく。
徐々に歩くことも難しく支えて歩行、時間のかかる排泄。
大好きな散歩にも興味が薄くなって行きました。
ドライフードが食べられなくなり、柔らかいレトルトへ。
ここ数か月はスプーンを口元に持っていくと食べておりました。
肉を煮た、そのスープだけしか食べられない日もありました。
獣医さんが検査結果を見て、生きていられるのが信じられないと言われる程に結果は悪く。
それでも、根が食いしん坊。
食べてくれるので、生命維持が出来ていたのでしょう。
最後まで家で看てあげたかったけれど…
4日前に吐き気がとまらず苦しそうに鳴き、獣医さんのところへ駈け込んで入院となり。
昨日、冒頭の電話をいただくことになりました。
私が看られない時にサポートしてくれていた母が号泣。
私が出張の時など実家で預かって貰っていました。
実家に遊びに行くのを楽しみにしていていた子で、母が来ると、行っていい?
と尻尾ふりふり、犬ながらにアイコンタクトしてきます。
母の了解を得て「行っていいってよ」と伝えると大喜び。
母の車に乗り込んで、いそいそと出掛けていました。
実家にも犬は居ますが、うちの子もとても可愛がってくれていましたので。
今年に入って世話は大変でしたが、それも全く苦ではなく。
むしろ、以前に増して愛おしく。
家に迎えて16年。
人の6倍の速さで一生を終えました。
あなたの居る日々は、楽しく幸せでした。
ありがとう。
夜は同じ空間で過ごしていた、愛鳥ゴッチャン。
姿の見えない家族を探し、愛犬の名を呼び続けています。
私の口笛まで、そっくりに真似て呼ぶ。
「もう居らんのんよ。お空に行ったんよ…」
鳥には状況理解が出来ないので、名前を呼ばれ続けると辛い。
遺品のフードやペットシート。
使えるものは、北九州市動物愛護センターに寄付しようと思います…
彼女は16年前に、こちらから受け入れた子です。
一つの命、受け入れ、見送りました…