3回
2020/08 訪問
旅の目的地となりうる、北の大地の美味なる鮨(リピート編)
函館からクルマで1時間程度の森町にある、ミシュラン1つ星のお鮨屋さんです。2年ほど前に伺いとても美味しかったので、今回はおおね田さんを主たる目的地として訪問しました。
【お店について】
JR森町の駅からも歩いて行ける距離にありますが、おそらく皆さんクルマで行かれると思われます。
前回の訪問時は夜だったので、L字カウンターの後ろにある窓からの景色がよく見えませんでしたが、今回は昼。予想通り窓の向こうの奥の方に噴火湾(内浦湾)が広がっていました。なかなかの眺め。
昨今の感染症対策として、消毒液の設置は勿論のこと、換気はバッチリされており風が抜けるほど。これはこれで北海道の風を感じることができ、涼しくてむしろ気持ち良かったです。
また、絶対的な予約数を減らしていると思われました。とても気を使われていることが伝わってきました。
【お寿司、ツマミについて】
かつて世界三大漁場と言われた噴火湾の地物を中心に、近場で採れたいいネタが揃っています。
森町にセリ場があるらしく、その日に仕入れたネタが中心なので、鮮度はこの上ないです。
また米についても相当拘りがあるようで、前回聞いたときの話では、とある農家に特別に頼んで栽培してもらっているお米とのことでした。
ネタ、米、そして握り。大将の握りの力の入れ方が凄く絶妙で、口のなかに入れると、噛んだ瞬間にほどける感じ、これがかなり魅力的なのです。
今回は昼のおまかせを基本に追加でアレンジしてお願いしました。どれも極めて美味です。
⚫奥尻産キタムラサキウニ刺身 (追加)
もちろん見事な塩水うに。苦味、渋みは皆無、旨味と甘味と良い香りしか感じません。極めて美味。
濃厚なエゾバフンウニも捨てがたいですが、上品な旨さのキタムラサキウニも同じレベルで旨いと思います。
⚫ツブ貝刺身 (追加)
かつて北海道のツブ貝を食べてから、その旨さを知りハマってます。大将が選んだツブなので、当然の如く最高の鮮度と味。コリコリの食感が美味。
⚫ヒラメ
弾力と旨味が最高。
⚫イカ
包丁の入れ方が綺麗。
⚫ホッキ貝炙り
ホッキって美味しんだなぁ、と教えてもらいました。
⚫毛ガニ
ほぐした身とミソを混ぜたもの。物凄く深い味わいの毛ガニ。相当手間が掛かってるはずです。追加もしました。
⚫ヅケ
口に入る時間を考えて漬け込んであるというマグロ。
⚫トロ
脂っこさや臭みは皆無で旨味のみ。
⚫サバ
脂が適度にのったサバ。ごく僅かにショウガがのっていて、その上に透き通った薄い昆布。
⚫時鮭(トキシラズ) (追加)
子供がサバの代わりに、サーモンです、と握ってもらっていたもの。只のサーモンじゃないだろうな、と大将に聞いてみたら、やはり只者に非ず。地物のレアな時鮭。もちろん迷わず追加で。
⚫イクラ
⚫奥尻産キタムラサキウニ
刺身で食べたのを握りで。握りが堪らなく美味なので、追加もしました。
⚫穴子
ふわとろ。
⚫イワシ (追加)
鮮度抜群なので生臭さとかは皆無。適度な弾力があって鰯の美味しさを発見です。
⚫ますの筋子岩海苔巻き (追加)
前回の訪問時に地元の常連さんから教えていただいた、〆の一品。今回はこの時期ならではの未成熟の筋子。これは北海道でも一部の地域しか出回らないというレアなものらしいです。大きさ的にはキャビアのような大きさです。そして手掴み岩海苔がやはりすごく良い香り。極めて美味。
⚫たまご (追加)
芝エビ、魚のすり身、山芋と混ぜたもの
フワフワでカステラのよう。スイーツとして。
【まとめ】
昼のおまかせなので、握りがメインでしたが、これはこれで最高です。昼も夜もどちらもいいです。悩ましい。
今回は感染症対策を意識して、あまりしゃべらないように黙々と食べましたが、やはり気さくな大将に色々と聞きながら食べたいと思わずにはいられません。
次の訪問を楽しみに、おおね田さんを後にしたのでありました。
2021/11/01 更新
2018/05 訪問
新千歳からでも車を走らせる価値がある
海の近くで美味しいお鮨が食べたい!と食べログやらミシュランやらで情報収集をしていたところ、とても期待できそうなコチラのお店を発見。ミシュラン一つ星も参考にはなりましたが、食べログで口コミ件数が少ないのに高評価のお店というのも大いに参考になりました。
【お店について】
あらかじめ予約し、当日は空港でレンタカーを受け取って直ちにお店を目指しました。新千歳からは3時間程度です。
北海道は道南、噴火湾(内浦湾)に面した森町の駅直ぐ近くにお店があります。
カーナビで電話番号検索して行ったらナビが古かった為、移転前のお店に着いて若干焦りましたが、その後Googleマップで無事に到着しました。
移転して数年の店舗はまだかなり新しいです。
カウンター席とテーブル席がありますが、今回はカウンター席での利用です。L字のカウンター席は大将の後ろの窓から、噴火湾の海も見えてしまいます(リゾートなホテル風に表現すればパーシャルオーシャンビュー)。日が暮れつつある森町の海を眺めながらのお鮨、最高のロケーションです。
この日、カウンターで同席させてもらった他のお客さんは地元の方2組でしたが、配席が絶妙。初めての訪問でアウェーなジブンでも、決して孤立せぬように考えられていました。
大将のうまい配席と雰囲気作りのお陰で、大将とトークしながら、自然と地元の方(二組ともとても素敵な上品な方々)とのトークに加わることができ、初めてなのに初めてじゃないような暖かい気分になりました。最後には連絡先を交換しちゃえるほどの打ち解け具合。
同席させていただいたお客さんも最高でしたが、大将の気遣いに恐れ入りました。
【料理、お鮨について】
今回は おまかせ をベースに、お好みで色々と欲張って注文しました。全体的に極めて美味でした。
噴火湾はかつて世界三大漁場と言われたらしく、今でも様々な美味しい魚介の宝庫とのこと。その地物がベースで、あとは道内近隣地域からの仕入とのことでした。そりゃ旨いはずです。
※※おつまみ※※
◎タコのさくら煮
醤油、酒、味醂で煮込んだ柔らかな地物タコ。最後にさっと削って掛けてある柚子の香りがまた絶妙。
タコはこんなに美味しくなれるだなぁ、と食べながら思いました。
◎エゾバフンウニ刺身【別注】
目の前のケースに美味しそうなウニ発見。聞いてみたらまだ漁期であった日高方面で採れた赤ウニ。昨年の北海道訪問時、漁期が僅かにズレたせいで泣く泣く諦めた日高のウニが目の前に…。どうしても刺身で食べて見たくなり、無理言って出して頂きました。やはり日高も甘く濃い。苦味は感じることがなかったので、もしミョウバンが使われいたとしても極僅か、かなり極上のものでした。
◎ツブガイ刺身
年中採れるツブですが、旬は冬から春にかけてとのこと。地物のツブ、コリっとした食感はさることながら海の香りがするかなり美味なるものでした。
◎ヤリイカ刺身
産地を忘れてしましたが、近くの森町とは反対側となるの日本海で採れたもの。透き通るように美しい身を口に入れると甘味がぱっと広がりました。
◎トロ
脂っこさゼロ、うまみは沢山。
◎旬の天ぷら
行者ニンニク、アスパラ、タラの芽。珍しい行者ニンニクから、旬のアスパラとタラの芽、揚げ方も最高でどれも素材の良い香りがしました。もっと食べたくなりました。
◎ホッケの西京焼き
二種類の味噌と大吟醸の酒粕で漬け込んだ地物ホッケ。ホッケは居酒屋のものしか食べたことなかったので、この本気のホッケに衝撃を受けました。実に美味。
※※握り※※
超絶美味なるおつまみの後、大将の そろそろ握りますか?の一声で始まった幸福なるお鮨タイム。
ネタは新鮮極まりなく極上ですが、指定農家で特別に作られているというシャリも最高です。(道南は特に米が美味しいとのことですが、その中でも 蘭越地区のゆめぴりか が最高に美味と教えてもらいました。)
握りのネタとシャリのバランスはもちろん絶妙だと思いますが、握りの力の入れ具合が最適なのか、口に入れると米がパッと広がります。恐らくかなりの技術かと思われます。
◎ヒラメ
地物の新鮮なヒラメ。醤油がさっと塗られて提供されます。弾力抜群、味は濃厚。
◎ホッキ炙り
ツブ貝を食べたらやはりホッキ貝も。ホッキはこれまでそんなに興味がなかったですが、このホッキは美味でした。炙り加減が最高です。
◎ボタン海老 ミソのせ
ギリギリ旬だったボタン。先ほどまで生きていたボタンは鮮度が最高。そして適度な弾力とこの上ない甘味とうま味。ミソがいいアクセントを添え、極めて美味。
◎毛ガニ
うま味たっぷりの毛ガニを握りで。毛ガニの握りは初めてだったのでとても新鮮でした。
◎サクラマス
今が旬というサクラマス。4.4キロの上物を大将が仕込み、漬け込みに三日もかけたという一品。最高の素材と大将の情熱が生み出した一品。最も記憶に残っているなかの一つです。おいしい鮭は 時知らず だけじゃないと今更ながら学びました。
◎漬けマグロ
提供する時間を考え口に入れる時が丁度いい頃合いになるように漬け込んだヅケ。
◎蒸しアワビ
3時間もかけてお酒で蒸しあげたアワビ。柔らかな弾力と深い旨味。アワビは生より加熱したほうが好きですが、このアワビは美味しかったです。
◎エゾバフンウニ いくらのせ
ウニは前述のとおり極上。その上に乗せられたイクラ、これは筋子からその都度こそぎ取って出されてました。この筋子、昔ながらの製法で作られた筋子とのこと。筋子は塩分の加減が極めて難しく、おいしい筋子を作れるのは限られた人だけらしいです。そんな宝石のような筋子からとったイクラと極上赤ウニのコラボ。極めて美味。
◎タラコ・キュウリの巻物
タラコももちろん美味ですが、キュウリのシャキシャキ感とのバランスが最高でした。ノリもいい香り。
◎玉子
芝エビと魚と何か(名前忘れました)を混ぜ込んだ、ふわふわのカステラのような玉子焼き。これがあれば他のデザートは不要。
【ここからは別注で追加】
おまかせで結構な量ですが、お酒を飲めないジブンは倒れるまで食べ続けるしかありません。こんなおいしいお鮨は次食べるのはいつになるか分からないので、全力で頂くことにしました。
◎サバ 松前のせ
旨くシメられたサバに極薄くスライスした昆布がのっかってました。地元の方が食べられていて美味しそうだったので真似してみました。
◎穴子
ふわっふわの穴子。とろけるような とはまさにこのこと。最高に美味しかったですが、大将の話ではまだ満足のいく穴子ではなかったとのこと。最高の穴子が大将の手にかかった時がとても気になります。
◎筋子の岩海苔巻き
仲良くなった地元の方が必ず〆に食べられるとのこと。旨いに違いないと注文。筋子は前述のとおりですが、この岩海苔も只者ではないヤツでした。手摘みされた岩海苔でかなり貴重なものらしいです。社長のオススメは実に美味なる一品でした。これで〆たはずが…あまりに美味しかったので、リピートもして〆なおしもしてしまいました。
リピート
◎サクラマス
◎蒸しアワビ×2
◎ボタン海老×2
◎筋子の岩海苔巻き
◎卵
【まとめ】
極上の海の幸×確かなの腕×人の温かさ、最高に幸せなひと時でした。
金額的にも思い切り食べまくってこの値段なので、普通に おまかせ だけなら半分程度かもです。となると恐るべきコストパフォーマンスかもしれません。
予約は今後取りづらくなる一方かもしれませんが、何とか日程をとってお鮨をいただきに伺いたいと思います。ごちそうさまでした。
2021/11/01 更新
道南は森町にある素敵なお鮨屋さんです。
食べログの寿司百名店2021に選定されていますが、ミシュランガイドでも北海道版が発表されてから、ずっと1つ星として認定されている名店です。
今回はおつまみも楽しめる夜の部へ。
目の前の噴火湾で上がった海の幸、道南の海の幸を中心にしているので鮮度は抜群。
また、どの料理も仕込に手間がかけられています。
隠し包丁の入れ方も絶妙で、噛んだときの食感が最高。
そして、どれも極めて美味。
【おつまみ】
●タコの桜煮
●津軽海峡のやりいか
●焼きししゃも
●噴火湾のセイコガニ
身のほぐしに内子がかけてありました。濃厚。
●真鱈の白子
濃厚。生臭さ皆無。
●鮑
酒蒸しした後、出汁で炊いたもの。この上なく柔らか。
●噴火湾の穴子の白焼き
9月から出始めるという穴子。10月は脂のっており、まるで鰻のよう。
【握り】
大将のそろそろ握りますか、の一言で第二幕が始まります。
●噴火湾のヒラメ
塩〆してあり、中には肝を裏ごししたペーストが忍ばせてありました。
●炙りのホッキ貝
●噴火湾のボタン海老
卵と味噌のせで。猟期は9、10月。
●炙りのサンマ
稀少。脂の乗りが抜群。
●噴火湾の天然キングサーモン
目の前の海で上がった9キロの稀少なマスノスケ。
ここでいただく鮭は、やはり今回も特別なものでした。
●三厩産 本マグロ 大トロ
龍飛崎の先にある三厩(みんまや)の漁師が捕った本マグロ。
●噴火湾のサバ
●気仙沼産 鰹
藁で炙り、煙で燻してスモークしたもの。スモークの風味が絶妙でした。軽い衝撃。
●新ものイクラ
これぞ本物。宝石のような美しさ。
●噴火湾のイカ、馬糞ウニのせ
今回はウニは主役ではなかったですが、それでも濃厚な旨味。
【追加の握り】
●仙鳳趾の煮カキ ×2
鰹の出汁を使い、低温でじっくり煮たという牡蠣。とろとろの食感。
●筋子の岩海苔巻き
この時期の美味しい筋子を岩のりで巻いたもの。
おおね田さんの〆でマストな一品。
●毛ガニ
●小樽のシャコ
●卵
●気仙沼産 鰹 (リピート)
●三厩産 本マグロ 大トロ (リピート)
最後のオオトリに。
【まとめ】
これだけ食べて、ドリンクも入れて、会計はざっくり2万円。相変わらずとても幸せな気分になれるお鮨屋さんでした。
つまみから始まり握りへと続く夜の部は幸せな気持ちになること間違いなしです。