レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2014/02訪問 2014/02/15
中華のディナーコース。
トアロードホテルの少し南にある中華料理店。神戸の中華料理店の中では、最も良心的なお店だと思う。美味しく、安く、そして接客が気持ちいい。地元の常連客が多いお店なので、こういうお店こそ観光客の人々にオススメしたい。
平日で小雨模様の天気だったせいか、予約なしで入店できた。でも店内に入るとほぼ満席状態だったので、運が良かっただけかもしれない。単品の量がわからないので、少しずつ食べられるコース料理を注文した。
まずは前菜。焼き豚の味はいいし、蒸しエビの上にかかっているジュレソースが絶品。コースの掴みとしては申し分ない前菜だと思う。
次に揚げもの2品。鶏唐揚げとエビの揚げ団子チーズ入り。鶏唐揚げはとてもジューシーで味は濃厚。エビ団子じたいは薄味なのだけど、チーズが濃厚なのでバランスがいい一品。
次にフカヒレスープ。コクがあって深い、文句無くうまいスープ。フカヒレもコリコリしていて、ちゃんと主張を感じる。
次に酢豚。これがこのコース料理の中では、飛び抜けて美味しかった。まず、豚肉がいい。素材の良さを引き出すため、あえて大きめにカットされているようだ。味付けは濃厚だけど酸味を抑えているので、とても食べやすい。
次にエビチリ。エビは新鮮でプリプリしている。食べると辛くないのだけど、食べ終わった頃にピリッと刺激を感じる。これも絶妙な味付けだと思う。
シメは野菜たっぷりの焼きそば。蒸し麺の蒸し加減、炒め加減は素晴らしい。野菜も新鮮で瑞々しい。毎日のお昼ご飯に食べたいほどの一品だ。
そして肉まん、ごま団子、デザートのレモン風味の杏仁豆腐と続いた。全部で9品の充実したディナーコース。これで1人3500円とは驚愕の安さだ。ボリュームは多いのだけど、美味しいので食べられてしまう。生ビール、紹興酒、ぶどうジュースなどを飲んで、2人で1万円でお釣りがあった。なんだか、お店に感謝したい気持ちになった。
家族と行くのもいいし、カップルで行くのもいいし、会社関係で行くのもいい。お店の規模がちょうどいいので、用途の広いお店だと思う。料理はオーソドックスなもので勝負しているところがいい。なぜか若年層にやたら人気がある甲南の「老虎菜」も、酢豚とエビチリのような創作していない料理は美味しいのだ。
このお店より西方向に数分歩いたところに、屋台のような広東料理店がある。このお店より美味しくなく、値段も高く、愛想も悪く、店内も狭いのだけど、このお店より点数が高い。身内の提灯投稿が多いのかもしれないけど、このサイトの加点システムの限界を感じてしまう。ああいうお店には、観光客には絶対に行って欲しくない。
3位
1回
2014/04訪問 2015/07/25
牛肉の激辛煮。
県庁近くの四川料理の名店、「四川曹家官府菜 蜀」の新しい系列店がオープンしたと聞いたので訪れた。現在は西明石にも系列店ができているようなのだけど、鯉川筋と中山手通の2軒の担々麺のお店は、まもなく閉店してしまうらしい。このお店は生田新道山側、浜側の「居酒屋駅前」の向かいにある。
牛肉の激辛煮は、まさに激辛!額から汗が滝のように流れてくるので、スポーツタオルが必要だと思った。辛いものは結構好きでよく食べるのだけど、この辛さは別次元といっていいと思う。マジで咳込むほど辛い。赤い唐辛子を避けて、スープを少なくするとなんとか食べられる。
麻婆豆腐は、さすが曹家の味。山椒は「蜀」より抑えてあるように感じた。しかしこれも単品で食べると辛くてきついので、白いご飯を注文し、麻婆丼にして食べた。鶏肉のピリ辛炒めは、赤唐辛子の中から鶏肉を探して食べる。見るからに辛そうなのだけど、牛肉の激辛煮に比べたら子供みたいなものだ。
口の中が辛いので、ほうれん草の炒めものを食べても辛く感じた。途中でお水を飲むと辛さがよけいに増すと聞いたことがあるので、抑え気味に飲んだ。それにしても、すさまじい辛さだった。舌や胃が荒れる一歩手前だったのではないだろうか。
でも全体的に味付けが良いので、途中でお箸が止まることはなかった。辛い!でもうまい!という感じだろうか。食べた後は、サウナに入った後のような爽快感を感じた。予約なしで訪れたのだけど、入口で「予約はありますか?」と聞かれたので、もしかしたら予約制だったのかもしれない。でも平日の夜、給料日前のGW前だからなのか、広い店内でお客は我々だけだった。
4位
1回
2014/08訪問 2014/10/10
ハンバーグ。
JR兵庫駅から新開地に向かう斜めの道沿い、兵庫中学校と「もっこす」の中間くらいにある焼肉屋さん。お昼時はランチメニューが充実していて、毎日ほぼ満員という盛況ぶりだ。このお店の近くにはかつ丼が美味しい「かどの」や、この季節冷麺が美味しい「宝楽」、超人気店の「みそラーメンさつき」などがあり、食のレベルが高い地域だ。
オープンして3年になるらしい。お店は清潔感があり、焼肉店というよりステーキハウスのような雰囲気。最近、ハンバーグをがっつり食べたいときは、まずこのお店が頭に浮かぶ。びっくりなんとかという大手ハンバーグチェーンは、びっくりするのは外観と内装だけで、ハンバーグはごく普通。でもこのお店のハンバーグは本当にびっくりする。
びっくりするほどアツアツ。鉄板でジュージューが半端ではない。びっくりするほど見た目は大きい。でも適度に空気が入っているので、重くなくて胃もたれしない。びっくりするほど香ばしく、びっくりするほどジューシー。そしてびっくりするほど安い。まさにびっくりハンバーグだと思う。
付け合せの牛肉と玉ねぎのスープと、牛肉タタキのサラダもこれまたうまい。ご飯の量はやや少なめだけど、お米の味はいい。ハンバーグは焦げ付かないように、下にスパゲティが敷いてある。このスパゲティがカリカリに焼けてくると食感がよくて美味しい。ソースは酸味が少なく甘口で、このハンバーグと絶妙に調和している。
この満足度で950円とは、何だか申し訳ないような気分になる。さすが神戸の食の都、兵庫区である。このハンバーグを超えるものには、市内では出会ったことが無い。このお店の1番人気は、やはりこのハンバーグ単品のようだ。2番人気はチキンカツ単品らしい。このお店では、コンビランチよりも単品がオススメだ。
5位
1回
2014/05訪問 2014/06/19
おろしぶっかけうどん。
元町の鯉川筋と生田新道との交差点の東南側にある、手打ちうどんのお店。ここのお店の特徴は、とにかくうどんにコシがある。まさしく剛のうどんで、コシの強さでは中央郵便局近くの「きまい」と神戸で1、2位を争うほどだと思う。コシは強いのだけど、他店に比べて麺が細めなので食べやすい。このあたりは細麺好きな神戸っ子のニーズを、うまく取り入れていると思う。
あと、サービスがいい。お昼時はうどんを注文すると、野菜類の天ぷらが無料で好きなだけ食べられる。野菜はカボチャ、人参、玉ねぎ、茄子、ブロッコリー、いんげん、じゃがいも、さつまいもなど、その他ちくわ、かしわ、うずらの玉子など、とても充実している。また、どの天ぷらも衣サクサクで胃もたれしない。
つゆは甘めで、なかなかクセになる味。讃岐うどんのお店はやたら量が多過ぎるお店が多いのだけど、このお店の量はちょうどいい。なので物足らない人は大盛りを注文している。かやくご飯などとのセットメニューも豊富で、珍しいところでは炙り鯖寿司があり、これも単品やセットで注文できる。
日替わりのおかずもあり、この日は出し巻き玉子だった。空腹時なら、とても迷うような充実したメニュー構成だ。テーブルに置いてある冷たいお茶の味もいいし、店員さんの接客もとても気持ちがいい。店内の雰囲気もいいし、市内ではトップクラスのうどん店だと思う。
6位
1回
2014/11訪問 2014/11/18
(2014/11/17再訪)
また牛肉のしゃぶしゃぶ。
前回は8000円の神戸ビーフを堪能したので、今回は一番安い4900円のコースにしてみた。8000円のお肉に比べると確かにサシは少ないのだけど、食べてみるとまた違った美味しさを感じた。
サシが少ない分、溶け出す脂が少ないので、お肉の質感は楽しめる。噛み応えがあるので、高級肉よりもお肉を食べている実感は強い。味も甘みがあって美味しい。上品さが少なくなった分、粗野だけどお肉の存在感は増していた。
前回は芋焼酎で攻めたのだけど、今回はワインリストから選ぶことにした。僕の好きなボルドー産のカルベネソービニヨン種の赤ワインが、とてもリーズナブル価格で飲むことができた。焼酎のセレクトもいいけど、ワインのセレクトもいい!
シメは前回同様、鍋に残った出汁にうどんを投入。中国や韓国でお鍋を食べると、シメにはインスタントラーメン(袋麺の乾麺)を入れることが多いので、このあたりはもう少しバリエーションを増やしてもいいと思う。
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牛肉のしゃぶしゃぶ。
「石田屋」チェーンは、現在神戸の飲食店で一番勢いがあるのではないだろうか。本店、ハナレ、トアロード店、北野坂にはステーキ専門店と精肉店など計6店舗、そしてこのお店が一番新しくオープンした。
お店に入ると、内装の木の香りが心地いい。かなり和を意識したお店であることが伺える。個室は清潔感と高級感があり、換気も優れている。そして価格は・・・さすが石田屋系列、安い。
しゃぶしゃぶ、すき焼きともコースで4900円、6900円、8000円と3ランクあった。肉は1番最高ランクの1人前8000円にしたのだけど、先に入店した友人の話だと、1番下の4900円の肉でもかなり美味しいとのことだった。
そしてレア焼酎も安い。森伊蔵が1杯800円で飲めるのは、神戸ではこのお店だけではないだろうか。最初はまず生ビールで乾杯し、その後は森伊蔵のお湯割り、最後はロックにしてもらった。
さすが我らの神戸ビーフ、サシは強いものの脂はあっさりしていて、口の中でとろけてしまう。しゃぶしゃぶにすると余分な脂は溶け落ちるので、何枚でも食べられるような感じ。
非常に使い勝手のいいお店だと思う。10月にオープンしたばかりなのでまだあまり知られていないのか、金曜日の夕方でも当日予約できたけど、まもなく無理になるような気がする。
7位
1回
2014/10訪問 2015/01/29
カツカレー。
花隈の本願寺神戸別院、通称モダン寺横の坂道を真っ直ぐ登り、山手幹線を越えて右手にある洋食店。お昼時はいつも満席状態の人気店だ。秋風が爽やかな晴天で絶好の散歩日和だったので、自宅からぷらぷら歩いて数年ぶりに入店。家から近いお店は、案外足が遠のくものだ。
つい最近、神戸のカレーでは一番のお気に入りだった三宮地下の「ドッコ」が閉店してしまった。僕は繊細でマイルドな女性的なカレーよりも、辛くてコクがあるパンチの効いた男性的なカレーが好きなので、「ドッコ」の閉店は本当に痛かった。あ、でも「マルシェ」があるじゃないか、と思い出すのに、そう時間はかからなかった。
ここはやはりガツンとカツカレー。厚切りのカツはジューシーでうまい。カレーの味が濃いので、カツはあえて味付けを抑えてある。カレーは辛くて甘く、コクが深く力強い味。最初一口食べると、ふわっとした甘味を感じる。後からピリッとしたスパイスが追いかけてくる感じ。最初の甘味は、果実の甘さなのだろうか。
全体的なボリュームはたっぷりあるし、ルーとご飯のバランスが素晴らしい。食べ終わる直前には、ほんの少しルーのほうが残るように、精密に計算されている。あまりイケてないカレーライスだと、大抵の場合はご飯が少し残ってしまう。このルーとご飯の分量のバランスは、実はとても難しいのだ。このお店では、普通盛りだと女性には量が多過ぎるので、ご飯を少なめにするか注文時に聞いてくれる。
有頭車エビフライカレーも看板メニューだ。大きなエビフライがどどーんと2尾入っていて、見た目にもド派手なのだけど、さすが車エビ、味が濃厚で存在感バツグン。頭の部分をバラすと、エビ味噌がたっぷり入っている。ついつい豪快にかぶり付きたくなる、極上のエビフライだ。
このお店のカレーを食べるとパワーが貰えるのか、なんだか元気になる気がする。お店は数年前と何も変わっていなかったけど、これからも何も変わらずこのままで、美味しくて力強い男性的なカレーを提供し続けてもらいたい。
8位
1回
2014/04訪問 2014/04/21
かつおのタタキ。
「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」 この春最初の初鰹は、このお店で食べた。この生田坂店は2号店で、1号店は東急ハンズより東にある。どちらのお店も三宮の居酒屋としてはハコが大きい。お店の入口や店内の雰囲気は、間違いなくこの2号店のほうが上だと思う。
かつおは、わら焼きなのでとても香ばしい。東京の「わらやき屋」のかつおは塩しか付いてこないのだけど、このお店ではポン酢と塩の両方で食べられる。それと「わらやき屋」はカウンター席と調理場の間に仕切りが無いので、目の前でわらで炙られると暑いのだけど、このお店はガラスの仕切りがあるので暑くないと思われる。
牛すじの土手焼きがうまい。大阪の土手焼きは白味噌を使うのでとても甘いのだけど、神戸はこのお店のように合わせ味噌を使う。甘くないので、ビールやお酒のアテには神戸風のほうが合うと思う。この土手焼きの味噌の味はとてもいい。すじ肉もトロトロになるまで煮込まれている。
調理場はお店の中央にあり、オープンキッチンになっている。今回はテーブル席に座ったのだけど、隣に個室もある。平日の遅めの時間だったのだけど、個室は満席のようだった。テーブル席も、隣のテーブルとの距離が近くないので、ゆっくり食べられた。ドリンク類は、日本酒が充実している。焼酎は定番ものだったと思う。
今回は食べなかったのだけど、釜飯もおすすめメニューのようだ。次回は食べてみようと思った。鍋メニューは豚しゃぶや、すっぽん鍋などがあった。すっぽん鍋は最低5日前には予約が必要なようだ。宴会用の座敷は離れになっていて、60名は入るそうだ。忘年会や新年会の会場としても重宝しそうだ。雰囲気は良いし値段は高くないし広々としているので、用途は広いと思う。
9位
1回
2014/10訪問 2014/10/07
紅ズワイガニ。
9月1日に漁が解禁になったばかりの、兵庫県香住産の紅ズワイガニが食べられると聞いて入店。このお店はメール会員になっておくとかなりお得で、この日は会員だと大型の紅ズワイガニが4杯でなんと2980円という安さ!会員には即日登録できるし、入会金や年会費なども無料だったと思う。
紅ズワイガニはズワイガニに比べると身が少なくて水っぽいのだけど、さすが香住産。カニの味はとても濃厚だし、ロシア産のように汚れた部分などがなくて清潔感がある。この値段でこの品質でこのボリュームは、かなりの価値がある。
飲み物も居酒屋チェーンにしては充実している。麦焼酎は佐藤がうまい。芋焼酎の黒佐藤はメニューには見当たらなかった。日本酒は地元灘の大黒正宗が飲める。カニをたくさん食べるとお腹が冷えるので、焼酎はお湯割り、日本酒は燗にしてもらっている。
神戸の中央卸売市場の魚屋さんが経営しているお店。同系列のお店が市内に数店舗ある。最近、JR兵庫駅北口の交番横で、お寿司屋さんもオープンさせている。海鮮系居酒屋として、駅前グループ、えびす大黒グループに続く第3の軸になってきているようだ。
寒くなってカニシーズンになると、カニメニューも増える。カニバケツは普通の茹でガニだけど、他に焼きガニ、蒸しガニ、カニの甲羅焼きなどが食べられるようになる。やはり焼きガニが一番甘みがあって美味しいので、これは必ず注文することにしている。
よくカニの食べ放題などに行くと、調理ハサミで自分でカットしないといけないのだけど、このお店はちゃんと包丁で切り込みを入れてくれているので、とても食べやすい。とにかくカニをたくさん食べたい!という場合にはとても重宝するお店だと思う。
10位
1回
2014/05訪問 2014/05/26
海老ラーメン。
お昼時に大阪駅前第3ビル地下2階の飲食店街を彷徨い歩いていると、「海老」ののぼりを発見。近くまでいってみるとラーメン店だったので、迷わず入店。入口横で食券を買うシステム。海老ラーメンは塩と醤油と味噌の3種類のスープがあった。
今は初夏、濃厚な味噌はちょっと、ということで、2名で塩と醤油を頼み、シェアして食べることにした。注文してからラーメン到着まで、予想以上に待つ。厨房が1人ということもあるのだけど、タイマーで厳格に茹で時間を管理しているようだ。
海老ラーメン到着。なるほど、待たされる理由は半分くらいわかった。佇まいがとても美しい。丁寧に作られたラーメンであることは、見た目から充分伺える。水菜とネギの色彩は美しく、じっくりと煮込まれた感のある煮玉子が、スープの中からひっそりと半分だけ顔を覗かせている。
散りばめられているのは鮮やかな紅色の乾燥桜エビ。珍しい具材としては、油揚げ(薄揚げ)が入っている。和風ラーメンであるという主張のような感じがした。まずはスープを一口・・・おおっ、まさしく海老だ。想像以上に海老の味が濃厚だ。
スープは、北海道産の甘エビの頭を大量に使用して作られているらしい。これはなかなかクセになる味だ。最初に醤油を食べ、次に塩を食べてみたのだけど、単品で食べるなら塩のほうが味のバランスはいいと思う。海老の炊き込みご飯と一緒に食べるなら、味の濃い醤油のほうが合うかもしれない。
麺は中細ストレート麺。この麺は、スープほどのこだわりは感じられなかった。このスープには、この麺よりも地元神戸でよく食べられている、極細ストレート玉子麺のほうが合うと思う。スープの主張は明快なのだけど、麺はちょっと意味不明かもしれない。
今回はノーマルだったので、チャーシューではなくて鶏ささみ肉が入っていた。この鶏肉は主張が弱く、これも意味不明。ノーマルでも大きなチャーシュー1枚か、小さなチャーシュー2枚は欲しいところだ。次回はぜひチャーシューの味も確かめてみたいと思った。
このラーメンは、甲殻類好きにはたまらないと思う。全体としては塩分の強さを感じるものの、これはギリギリの線なのだろうか。海老と塩のバランスは、かっぱえびせんがお手本だと思う。長年の研究の後は伺えるのだけど、今後まだ上積みが期待されるラーメンだと思う。
ラーメンのスープを1滴残らず飲み干したのは、実に久しぶりのことだった。店員さんはお客がお店を出るとき、全員にお店の入口まで出てきて挨拶していた。とても丁寧な接客で、ここまでの姿勢は東京や地元神戸にもない。爽やかな感動に包まれてお店を出た。
2年前に先代が勇退され、ファンの方に継承してもらえた。勇退時に先代がまだご健在であったため、継承はスムーズに行われたのかもしれない。先代の頃のメニューは、ほとんどそのまま。
メニューから消えたのは、じゃこ飯定食くらいだろうか。「みそラーメンさつき」の場合は先代が正確なレシピのメモを残すことなくご逝去されたため、継承はずいぶん試行錯誤を重ねたと聞く。
さて、名物のかつ丼はきちんと継承されているだろうか。代替わり後、初めて訪れてみた。まず見た目、丼の容器が浅くなったため、かつが玉子からはみ出ている。かつの衣はサクサクしている。
かつの下味もちゃんと感じるし、出汁つゆの味も懐かしい。つゆの分量も、ちょうどいい感じ。先代の頃のかつ丼と、まったく遜色がないと思った。継承してもらえて、本当に感謝したい。
うな丼。
久しぶりに、美味しいかつ丼を食べようと思いお店の前に行くと、夏期限定うな丼の看板があったので、予定変更して注文。うな丼単品は800円、セットにするとプラス数百円でうどんかそばが付く。もちろんざるそばもOKだ。
出てきたうな丼は、ご飯少なめなのが嬉しい。うなぎはぽってりと厚くてフワフワに柔らかい。タレの濃さもちょうどいい感じ。ご飯、吸い物、漬物、すべて味がいい。夏バテ防止にピッタリの丼だ。
1000円未満のうな丼は、ほっかほっか亭825円、すき家780円、吉野家750円、くら寿司580円などで食べられる。でもランチタイムに兵庫駅~新開地方面にいる場合なら、迷わずこのお店のうな丼を食べる。
かつ丼。
若い頃は大好物だったかつ丼も、最近は食後に胃もたれしたりするので、めっきり食べることが少なくなった。しかしこのかつ丼だけは別だ。今まで食べたかつ丼の中では最高に美味しい、幻のかつ丼だ。確かに須磨・月見山の「みゆき食堂」の、カレー皿で出てくるかつ丼もインパクトはあるし美味しいのだけど、このかつ丼には及ばないと思う。
まず衣がサクサク。サクサクさでは、兵庫駅山側の、衣サクサクかつ丼で有名な「五月庵」を凌ぐ勢いだ。普通は玉子でとじると出汁と絡まって衣がふにゃふにゃになるのが普通なのだけど、どういうマジックでこのようにサクサクさが残るのか不思議で仕方がない。
そして衣がサクサクなだけではない。このカツの豚肉が下味が絶妙でとても美味しい。とんかつ定食も評判がいいので、とんかつに相当な研究と試行錯誤があったのだと思う。タレは甘すぎず辛すぎず、ちょうどいい感じ。ご飯の味もとてもいい。センタープラザ地下の、いつも行列ができるかつ丼専門店の数倍は美味しい。
このかつ丼を食べずに死んでしまうと、後悔するようなかつ丼だ。玉子のとろみ加減もちょうどいいし、量も多過ぎずちょうどいい。まさに非の打ち所の無い完璧なかつ丼だ。ただ、一つだけ困ることがある。あまりに美味し過ぎるので、食べるときのスピードが早くなってしまい、口の中をヤケドしてしまうことだ。
おそらく美味しいものは他者に盗られたくないので、急いで食べてしまう動物の本能が働くためだと思われる。この文明社会、誰にも盗られることはないのに。このかつ丼は、最期の晩餐に加えたくなるようなレベルの食物であることは間違いない。
場所はわかりにくいし、お店付近はすべて一方通行なので辿り着くにも土地勘がないと苦労する。お店の駐車場は3台しか停められないのだけど、付近にコインパーキングは見当たらない。でもお昼時はいつも流行っている。知っている人だけが得をする、数少ないお店だ。