4回
2020/02 訪問
師傅(おやかた)の 面(つら)瞻(み)りャ了解(わかる) 美菜(うまきもん) 食(く)はす顏(かほ)なり この面相(つらがまへ)
嘗(かつ)て、
「何(なん)でも齧(かぢ)らう」の異名(またのな)を持(も)つ男(をのこ)あり。
映畫監督(えいぐわかんとく)"山本嘉次郎(やまもとかじらう)"こそ、その人物(ひと)。
萬事無所不通(よろづ、つふじざるところなく)、"食(うけ)"は勿論(いふもさらなり)。
その博識家(ものしりな、おしと)が、
「亭主(あるじ)に、美菜(うまきもん)食(く)はす顏(かほ)あり!」
なる名言(めいげん)喝破(は)きしは大畧(およそ)五十年前(いそとせまへ)のこと。
「東西(ひがしとにし)に兩横綱(ふたりのよこづな)あり」とも、、。
その東横綱(ひがしのよこづな)こそ、
吾(わが)義伯父(ぎりのをぢ)"T橋T嗣"(ていはしていじ)。
"小さん"を髣髴(おもはす)貍顏(たぬきがほ)ながら、技倆(うで)は慥(たしか)。
"山本嘉次郎(なんでもかじらう)"斯(か)く斷言(いひ)しも納得(うべなるかな)!
華洛(みやこ)の廚師(いたまへ)にかゝる顏(かを)不稀(まれならず)といへど、
冢中枯骨(それがし)、西國(あちら)に甚疎遠(はなはだうとし)。
東都(えど)では如何(どう)歟(か)?
『喜壽司』油井隆一先代親方(ゆゐりゆういちせんだい)が筆頭(いやさきにうかぶ)。
二年前(ふたとせまへ)入鬼籍(なくなられ)たは、
鮓好(すしず)きには痛手(いたで)であり、惜(を)しみてもなほ餘(あま)りある。
『鶴八』師岡幸夫初代親方(もろをかゆきをしよだい)は旣(すで)に引退(しりぞ)き、
今時(いまどき)の若手(わかて)は大同小異(どんぐりのせくらべ)。
扨(さて)、當家(こちら)『オクサリス』行森二郎師傅(ゆきもりじらうおやかた):
愚按(やつがれおもふに)、
紛(まぎ)れもなく「美菜(うまきもん)食(く)はす顏(かほ)」!
辭(ことば)、舉動(ふるまひ)、眼光(まなこのひかり)、亦(また)然(しかり)。
加旃(しかのみならず)、
午(ひる)の商賣(あきなひ)なき木曜日(もくやう)に覗(のぞ)くと、
晩餐(よる)に備(そな)へて塵一(ちりひと)つなきやう清掃(きよらかにはきゝよむ)。
これには、驚歎(おどろき)、草石蠶(ちよろぎ)、六本木(ろつぽんぎ)。
その廚藝(わざ)・凄腕(すごうで)ぶりは旣知(すでにしる)ところ。
"胡蘿蔔(せりにんじん)"を"シャトー"に剥(む)かで、皮附(かはつき)にせしは、
「その方(はう)が"甜(あまみ)"に分(ぶ)あり」との説明(よし)。
實(げ)にも!
そもそも、
"禽獸(とりけだもの)"も"魚類(うをのたぐひ)"も、
皮(かは)と皮下(かはのした)に華美(よきあぢ)存在(あ)るが通例(つね)。
忌避(いみきら)はるゝ"蛙(かいる)"・"蟒蛇(うはゞみ)"とて同(おな)じこと。
"蔬菜(あをもの)"、"果子(このみ、くさのみ)"、また、ほゞこれに準(したが)ふ。
剥(む)きたる"獨活(うど)"や"蘿蔔(おほね)の皮(かは)を再利用(いか)し、
煎附(いりつ)けて"金平(きんぴら)"と爲(な)すも、
悋嗇(エコ、しはんばう)であるのみならず、その鮮美(あぢのよさ)さにも起因(よる)。
因(ちな)みに、當日(このひ)の菜譜(こんだて)は如下(つぎのとほり):
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【掃愁帚(さけ)】:
・紅葡萄酒(あかきえびかづらのさけ)
【先附(アントレ)之一】:
・豕肉醤糜(ぶたにくテリヌ)
+フラマンふう紫甘藍(むらさきはぼたん)
シュー・ルージュ・ド・フラマンドル 林檎+餹霜(しろざたう)
+扁豆(ひらまめ)+紅蘿蔔(せりにんじん)
【先附(アントレ)之二】:
・寶塔花菜(ロマネスコ)
【先附(アントレ)之三】:
・紅蘿蔔湯(せりにんじんポタージュ)
【麪麭(パン)】:
・裸麥入(らいむぎい)りの麪麭(パン)
【禽獸肉(ヴィアンド)】:
・燻烹五花肉(いぶしぶたばらにくにこみ)
・五花肉(ぶたばら)溏油(ブイヨン)仕立(じたて)
櫻(さくら)+林檎(りんご)のチップで燻(いぶ)す
《配搭(つけあはせ)》
・靑梗菜(せいかうな)
・菘根(かぶら)
・胡蘿蔔(せりにんじん)
・秋葵(おくら)
・甘藍(はぼたん)
・玉米笋(なんばんきびのこ)
・西蘭花(ブロッコリ)
【甜品(デセール)】:
・杏(からもゝ)入(い)り奶黃布甸(カスタード・プディング)
・磅蛋糕(カトルカール)の等類(たぐひ)+雪葩(ソルベ)
【飮料(テ)】:
・意大利咖啡(エスプレッソ)
=======================================
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:高千穗光學(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto-微距(Macro)2/50 @F2.8~F5.6
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.8 ※2018-03
2020/02/22 更新
2018/05 訪問
缺(か)けた齒(は)で 咋(くら)ひ盡(つく)せし 碟上(さらのなか) 『Oxalis(かたばみ)』東道(あるじ) 凄腕(すごきうで)哉(かな)
劈頭(いやさき)に紅葡萄酒 (さけ)を貰(もら)ふ。
これを一口(ひとくち)餘(あま)して【先附(アミューズ)】を嚥下(ひとのみ)。
然(しか)る後(のち)、麪麭(パン)が此方(こなた)に、、。
隨伴(つきしたが)ふは無鹽醗酵牛酪(しほなしはつかうバタ)。
倩(つらつら)麪麭(パン)の仔細(あれやこれや)を觀察(うかゞ)ふに、
圖像(ゑ)のバゲット擬(もど)きの小法國麪麭(プティ・パン)と、
無傘(かさなき)蕈菇(シャンピニオン)を髣髴(おもは)すもの。
中相(クラム)に無氣泡(うたかたなし)と云へど、なかなかに味美也(よきあぢ)。
東道(あるじ)説明(い)ふやう:
「"リスドォル麪粉(こ)"に"裸麥(らいむぎ)"を加(くは)へ、、、云々(うんぬん)」
黃油(バタ)とも仲睦(なかむつ)まじく、
宛然(あたかも)、百年(もゝとせ)連添(つれそ)ひたる女夫(めをと)のごとし。
安宅(あたか)も富樫(とがし)、夜鷹(よたか)は無宿(やどなし)、
田中(たなか)無●丸(たまなし)、一二三(ひふみん)無齒(はなし)、
狸(たぬき)と西鄕(あのひと)、八疉敷(はちじやうじき)。
越ヶ谷(ゐなか)に法國大餐(これ)は、非常識(ひじやうしき)。
勿驚(おどろくなかれ)、
劈頭(いやさき)の麪麭(パン)から、
掉尾(いやはて)の茶菓子(ミニャルディーズ)に至(いた)るまで、
悉(ことごと)く、行森師傅(ゆきもりおやかた)自家製(てづからのしな)。
廚(くりや)には唯一人(たゞひとり)。
仲居(なかゐ)は勿論(いふまでもなく)、猫前脚(ねこのて)すらもなし。
かゝる鄙(ゐなか)に正宗法國菜(まともなるフランスのあぢ)とは、
「猫(ねこ)に小判(こばん)」、「成金(なりきん)に猫脚家具(ねこあしかぐ)」。
成金(なりきん)に猫脚家具(ねこあしかぐ)、
變態(へんたい)猫肉球嗅(ねこあしをか)ぐ。 ←※失禮(すまそ)
しかして、小人(それがし)、
師傅(おやかた)の手(て)になる菜(れうり)の芳香(かぐはしきかをり)を嗅(か)ぐ。
"彩(いろどり)"、"火候(ひいれ)"、"季節感(きせつかん)"、
一(ひと)つとして疑義(くびかし)ぐるところなし。
慥(たしか)に、現今(いま)をときめく師傅(おやかた)にして、
火候(ひいれ)を失敗(あやま)り、色(いろ)を毀損(うしな)ふは稀(まれ)。
とは云へ、
碟(さら)に、春(はる)~初夏(なつのはじめ)の食材(しよくざい)が列(なら)ぶは、
望外(のぞまざ)る怡(よろこ)び。
師傅(かれ)は、季(とき)を辯(わきま)へ、客(ひと)の意(こゝろ)を察知(し)る。
螢魷魚(ほたるいか)、蛤蜊(あさり)、青山椒(あをざんせう)、春甘藍(はぼたん)、
甜瓜(めろん)、菽(えだまめ)、蠶豆(そらまめ)、蒲柬瓜(かぼちやうり)、、。
淺蜊(あさり)の火候(ひいれ)、春甘藍(はるのはぼたん)の甜(あまみ)、
蠶豆(そらまめ)、菽(えだまめ)の翠(みどり)。
東瀛(ひのもと)ならずとも、震旦(もろこし)なら、
夏(なつ)の西瓜(すいか)、冬瓜(たうがん)、哈密瓜(はみうり)、
龝(あき)大閘蟹(もくづがに)、冬(ふゆ)には冰糖葫蘆(さんざしあめがけ)と、
季節(とき)を象徴(あらは)し、民(たみ)を悦(よろこ)ばす逸品(よきしな)あり。
然(しか)るに、
遠(とほ)く南蠻紅毛(あちら)の餐檯(めしづくゑ)を窺(うかゞ)ふに、
春(はる)の蘆笋(アスパラ)、冬(ふゆ)の牡蠣(かき)・獵物(ジビエ)など、
屈指(ゆびをゝりてかぞふ)るほど。
當家(こちら)、
本朝(わがくに)懐石・割烹(よきめしどころ)には不及(およばぬ)にせよ、
季節感(とき)に配慮(おもんみ)、色彩(いろどり)を忖度(おもんばかる)。
その容(さま)、●ヶ關(あそこ)や、■大美式足球部(こちら)を凌駕(しのぐ)。
但(たゞ)し、
權力者(ながきもの)に卷(ま)かれ、阿(おもね)り阿諛(へつら)ふにあらで、
徹頭徹尾(あくまでも)、
己(おのれ)が廚藝(わざ)を活(い)かし、客(きやく)を喜(よろこ)ばすため。
價格(ね)が値(ね)故(ゆゑ)、
高級食材(ねのはるもの)は皆無(なし)。
家鴨(あひる)はバルバリー、鰕仁(えび)は冷凍白對蝦(れいとうバナメイ)。
鯗(すし)・天麩羅(てんぷら)なら、かゝる鰕(えび)は忌避(さ)くるが尋常(つね)。
烹飪技術(くりやわざ)に桌越(ひいで、いとすゝみ)たる、
唐土(もろこし)・法國(フランス)なら、
"白對蝦(バナメイ)"すら良質素材(よきそざい)と化(な)る。
とは云へ、夏華(もろこし)上漿・包油(したあぢ・あぶらどほし)に如(し)くはなし。
師傅(おやかた)、
甜品(デセール)として"玻璃盞甜品(ヴェリーヌ)"を選擇(えらむ)。
高々(たかだか)廿年前(はたとせまへ)に登場(あらはれ)たる製菓技法(わざ)。
外觀(みため)と味(あぢ)・齒觝觸(はあたり)の重層感(かさなり)や吉(よし)。
加旃(しかのみならず)、
風韻(かをり)もまた、層毎(そうごと)に千變萬化(さまざま)。
八角茴香(たうしきみ)、甜瓜(メロン)、香莢蘭(ヴァニラ)、椰(やしのみ)、、。
攪拌(かきま)ぜて餐(くら)ふも、また、吉(よし)。
その上(うへ)に、
茶菓子(ミニャルディーズ)とは惶(おそ)れ入谷(いりや)の蕣市(あさがほいち)。
さりながら、行(ゆ)きつけの『あそこ』や『こゝ』の素朴(そぼく)さを前(まへ)に、
無顏色(かほのいろをうしなふ)。
『あそこ』は築地蔬菜市塲(やッちやば)仕入(しい)れの果實(くだもの)、
『こゝ』は法國渡來(フランスわたり)の冰酪(あいすくりん)。
元手(もとで)こそ要(い)るものゝ、手間(てま)不要(いらず)。
手間(てま)も元手(もとで)も不要(かゝらぬ)は"これ"くらゐのもの。
因(ちな)みに、當夜(このよ)の菜譜(こんだて)は如下(つぎのとほり):
=======================================
【掃愁帚(さけ)】:
・紅葡萄酒(ぶだうざけ)
【先附(アミューズ)】:
・"螢魷魚(ほたるいか)"燻製(くんせい)
・奶油乾酪(くれむちいず)+石蓴(あをさ)
【麪麭(パン)】:
・小法國麪麭(プティ・パン)などに+醗酵黃油(はつかうバタ)
【前菜(アントレ)之一】:
・"煎鰕仁(むきえびソテ)"+"豬腿肉(ぶたもゝにく)"
【前菜(アントレ)之二】:
・"煎蝦夷扇貝(ほたてがひソテ)"に、
蠶豆(そらまめ)、淺蜊(あさり)、春甘藍(はるはぼたん)
【禽獸肉(ヴィアンド)】:
・煎鴨(かもいりつけ)
【湯(スープ)】:
・蒲柬瓜(かぼちやうり)の濃湯(ポタージュ)
洋蔥(たまねぎ)+胡桃(くるみ)+西班牙香膓(チョリソ)
【甜品(デセール)】:
・"玻璃盞甜品(ヴェリーヌ)"、三層(さんそう)
・八角茴香(たうしきみ)ブランマンジェ
・甜瓜果凍(メロン・ジュレ)
・香莢蘭冰酪(ヴァニラあいすくりん)
・椰(やしのみ、コヽナッツ)
【飮料(テ)】:
・意大利咖啡(エスプレッソ)
【茶菓子(ミニャルディーズ)】:
・カヌレ
・橘(オレンヂ)と芭蕉(バナヽ)の燒菓子(やきぐわし)
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.8
2020/02/15 更新
2018/03 訪問
『オクサリス』 扉(とびら)引(ひ)き開(あ)け 鳴(な)く肚蟲(むし)の 聲(こゑ)聽(き)くときぞ 今(いま)は晝晌(ひるどき)
『Vit』師傅(おやかた)が注目(あつきまなざしそゝ)ぐ肆(みせ)。
網站(ウゑブサイト)より窺(うかゞ)ふに、
勿愕(おどろくなか)れ、"パテ・アンクルート"まであるではない歟(か)!
と云ふ經緯(いきさつ)にて當家(こちら)『オクサリス』に、、。
扉(とびら)開(あ)くるや、
東道 (あるじ)莞忝(につか)とうち咲(ゑ)み小人(それがし)を歡迎(むかふ)。
烹飪(てうり)から管待(もてなし)まで、都(すべ)て一人(ひとり)。
實(げ)に、獅子奮迅(しゝふんじん)、八面六臂(はちめんろつぴ)の働(はたら)き。
行森二郎(ゆきもりじらう)師傅(おやかた)、
昭和四十九甲寅歳(せうわよんじふくきのえとらどし、=1974)、陸州生(むつう)まれ。
内外(をちこち)にて修業(わざをみにつ)け、今日(いま)に至(いた)る。
その面相 (つらがまへ)たるや、人氣師傅(いまをときめくはながたおやかた):
『チウネ』古田諭史(ふるたさとし)、『Ode』生井祐介(なまゐいうすけ)、
『Amour』後藤祐輔(ごとういうすけ)、『ラチュレ』室田拓人(むろたゝくと)、
『タパテリア ラ カソーラ』大久保恆平(おほくぼこうへい)等(ら)と較(くら)べて、
贏(まさ)ると云ふとも劣(おと)ることなし。
端的(てみじか)に斷言(い)ふなら、
「凄腕師傅(すごうでおやかた)の骨相(かほつき・つらがまへ)」
鍋(なべ)や廚(くりや)の清掃(ていれ)もまた完璧(ひのうちどころなし)。
これで不味(まづ)き道理(ことわり)も皆無(なし)。
金屬洋食器(カトラリ)は、葡萄牙(ポルトガル)"Cutipol"製(せい)。
桌布(テーブルクロス)はなく、餐巾(ナプキン)は紙(かみ)。
午餐(ひるめし)の菜譜(こんだて)も纔(わづ)かに三種(みくさ)のみ。
一人(ひとり)では致(いた)し方(かた)のなきところ歟(か)?
"前菜(アントレ)"、"主菜(しゆさい)"、"甜品(デセール)"、"飮料(テ)"、
と云ふ流(なが)れ。
"主菜(しゆさい)"は、
"禽獸肉(ヴィアンド)"・"魚肉(ポアソン)"三種(みくさ)より選擇(えらむ)。
"甜品(デセール)"なしなら一千五百圓(いつせんごひやくゑん)、
"甜品(デセール)"が三百圓(さんびやくゑん)、
"紅葡萄酒(さけ)"六百圓(さんびやくゑん)で、
都合(あはせ)て、對價(あたひ)、二千四百圓也(にせんよんひやくゑんなり)。
火候(ひいれ)、彩(いろどり)、鹵味(しほけ)、齒觝觸(はあたり):
一(ひと)つとして嗜好(このみ)に不適合(あはざる)はなし。
就中(わきても)、
"ポトフ"を髣髴(おもは)す、"燉豬五花肉(ぶたばらにこみ)"には感服(したをまく)。
"東坡肉(とうばにく)"のごとくして"東坡肉(とうばにく)"にあらず。
"ポトフ"とは元來(もとより)家常菜(いへめし)なれど、
陳腐(ありきたり)の家常菜(いへめし)ならで、
高名(なだか)き餐廳(めしや)の一碟(ひとさら)に足(た)る洗煉度(たかみ)。
"秋葵(オクラ)"・"油菜(あをな)"の色彩(いろみ)、
"蕪菁(かぶら)"と"玉米(たうきび)"の慥(たしか)なる食感(はどたへ)、
そして何(なに)より"豬五花肉(ぶたばらにく)"への火候(ひいれ)。
至高(このうへな)き原汁(フォン)は「雞溏油(フォン・ド・ヴォライユ)」。
やはり、晩餐(ばんめし)ならざれば實力(まことのちから)を評價(うかゞ)ひがたし。
稀有(まれにみ)る手煆煉(てだれ)なるは明白(あきらか)なれど、
午餐(ひるめし)ばかりでは、
髭一條(ひげひとすぢ)より虎(とら)の姿(すがた)を想像(うかゞ)ふに等(ひと)し。
因(ちな)みに、當日(このひ)の菜譜(こんだて)は如下(つぎのとほり):
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【紅葡萄酒(さけ)】:
【先附(アントレ)】:
・"鴨肉(かも)"+紫甘藍(むらさきはぼたん)+扁豆(ひらまめ)+菜花(なばな)
・"芽甘藍フラン(めきやべつふらん)"
・"胡蘿蔔濃湯(せりにんじんポタージュ)"
【禽獸肉(ヴィアンド)】:
・"燉豬五花肉(ぶたばらにくにこみ、≒ポ・ト・フ)"、
・豬五花肉(ぶたばらにく)
・胡蘿蔔(せりにんじん)、玉米(たうきび)、蕪菁(かぶら)、秋葵(オクラ)、
甘藍(はぼたん)、油菜(こまつなのたぐひ)、咬<口留>吧(じやがたら)
【甜品(デセール)】:
・雪葩(ソルベ)
・南蠻菓子(ガトー)
・抹茶布甸(まつちやプディング)
【飮料(テ)】:
・紅茶(こうちや)
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4~F3.5
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Flektogon 2.8/20 @F5.6~F11
2018/05/30 更新
東道(あるじ)が"Facebook"の"蜂巢胃咖哩(うしはちのすいのカリィ)"に惹(ひ)かれて、
氣(き)も漫(すゞ)ろ、慌忙(あはて)ゝ電話(テレフヲーン)すれど、
「午刻(うまのこく、≒0PM)より未刻(ひつぢのこく、≒2PM)までは一杯(うまり)、
未刻(ひつぢのこく)以降(よりのち)なれば、、」との説明(よし)。
かくて、西洋土圭(せいやうどけい)十五字前(じふごじまへ)に訪問(たづぬ)。
"蜂巢胃咖哩(うしはちのすいのカリィ)"は取置(とりお)きなれど、
"奶黃布甸(カスタード・プヂング)"が完賣(うりきれ)、"カヌレ"を需(もと)む。
對價(あたひ)、一千一百圓也(いつせんいつぴやくゑんなり)。
"ゆめぴりか"なる米飯(うるのこめひめいひ)に掛之(#BCMKR!©ドクシマぱいせん)、
『ベジブル農商』の"掻菜(かきな)"を配搭(あしら)ひ、
"蜂巢胃咖哩飯(うしはちのすいのカリィめし)"と做(な)す。
"行森師傅(ゆきもりおやかた)"、やはり、"拂郎西察菜(ふらんすめし)"が適(よし)。
茲(こゝ)で"カヌレ"はと觀察(み)るに、
徑(さしわたし)一寸(≒3cm)、丈(たけ)一寸(≒3cm)のものが五箇(いつゝ)。
無論(いはずもがな)の鮮美(よきあぢ)なれど、
"小餜子(ちひさきなんばんぐわし、プティ・ガトー)"の等類(たぐひ)歟(か)?
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:旭光學 賓得(Pentax)S-M-C 琢磨(Takumar)3.5/35 @F5.6~F8
旭光學 賓得(Pentax)S-M-C 微距琢磨(Macro Takumar)4/50 @F5.6
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.8 ※2018-03