人里離れた山間のお屋敷で頂く絶品の和食 : 大文字屋　龍田川

【総評】
最寄駅は野崎駅(大阪)か住道駅ですが駅からはかなり離れた峠の中腹なので、訪問は車が無難です。
というかこの峠の道路は歩道があまり整備されていないので徒歩だとかなり危ないと思います(^_^;)
築100年の一軒家で腕をふるうご主人は、実は高麗橋吉兆や星のや軽井沢・京都と渡り歩いた物凄い経歴の持ち主。
今回頂いたのは一番安い5000円のコースですが、それでも終始感動が連続する隙の無い構成と味わい(^_^)
趣のある建物の雰囲気も抜群で、こんな場所で絶品の和食が頂けるとは何とも嬉しすぎます。
訪問するには少々大変ですが、わざわざ行く価値のある名店です。
※このお店は完全予約制です。要注意。

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珍しく和食の御誘いを頂きました。場所は大東市のかなり山間にある一軒家。地図で見ても中々凄い場所です(^_^;)
幹事は大阪市内の和食店でこちらのことを教えてもらったそうです。車も自分が出してくれるとのこと。
というわけで、あと二人お誘いして都合4人で訪問しました。こちらは完全予約制になります。

お店は元は茶屋だったみたいでかなり大きく立派な一軒家です。こんな場所にこんな建物があったんですね～
玄関から店内に入ると素晴らしい中庭を眺めることのできる立派なカウンター席があります。おお～コレ凄い！
他にも客間が沢山あってそれぞれ庭を眺めることが出来る造りになっている模様。なんとも贅沢な空間です。
我々は個室に案内されましたがテーブルと高椅子なので腰の悪い方でも安心。こういう配慮も良いですね(^_^)

こちらのメニューは全部コースで舞・楓・華・愛の計4種類。手頃な5000円～18000円までと値幅は広いです。
最初にウェルカムドリンクとして梅湯とお酒が出てきます。イイ感じに場がほぐれたところで料理のスタート。
酒は運転手の幹事以外は終始日本酒。種類もそこそこありました。やっぱり和食には日本酒を合わせたいです。
初めてのお店なのでやや様子見的に最安値の舞コースにしていますが、結果的には相当な満足感でした(^_^)

・前八寸とお凌ぎ
厚焼玉子、炙り河内鴨の出汁ゼリー巻、烏賊月冠、ムカゴ、銀杏、イクラ醤油漬、穴子干瓢巻
小鯛寿司、秋刀魚山椒煮、枝豆
十三夜の月をイメージした構成とのこと。兎を象った器にススキも立てかけられる演出です(^_^)
この手数の多さだけでも凄い価値がありますが、これらが全部とても旨いです。いや～和食って凄いね。
秋刀魚はプックリした形をそのままキープしつつしっとり柔らか。ワタまで旨いです。コレどうやって作るの？
河内鴨は食べるとじわっと旨味がにじみ出てきます。そこに出汁ゼリーが絡むともう…。酒がススムススム^m^
ちょこんとしたサイズの穴子干瓢巻きや小鯛寿司もきっちり美味しくて存在感アリアリ。小鯛の皮って旨いな～
鶉の黄身と烏賊で造った月冠や皮を取り除いたイクラで造った醤油漬けなんかの凝った料理も素晴らしい出来栄え。
これだけ多種多様に揃って味わいや食感が被らないのも何気に凄い。いきなり気持ちを鷲掴みされました(^_^)

・柿なます
感動の八寸から一転してシンプルな品に。上品な酸味のズイキや瓜に柿のほんのりした甘みが加わります。
根菜類のシャキシャキした歯触りと酸味と柿の甘み。味つけも良いですがこの取り合わせが秀逸です(^_^)

・椀
鱧と蓮根饅頭のお椀。ぷくっと肉厚の鱧は柔らかでホロホロ崩れる絶妙な食感。皮目の旨さも素晴らしい(^_^)
単体でも美味しい蓮根まんじゅうは、程良い油っけが極上の出汁と合わさって碗にコクを与えています。
上品な出汁と存在感のあるタネが綺麗に融合したレベルの高いお椀。流石の腕前です。

・向付
藁焼きした戻り鰹を更に桜チップで軽くスモーク。上にどっさりかかっているジュレ状のものはちり酢です。
葛葉で蓋をした竹筒で出てきたので直前までスモークの香りが封じ込められています。うーん、良い香り(^_^)
肉厚に切られた戻り鰹は脂が乗っていて焼きとスモークの風合いをドッシリ受け止めています。これも旨い。

・後八寸
野菜6種と蒟蒻の煮物、シメジのトンブリ和え、胡麻豆腐のみぞれ餡かけ・四角豆の天麩羅のせ、椎茸と菊菜の浸し、
百合根の生姜茶碗蒸しの計5品。秋を感じさせる食材のオンパレードで器も楓をあしらっています。
おひたしや煮物も出汁や煮方が違うとここまで美味しくなるのかという素晴らしい出来栄え。色合いも大変美しいです。
何より嬉しいのは手の込んだ料理をちょっとづつ色々食べられること。食べて美味しく目でも楽しい(^_^)

・穴子蒸し飯
穴子蒸し飯・鯛茶漬け・生湯葉餡かけ飯の3択です。全員が穴子飯を選択しました。これだけは300円追加となります。
青竹に盛られた穴子蒸し飯は穴子に綺麗な焼き色が入っていてふっくらツヤツヤ。これは見るからに旨そうです^m^
焼いて香ばしさも加わった穴子はしっとりほぐれる柔らかさで旨味と香りが素晴らしいです。これはめっちゃ旨い！
ご飯は椎茸入りのもち米なんですが、粘り気のある米とふっくらした穴子の組み合わせが最高です(T_T)
元々穴子も米も大好きなのでこの喰い方は超ヤヴァイです。追加料金300円が安過ぎと感じる逸品。

・水物と甘味
スイーツはご主人ではなくお嬢さんが担当。なんと五感で修業したという本気のパティシエです(^_^)
ピオーネのジュレに香りが仕込まれていたり、モンブランにカシスを合わせたりと仕掛けも工夫も超一流。
懐石の最後にここまでしっかりした和洋のスイーツが頂けるとは驚きです。

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【最後に】
まだ知名度は低いですが料理のレベルは非常に高いです。一番安いコースでも終始唸りっぱなしでした(^_^)
建物と庭の造りも贅沢で食事する環境として相当洗練されています。これはイイお店を知ってしまったな～
本日のお勘定は1人約7000円。料理にサービス料10％がかかりますが内容からすればそれでもかなりお得です。
かなり気に入ったのでここは是非再訪したいです。次はちょっと予算も奮発したいですね。ご馳走様でした。