昭和、平成、令和と下町で60年♪　日本一安いたこ焼きは、ここ甘栄堂です♪ : 甘栄堂

2014年以来、6年ぶりに訪れました。　

店の前には先客が3組。　

一人は地元の男性ですが、他の人は車で訪れています。

外観は全然変わっていません。しかし、おばちゃんが少し若くなっています。

15分ほど待ってようやく順番が回ってきました。

数を焼かなければならないので、思うより時間がかかるんですよね。

店内のテーブル席が空いていたので、100円だけお願いしました。

冷蔵庫からペットボトルを勝手にセルフで出していただきます。

500mlのペットボトルは100円、缶ジュースは70円です。


「お母さんは引退しはったん？」と息子さんに聞くと

「今は介護施設に入ってますねん。母の妹は3年ほど前に亡くなりました」

ああ～っ、そうですか･･･。　かなりの御高齢でしたからね。

現在は息子さんご夫婦とお姉さんの三人で切り盛りされています。

息子さんと言っても還暦を少し過ぎていてワタシよりひとつ先輩です(笑)

昭和、平成、そして令和へともうすぐ60年。　継続は力なり･･･ですね。

「日本一安いたこ焼き」として脚光を浴びている甘栄堂。

15個で100円という驚異的な破格値で

昔ながらのたこ焼きを提供しつづけています。

最近は大玉のたこ焼きしか食べたことのない大阪人が増えて

このたこ焼きをミニサイズとのたまう若造クンもいますが、

これが大阪のたこ焼きの昔からの標準サイズです。

このふにゃっとした柔らかなたこ焼きが昔から甘栄堂さんのたこ焼きです。

舟に並べると、隣とくっつく一体感(笑)　全然丸くありません。

カリふわのたこ焼きを食べたければ、他の店へ行くことをおススメします(笑)

定番のソースと醤油の2種類の味付けの注文が出来ます。

小さいながらも蛸はちゃんと入っています。　マヨネーズはプラス10円。

テイクアウトでもナイロン袋にちゃんと入れてくれるようになったようです。


それにケンミンSHOWでは、大阪人の自宅には必ずタコ焼き器がある

といっていましたが、あれは嘘です。　最近の話しでしょうね。

甘栄堂さんのような店が近くにあれば、

自宅で手間暇かけて焼く必要が全くありませんから。

土曜日や日曜日にテレビで吉本新喜劇を見て、お昼ご飯にたこ焼きを食べる

これが昔からの正真正銘の下町の浪速っ子のスタイルなんです。


さて甘栄堂さん、息子さんの跡継ぎはいない状況を考えれば、

いつまでこの懐かしい味を楽しむことが出来るのか少し不安になりますね。

ラサスポーツセンターもなくなり、まさみ温泉、末廣湯、日乃出市場もなくなり、

わが母校の高見小学校も移転して久しいです。　甘栄堂までと考えるとね。

いつまでも頑張って欲しい下町のたこ焼き屋さんです。

また行かせてもらいます。　お元気で。

【2014年5月 再訪問】

消費税が８％に増税直前の３月末、

朝日新聞にここ甘栄堂さんの記事が載っていたんですわ。

「増税してもじゃまくさいから値上げはせえへん」という

おばちゃんの言葉に胸がスッとしました。

雨が降る中、二年ぶりに生まれ故郷を歩いてきました。

もちろんここ甘栄堂さんにも寄ってたこ焼きを食べましたよ～♪

店の中のテーブル席に座り、たこ焼き100円を注文。　　

驚異の15個100円という激安価格です！

50円で７個買えるのも子供にとっては嬉しいことです。

冷蔵庫のペットボトルを勝手に取り出して飲みながら、

焼き上がりを待ちます。

なんぼでもお客さんが来るので、おばちゃんたちは休まず

ずっとたこ焼きを焼き続けている状態です。

新聞の話しすると「余計に忙しくなるさかい新聞に載らんほうがええわ」

と笑っていました。

「増税するからタコもさらに小さくしたけどこれ以上ちっちゃできひんわ」と

涙ぐましい努力を話してくれました。

お二人とも80歳前後の高齢者です。　

めっちゃ働き者です。　頭が下がりますわ。

風船がしぼんだようなたこ焼きでもええねん。　

タコがちっちゃなってもええねん。

どうかお元気でリーズナブル過ぎるたこ焼きを焼き続けてくださいね～！

おばちゃん、また行きますわ～。


【2012年4月 再訪問】

甘栄堂さんは、私旅浪漫の外食の原点ともいえる

思い出深いたこ焼き屋さんであります。

甘栄堂さんは最近移転されたんですが、

オレが物心ついた時には、今ある場所より50mほど南側の

寿司屋さんと自転車屋さんにはさまれた所にありました。

日本が高度成長期で仕事すればするほど給料が上がっていった時代。

大阪も万国博覧会を控え、街を歩く人々にも活気があり、

近くにあった公設の日の出市場でも買い物客の人があふれかえっていました。

当時の甘栄堂さんは、たこ焼きが４個で10円　　

ホルモン焼きもやっていて１本が5円でした。

確か回転焼きもやっていたと記憶しています。　　

「たいこ焼き」と言ってましたね。　1個10円でした。

近所には、あと何軒かたこ焼きを焼いている店があり

５個10円の店もありましたね。

地元にお気に入りのたこ焼き屋とお好み焼き屋があるのが普通の時代でした。

自転車屋さんの隣には、夏になると四貫島にある岡崎の金魚屋さんが

金魚すくいの屋台を出していて、金魚すくいが終わった後にくれる

岡崎のマークの入った券で「ポン」を地べたに座ってやっていました。

それから月日は流れ、日の出市場は廃墟と化し　

あの頃の賑やかさは遠い記憶の彼方になってしまいました。

オレも引っ越してしまい、

あの当時を思い出すお店はここを含めてわずかになりました。

たまに思い出したようにこの生まれた街に足を運んで

ここ甘栄堂さんのたこ焼きをいただいてます。

その当時からは、値上がりしたとはいえ未だ

15個 100円という信じられへん価格で売られています。

ここのたこ焼きは、野菜を細かく切って入れていて、柔らかいのが特徴です。

おばちゃんのご姉妹と息子さんの三人で切り盛りされています。

店内にテーブルがひとつあり、中で食べられるので

おばちゃんと昔話ししながらいただきました。

ドリンクも横にある冷蔵庫からセルフで取りだして飲みます。　　

500ｍｌのペットボトルが100円。

さあ、久しぶりに食べてみますわ。　　

激安ですが、ちゃんと１個１個に小さいながらもタコが入ってます。　　

生地は、やっぱり薄目ですが値段から考えるとしゃあないですよね。

ここで200円分30個も食べたらお腹いっぱいになりますよ～。

小さい子供が自転車でやって来て、たこ焼きを50円分買っていきよります。

なんか当時のオレとだぶってセンチメンタルな気分になりましたわ。

テイクアウトは、ナイロン袋はありません。　　

経費削減しないとやっていけないんでしょう。

最近は、安いから取材やらテレビ局やらが来よるんよ～って

おばちゃんが言うてました。

下町に50年前からあるたこ焼き屋さん、

これからも元気で焼き続けていってほしいと思います。

おばちゃん、また行きますね～！