薩摩の久保 【待っていたのはとんでもないできごと。】 : 薩摩の久保

　今年の目標というのは、どんなものにでも立てるというより漠然ともつものだけれど
　　　ことグルメなものに関していえば、この店にいくことが2010年のささやかな目標のひとつだった。

　　　　　薩摩の久保。

　　　　野江という地理的な条件は今年は特徴的だった。前半は野江まで行く機会が公私ともに
　　　　結構あったにも関わらず、結局この評判の肉やさん兼焼肉屋さんのドアを開ける機会が
　　　　なかった。後半は、「行ったよ」という自慢にも似たまわりのお話だけが先行してしまって
　　　　いて、ぼくは臍をかむというか、なんとか今年中にと思っていた。

　　　　これを実現してくれたのが、えりちゃんだった。
　　　　クリスマス前の22日、4人でしか予約を受けつけないということでコウモトくんと、彼と同期で
　　　　最近ぼくとOBPで打ち合わせのときに同じ仕事をしてくれているナカネくん。

　　　　それぞれOBPと西三荘からやってくる。
　　　　そしてえりちゃん以外は全員が遅刻してしまった
　　　　ぼくとコウモトくんは、かなり仕事が押してしまっていた。想定外な遅刻で、しかもすでに
　　　　19時予約開始時刻なのに会社をでたのが19時30分になってしまっていた。

　　　　そこから自転車を必死に漕いで漕いで漕いで…
　　　　20時を5分ほど過ぎて、ようやく1位時間以上遅刻したぼくは店に到着した。

　　　　ひとりぽつんと待っていたえりちゃんは、かなり大変だったようで予約キャンセルされるに
　　　　近い状況で苦労したようだ。

　　　　それでもどうにか席は確保できたらしく、若さにまかせて自転車を爆走させたコウモトくんが
　　　　先に到着してえりちゃんとお話をしていた。
　　　　
　　　　それは若さのおかげというより、ぼくとしては「自転車の性能の差」だと思いたいのだけれど

　　

　　　すでにいくつかの肉は注文されていた。薩摩の久保といえばステーキ肉は欠かせない
　　　そうだ。出てきた肉は確かにでかくて厚い

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　肉をじゅうと焼いては、しゃべるはなから取って食べる・・・みたいに肉食な中学生のようになった
　　　　ぼくら３人は、会話をしながらというより食べる合間に少しずつ会話をしているように食べている。

　　　　　　　　　　　　　　　

　　　鹿児島の牛を使った珍しい肉やさんとは聞いているが、本当におしゃれとは程遠いうえ、
　　　駅から遠い（地下鉄谷町線の野江内代は近いけれど、京橋からはかなりある）のに
　　　この予約・人気度の高さはすばらしい。えりちゃんが「予約はずされてしまいました」と
　　　言われたという強気の姿勢もうなずける。強気というより少しでも回転率をあげないと
　　　お客さんの文句が出てしまうということだ。

　　

　　　20時すぎの店内は、まず一回転めが終わったらしく、片付けの時間に入っている。

　　　　　　　　　　　　　　　

　　自信を示す写真と垂れ幕の数々。たしかに旨いのでなんとも言えない。

　　　　　　

　　　　　　　ステーキ肉はさすがに記念撮影をして…

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　それ以外の肉だって、こんなに分厚くて、くいでがあるというのはこういうことなのだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　ナカネくんが合流。仕事が少しかぶっているだけに内情も気心もなんとなくわかるメンバーが
　　　　　　揃って、4人で改めてビールを流し込みながら肉を責めていく。

　　　　　　

　　　　　　上機嫌で、日ごろの鬱憤をぶちまけるような会話が続いたり、最近は彼女がいないナカネくんに
　　　　　　どうでもいい紹介をしたり

　　　　　　ロース、タン、ハラミ…どれもみんな分厚い食いでのある大きさの迫力に、今年の目標にしていた
　　　　　　この店に年末ぎりぎりに来れたことをうれしく思う　
　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　途中に、オーダーの通り具合が変だということに気づいてきたものときてないものを
　　　　もう一度整理しないといけないはめになった。少し手際の悪い店員さんがいたようだ。
　　　　でもまあそういうのもご愛嬌で許せてしまった。

　　　　　　　　

　　　　コウモトくんとナカネくんが、先日合コンに行っていた活動報告をぽろっとこぼしたときに
　　　　えりちゃんが少し噛みついてしまった。知っているお気に入りの男子がその合コンにいた
　　　　ことが判明。

　　　　　　　こちらがくすくす笑うほど恐縮する2人に、もうぷいっとふくれてしまったえりちゃんと。

　　　　　　　　　　

　　　　　　　待っていたのはとんでもないできごと。最初は遅刻して待たせてしまい、そして
　　　　　　　そのあとはおいしい焼肉と。最後はこんなおまけまでついて、クリスマス前の夜は
　　　　　　　更けていきました。
　　　　　

　　

　　　　　　結局ぼくらは、「閉店です」と言われるまで、ずっとここで食べ続け飲み続け…
　　　　　　しゃべり続けて…楽しい夜になりました。

　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　1Fは肉やさんとして営業しています。もうこんな時間なのできっちり閉店していますが。

　　　　　　　　

　　　たしかにおいしさが、あるレベルを越えると立地条件とかそんなもの関係ないのかも
　　　しれません。

　　　恐縮しつづけるコウモト・ナカネの同期コンビは、一生懸命的外れな言い訳をして
　　　えりちゃんにいろいろ言って聴かせています。
　　　その的外れ具合が、かえって若さだったりするのかもしれないってそう思ってぼくは
　　　とくにアドバイスも助け舟もださないで、にこにこ笑ってみていました。

　　　だって、ぼくもだいぶ酒の肴にされてしまったので

　　　これもちょっとした教育なのだよ、人生の。　　　　　　　　　　

　　　　そう、えりちゃんが「あのふたりおかしかったですよ」とあとになってコメント
　　　　していたことを付け加えておこう。女の子はこわいのだ。
　　　　
　　　ということで夜中近くなって寒いなか、ぼくは自転車で163号線にむけてはしりだした。　

★薩摩の久保
　　大阪市都島区都島本通5丁目10-16
　　06-6927-4111

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