大阪讃岐うどんに憧れて！しなやかでなめらかでつややかでもっちもちの幸せおうどん！ : き田たけうどん

待ち時間の間は厨房が一段高くなっておりステージの様で、つまり座席は観客さながら席調理風景を眺めることができます。

製麺機で薄く伸べられた生地は一回、また一回、更にもう一回、そして切られます。

そこでは木田さんの淀みない所作を通し、鍋に入れられる瞬間まで見逃すことなく見ることができ大興奮の時間を過ごすことができます。

【本日の注文】
☆元祖ちく玉天ぶっかけ800円＋大盛100円
香川県の何軒かで出会ったような細いタイプですね。
ツヤツヤ、ピカピカ、それでいてもっちもっち。やや細麺のおうどんです。
箸で持ち上げると、これは天井まで届くのではないかというかと錯覚するほどのしなやかに伸び上がります。
一口め…なめらかで口のなかがもっちもっちの幸せ麺！
二口め…ぶっかけ汁と麺を啜る。これが元祖の味と噛み締め、醤油とお出汁のバランスがうどんと当然のように絡み、細めだからこその愉しさを知ることに。
三口め…玉子天に箸をいれると、とろとろと黄身が蕩け出します。玉子天は箸でもちあげるには余程慎重にしなければならないほどの柔らかさです。白身も温玉寸前のように柔らかくて、それでいて黄身も理想的な半熟で…温かな玉子がお出汁と溶け合いとっても美味！最後の１滴まで美味しくいただきました。500gは余裕ですね。+100円の幸せに大満足です！

☆とり天ぶっかけ900円
大きいとり天！普通の唐揚げ店の3倍はあります。衣から透ける中のとり肉だけでも丼ぶりが埋まりそうな量はあるのに天ぷらの衣で丼からはみ出す勢いです。ボリューミーですね！
ここは人目を憚らず、がぶりと大口で噛みついてみます。黒胡椒が効いていて、ピリッとくるのとジューシーな鶏肉がおいしい！おかずステーキなお肉料理になっています。これはうどんに合いますね。ラーメンとチャーシューが当然のように、うどんにとり天の組み合わせの存在に感謝せずにはいられません。肉とうどんの無限ループは幸せの美味しさです。
そんな油と肉とうどんの旨さに爽やかなアクセントを添えてくれる檸檬の串切りの用意は定番ながら嬉しいですね。次はW注文も視野にいれるべき逸品でした。


〔かまたけうどんへの熱い思い〕
店主木田 武史さんは元祖「釜たけうどん」であまりにも有名な方です。
私のうどん食べ歩きのきっかけは大阪梅田「うどん棒」さんと出会いでした。うどん県への巡礼の旅も大阪讃岐うどんなくしては一生結び付く理由はなかったといえます。
関東生まれの関東育ちとしての｀うどん苦手人生´から｀うどん好き´に育った過程の第２のポイント、それが釜たけうどんの広めたメニュー大阪讃岐うどんのこしと太さとのど越しと天ぷらとぶっかけの最高なハーモニー「ちく玉天ぶっかけ」です。
この出会いにより蕎麦はせいろが一番！の意識とはまた違った、うどんもそのままでが一番というだけではなく、トッピングうどんの良さを知ることで、嗜好品ではなく、お食事として楽しむうどんの素晴らしさ、おうどん大好き！へと進化したわけです。


その後当然のように大阪讃岐うどん創始者の木田さんのお店への憧れは募るばかりでした。

当時は他の用事の合間をぬってでした。情報の収集に関しても東西の距離は痛手。
今では珍しくもないことですが、うどんだけをとりあげる専門的な雑誌や本もそんなに多くはありませんでした。duncyuの特集を何度も読み返し、手帳に書き込む。そんな手探りな時。

2003年の3月にオープンされていた当時間に合わなかったことは仕方がないとして、人生の繁忙期到来。今思えば大阪讃岐うどんの黎明期にタイミングが噛み合わず、出遅れた感は否めません。
私の食事日記を読み返すと毎年のように繰り越し繰り越しの住所と店名が増えています。

そんな釜たけうどんオープンから数年後の私に関西方面のご縁が復活！
食べ歩きの合間にたまたま訪れたうどん棒で目覚めます。そこで大阪うどんの波がきてる特集の雑誌を読み、またいく先々の店舗で地域で盛り上げるうどんイベントの貼り紙をみて「こんなに美味しいうどんが何店舗もオープンし、大阪讃岐うどんビックウェーブが間違いなくきた」ことを知り、私の食べ歩きに「うどん」という喜びが入ったという経緯があります。
ところが釜たけうどん本店へは何年越しにも関わらず、ある日は行列、またある日は売り切れごめんで間に合わず…そんな「釜たけうどん」に私は何度も店の前までは到達していたままで、昨年2017年6月末に閉店。店頭を思い出しては諦めきれない、不完全燃焼のまま後悔の残るお店のひとつでした。

ところが、今年の春に難波で新しい細めのおうどんで復帰されるということを知り今日は満を持しての訪問となったというわけです。太打麺の元祖釜たけへはとどきませんでしたが、細打新世に間に合ったということにしておきたいと思います。
難波から徒歩圏という最高のアクセスも嬉しいです。
ごちそうさまでした！また、来ます！