大阪懐石料理の名店、ここにあり！！ : 西心斎橋 ゆうの

振り返ってみると、7月はエンゲル係数が半端ないですね。。どうりで通帳が寂しくなってるわけや…(>_<)笑
この日は心斎橋にある懐石料理店・ゆうのさんへと伺ってきました。お店は地下鉄御堂筋線 心斎橋駅からすぐ近くのところにあり、駅からのアクセスは抜群です。


中の様子が伺えない外観に、少しばかり緊張しながらも扉を開けました…。カウンターには大将と思われる方以外にも4人ほどの料理人さん達がおられ、皆テキパキと忙しなく動いていらっしゃいます。カウンター席へと案内され、まずは生ビールを注文しました。


★頂いたメニュー★

おまかせコース ¥16800
(コースは2種類。高い方のコースです。)


♦︎先付
岩手県産雲丹と汲み上げ湯葉 ☆4

先付でいきなり雲丹が出てきました。殻ごと提供されたそのビジュアルに、まずは圧倒されました。
雲丹の濃厚な旨味と湯葉の甘みに加え、さっぱりとした味わいのジュレの中には枝豆と長芋のとろろが入っています。
これら別々の素材でしたが、見事なマリアージュです。美味しすぎて最後の一口まで、スプーンで啜り尽くしてしまいました。


♦︎先付
芋寿司 ☆3.4
イカの細裂き 明太子 毛馬胡瓜 ☆3.3
辛子蓮根 ☆3.7

辛子蓮根が秀逸でした。サクッとした歯応えの蓮根と、鼻から抜ける辛子の風味。一切れですが、非常に存在感がありました。
芋寿司はその名の通り、シャリの代わりに大和芋をペースト状にしたものをきずしに見立てた一品です。一つひとつの料理に対して非常に手が込んでいると感じました。


♦︎椀物
キス 松茸 冬瓜 にゅうめん ☆3.6

出汁は昆布が主体で、上品さの中にもしっかりと芯の感じられる味わいです。松茸はこの時期(7月末)のものですから仕方ありませんが、香りはもうひとつといったところ。
柚子の香りと、にゅうめんのツルツルとした喉越しが良いアクセントになっています。


♦︎向付
コチ 鮪 とり貝 雲丹 のどぐろ焼き霜 ☆4.5

別皿で提供されたのどぐろが旨すぎました。それ以外のお造りも普通に美味しかったのですが、のどぐろのインパクトが強すぎました。今まで食べたお造りの中でも、トップクラスの感動でした。
大将に聞くとのどぐろは長崎産で、今の時期のものとしてはかなり良い素材とのこと。
ということは、時期によってはこれ以上に美味しくなるということか…恐ろしや。。


♦︎焼物
北海道産キンキ ☆3.7

ただの焼物ではありません。「このこ」と呼ばれるナマコの卵巣が表面に塗られており、絶妙な焼き加減で焼かれています。酒の肴として重用されるという高級珍味「このこ」、私は初めて口にしましたが、これがキンキの脂と合わさって美味しいのなんの…。
添えられたバイ貝は歯応え良く、ゴーヤや銀杏の調理に至るまで、一切の手抜きはありませんでした。銀杏の香ばしさだけでもお酒が進みますね（笑）


♦︎焚合せ
ニシン 亀岡の茄子 マニオクラ ☆3.5

臭みの全くないニシンは、少し酸味の効いた味付けが印象的です。夏らしくさっぱりとした一品ですね。
ニシンと言えば、甘露煮などの調理が一般的ですが、こうした調理法もあるのだと知りました。調理の幅が大変豊かですね。


♦︎蒸し物
すっぽんの茶碗蒸し ☆3.7

なんとすっぽんまで出てきました！すっぽんの濃厚な旨味が溶け込んだトロミのあるお出汁…美味しくないわけがありません！
出汁は生姜の風味が適度に効いており、全体の味がキリッと引き締められていました。


♦︎肉料理
鳥取県産黒毛和牛のステーキ ☆3.9

ここの口コミで見た、オレイン55というブランド牛のステーキが食べられるかと思いましたが、残念ながらこの日は普通の黒毛和牛とのこと。それでも十分すぎるほど上質なお肉です。
部位はイチボですが、あっさりとした味わいの中にも、しっかりとした旨味・ジューシーさが感じられ、とても満足度の高い一品でした。


♦︎お食事
御飯 味噌汁 香の物 ☆3.8

土鍋で炊かれたという魚沼産コシヒカリは、その見事な艶と食感が印象的。美味しくて2〜3杯ほどおかわりしてしまいました。
おかわりにはおこげも入っていて、釜炊きならではの香ばしい風味がたまりませんでした。


♦︎水物
柚子シャーベットとフルーツ ☆3.3

あまり印象には残っていませんが、甘さ控え目のシャーベットとみずみずしいフルーツは口の中をさっぱりとさせてくれました。夏らしく、コースの〆にぴったりでした。


♣︎所感

最後にお茶とお菓子を頂いてコース料理は終了です。
全体的な印象として、一つひとつの素材が素晴らしいのはもちろんのこと、それらに丁寧な調理技術を施して、数段上の完成度にまで高められた料理の数々だと感じました。


調理もありふれた調理法だけではなく、こうきたか‼︎と驚かされるような創作要素の入った調理法も多く、大将はさぞ研究熱心な方なのだろうと感じました。


コース料理はボリュームも十分で、今まで私が頂いた和食のコース料理の中では一番満足度が高かったです。
しかしこれだけの感動を味わいながらも、点数を控え目にしたのは、やはりお代の観点から…。


お酒をそこそこ頂いたということもありますが、¥20000超えというお代は私にとって、そう気軽に支払える金額ではありません。
「高くて美味いは当たり前」という言葉が脳裏をよぎった瞬間でした。


頂ける料理はどれも素晴らしい、大将の接客も素晴らしい。間違いなく名店には違いありませんが、若輩者の私にはまだまだ不釣り合いなお店なのかもしれません。
でもいつかまた絶対に来よう！そう思わせてくれる素敵なお店でした。本当にどれも美味しかったです。ごちそうさまでした！