家庭的な雰囲気の中でいただくフランス料理 : ビストロ かたおか

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3.8

¥3,000~¥3,9991人
  • 料理・味3.7
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP3.6
  • 酒・ドリンク3.5
2018/01訪問1回目

3.8

  • 料理・味3.7
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP3.6
  • 酒・ドリンク3.5
¥3,000~¥3,9991人

家庭的な雰囲気の中でいただくフランス料理

(3400字)

野田界隈シリーズです。(シリーズなのか?)

この店は”野田阪神本通商店街“にあります。その名の通り、阪神の野田駅、あるいは地下鉄の野田阪神駅付近を起点として、西の方に伸びている商店街ですが、時代の波には逆らえず、商店街と言いながらも歯抜け状態が目立つ通りとなっています。そんな中で、ずっと頑張っているお店の一つが、この『フランス食堂 ビストロかたおか』なのです。

『もう今年で15年になるんですよ』

人当たりの良い明るい奥さんは、視線の先にある15周年記念のお祝いのプレートを見ながら、感慨深い感じで話してくれました。

「すごいですね。しかも、よくあるイタリアンではなく、フランス料理ですからね。街中ならいざ知らず、商店街でフランス料理店なんてなかなか見ませんから」

『そうですね。皆さん、そうおっしゃいます』

「そう言えば、この本にサインが書かれていて、ここにある日本人のお名前って、もしかして貴女の旧姓ですか?」

私は店の一番奥の席に案内されたのですが、手に届くところに、ハードカバーのフランス語の料理本があったのです。

『はい。厨房に立っている主人に出会う前、サインしてもらった料理本で、飾りとしていいなって思って、そこに置いてあるんですよ』

「1989年ってなっていますから、かなり昔ですねぇ」

『もう、そんなになりますかねぇ』

店内のあちこちに、いろんなグッズが置かれていて、一瞬雑然とした印象を受けますが、座って眺めていると、この店を切り盛りしている夫妻の人柄や、店の歴史を感じるようになります。いい意味での手作り感があるのです。フレンチレストランではなく、あくまで“フランス食堂”なのです。

天井からぶら下がっている電灯のワイヤーに付けられている多数のワインのコルク。

スパークリングワインの蓋(?)で作られた、ミニチュアの椅子。

壁に貼られたフランス語で書かれているだろう各種ポスターなどのペーパー類。

想い出が詰まっているだろうフォトフレーム、などなど。

まるでご夫妻の自宅に招待されたかのような雰囲気の中で、ご主人がつくるフランス料理を堪能できるのです。間口が狭く奥行きのある店舗構造で、食堂部分には窓はありませんが、その構造を逆手にとった感じで、落とし気味の暖色の光で満たされた、居心地のいい空間になっています。

☆☆☆

ランチメニューは下記の通りです。

◆A --- 1100円
スープ
メイン料理 (魚 or 肉)
パン or ライス
コーヒー or 紅茶

◆B --- 1350円
「A」

デザート1種

◆C --- 1700円
「A」

デザート3種盛

◆D --- 2000円
本日の前菜
スープ
メイン (魚 or 肉)
パン or ライス
コーヒー or 紅茶

◆お昼のコース --- 2600円
「D」

デザート3種盛

◆お昼のフルコース --- 3600円
本日の前菜
スープ
メイン2種(魚 and 肉)
パン or ライス
コーヒー or 紅茶
デザート3種盛

☆☆☆

「お昼のコース」でもよかったのですが、デザートは3種も要らないので、結局、下記のようなオーダーとなりました。

■D (メインは肉で、パンとコーヒーを選択)
■デザート (クレームブリュレ)
■赤ワイン (カラフェ 375cc)

ランチメニュー表には、ランチセット(コース)以外にも、単品メニューが併記されており、よくよく見ると、各種単品を組み合わせてもセットの価格とは変わらない形になっています。つまり各セットメニューは、単純な足し算になっているのです。変にセット割引などしない、分かりやすく柔軟な提供形態なのです。

☆☆☆

まず、ワイングラスとカラフェに入った赤ワインが配膳されました。カラフェにはいびつな線が入っており、ワインの液面はその線を超えたあたりまで入っていました。“なるほど”と思った私は、次にパンを配膳しに来た奥さんに聞いてみたのです。

「このカラフェの線って、手描きですよね」

『はい、おっしゃるとおりです。まあ、色んな人がいますからねぇ……』

語尾は濁されましたが、言いたいことは分かりました。このカラフェには満杯で500cc入るようで、そこに375ccを入れるわけですから、どうしても見た目で曖昧になります。もちろん元から目盛なんて付いていないのです。疑問なのは、なぜ「375cc」という半端な量(※)で提供するのか、という点ですが、そこまでは聞けませんでした。まあ、私にとってはちょうどいい量であったのは確かではありますが。

(※ ワインボトルの容量750ccの半分というのが理由だと推測できます。ただし、国内産のワインのボトルは、なぜか720ccで統一されているようです。そういう意味では、この店のワインは輸入品だと言えます。おそらくフランス産ってことでしょうね)

そしてワインのアテになる前菜が配膳されました。5種の前菜がカワイイ小さな容器に入れられて、皿に並べられているビジュアルは、いかにも写真映えしそうな感じでした。5種の中で最も印象が残ったのが、スモークチーズが入ったポテトサラダです。こういう風味の合わせ方もあるんだな、と地味なところに感心したのです。

次にスープが配膳され、さらに少し間を置いてからメイン料理が提供されました。全体を通して、ゆっくり食べ進めるスピードに合わせるかのようなタイミングで配膳されてくるので、ストレスなく飲食できました。メインの肉料理、今回は「豚バラと黒オリーブのトマト煮込」ということで、いかにもな家庭料理です。ちなみにこの日、魚の方をチョイスすると、大きなロールキャベツのようなビジュアルの料理(海老のムースのシューファルシ)になるようです。後客がオーダーして食べていたのを遠目で見ただけなので、その詳細は不明ですが、ちょっと興味をそそられました。

◇◇◇

【シューファルシ】

シューファルシと言うと特別なお料理のように聞こえるけれど、簡単に説明するとキャベツを丸ごと使う豪快なロールキャベツのことで、フランスの家庭料理のひとつだ。作り方も味付けもロールキャベツと同じなのだけれど形成方法が少し違うのです。

シューファルシは小分けにせずに下ゆでしたキャベツの葉を剥がして中心部を残します。そのキャベツの中心部分を覆うようにロールキャベツのタネをかぶせます。その上からキャベツの葉を覆いかぶせます。更にその上からキャベツを隠すようにタネをかぶせます。その上からまた、キャベツの葉を覆いかぶせます。これを何度か繰り返してミルフィーユ状にし、最後にキャベツの葉を覆いかぶせたら、元のキャベツの形に整えます。

これをほぐれないようにタコ糸で全体を巻いて和洋中、お好きなお出汁でコトコト煮込むだけです。一緒に付け合わせの食材を煮込んでも美味しいです。

この豪快なお料理は、フランスの中南部辺りにあるオーベルニュ地方の郷土料理なのだけれどもオーベルニュ地方は、フランスでは最も開発の遅れた地域だったそうで、オーベルニュはフランス語で「田舎」という意味をもっています。ここの郷土料理には、皆さんも馴染みのあるポトフやジャガイモのポタージュスープのヴィシソワーズなど、フランスを代表するお料理がたくさんあります。そして、ヴォルヴィックやヴィッテルなどのミネラルウォーターの湧水地でもあるので地名は知らなくても日本人もご縁のある土地です。

(HP「幸せのレシピ集」より抜粋引用)

◇◇◇

そして最後に、コーヒーとデザートのクレームブリュレです。少し前に、ミスドでクレームブリュレもどきのドーナツ(ドーナツな時点で“もどき”なのだが)を食べて、本物を無性に食べたくなったという記憶があって、今回、選んだのです。クレームブリュレと言えば、2001年公開のフランス映画『アメリ』の中に登場して、映画ファンの間でブームになったのですが、何故この形と色の容器に入っているんでしょうか。どこでも同じ容器なので、ちょっと不思議に思うのです。どうでもいいことでしょうけど。

☆☆☆

ということで、こういう雰囲気の中でフランスの家庭料理が食べられる店は、そんなにないように思うので、貴重な存在だと思います。無口でまじめなシェフのご主人と、話好きで人当たりのいい奥さん、末永く仲良く店を続けてください。そして、美味しい料理を訪れる人に提供してください。

ごちそうさまでした。

  • ビストロ かたおか - 「本日の前菜」(5種盛)。

    「本日の前菜」(5種盛)。

  • ビストロ かたおか - 本日のメイン(肉)「豚バラと黒オリーブのトマト煮込」。

    本日のメイン(肉)「豚バラと黒オリーブのトマト煮込」。

  • ビストロ かたおか - 店舗外観。

    店舗外観。

  • ビストロ かたおか - 店内風景。

    店内風景。

  • ビストロ かたおか - 「赤ワイン」(カラフェ375cc)。

    「赤ワイン」(カラフェ375cc)。

  • ビストロ かたおか - 「パン」。ワインの蓋やコルクで作ったイスなどの小物類が、家庭的な雰囲気を醸し出している。

    「パン」。ワインの蓋やコルクで作ったイスなどの小物類が、家庭的な雰囲気を醸し出している。

  • ビストロ かたおか - 「ポタージュスープ」。

    「ポタージュスープ」。

  • ビストロ かたおか - 食後の「コーヒー」。

    食後の「コーヒー」。

  • ビストロ かたおか - デザート「クレームブリュレ」。

    デザート「クレームブリュレ」。

  • ビストロ かたおか - クレームブリュレのリフト(?)。

    クレームブリュレのリフト(?)。

  • ビストロ かたおか - レジ前から入り口方向を撮影。左手が厨房、右に手洗い。

    レジ前から入り口方向を撮影。左手が厨房、右に手洗い。

  • ビストロ かたおか - 壁には色んな飾りが施されている。

    壁には色んな飾りが施されている。

  • ビストロ かたおか - 照明のワイヤーに付けられているコルク栓。

    照明のワイヤーに付けられているコルク栓。

  • ビストロ かたおか - フランスっぽいポスターなどがあちこちに貼られている。

    フランスっぽいポスターなどがあちこちに貼られている。

  • ビストロ かたおか - 私が座った席の近くのコーナー。フォトフレームなどを見ていると、自宅に招かれた気分になる。

    私が座った席の近くのコーナー。フォトフレームなどを見ていると、自宅に招かれた気分になる。

  • ビストロ かたおか - 店内にあったフランス語の料理本に掲載されているクレームブリュレのレシピページ。容器のデザインに着目。

    店内にあったフランス語の料理本に掲載されているクレームブリュレのレシピページ。容器のデザインに着目。

  • ビストロ かたおか - 同じ料理本にあった“巨大なたこ焼き”に見える料理が気になった。

    同じ料理本にあった“巨大なたこ焼き”に見える料理が気になった。

  • ビストロ かたおか - 料理本の表紙をめくると、こんなサインがあった。フランス語は読めないが、ローマ字の名前とサインは分かった。

    料理本の表紙をめくると、こんなサインがあった。フランス語は読めないが、ローマ字の名前とサインは分かった。

  • ビストロ かたおか - 『昼からカラフェ』という言葉に誘惑されるオヤジ。

    『昼からカラフェ』という言葉に誘惑されるオヤジ。

  • ビストロ かたおか - カラフェのいかにもな手描きライン。

    カラフェのいかにもな手描きライン。

  • ビストロ かたおか - 今日の料理など。

    今日の料理など。

  • ビストロ かたおか - ランチタイムメニュー。

    ランチタイムメニュー。

  • ビストロ かたおか - 写真付きメニュー(一部)。

    写真付きメニュー(一部)。

  • ビストロ かたおか - 野田阪神本通商店街の風景。ウィークエンドのランチタイムとしては、ちょっと寂しいか。

    野田阪神本通商店街の風景。ウィークエンドのランチタイムとしては、ちょっと寂しいか。

  • ビストロ かたおか - 【おまけ写真】食後に商店街を散策、こんな店を発見。

    【おまけ写真】食後に商店街を散策、こんな店を発見。

  • ビストロ かたおか - 【おまけ写真】さらに散策、興味深い屋号を見つけたが、すでに廃業しているようで、残念。

    【おまけ写真】さらに散策、興味深い屋号を見つけたが、すでに廃業しているようで、残念。

  • ビストロ かたおか - 【おまけ写真】昭和遺産的な不動産屋。

    【おまけ写真】昭和遺産的な不動産屋。

  • ビストロ かたおか - 【おまけ写真】商店街のシンガリ。一見、自転車屋だが……

    【おまけ写真】商店街のシンガリ。一見、自転車屋だが……

  • ビストロ かたおか - 【おまけ写真】自転車屋なのに、なんと店内カウンターで飲食が可能だ。アルコール類も置いてあるようだ。開店していたが、店員が不在で利用できず、ちょっと残念。

    【おまけ写真】自転車屋なのに、なんと店内カウンターで飲食が可能だ。アルコール類も置いてあるようだ。開店していたが、店員が不在で利用できず、ちょっと残念。

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店舗情報(詳細)

「みんなで作るグルメサイト」という性質上、店舗情報の正確性は保証されませんので、必ず事前にご確認の上ご利用ください。 詳しくはこちら

店舗基本情報

店名
ビストロ かたおか
ジャンル ビストロ、ヨーロッパ料理、ケーキ
予約・
お問い合わせ

06-6466-7107

予約可否

予約可

住所

大阪府大阪市福島区大開1-5-29

交通手段

地下鉄千日前線 野田阪神駅より 4分
阪神電車 野田駅より 5分
JR東西線 海老江駅より 5分

野田阪神駅から218m

営業時間
  • 火・水・金・土・日

    • 11:30 - 14:00

      L.O. 13:30

    • 17:30 - 21:00

      L.O. 19:00

    • 11:30 - 14:00

      L.O. 13:30

    • 定休日
  • ■ 営業時間
    ランチ
    予約の受け付けは、12:30までの入店

    ■ 定休日
    尚、祝日の月曜日は、営業いたします→翌日の火曜日を振替休日とさせていただきます。
予算

¥5,000~¥5,999

¥1,000~¥1,999

予算(口コミ集計)
¥1,000~¥1,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード不可

電子マネー不可

QRコード決済不可

席・設備

席数

20席

(全席テーブル席)

個室

貸切

(20人以下可)

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

近くにコインパーキング有り

メニュー

ドリンク

ワインあり、カクテルあり

特徴・関連情報

利用シーン

家族・子供と 知人・友人と

こんな時によく使われます。

サービス

お祝い・サプライズ可(バースデープレート)

お子様連れ

子供可

お子様も入店していただけますが、【お帰りまで着席でお願いいたします】尚、ホールのスペース上、ベビーカーは、1台しか入っていただけません。ご了承くださいませ。

ホームページ

http://ryuichikataoka.jimdo.com/

公式アカウント
オープン日

2002年11月2日

お店のPR

野菜たっぷりヘルシーフレンチ

※4月末、5月1週目、2週目の【休み】は、
★4/30(火)〔ランチとディナー〕
★5/2(木)〔ディナー〕
★5/7(火)〔ランチとディナー〕
★5/9(木)〔ディナー〕

※ディナーは、「ビストロコース」のみのご用意です。
→メイン料理は、それぞれお選びいただけます。(+料金のメインもございます)
※ランチタイムのお昼のコースは、前日までにお電話でご予約お願いします。
→「前菜盛り合わせ」もご予約制です。

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おすもう3おすもう3(506)

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