奄美大島の星 : La Cime

かねてより、評判を聞いていたこちらに

お邪魔することができました。

シンプルながら落ち着く内装。


醸し出される雰囲気は、なにかとてもいい予感。


奄美大島出身のシェフから繰り出される料理は、

高いクリエイティビティと、繊細さを併せ持ち、

好奇心を満たしてくれるものでした。

「稽古照今」の精神を感じるレストラン。

まさにその通りでした。


とてもシャイというシェフは、一度も客席にいらっしゃらず、

ちょっと残念でしたが、ここで賛辞を伝えたいと思います。

ディナーコースは、18000円＋税　で、12品です。


それでは、この日の内容です。


１、ブーダンドッグ
　　真っ黒の皿に、黒の石と、黒の料理。
　　黒い球体は、竹炭を練りこんだアメリカンドッグに、
　　ブーダンノワール。

　　アメリカンドッグ、とは、最初から意表をつかれ、
　　思わず、クスっとしてしまいます。

２、ビーツ　水ナス　

　　ビーツのチュイールに、焦がした水ナス

３、トマト　メロン　トサカ海苔

　　トマトエキスのメレンゲに、メロンとトサカ海苔

４、宮古ゼンマイ
　　　
　　宮古ゼンマイのタルト

５、ウズラの卵

　　ウズラの卵なのですが、魯肉飯のイメージで、
　　そのような味がします。

６、白子　百合根

　　白子のフランに、百合根とその泡

７、かぼちゃ　イクラ　カラシ

　　スライスしてグリルしたかぼちゃとそのピュレ
　　そこに、イクラと和辛子のクリーム
　　アリッサムを散らして

８、サバ　九条ネギ　シャドークイーン

　　五島の倭寇鯖（ごま鯖）に、
　　九条ネギ、オラック（ハーブ）と、
　　シャドークイーン（紫じゃが芋）のチップス

９、ホタテ　山ゴボウ　トリュフ

　　枯れた植物が登場。
　　その中に、山ゴボウのチップスがひとつ。

　　別皿に、
　　ホタテ、山ゴボウ、神奈川産トリュフが
　　酒かすのシートに覆われて。
　　艶やかな酒粕のシートです。

10、島豚　軟骨　アオリイカ　銀杏

　　塩漬けの島豚、アオリイカ、銀杏が、
　　島豚の軟骨のエキスの中に。
　　
　　なんともいえない、深いしかし洗練された
　　コク

11、足赤海老　サラダ菜

　　・殻ごとの足赤海老は、トーストの上にのって
　　・海老のムースは、サラダ菜で巻いて蒸して
　　　山椒とほうれん草のソースと

12、サワラ　トレビス　松の実　レーズン

　　赤ワインソースと、オリーブソースで

13、奄美大島　子豚　菊芋　ビーツ
　
　　見事に薄ピンクに焼き上げられた子豚です。
　　喜瀬豚の戻し交配種とのこと。
　　純粋な喜瀬豚にする途上ですが、
　　素晴らしいテクスチュアと火入れです。
　　
　　菊芋のピュレとフリット
　　ビーツのピュレと

14、春菊　ミキ　グレープフルーツ

　　ミキとは、米のジュースを乳酸発酵させたもので、
　　奄美大島のもの。
　　春菊のソースの緑と、白のコントラストが美しい

15、ミカン　山椒　ダージリン

　　なんと、温かいミカンのラビオリ
　　ラビオリの生地に山椒を練りこみ、
　　ダージリンのスープに。
　　別皿に、ミカンのアイスと、
　　ドライミカン

16、ミニャルディーズ
　　・ホワイトチョコの球体の中に、
　　　ミックスジュース（大阪名物）
　　　表面には、「み」と書かれています。笑
　　・タルトタタンにりんごシナモンクリーム
　　・島バナナケーキ
　　・チョコクリームのシュー

17、サネン茶
　　　Shell Ginger との説明の
　　　ハーブティ
　　　ちなみに、珍しいハーブティ多数

自家製パン

お供は、

・ガス入りミネラルウォーター
・白ワイン
　Pouilly Fume 2017 Vielles Vignes
Regis Minet
・赤ワイン
　Chateau la Fleur Milon Pauillac 2001


新しい素材や、新たな考えでのマリアージュに

出会うのは、とても楽しいことです。

「タイユヴァン」「ムーリス」で修行をされた

とのことで、確固とした基礎に加え、

とても柔軟性のある構成で、

最初から最後まで楽しめました。

しかも、ミックスジュースの登場なんて、

ユーモアまであります。

コースの構成の中には、

シェフの奄美大島へのオマージュを随所に

感じました。


さらに、この日は、数十年ぶりの出会いもありました。

かつて青山に「トキオネーゼ　コジマ」というイタリアンがあり、

よくお邪魔していたのですが、なんと、そこにいらした

森田さんがこちらのマネージャーでした。

お元気に活躍していらっしゃり、懐かしい限り。

とても心温まる宵となりました。