何気なく、でもめちゃくちゃ美味しいお料理(^^♪　 : 米増

大阪は米増、
ながらくレビューはしてませんが
開店以来のお付き合いをずっとさせてもらっています。

今回は山菜も終盤のシーズンでしたが
まだまだ春満載で
非常に感激した料理もあり、
久しぶりのレビューです。
相変わらず写真は食材以外NG。

予約困難店でありながら
コース１万円後半から２万円でずっと頑張っています。
限られた原価の中で
和食のスキルを極めてらっしゃる。

大将の一品ごとに掛ける情熱が
非常に繊細な和食として、
とても丁寧なお仕事で出されます。

今回頂いたお料理です。

☀京都鷹峯のうすいえんどう豆の寒天。じゅんさいと共に。
　えんどう豆の春らしい風味をしっかり残して
食感滑らかに仕上げています。
秋田のじゅんさいも脇役ながら
塩水だけで味付けして
寒天を品よく塩分で引き立てます。

寒天は時々料理屋さんで頂きますが
　素材感を出そうとすれば
舌触りがざらついたり
滑らかさにこだわると
味わいが遠くなったり。

しかしこの日の寒天は違ってました。
口に含んだ瞬間に
えんどう豆の青みとコクが
身体を全身駆け巡ると言いますか、
えんどう豆の着ぐるみをすっぽり着たみたいな。
どんなんや(◎-◎;)

しかも寒天の舌触りは滑らか。
多分寒天を舌でレロレロしても
ツルッツルだと思う。
いえ、大将の目の前で
レロレロしなかったけどね(^_^;)

もしかすると
今までの人生最高の寒天かもしれません。
それくらい美味しかった(^.^)

☀淡路のアジのおし寿司、キュウリと大葉を挟んで。
寿司飯の味わいが甘すぎずとても淡白に。
ですのでアジの油の乗りが
押し寿司の形態をまとって
きちんと引き出されています。

☀お椀
かすごだいを椀種に、ゆずの花、インゲンも。
そしてそうめんを一緒に。
ユニークなことにそうめんは
短く切って束にして
お椀の中で乱れることがなく。
時々あるよね～
お椀の中でそうめん、泳ぐ泳ぐ。
最後はお椀じゃなくなって
そうめんとつゆになっちゃうやつ。
ズルズルってすすっちゃったりして。

出汁はとても抑制がきいて濃い味に走らず。
でも風味はしっかりと。
さすが米増さんという感じ。

☀あぶらめを炙って、大葉と花ほじそを散らせて。
皮はしっかり炙って、身はレアで
このバランスもやはりきっちりと。

☀とり貝を肝つきでたれ焼き。
肝はしっかり焼いて身はレアで。
とり貝の肝を頂けるなんて嬉しい。

☀アコウダイを３日ほど寝かせて、その後高温で油通しして。
新玉ねぎを添えています。

☀口直しに鹿児島の知覧町の冷たい新茶

☀福井の蕎麦粉を使って大将が手打ちで蕎麦。
いろんな山菜をかき揚げにして添えています。
久々に蕎麦を打たれたそうですが
完成度高い蕎麦でした。

☀毛ガニと冬瓜を熱々の小鍋で。
カニの甲羅で出汁をとってあり、
あんを絡めて生姜もきかせて。
蟹の出汁を飲み尽くしてしまいました。
あ～、幸せです。

☀生の実山椒と、ねまがりたけ(山菜の一種)をゴマ油で炒めて、
ふきのとうと梅肉の味噌あえ。
山菜の味とゴマ油がとても良く合って
春だなぁとしみじみと感じます。

☀白ご飯

☀メロンのアイスを三ツ矢サイダーで。
サクランボを添えています。

時々本湖月さんでも使われる 三ツ矢サイダーですが
メロンアイスの甘さと際立つメロンの香り、
そして三矢サイダーの独特な清涼感。
三位一体となって
もう何杯でもお代わりしたくなるぅ( ￣▽￣)

☀最後にふまんじゅうを笹の葉でくるんで。

おうすで締めます。

今回は特に熟練の職人技をとても感じられました。

大将はフツーな感じの人なんだけど
(失礼な！　ごめんなさい。)
和食を本当に極めてらっしゃる。

背筋が伸びる和食を頂きました。

また来ます。
来るなと言われる日まで(笑)

大阪の和食屋さん。開店してまだ1年半。
しかし現在（2018年5月）、食べログ大阪府で総合第四位。
来年1月まですべて満席。
相変わらず撮影はＯＫですが、ＳＮＳのアップはＮＧです。

土壁に白木のカウンターがキリッとした無駄のない配置。
その9席をお弟子さんなしで
ひたすら大将ひとりで作り、女将さんがサーブされている。
オープン以来、二人三脚のスタイルはまったく変わりません。

ただただ毎日忙しさに追われながらも
誠実で真摯な大将の仕事ぶり。
それを支える女将さんの一途な純真さ。
いつ伺っても、お二人の一挙手一投足に感動してしまいます。

そして今回。
随所に山菜を多用して
その個性をこういう風に生かして出されるのか、と
とても勉強させて頂きました。


この日、5月にもかかわらず最高気温29.8度。
まずは茶摘みの時期に摘まれた
冷たい新茶をだされて料理がスタートします。

☀じゅんさいとしろずいき、針しょうがを細かく刻んで
　　　淡い酸味がきいた優しいお出汁。
　　　優しいだけではなく、じゅんさいとずいきの淡泊さをきっちりと補う
　　　味の深さがあります。
　　　さすがは本湖月で鍛えられた職人芸。

☀かすごをしめて、酢飯にしたもち米に乗せて
　　　かすごにはゆずの花びらを乗せて見た目も華やかに、香りもポイントに、
　　　軽ーく酢飯にしたもち米、そしてかすごを柏の葉で包んで
　　　見た目はまるで柏餅そのもの。
　　　一本の松葉で柏を止めて
　　　横に引けばハラリと柏の葉が開いて料理が登場する美しさ。
　　　酢飯にしめたかすごも品よくて、さっぱりとして、
　　　暑さを忘れるかのようでした。

☀お椀。ホタテと新レンコン、青さ海苔のしんじょうを椀種に。
　　　しんじょうはレンコンの食感を残しながら
　　　赤こごみと青こごみをしんじょうに添えて。
　　　赤と青のこごみは食感が違い、
　　　それぞれの苦さが上品なかつおだしに味のアクセント。

☀お造り
　　　甘くて肉厚な愛知県のとり貝、由良のウニ、サッと炙ったアブラメ


☀ふきを穴子で巻いて八幡巻風に。

☀お皿に三品。
　　　剣先いかとこしあぶらを酢味噌であえて(こしあぶらの香りが酢味噌にとても合う)
　　　あぶらめのアラを煮こごりに。
　　　いたどりを焼いて。

☀口直しとして、辛い辛い辛み大根を乗せた冷たいお蕎麦(大将が自ら打った自家製)
　　　スダチをたっぷり搾ってさっぱりと。
　　　そばつゆは思わず飲んでしまう美味しさ。

☀徳島の肉厚なあわびを蒸して、見事に立派な太さのホワイトアスパラと共に。
　　　あわびもアスパラもこれでもか！と分厚く切って、
　　　あわびの肝をつけて頂きます。

☀卵とサクラエビとシイタケをゆばでくるんで
　　　しょうが風味のあんかけ、スナックエンドウを添えて
　　　あんかけも優しいお味

☀白ご飯
　　　ご飯のお供にはおジャコとやまぶきの佃煮と水なす

☀甘～いサクランボとデコポンのアイス

☀大将がついた自家製お餅を火鉢で焼いて。
　　　買ってくるものと違って
　　　自家製のお餅は焼けばとっても膨らむんだとか。
　　　あんこと木の芽味噌を包んで
　　　甘じょっぱさと木の芽の香り、お餅の香ばしさと相まってサイコー！

☀最後に抹茶を点てて頂いて終了。


料理は10皿、デザート2皿。
コースは15,000円(サ込税別)
サービス料を除けば13,636円の料理！

都会ではどこも繁盛店が値上がりする中で
これは驚愕のコストパフォーマンス！

この日の料理は
たくさんの山菜を縦横無尽に使い分け、
自ら蕎麦を打ち、そしてお餅まで自分でついて。
何から何まで手間を惜しまぬ努力の料理に
何度も唸ってしまいました。


まさに職人のかがみ☆

そして大阪の良心☆

なによりナニワの宝☆

いえいえニッポンの奇跡☆

ああ、誰か止めて～

大阪駅近くに昨年11月オープンしたばかりの和食屋さん。
カメラでの撮影はまったくOKなのですが、SNS投稿はご遠慮下さいとのこと。

本湖月を独立された3人目のお弟子さん。

本湖月で修業されたお店は必ず行くことにしていますが
電話応対の時からやや無理なお願いをさせて頂いたにも拘わらず
とても誠意ある対応をして頂き、ちょっと感激。

そして実際に訪問してみると
更なる律儀なおもてなしにもっと感激。
たまたま訪問したタイミングが他のお客様と時間がずれていたこともあり、
かなりゆっくりとお話しすることが出来て
情熱と誠意をひしひしと肌で感じて
すっかり通う気満々になっちゃいました(^.^)

2017年8月現在、食べログの大阪総合ランキングで堂々の第3位。
開店した直後、雑誌にいくつか掲載されたときは
反応は鈍かったのに、
食べログでイッキに上位に躍り出るや
すごい勢いで連日満員御礼になったそう。
しかもお弟子さんがまったくいらっしゃらず、
女将さんは飲食経験なしの方なので
（女将さんもとっても感じイイ人です）
毎日が追われる日々だそうで、
しかしその忙しさに立ち向かう気迫が感じられます。


さて肝心の料理、
食べログの評点は他の本湖月独立組とは一線を画し
グンと抜きんでていますが
私のこの日の印象からすれば
兄弟弟子の青木さんや宮本さんと
さほどのチカラの差を感じませんでした。
当然ながらどのお店の実力もレベルは高いです。

もちろん、その日の料理によって感想も違ってくるのでしょうけれど。

しかし、オープン数か月で大阪3位になってしまった現在。
今回お話ししてみて
ご本人は超真面目な方なので
この盛況ぶりにとても困惑されていて
人気を受け入れきれない様子がにじみ出ている。

毎日が精一杯で
今日のお客様の料理に追われ、
自分を見つめ直す間もなく明日が訪れ。
このままじゃいけないと思いつつ、また明日が終わり。

なんだか切ない気持ちになっちゃいました(*_*)

とにかくその誠実なお人柄、
応援したくてしようがない気持ちにさせるまっすぐな職人さんですが、
それだけにあえて言いたいですね。

皆様、もうちょっと静観してからお食事に行かれて下さい。
この点数の上がり方は気の毒です。

と言いつつ、次の予約は取りたいし。
予約しなけりゃ来れないし。
うかつに待てば今でも2ケ月先まで満席だし。
えーい、予約しちゃいます。

落ち着きたまえ、キミたち。

いや、落ち着くのは私だろ(>_<)

もー、どんなふうに応援したらいいのか。
痛しかゆしというか、二階から目薬というか、隔靴掻痒というか。

ああ、言葉に溺れてしまうほど応援は混乱（汗）