創作料理寄りなカジュアルフレンチ : リベルタス

日曜のランチでうかがいました。
コースはどちらにするか悩みましたがとりあえずお店の名前が冠されているリベルタスコースで。
お店のHPからネットで予約できるのでとてもラクですね。いいシステムです。

中崎町の駅からすぐのところにあります。
とてもカジュアルなお店です。
良く言えば気遅れしない、ラフなお店。
変に肩肘張らなくてもいいのでリラックスできました。
でも、フレンチのお店で「レストラン」と名打つにはちょっとなあ、と思うところもあり…
ソファの席にはブランケットが敷かれており、おさまりの悪い部分がびらびらと出ていて、これならソファそのままの方が良くないか？と思ったり。
ですがこれがお尻が寒くないようにという気遣いであることも分かりますしね…
バーカウンターの中にある棚が、まるで家の台所で使っているような棚だったり。
うーん、お酒を並べている表側の棚と同じような色のものにするだけで全然違うと思うんですけどね…
あとよく見ると壁紙がガタガタだったり、トイレの内側には扉を外したような跡があったり、色々と目につきます。
お店のハード面のみで言うならレストランではなくビストロだよなあと思いました。

が、やはり肝心なのはソフト面。お料理ですよね。

おいしい！
アントレはお魚。ブリのマリネということだったので、すっぱくて生っぽい感じを想像していたら、ちょうどいい感じに火が通っていて、酸っぱくもないとっても食べやすい味。
しかも蕎麦の実が散らしてあったんですがこれと併せて食べると香ばしさが加わってさらにおいしい！
フレンチというより創作和食に近い味でしたが、とてもおいしかったです。

お次はポタージュ。玉ねぎのポタージュスープでした。言うまでもなくたまねぎのポタージュでした。笑
そしてポワソン。
カリカリにフリットした細切りのイモ？小麦粉？（カダイフっていうんですかね？）にスズキが巻かれていて、まるで中華のような見た目。
このスズキの火の通り具合が抜群で、柔らかくも魚の身のふっくらとした優しい弾力に、アメリケーヌソースとかぶのソースがとても合う。
カリッカリのフリットと合わせて食べるとまた香ばしさと食感が出て、クセになります。もっと食べたい。
カトラリーがフィッシュナイフではなく完全にスプーンだったことが気になりましたが、魚のおいしさに負けてしまいました。

ヴィアンドは豚肉。こちらもマデラ酒のソースと相性抜群に焼かれていておいしかったですがやはりポワソンほどの「おいしい！」は出てこなかったですねえ…
ちなみにパンもふわりと柔らかく甘みがあって、おいしいのでたくさん食べてしまいました。
料理が出てくるのが遅かったからなのもありますが…本当にシェフおひとりで調理されているんだな、と思いました。待つのは覚悟して行ったほうが良さそうです。
ただ、せっかくおいしいパンを入れるお皿が、なぜあえてステンレスの無機質なまるで灰皿のようなお皿なのでしょうか…
他のお皿やカトラリーもそういう雰囲気なら、このお店のこだわりなんだなと思えますが、料理のお皿やプレイスマットを見ると、やはりこのパン皿だけが妙に安っぽく浮いています。
うーん、なんか使いにくいし、普通のお皿でいいのにな…

デセールはブランマンジェにふわりとしたイチゴのミルクアイス？シャーベット？のようなものがかかっていて、とてもおいしかったです。
甘すぎないブランマンジェに、角の立たない優しい口当たりのつめたいイチゴが口のなかで混ざり合って、優しいおいしさ。
ハーブティーと一緒においしくいただきました。
そして最後に湯飲みで日本茶が出てきて「あ、なんかこれ地味に嬉しいね」と言いながら温まりました。

三千円台というお安いコースながらも料理一つ一つは無駄のないおいしさで、特にお魚系は間違いないなと思いました。
やはりシェフが中華料理をご経験されているということで魚には強いのでしょうか。
味つけはフレンチ！という感じではなく、どちらかというとフレンチベースで和食や中華の要素が強く出た創作料理な感じがしました。
こてこてのフレンチが好きな人にはあれ？という感じだと思いますが、フレンチも和食も中華も大好きなのでなんだかお得な気分でした^^

お店そのものは、レストランと名乗るにはもうちょっと、と思う点がありましたが（ちなみにとてもこぢんまりとしていて隣の席も近いので会話はバンバン聞こえてきます…笑）、お料理は間違いないようですね。
ビストロ感覚でラフに食べられるレストランだと思えばいいかな。
ランチの一番安いコースだったので、次は夜のフルコースでその真髄を味わいたい、と思いました。